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新世代ネットワークへ向けた技術課題とアーキテクチャについて
94 新世代ネットワークへ向けた技術課題とアーキテクチャ について 勝山 恒男 野島 聡 中条 孝文 加藤 正文 富士通研究所 〒211-8588 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1 E-mail: {katsuyamatsuneo, nojima, chujo.takafumi, katou.masafumi}@jp.fujitsu.com あらまし 急速なトラヒック増加の中で、情報通信基盤への期待も、サービス化や知識経済化を支える多様性・柔軟性とサービス品 質保証の両立などに広がってきている。本稿では、まず、将来のネットワークが向かうべき方向について考察する。その上で、機能 要件ならびに機能配備の一案を示す。 キーワード 新世代ネットワーク、オーバレイネットワーク、仮想化、サービス品質、サービスプラットフォーム Technology issue and architecture for new generation networks Tsuneo KATSUYAMA Satoshi NOJIMA Takafumi CHUJO and Masafumi KATOU Fujitsu Laboratories 4-1-1 Kamikodanaka, Nakahara-ku, Kawasaki, 211-8588 Japan E-mail: {katsuyamatsuneo, nojima , chujo.takafumi, katou.masafumi}@jp.fujitsu.com Abstract Requirements for information networking become to spread over wide such as the service quality guarantee as well as diversity and flexibility for the services. This paper describes the service architecture to educe the hidden network value, after the discussion of the key capability such as information transfer and service integration and delivery. Keyword New generation networks, Overlay networks, network virtualization, Service quality, Service platform (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 背景 トラヒック急増 帯域、信頼性、安全性などで の多様な拡がり (ビデオから、センサ情報まで) 基本的な要件 安心・安全や安定性 環境問題 社会の変化に対応した基盤 所有から利用へ: データセンタへのサービス/リソースの 集約 月間トラヒック量の推移 (Cisco Systems, 2008)(1) 知識経済化 2 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 94 95 将来 のネットワークの役割 将来のネットワークの役割 メインフレーム/交換網の時代 一枚岩 (サービス+インフラ) アプリケーション 認証・課金 E-E connectivity 電話機 ダム端 インターネットの時代 サービス (on DC) アプリケーション 認証・課金 システム(メインフレームや交換網) の中にインフラとサービスは一 体となって一枚岩として提供さ れていた。そのため、効率が 高く、信頼性も保証されていた。 インターネット E-E connectivity インテリジェント 端末(PC等) インテリジェント 端末(携帯等) 自由にサービスが提供でき、 サービス市場は活性化された。 ただし、多様な小規模サービ スでは、開発負担が大きいな どの欠点もある。 新世代 サービスに合わせ て転送情報を加 工することも含め、 サービス処理の一 部を実行する機 能性のあるネット ワークおよびサービス 提供のための共 通機能 方向a: 分散指向 サービス+管理 サービス+管理 IaaS/PaaS アプリケーション 認証・課金 新世代ネット E-E connectivity PC センサ 安心安全、QoS 等の基本要件を きちんと満たす ネットワーク 携帯+ *機能配備分類は 文献(2)を参考 方向b: 基盤回帰 サービス サービス アプリケーション、認証・課金 新世代ネット 認証・課金 Connectivity (サービス基盤+高機能ネット) PC センサ 携帯+ サービス基盤 はSDP相当 の機能を 包含 ⇒ 迅速で経済的なサービス開発/提供のためには、方向bが求められる。 3 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 満たすべき要件 今後の社会の情報流通/活用の基盤となるネットワーク 1. ネットワークおよびエンドシステム(端末等)を活用したアプリケー ションを、小規模から大規模まで、経済的に提供しうること サービサにとって活用しやすいネットワーク (技術、経済性) サービサに価値を引き出して貰えるネットワーク 2. インターネット技術 (Best effort、E-Eアーキテクチャ)を活かしつ つも、技術革新を連続性をもって行えること 多様なトラヒックの効率収容 安全性、品質保証の担保 環境問題に向けた技術の簡素化とサービス高度化の両立 4 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 95 96 必要となる機能 ネットワークのサービス化のためには、データおよび制御基盤の機能が重要となる。 サービス利用 制御基盤: 複数サービスの 実行を司る。 •マルチユーザ、マルチ テナントをサポートする ための多重処理を 制御する。 •ネットワークの詳細 動作を、隠蔽する。 •小規模から大規模 までを経済的に実現 するための構成管理 を行う。 •このために、共通機能 をサービス部品として 用意し、これらを複数 サービスで共通利用 可能とする。 ・・・・・ サービス利用 サービスインタフェース: ネットワークサービスを提供する。 •ネットワークサービスとしての提供機能をインタフェースする。 •運用管理を行い、品質・障害状況等の監視分析や制御結果を提示する。(サービス保証) サービス化 データ: サービスリソースの論理情報を蓄積する。 •ネットワーク接続される端末やサーバ等の状態や検知情報を一時的に蓄積する。 •エンドシステムへの配信情報を一時的に蓄積管理する。 •情報収集や配信時に、必要に応じて、フィルタリングや送達制限を行う。 サービスの 高度化 抽象化: エンドシステムならびにその上で動作するアプリを抽象的に扱えるようにする。 •異なる機器や通信条件を論理的に一本化し、扱いやすくする。 •異なるユーザ/接続関係を、各サービスが一元管理可能なように、グルーピングする。 エンドシステムの 扱い易さ ネットワーク収容: エンドシステムをネットワークに物理収容する。 •端末やサーバ等のプロトコル処理を行い、収容する。また、通信を監視計測する。 •通信パス制御を行う。モバイル等の転送特性に合わせた処理を行う。 •収容にあたって、認証等のセキュリティ処理を行う。また、アプリケーションソフトの量的・ 質的に異常なアクセスを検知し、防御する。(オープン保証) ネット/端末の 安定収容 サービス・リソース: エンドシステム(端末/センサ/サーバ/データセンタ等)、アプリケーション、コンテンツ 5 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 機能配備の条件 サービスプラットフォーム 多種のエンドシステム(端末/センサ/サーバ等)と多種ア プリとが、n:m の関係で自在に組合せうること。 ネットワークの機能性具備 情報伝達: 伝達過程におけるフィルタリングや、イベント検知 構成変更: サービス条件に応じた動的な接続変更等 多様なトラヒックを効率良く転送する最適性 基本要件である省電力化や品質保証、安心安全 の保証 6 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 96 97 アーキテクチャ ((コンセプトモデル) コンセプトモデル) ・・・・・ サービス利用 サービス利用 サービス サービスインタフェース 情報2次格納 サービス 監視 (サービスモニタ/ 品質監視) サービスリソース情報の格納 (プロファイル/プレファレンス/プレゼンス情報、センサ情報等) 関係管理 イベント検知 関係情報 (エンドシステム間、エンドシステム-アプリ間等) 終端・論理化 監視計測 オーバレイネットワーク 近傍ネットワーク (センサネット、アドホックネット等) サービス・リソース アプリケーション ソフト 7 コンテンツ (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 まとめ サービス開発提供に関する機能のプラットフォーム化や、 ネットワークの経済化・スケーラビリティ確保のためには、 機能の分散配置を考える必要がある。 トラヒック多様化に応え、かつ、上記分散配備を支えるト ラヒック転送技術と処理技術の融合が重要となる。 【参考文献】 1. http://www.cisco.com/en/US/solutions/collateral/ns341/ns525/ns537/ns705/ns827/ white_paper_c11-481374_ns827_Networking_Solutions_White_Paper.html 2. 中川 郁夫: Yet Another NGN, MPLS Japan 2007 (Oct. 2007) 8 (c) Fujitsu Laboratories Ltd. 2009 97