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まさかの落とし穴!研究!ボリューム 調整とディジタル音源
見本 PDF 第 10 章 微細な音粒を取りこぼさず スピーカに届ける まさかの落とし穴! 研究! ボリューム 調整とディジタル音源データのロス 岡村 喜博 パソコンは様々な場所でボリューム調節ができますが,どれも同じというわ けではありません.Windows 内部でどのようにボリューム調節が扱われている かを知ることで,音質への影響を最小限に抑えたボリューム調節をしましょう. 再生ソフトウェアの ボリューム・スライダ たくさんあって 超ややこしい! Windows の ボリューム・スライダ キーボードの 音量ボタン アナログ・ ボリューム USB DAC の 音量ボタン 六つも あるのかよぉ ハードウェアのボリューム 図 1 ディジタル・オーディオの音量は,こんなにたくさん! ちゃんと使わないとノイズやひずみ発生の原因に… ボリュームを調整するとき,オーディオ信号へ の影響など考えることは少ないでしょう.しかし, ハイレゾ音源再生には重要な意味を持ちます.図 1 に示すように,Windows パソコンからスピーカに オーディオ信号が届けられるまでの間に,音量を 調節する個所 (スライダ)がたくさんあります. どれも似かよったスライダで表示されています が,ソフトウェアのボリューム・コントロールを操 作していることもあれば,ハードウェアのボリュ ーム・コントロールを操作していることもありま す.その中には,ハイレゾ音源のデータを台無し にしてしまう信号処理が含まれる場合もあります. 本章では,USB D−A コンバータ PCM2707C(テ キ サ ス・ イ ン ス ツ ル メ ン ツ, 以 下 TI 社 )を 例 に Windows のボリューム調整のしくみを研究します. PCM2707C は,定番の USB D−A コンバータ PCM 102 2704C シリーズの一つです.機能に少し違いがあ りますが,基本的な動作は共通です. ソフトウェア・ボリュームは 分解能をスポイルする ● ソフトウェア・ボリュームは信号劣化の要因になる Windows のバージョンや,目的が録音か再生かに よってもボリュームの実装方法に違いがあります. 再生時のソフトウェアでのボリューム・コントロー ルは,アッテネータとして実装されています. アプリケーションからオーディオ API に渡された オーディオ・データ (通常は PCM データ)は,ソフト ウェアでのボリューム・コントロールによってレベル が調整されてからハードウェアに渡されます.PCM データがボリューム・コントローラを経由するという ことは,USB D−A コンバータに入力される前に振幅 第 10 章 まさかの落とし穴! 研究! ボリューム調整とディジタル音源データのロス