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第3章 東大和市の環境の現況と推進施策 (変更後) [2403KB pdfファイル]

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第3章 東大和市の環境の現況と推進施策 (変更後) [2403KB pdfファイル]
第3章
3.1
3.1.1
東大和市の環境の現況と推進施策
水や緑を保全・活用し、自然を大切にするまちの施策
狭山丘陵の公有地化の推進と適正管理
◎現状と課題
狭山丘陵は東京都と埼玉県にまたがる東西 11 キロメートル、南北 4 キロメートルの緑の丘陵で
す。その丘陵に、東京都の水がめである多摩湖や狭山湖が造られており、水源林として、また都
立自然公園や東大和市立狭山緑地として雑木林が残され、狭山丘陵特有の植生が芽生えています。
当市の市域内には、東から都立狭山公園、都立東大和公園、市立狭山緑地、東大和芋窪緑地と
いった 4 つの公園・緑地があり、それぞれ都や市によって管理されています。
都立狭山公園は、昭和 12 年(1937 年)に東京都によって開園され、桜の名所として都民に親
しまれています。都立東大和公園は、東京で最初の丘陵地公園として昭和 54 年(1979 年)に開
園され、ゾーンごとの利用方針に基づき整備及び管理が行われています。市立狭山緑地は、市が
土地所有者から雑木林を借用して散策路を整備し、昭和 60 年(1985 年)に開園しました。これ
ら 3 つの公園は、狭山丘陵の骨格を形成しており、市のシンボルである狭山丘陵の保全のため、
この緑を将来にわたって適切に保全していくことが行政及び市民の責務ともいえます。
市立狭山緑地については、市は開園当初から公有地化を進めています。現在、昭和 60 年の事業
採択時の 14.6ha のうち約 56%にあたる 8.1ha を取得し、借地部分を含めて約 95%が供用されて
います。今後も継続して公有地化を進める必要があります。
また、当市域の狭山丘陵の大部分は、水道局用地であるとともに市街化調整区域にあるため、
開発が制限されていますが、その周辺の市街地に連続する市街化区域内の民有地の樹林について
は、相続が発生した場合には宅地化される傾向にあります。都市計画緑地に決定するだけでは開
発を抑えることはできない状況にありますので、保全の方策の検討が必要です。
資料)東大和市都市計画図から加工
図 3.1.1
狭山丘陵
13
当該年度買収面積(ha)
進捗率(%)
0.40
14.6ha
100
H16
90
0.35
80
4,500
4,000
3,500
0.25
累計面積 8.1ha
7.6ha
60
0.20
7.8ha
50
40
0.15
30
20
2,500
2,000
1,000
10
0.00
3,000
1,500
0.10
0.05
利用者数
70
進捗率(%)
当該年度買収面積(ha)
0.30
9.35ha
H17
5,000
500
0
0
4
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
月
資料)行政報告書及び狭山緑地買収事業
再評価チェックリストから作成
図 3.1.2
狭山緑地買収事業
資料)行政報告書
図 3.1.3
狭山緑地の利用状況
◎施策の方向
公有地化による土地の確保と合わせ、狭山丘陵が樹林地としての機能を持続していくためには、
適正に管理される必要があります。市と連携して管理する環境団体との協力体制の推進や雑木林
での作業体験を環境学習の場として位置付け、さらに狭山丘陵が産み出す落ち葉やせん定枝など
を有機資源として利活用を検討するなど、狭山丘陵の適正な管理に努めていきます。
◎施策の体系
狭山丘陵の公有地化の推進と適正管理については、以下のような施策を実施します。
狭山丘陵の公有地化の推進と適
正管理
公有地化等による狭山丘陵の保全
狭山緑地の公有地化の推進
民有地の樹林保全のための取り組み
狭山緑地の適正な維持管理、活用の推進
地域等との連携による維持管理の推進
環境資源としての活用の推進
14
◎目標達成のための施策
☆公有地化等による狭山丘陵の保全
狭山丘陵が有する重要な機能を保ち続けるため、公有地化を継続的に推進します。また、丘陵
内の民有地の樹林についても保全の協力を求め、丘陵全体の保全に努めます。
○狭山緑地の公有地化の推進
狭山緑地の用地買収を計画的に進め、狭山丘陵の安定的な保全に取り組みます。
○民有地の樹林保全のための取り組み
狭山丘陵内に存在する民有地の樹林についても、まとまった緑としての機能を損なうことがな
いよう、所有者に協力を呼びかけます。
☆狭山緑地の適正な維持管理、活用の推進
狭山丘陵が有する機能を維持していくために、計画的な萌芽更新や下草刈りなど適正な維持管
理を実施します。また、自然を大切にしながら、狭山丘陵が生み出す資源、環境学習の場や機会
など、当市特有の環境資源としての積極的な活用を図っていきます。
○地域等との連携による維持管理の推進
狭山緑地のあり方、維持管理体制や制度等に関して地域や環境団体等と市がともに検討するな
ど、地域等との連携による維持管理の充実を図っていきます。
○環境資源としての活用の推進
自然保護と併せ、落ち葉やせん定枝などのバイオマス資源の利活用、維持管理と併せた林業体
験、生物観察会の実施など、当市特有の環境資源としての活用を推進していきます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○狭山緑地 8.1ha を公有地化(累積)
平成 23 年度の目標(5 年後)
○狭山緑地 9.35ha を公有地化(当該買収面積の 3 か年平均 0.25ha ずつ取得すると仮定)
○狭山緑地の適正な維持管理の実施
平成 28 年度の目標(10 年後)
○事業認可面積 14.6ha を公有地化(立川都市計画緑地第 9 号東大和緑地の事業完了見込より)
○狭山緑地の適正な維持管理の継続実施
将来の目標
○狭山丘陵の多面的機能の保持
○狭山丘陵における公有地の拡大
15
都立東大和公園
市立狭山緑地
16
3.1.2
緑と水辺の整備を進め、自然の生態系の保全・回復に努める
◎現状と課題
市域の約 25%を占める多摩湖と周辺の緑が織り成す四季折々の風景は、当市のシンボルであり、
自然の生態系や都市の景観から、かけがえのない財産となっています。
都市における自然の生態系を保全するためには、まとまりのある緑を連続した形で保全するこ
とが大切です。狭山丘陵の公有地化、緑地指定の拡大や樹林の適正な管理のほか、学校、大きな
公園、農地等の緑の拠点整備と、それらを結びつける街路樹や民有地内の緑化などネットワーク
づくりが重要となっています。
当市の一人当たりの都市計画公園や緑地等の面積は、平成 18 年 4 月 1 日現在で 15.0m2 であり、
東京都の平均(平成 17 年 4 月 1 日現在で 14.0m2)を上回っていますが、引き続き、規模によって
異なる市街地公園の役割を踏まえ、地域ごとに必要とされる公園緑地を市民ニーズに沿って計画
的・体系的に配置し、生態系及び景観形成を視野に入れた狭山丘陵を核とする緑のネットワーク
の整備が必要となります。
けやき通り
当市の水辺のシンボルは、狭山丘陵内の多摩湖、市の中央部を流れる空堀川をはじめとする 4
河川と、市の南端を流れる野火止用水が挙げられます。
東大和市民の誇りとして親しまれている多摩湖(正式名称:村山貯水池)は、新東京百景の一
つに数えられています。新緑、紅葉、雪景色など、四季を通じて楽しめますが、周囲に約 4 万本
の桜の木があり、開花の時期には周辺市からも多くの見物客が訪れます。また、多摩湖上えん堤
の北には、サイクリングロードのための多摩湖橋がかかっています。ここからは多摩湖を一望で
きます。
多摩湖周辺の樹林は、多摩湖の水質確保を目的に、水源として約 700 ヘクタールにも及ぶ範囲
を東京都水道局が管理しています。
17
多摩湖が造られたとき、そこにあった 7 つの集落から、161 戸の家々と、3 つの寺院、3 つの神
社が移転を余儀なくされました。現在行われている盛立工事(堤体を強化するために堤体の下流側
に土を盛る工事)は、堤体の耐震強化のために重要な工事であり、堤体のすぐ傍まで市街化が進
んでいる事などから、都民の安全を第一に考えて工事が進められています。また、都では、工事
の重要性を多くの人々に理解してもらうよう、インフォメーションセンターを開設し、見晴台を
開放しています。
村山下貯水池(通称多摩湖)
市内を流れる 4 河川のうち、空堀川は武蔵村山市野山北公園にその源を発し、東大和市及び東
村山市を通り、清瀬市内の小金井街道清瀬橋付近で柳瀬川に合流します。奈良橋川は、武蔵村山
市内のため池の用水を源として、青梅街道沿いに東大和市内を東流し、高木三丁目の高木橋付近
で空堀川に合流します。空堀川、奈良橋川はいずれも一級河川で東京都の管轄であり、局地的豪
雨が発生する場合の浸水被害を防ぐために、下流から順次河川改修が行われています。市は、約
三十年前から、流域 4 市と空堀川のあり方について議論してきており、親水型の河川整備を都に
要望してきました。最近実施された河川整備の中には、治水面の安全性は確保しながらも、生物
の生息・生育環境や景観にも配慮が実感されるものがあります。
そして、市の南端を流れる野火止用水は、一時は水事情の悪化等に伴い、玉川上水からの分水
が中止され、流れが途絶えていたこともありました。ところが、その復活を求める声の高まりに
より、昭和 49 年(1974 年)に東京都歴史環境保全地域に指定され、昭和 59 年(1984 年)に清流
が復活しました。現在、多摩川上流水再生センター(昭島市)からの下水処理水が約 9km 離れた
調整槽までポンプ圧送され、そこから野火止用水に分水されています。野火止緑地の木々の緑と、
水の流れとがあいまって、静かなくつろぎの場となっています。
当市には、多摩湖、空堀川等の河川のほかに重要な水辺として、湧水があります。湧水は、地
下水が地中から地表、湖沼、海などに自然に流れ出る現象のことをいいます。湧水は、それ自体
がかけがえのない自然であるとともに、周辺の自然環境とあいまって人々にうるおいとやすらぎ
を与え、身近な生き物にふれあえる場として、都市においては貴重な憩いの場として、改めて認
識されてきています。市内では、湧水量は尐ないながら 11 か所(芋窪、蔵敷、奈良橋、湖畔、狭
18
山、清水)で確認されており(平成 16 年 3 月現在)、その中で湖畔第二緑地と二ツ池公園は東京
の名湧水(57 選)に選ばれています。
資料)「東京の湧水~東京の湧水マップ(平成 15 年度調査)~」東京都自然環境局
しかし、都内では開発行為などの土地の改変による地下水位の低下が原因となり、湧水の枯渇・
消失している地域が多く、東大和市内の湧水も消失の危機に直面しているといえます。そして、
湧水地点の多くが個人などの所有地となっており、今後開発により土地の改変が進行する可能性
が心配されます。また、湧水量の減尐や水質の悪化も懸念されています。
そのため、湧水周辺の保全とあわせて、樹林や農地、市街地の緑の保全、雨水浸透施設の設置
事業の推進は、湧水保全対策としても必要なことです。さらに、市民に対し、湧水保全の大切さ、
雨水浸透の有効性について理解してもらうことも重要です。
二ツ池公園
湖畔第二緑地
また、狭山丘陵には多種多様な動植物が生息しており、その減尐が危惧されることから、都が
保護上重要な野生動植物種として指定、保護に努めている種も数多くあります。特に、市内に営
巣、飛来し、観察できる野鳥の種類は多く、これらの保護が望まれます。
19
表 3.1.1 東京都の保護上重要な野生生物(東京都北多摩部)
A ランク(絶滅の危機に瀕している種/環境省版レッドデータブックの「絶滅危惧種」に相当する種)
○鳥類
ミゾゴイ
コサメビタキ
ハチクマ
サンコウチョウ
ヤマドリ
ブッポウソウ
チゴモズ
キトンボ
オオキトンボ
コツバメ
シラホシハナムグリ
○昆虫類
グンバイトンボ
B ランク(絶滅の危機が増大している種/環境省版レッドデータブックの「危急種」に相当する種)
○鳥類
ヨシゴイ
チョウゲンボウ
ヤマシギ
アカショウビン
ミサゴ
ウズラ
コアジサシ
サンショウクイ
オオタカ
キジ
ホトトギス
アカモズ
チュウヒ
ヒクイナ
フクロウ
ゴジュウカラ
ハヤブサ
タマシギ
ヨタカ
トカゲ
シマヘビ
ジムグリ
シロマダラ
ムカシヤンマ
サラサヤンマ
キンヒバリ
ハルゼミ
コカブトムシ
ヤマトタマムシ
ミドリカミキリ
ミヤマサナエ
ミルンヤンマ
マツムシ
ホソハンミョウ
ハナムグリ
ゲンジボタル
アカジマトラカミキリ
○爬虫類
イシガメ
ヒバカリ
○両生類
トウキョウサンショウウオ
イモリ
○昆虫類
モートンイトトンボ
ヤマサナエ
カトリヤンマ
カヤキリ
アカガネアオゴミムシ
ヒメトラハナムグリ
ヘイケボタル
ヒゲナガカミキリ
アオモンイトトンボ
セスジイトトンボ
ダビドサナエ
オナガサナエ
リスアカネ
カワラスズ
カワラバッタ
セグロバッタ
マダラキノコゴミムシ ヒゲブトハナムグリ
オオキイロコガネ
ヒゲコガネ
ニセノコギリカミキリ ルリカミキリ
アカアシオオアオカミキリ
トウキョウサンショウウオの卵
オオタカ
市では、室内及びせせらぎにおいて、ホタルの野火止用水への定着を目指し、増殖・飼育を行
っています。そのために、ホタルの幼虫のえさとなるカワニナやモノアラガイ等の貝類の増殖を
図るとともに、川岸に土盛りや植栽を施し、ホタルのすみやすい環境づくりに努めています。
20
ホタルの確認数は年々減ってきていますが、その原因としては、川底のヘドロの堆積や水温の
上昇が影響していると考えられます。
一方、アライグマなどの移入動物の問題も表面化しています。ペットとして飼われていたもの
が野生化したものと思われます。主な被害は、畑への農業被害ですが、狂犬病や回虫の媒介とも
なりえます。人がアライグマ回虫に冒されると視覚障害を起こして死に至ることもあります。
このため、国では 2004 年 6 月に「外来生物法」
(特定外来生物による生態系等に係る被害の防
止に関する法律)を公布、2005 年 6 月から施行し、特定の外来生物の飼養、栽培、保管、運搬、
譲渡、輸入を原則禁止しています。アライグマのほか、マングース、カミツキガメなども特定外
来生物種に指定されています。
用語解説
○移入動物・・・ある生物が、本来生息していなかった地域へ、人間を介して意図的・非意図的に持ち込まれて
野生化し、自然繁殖するに至った一群の動物のこと。これらは、農業被害など人間生活への直
接的な被害のほか、さまざまな問題を引き起こしている。
また、都市環境における動物の存在も人間の生活や健康に影響を与える場合があります。
ビルやマンションのベランダ、建物の隙間などに営巣するドバトは繁殖力が旺盛で生態系を乱
すほか、鳴き声やフンによる被害、更には伝染病を媒介することもあります。こうしたことから、
市ではエサやりをしないよう呼びかけをしています。
都立東大和南公園
21
野火止用水
ヘイケボタル
ゲンジボタル
300
260
延べ確認数(匹)
250
200
180
150
100
72
50
8
6
3
0
H15
H16
H17
資料)環境課調べ
図 3.1.4 野火止用水とホタルの確認状況
◎施策の方向
豊かな緑と水は、生物の生息に欠かせないものです。市では、これらを維持していくために、
狭山丘陵の緑地及び市街地の大規模な公園を生態系維持のための「緑の拠点」として位置づける
とともに、拠点間の連続性を確保するため、道路の植樹帯や河川等の緑地の保全に努めます。
また、生物の生息環境を創出するため、野火止用水等におけるホタルの里づくりの継続や、ビ
オトープの整備、狭山丘陵周辺部における湧水の保全に努めます。
更に、都市化によって損なわれた健全な水循環機能の再生を図るため、樹林や農地、市街地の
緑を保全するとともに、市街地における雨水の地下浸透策に努めます。
22
◎施策の体系
緑と水辺の整備を進め、動植物の生態系の保全・回復の推進については、以下のような施策を
実施していきます。
緑と水辺の整備を進め、自然の生
態系の保全・回復に努める
緑の拠点(大きな緑の塊)の形成・保全
公園・街路樹の整備・管理
公園、街路樹の管理、整備
緑を保全・創出するための制度の活用
市街地の緑化推進・維持管理
、維持管理
水辺の緑の保全と整備
生物がすみやすい河川等の整備
の検討
水辺空間の適正管理体制の検討
生物多様性の保全・創出
野生生物・希尐生物等の生息状況の把握
野生生物、
ホタルに代表される生物の生息環境の創出
◎ 目標達成のための施策
☆緑の拠点(大きな緑の塊)の形成・保全
良好な生物生息環境を保全し、生態系を維持していくために、大きな公園や学校などの緑の塊
を「緑の拠点」として位置付けます。緑の拠点とともに、街路樹や植え込み、花壇など周辺の緑
についても整備を進め、大きな緑の塊の形成・保全に努めます。
○公園、街路樹の管理、整備
ポケットパークや小規模公園も含めた市内全域にある公園、街路樹を整備し、樹木せん定・清
掃除草等の管理を行います。
○緑を保全・創出するための制度の活用
緑の保全について「都市計画法」に基づく地区計画や「都市緑地法」に基づく緑地協定等の保
全手法の活用について検討していきます。
23
○市街地の緑化推進、維持管理
宅地開発に伴う緑化指導などを継続実施します。また、既設の住宅や工場・事業場に対しては、
市報やホームページなどで緑化推進の指導・啓発に努めるとともに、緑化についての情報提供を
行います。また、緑化の際には地域の歴史や自然に配慮するよう誘導していきます。なお、市が
整備する公共施設についても、積極的に緑化を進めるとともに、都や他の機関が整備するものに
ついても、十分な緑化を図るよう求めていきます。
☆水辺の緑の保全と整備
空堀川を始めとする市内河川の水辺について、生態系に配慮した整備を進めるよう関係機関に
要請していきます。また、狭山緑地周辺の湧水について調査を継続し、保全していきます。
○生物がすみやすい河川等の整備
空堀川、奈良橋川等の河川については、河床や護岸に自然の力を活かす環境に配慮した多自然
型・近自然型工法を取り入れるなど、生物がすみやすい多自然型の整備を東京都へ要請していき
ます。
○水辺空間の適正管理の検討
公園及び水辺空間の管理にあたっては、自治会や環境団体との連携を図り、管理体制の充実に
努めます。また、東京都との連携を図り、湧水量や水質の調査を実施し、湧水地点及び周辺環境
の保全を図ります。
☆生物多様性の保全・創出
生物多様性を保全するため、生息の実態を把握して、生息空間の保全・創出や動植物の保護を
進める一方、公園や学校におけるビオトープづくりを検討します。
○野生生物、希尐生物等の生息状況の把握
野鳥については、市立狭山緑地内の生息状況を調べるために、毎月 3 回早朝に鳥の数と種類を
調べて、毎年報告書を発行しています。これからも主な公園・緑地における調査を継続するとと
もに、野鳥以外にも昆虫や植物などの「生きもの」に対象範囲を広げ、自然保護団体の協力を得
るなどしてデータを集積し、まとめていきます。
○ホタルに代表される生物の生息環境の創出
野火止用水においてホタルが生息できる環境づくりや、ビオトープの拡大を検討します。
24
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○都市計画公園等の一人当たり面積
15.0m2(H17 年 4 月 1 日)
平成 23 年度の目標(5 年後)
○都市計画公園等の一人当たり面積
18.57m2(H22 目標。緑の基本計画より)
○生物調査の実施
○ホタルの生息数の増加
○ビオトープの増加
平成 28 年度の目標(10 年後)
○都市計画公園等の一人当たり面積
18.67m2(H30 目標 18.75m2 より按分。緑の基本計画より)
○上記施策の継続実施
将来の目標
○生態系の保全・回復、自然配慮型整備、人と自然の共生
○誰もが安全で快適に散策できる空間づくり(公園、河川等)
カタクリ
ゴイシシジミ
コラム
○ 新・秋の七草
1973 年(昭和 48 年)秋の「市民文化祭」で、新・秋の七草が選ばれました。これは古典的な秋の七草が当市内
からその姿を消しつつあるので、現代にふさわしい七草を選ぼうと企画されたものです。
東大和市写真連盟の会員 5 人の方々にそれぞれ「自分が選ぶとしたら―」という見方で 7 点ずつ野の花の写真
を撮ってもらい、会場に展示し、市民の投票で上位から 7 点を選んだのが、新・秋の七草です。
ツユクサ、ヤマホトトギス、フタバハギ、センニンソウ、アキノキリンソウ、ヒガンバナ、ハギがそれです。
25
3.2 ごみを減らし、資源・エネルギーを有効利用するまちの施策
3.2.1 3R(リデュース、リユース、リサイクル)のより一層の推進
◎現状と課題
当市におけるごみ、資源のフロー及び資源化量(平成 17 年度実績)は図 3.2.1 のようになっ
ています。小平・村山・大和衛生組合で可燃ごみ及び不燃ごみのうち焼却可能分を焼却し、焼却
灰は東京たま広域資源循環組合でエコセメントとして再利用が図られています。
小平・村山・大和衛生組合
東京たま広域
資源循環組合
焼却灰
15,134t
可燃ごみ
可燃ごみ
(自己搬入)
2,552t
焼却処理施設
(処理能力360t/日)
2,134t
3,613t
最終処分場
破砕可燃ごみ
破砕不燃ごみ
3,713t
不燃ごみ
不燃ごみ
(自己搬入)
115t
不燃物粗大ごみ
破砕処理施設
(処理能力75t/日)
98t
資源物
889t
251t
348t
粗大ごみ
粗大ゴミ
(自己搬入)
ストックヤード
にて選別
市民
3t
127t
94t
公共収集資源
(ステーション収集)
有害ごみ
(紙・布)
4,782t
(缶・びん・ペットボトル・容器包装プラスチック)
資源回収業者
(リサイクル業者)
24t
リサイクル施設
(缶・ペットボトル)
拠点回収資源
(牛乳パック)
(白色トレー)
集団回収資源
818t
※ 容器包装プラスチックについては、現在モデル地域のみで分別収集している。
※ 公共収集資源(ステーション収集)の4,782tには、拠点回収資源の量も含まれている。
資料)ごみ対策課資料
図 3.2.1
当市のごみフロー(平成 17 年度)
26
東大和市のごみ量は、平成 8 年度から 10 年度まで減尐していましたが、その後は僅かずつなが
ら増加傾向が続いています。資源ごみについては、平成 10 年度から 16 年度まであまり変動があ
りませんでしたが、平成 17 年度は紙類の急増などにより増加しています。
一人当たりの排出量(ごみ、資源の合計)は、平成 11 年度の 857g/人/日を底として大きく変
動しており、平成 17 年度は過去最高の 919g/人/日となっています。
可燃ごみ
資源ごみ
不燃ごみ
粗大ごみ
有害ごみ
収集量(t)
30,000
25,000
15 17
287
349
3,685
3,180
20,000
1,593
34
368
3,304
36
303
3,505
32
290
3,605
29
373
3,790
30
377
3,829
24
378
3,811
4,083
4,230
4,194
4,104
4,013
4,782
21
382
3,133
36
317
3,070
4,059
3,906
16,941
15,728
15,887
16,686
17,115
17,067
17,532
17,557
17,268
9
10
11
12
13
14
15
16
17
3,117
15,000
10,000
18,536
5,000
0
平成 8
年度
資料)「東大和市のごみ量及びリサイクル資源等の推移」ごみ対策課
図 3.2.2
びん
缶
東大和市のごみ量、資源量
紙・布・紙パック
ペットボトル・白色トレイ
容器包装プラスチック
5,000
4,500
4,000
167
143
28
217
10
202
66
246
47
223
66
226
251
65
収集量(t)
3,500
76
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
2,709
2,924
2,980
2,906
2,813
2,743
327
276
216
279
324
308
285
277
595
725
742
723
718
687
685
666
640
9
10
11
12
13
14
15
16
17
2,133
21
991
304
500
0
3,455
2,853
194
380
平成 8
年度
資料)「東大和市のごみ量及びリサイクル資源等の推移」ごみ対策課
図 3.2.3
東大和市の資源の内訳
27
市民一人一日あたりの排出量原単位(g/人/日)
940
919
920
909
906
900
891
900
890
891
887
872
880
857
860
840
全国平均 1114g(平成11年度)
23区平均 1284g(平成13年度)
多摩地域平均 937g(平成13年度)
820
800
平成 8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
年度
資料)「東大和市のごみ量及びリサイクル資源等の推移」ごみ対策課
図 3.2.4
東大和市の一人あたり排出量原単位
ごみに関する取り組みの中に、せん定枝資源化事業があります。これは、農家から発生するせ
ん定枝をチップ化し、土壌改良材として農家へ還元するものです。桜が丘にある東大和市リサイ
クル施設(処理能力 1.5t/日、約 245t/年。)では、平成 17 年 3 月の施設稼動以来、①一次破砕
機、②二次粉砕機、③三次粉砕機と 3 工程を経てせん定枝がチップ化されています。現在のとこ
ろ、公園などの公共施設からのせん定枝受入量が 82%を占めています。チップの安定的供給のた
めのストックヤードも既に完成しており、今後は資源化量増加のため、一般家庭からの受入れも
農家からの受入量
18%
平成17年度
受入量
約95t
公共施設からの
82% 受入量
農家からのせん定枝受入量(kg)
検討します。
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
月
資料)ごみ対策課調べ
図 3.2.5
せん定枝受入量内訳と農家からのせん定枝受入量の季節的変動(平成 17 年度)
東大和市リサイクル施設
28
◎施策の方向
循環型社会を実現していくため、ごみの発生排出抑制を基本とした 3R(リデュース、リユース、
リサイクル)を推進していきます。また、市民・事業者・行政等の各主体が一体となってごみ減
量の施策を進めていきます。
リデュース、リユースを推進するには、市民や事業者の行動変革が必要になります。市では、
マイバッグ利用の推進や生活用品交換情報システムの充実などにより、発生抑制や再利用促進の
啓発や仕組みづくりを進めていきます。
缶、びん、紙、生ごみ、せん定枝などのリサイクルについても、それぞれのリサイクルを推進
するためのしくみづくりを行っていきます。
◎施策の体系
3R(リデュース、リユース、リサイクル)をより一層推進するために、以下のような施策を実
施していきます。
3R(リデュース、リユース、リサイ
クル)のより一層の推進
一般廃棄物処理基本計画の見直し
リデュース、リユース関連施策
マイバッグ利用の推進
不用品のリユース促進
リサイクル関連施策
せん定枝の資源化
資源物集団回収の推進
生ごみ処理器の助成
生ごみたい肥化容器等の助成
紙のリサイクル推進
廃棄物減量等推進員制度の充実
29
◎ 目標達成のための施策
☆一般廃棄物処理基本計画の見直し
平成 15 年 3 月に策定した東大和市一般廃棄物処理基本計画「ごみゼロプラン」を見直します。
☆リデュース、リユース関連施策
市民や事業者の行動変革を促すために、市は、発生抑制や再利用促進の啓発やしくみづくりを
進めていきます。
○マイバッグ利用の推進
商工会と連携し、市内の商店街及び各店の買物客に対し、買物袋(マイバッグ)を持参するよ
う働きかけをし、ごみの削減を図っていきます。
○不用品のリユース促進
生活用品交換情報提供事業によるリユースの機会を提供します。また、環境に配慮した消費生
活を促進する事業を実施していきます。
☆リサイクル関連施策
缶、びん、紙、生ごみ、せん定枝など、それぞれのリサイクルを推進するためのしくみづくり
を行っていきます。
○せん定枝の資源化
農家のせん定枝や公園、街路樹のせん定枝を有機資源として、たい肥の原材料や土壌改良材及
びマルチング材等に利用することによりごみ減量を図ります。今後、一般家庭からの受入れも検
討します。
○資源物集団回収の推進
市内において地域住民で組織する自治会、婦人会、子ども会等営利を目的としない団体で、資
源物を集団回収する団体に対し、市の資源物集団回収推進報償金交付要綱に基づき、引き続き補
助金を交付していきます。
○生ごみたい肥化容器等の助成
家庭から排出される生ごみのリサイクルを推進するため、発酵促進材や生ごみ処理器購入費の
一部を補助していきます。
(購入費用の 1/2、限度額 10,000 円)
○紙のリサイクル推進
市民から出された紙類(新聞紙、雑誌、雑がみ、ダンボール、紙パック)の分別収集を徹底し、
リサイクル率の向上に努めていきます。また、市役所及び市関係施設から排出される文書は、個
人情報等の流出に万全を期した上で、リサイクルします。
30
☆廃棄物減量等推進員制度の充実
ごみ減量とリサイクル推進について、地域でごみ減量に向けた指導的役割を果たす廃棄物減量
等推進員制度を継続実施し、ごみ減量の啓発事業を進めます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○家庭ごみ排出量
○リサイクル率
○最終処分量
731g/人/日
24.3%
2,667t/年
○せん定枝資源化量(施設投入量)
95t/年(注:平成 17 年 3 月稼動)
平成 23 年度の目標(5 年後)
○家庭ごみ排出量
700g/人/日以下
○事業系ごみ排出量
○リサイクル率
○最終処分量
3,000t/年以下
35%以上
2,500t/年以下
○せん定枝資源化量(施設投入量)
170t/年以上
平成 28 年度の目標(10 年後)
○ごみの減量、資源の有効利用を推進し、次期一般廃棄物処理基本計画で定める目標の達成
○せん定枝資源化量(施設投入量)の増加
○集団資源回収量の増加
○マイバッグ利用推進店の増加
将来の目標
○より一層のごみ量の減尐と資源化率の向上
31
3.2.2
再生可能エネルギー及び雨水利用の促進
◎現状と課題
太陽エネルギー、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーは、地球温暖化対策の観点だけ
ではなく、有限な化石燃料資源と異なり、将来の世代にも利用できる「持続可能な発展」を担う
エネルギーとして重視されています。
日本では、
「新エネルギー」という名称が使われることが多いのですが、世界的には「新エネル
ギー」よりも水力や地熱も含めた「再生可能エネルギー」という名称が使われています。東京都
では、将来の技術開発動向等をも勘案して、幅広く再生可能エネルギーとしてとらえており、太
陽の光をそのまま取り入れて照明としたり、太陽熱を蓄熱して暖房にしたりするなど、太陽エネ
ルギーを変換せず直接使うパッシブソーラーについても「再生可能エネルギーの利用」として位
置づけています。
市では、休憩時間における消灯や、空調
機の温度設定、市民会館、市民体育館での
水洗トイレの雨水利用等省エネルギーに
努めていますが、東京都全体としては、現
在のエネルギー消費そのものの必要性や
効率性を徹底的に見直し、エネルギー消費
の削減努力をしたうえで、2020 年までには
全エネルギー使用量の 20%を再生可能エ
ネルギーとする目標を立てています。
具体的な再生可能エネルギーの利用目
標については、今後、東京都と連携を図り、
エネルギー消費と二酸化炭素排出量の
中・長期削減目標の設定とあわせて検討し
ていく必要があります。
図 3.2.6 目標のイメージ(東京都)
資料)東京都「東京都再生可能エネルギー戦略」2006 年 4 月
◎施策の方向
市では、再生可能エネルギーについて、地球温暖化防止対策の一環として、また、資源有効利
用の観点から利用を検討していきます。
再生可能エネルギーは、現在のところコスト面と汎用性に課題を有しているため、国や都の支
援策等について十分に検討を進め、まず、公共施設での導入を目指し、その達成に向けて努力し
ていきます。
地球温暖化防止対策は、市民一人ひとりの行動が地球全体の温暖化に影響を及ぼしていること
を認識し、温暖化防止に配慮した行動をとるよう啓発していきます。さらに、温室効果ガスの一
つである二酸化炭素の排出量を減らすため、
(仮称)東大和市地域温暖化対策実行計画を策定、温
暖化防止に努めていきます。
32
また、すべての市民が省エネルギーを推進できるよう、具体的な取り組みを市報、ホームペー
ジ等で紹介するとともに、節水意識の高揚、雨水の有効利用、雨水の地下浸透等について啓発を
進めていきます。
◎施策の体系
再生可能エネルギー及び雨水利用の促進については、以下のような施策を実施していきます。
再生可能エネルギー及び雨水利
用の促進
地球温暖化防止対策
「(仮称)東大和市地域温暖化対策実行計画」の策定と実践
球
再生可能エネルギーの利用、啓発、情報提供
公共施設における再生可能エネルギー利用システムの導入
促進
省エネルギーの普及・啓発
水の循環利用推進
節水の普及・啓発
公共施設における雨水貯留・雨水浸透の推進
、雨水浸透の推進
民有地の雨水有効利用と雨水浸透施設の周知
33
◎ 目標達成のための施策
☆地球温暖化防止対策
再生可能エネルギー利用の可能性の検討と地球温暖化対策実行計画の策定、具体的な市民向け
省エネ行動の紹介等地球温暖化防止に配慮した行動について啓発・推進していきます。
適度な温室効果ガスは
太陽から放射される熱
と地表から放出される
との
熱のとバランスを保ち、
地表面を適切な温度に
維持します。
太陽
温室効果ガス
(二酸化炭素など)
温室効果ガスが増えると
地表面から放出された熱は、
大気中の温室効果ガスにより
多く吸収され、大気圏に放出
される熱量が減り、地表面の
温度を上昇させます。
太陽から放射される日射
エネルギーの多くは大気
と地表面に吸収され熱に
変わります。
地球温暖化のイメージ
○「(仮称)東大和市地球温暖化対策実行計画」の策定と実践
(仮称)東大和市地球温暖化対策実行計画を策定し、市が率先して温室効果ガス排出量削減の取り
組みを実践します。必要に応じて、東京都や周辺自治体と連携し、対策を進めていきます。
○再生可能エネルギーの利用、啓発、情報提供
市内の民間事業者や個人住宅において、再生可能エネルギーの導入促進に向けて、国や都の支
援に関する情報を随時提供していきます。
・公共施設における再生可能エネルギー利用システムの導入促進
市の施設における太陽光発電、太陽熱利用、バイオマス燃料等の利用状況を把握し、今後再生
可能エネルギー利用システムの導入を検討していきます。
○省エネルギーの普及・啓発
市報やホームページに市の取り組み例を紹介するとともに、市民、事業者に対し省エネルギー
への取り組みについて啓発していきます。例えば、夜間電力の有効活用による、冷暖房の消費電
力の低減や、自動車の適正使用、省エネ運転の奨励などがあります。
☆水の循環利用推進
節水意識を啓発し、雨水の有効利用に取り組むとともに、雨水の地下浸透を進め、水の循環利
用を推進します。
34
○節水の普及・啓発
日常生活で行える節水行動を市報やホームページ等で紹介し、節水の普及・啓発を図ります。
○公共施設における雨水貯留、雨水浸透の推進
市の施設については、施設更新時に雨水貯留施設や浸透施設の設置に努めます。あわせて貯留
した雨水の有効利用についても検討します。
○民有地の雨水有効利用と雨水浸透施設の周知
市民に対しては、住宅の建替えなどに際し、東京都との連携を図り、雨水利用や雨水浸透に関
する情報を提供し、雨水浸透施設等の周知に努めます。開発事業者に対しては、街づくり条例に
基づく雨水浸透施設等の設置を指導します。また、雨水利用を促進するため、個人の所有する既
存住宅等に対し、雨水浸透施設等の設置に対する助成制度の活用を図ります。
用語解説
○雨水浸透ます
都市化が進んで田畑が建物になり、道路はアスフ
ァルトに被われるにつれ、雨水が地中に浸透する量
は減尐しています。上北台駅周辺、立野一丁目、桜
が丘二丁目の各地区計画では、雨水浸透ますを設置
して地中に雨水をしみ込ませることにより、雨水の
流出量を抑え大雨による被害の防止に役立ってい
ます。
雨
35
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○地域温暖化対策行動計画に向けて準備中
○市内のエネルギー総量:
電力※ 302,366MWh
ガス
34,728 千 m3
(※電力は平成 15 年度実績値)
○市の雨水利用施設:3 施設(市民会館、市民体育館、郷土博物館)
平成 23 年度の目標(5 年後)
○地域温暖化対策行動計画の策定及び着実な実施
○市内のエネルギー総量の削減(6%)
○バイオマスエネルギーの利用促進
○市内の一人当たり消費電力量低減に向けた啓発活動の推進
○太陽光発電の利用促進
○市の雨水利用施設の増加
○雨水浸透施設の設置数の増加
平成 28 年度の目標(10 年後)
○地域温暖化対策行動計画の実施
○平成 19 年改訂予定の東京都環境基本計画を参考に、再生可能エネルギーの利用拡大
将来の目標
○市内のエネルギー総量の削減と再生可能エネルギーの利用拡大
3.2.3 その他の施策
☆ごみの不法投棄の防止対策
多摩地域の各市町村、都、警視庁、消防庁で構成する協議会等において、各市町村における監
視体制を強化するよう要望します。一方、規制の強化や不法投棄されたごみを適正に処理するた
めの指導など、廃棄物の不法投棄の防止対策について検討を行います。
☆デポジットシステムの研究
飲料用ビン、缶について、販売価格に預け入れ金を上乗せする、いわゆるデポジットシステム
について、今後研究を行います。
☆オゾン層保護に関する啓発事業の推進
オゾン層破壊メカニズムや特定フロン等のオゾン層破壊物質の使用抑制、ノンフロンへの転換
等、オゾン層保護に関する啓発を進めます。
36
3.3
安全・快適で、ずっと住み続けたくなるまちの施策
3.3.1 地産地消の推進と食の安全性の確保
◎現状と課題
当市では、規模は大きくありませんが、野菜や果樹、お茶など多様な農業が営まれています。
その農産物は、農家が庭先等に設置した直売所(平成 17 年度現在、約 55 軒)や、共同直売所運営
委員会が東大和市駅前等(平成 17 年度現在、3 箇所)に設置した共同直売所で市民などに直接供給
されています。
そして、直売に取り組む農業者を中心に、都知事からエコファーマーの認定を受け、たい肥に
よる土づくりの技術や化学肥料と農薬の使用を控える技術を導入し、環境への負荷の低減やより
安全性の高い農産物の生産に取り組む農業者が増えています。また、消費者も環境や食品の安全
性に対する意識の高まりとともに、生産者の顔が見える地場産農産物に対する関心が高まってい
ます。
食料の供給だけでなく都市環境負荷の低減や潤いのある景観の創出など公益的な役割を果す農
地を保全していくため、農業者、消費者、行政、農業団体が連携、協力して地産地消の定着に取
り組むことが求められています。
また、レクリエーションとしての自家用野菜・花の栽培、高齢者の生きがいづくり、生徒・児
童の体験学習などの多様な目的で、小面積の農地を利用したい人が増えています。市では、現在
4 か所の市民農園を開設しており、市内在住・在勤の方々が農と親しんでいます。
表 3.3.1
当市内の市民農園
農園名称
中央西市民農園
山王市民農園
奈良橋市民農園
東大和ファーマーズセンター
区画数
25区画
24区画
127区画
68区画
面積
15m2
15m2
20m2
30m2
◎施策の方向
地域で生産した農産物を地域で消費する「地産地消」をさらに推進します。
農業分野における地産地消は、農業振興だけでなく環境面や健康面からも市民の関心が高まっ
ています。生産と消費の両面から地産地消が定着するよう、
「東やまと農業」の振興と地場農産物
利用促進に取り組んでいきます。
環境にやさしい農業の推進については、農業による環境への負荷の低減と市民生活に配慮した
農業環境の改善を図っていきます。
農産物の安全性の確保については、生産段階から流通段階まで、農薬取締法、肥料取締法及び
食品衛生法などの関係法令の遵守について意識の向上を図ります。
農産物のブランド化推進については、農地の効率的利用の促進を図り市民の消費に応えられる
37
生産量の確保、東京都農業改良普及センター等と連携し農産物の高品質化、高付加価値化を目指
します。
地場農産物利用の推進と意識啓発については、学校給食における地場農産物の利用拡大を図る
とともにイベント等を通して地場農産物の紹介や地産地消及び食育の普及啓発に努めます。
直売所については、地場農産物に対する関心が高い市民の需要に応えられるよう充実を図りま
す。
◎ 施策の体系
地産地消の推進と食の安全性の確保については、以下のような施策を実施していきます。
地産地消の推進と食の安全性の
確保
地産地消農業の推進
環境にやさしい農業の推進
農産物の安全性の確保
農産物ブランド化の推進
地場農産物利用の推進と意識啓発
小・中学校における食育の実施
直売所等の充実
◎ 目標達成のための施策
☆地産地消農業の推進
環境に対する負荷を極力抑える環境保全型農業や、より安全性の高い農産物の生産を推進する
ため、情報提供や助成制度の充実に努めます。
○環境にやさしい農業の推進
生分解性マルチフィルムの利用及び廃棄プラスチックの適切な処理を促進し、あわせて、エコ
ファーマー認定者数の増加に努めます。
○農産物の安全性の確保
食料である農産物の生産から流通までの安全性の確保を図るため、農薬の使用基準遵守や生産
履歴作成の普及・啓発に努めます。
38
○農産物ブランド化の推進
市民消費に応えられる生産量の確保を図るとともに、品質や味などで商品価値の高い農産物の
生産を推進します。
☆地場農産物利用の推進と意識啓発
市民の地場農産物利用が進むよう、イベントや広報などで紹介するほか、地産地消や食育の考
え方がより多くの市民に浸透するよう啓発します。
○小・中学校における食育の実施
小・中学校の給食に地場野菜を活用し、子どもたちに食の栄養、安全、食材の選び方や組み合
わせ方などの食生活の大切さを伝え、心身ともに健全な人間をつくるという教育、いわゆる『食
育』を学校教育に取り入れます。
○直売所等の充実
農産物直売所の充実や共同直売の支援のあり方について検討します。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○エコファーマー認定者数:6 人
平成 23 年度の目標(5 年後)
○地場農産物の生産量増大と市内流通量増大
○エコファーマー認定者数増加
○小・中学校の給食における地場野菜利用率の向上
○小・中学校における食育授業の実施
○地場農産物を利用した食育の実施
平成 28 年度の目標(10 年後)
○各施策の継続実施
将来の目標
○地産地消推進の継続
○地場農産物の安定的供給の確保
学校給食における食育(イメージ図)
39
3.3.2
都市農業の推進による農地の保全
◎現状と課題
当市の土地利用(平成 17 年)は、総面積 1,354ha のうち、宅地が 583ha(43.1%)、農地は 82ha
(6.0%)となっています。全域が都市計画区域で、村山貯水池とその周辺の緑地を除く区域が市
街化区域に指定され、農地のほとんどは市街化区域内に存在します。
土地利用の変化をみると、昭和 40 年に市域の約 30%を占めていた農地が、40 年経過した平成
17 年にはその 5 分の 1 の 6%に減尐しています。
農業が営まれることによって農地は、良好な都市景観の形成、自然環境の保全、市民との交流
の場となるなど多面的かつ公益的な役割を果たしています。安全で新鮮な地場農産物の生産の場
となっている畑や、市民農園などを大切にし、農のある風景を市の特色として位置づけたいとい
う市民の要望は、アンケート調査や環境団体の方々から多く寄せられています。
今後は、市民の要望を尊重し、都市のなかの農地が将来にわたって多様な機能を発揮できるよ
う都市農業を推進し、農地の保全を図ることが重要です。
環境保全機能
都市の骨格的緑地機能
小規模な緑とオープンスペース
都市環境負荷の軽減
小動物等の生息環境の保全
有機物の還元
騒音などに対する緩衝機能
日照、通風の確保
レクリエーション機能
レクリエーションの場の提供
教育・福祉機能
農家と住民の交流機能
災害の拡大防止
防災機能
災害避難場所として利用
災害時の仮設施設の建設予備地として活用
防災用井戸の保全
景観構成機能
地域の景観保全
潤いのある景観の創出
農産物の生産
資料)「都市農地の持つ多面的機能等実体調査」国土交通省土地・水資源局土地情報課
図 3.3.1
都市における農地の機能
40
国土交通省の行った東京都の市街化区域内の農地に関する基礎調査(平成 12 年生産緑地地区デ
ータ使用)によると、市の市街化区域内の農地の割合は 10 数%で、多摩の東部の周辺自治体とほ
ぼ同じ程度です。また、宅地化農地と生産緑地の割合は、平成 12 年度ではほぼ同程度になってい
ます。
資料)「東京都の市街化区域内農地に関する基礎調査」国土交通省土地水資源局土地情報課
図 3.3.2
市街化区域内農地の割合と内訳
一方、全国的な農業・農地に関する市民意識調査によれば、農地を「今後も農地として活用し
たい」と考える人の割合が約 8 割を占めていることや、市民農園の利用意向、 援農ボランティア
に対する関心が高いことがわかります。また、子どものいる世帯では、子どもに農業を体験させ
たい意向が強いことも裏付けられています。
41
◎施策の方向
市では、市街化区域内の農地を市街地の貴重な緑地空間と位置づけ、生産緑地地区制度の適切
な運用により保全を図ってきました。引き続き、生産緑地地区の指定基準の要件を備えていなが
ら未指定となっている農地も含め長期的な農業の継続が可能となるよう保全に努めていきます。
そして、自然環境に配慮した農業施策を展開する農業生産集団に対し生分解性マルチフィルム
の購入費や農業用廃棄プラスチックの処理費の一部助成や、エコファーマー認定者を対象に化学
肥料や農薬の使用を低減するために必要な資材等の購入費の一部助成を実施していきます。
また、農地の保全のためには、農地所有者である農業者はもちろんのこと、東大和市民全体が
農地を保全していく意識を持つことが重要です。農家等の協力を得て、草取りから出荷に至るま
での一連の農作業の手伝いや芋ほりなどの収穫体験など、一般の市民や親子が参加できるような
イベントを通じて、意識啓発に取り組んでいきます。
用語解説
○生産緑地地区・・・市街化区域内において保全していくべき農地として、都市計画で定められた農地です。生
産緑地地区については、長期的な農地保全が義務付けられます。また、税制上の措置として、
三大都市圏の特定市(都はすべての区市が該当)の市街化区域内農地では、原則として宅地並
み課税となりますが、農地としての課税が適用されます。
◎施策の体系
都市農業の推進による農地の保全については、以下の施策を実施していきます。
都市農業の推進による農地の保
全
農地を保全・活用するための制度の充実
農業とふれあう場の確保
農業体験の場の確保
市報・ホームページ等による情報提供
◎ 目標達成のための施策
☆農地を保全・活用するための制度の充実
生産緑地地区、体験農園、市民農園等の農地の保全・活用のために、適用できる制度を充実し、
農業の担い手支援を実施します。
42
☆農業とふれあう場の確保
農家や農協と協働し、一般の市民や親子が農業体験できる機会をつくります。
○農業体験の場の確保
市民農園や農家の畑等において農業の収穫体験等ができる機会を提供します。
○市報・ホームページ等による情報提供
イベントや講座の予定、直売会の催しや農産物の品質等に関する情報を提供し、地産地消及び
食の安全に対する普及・啓発を図ります。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○市民農園:市内 4 か所
○農業体験農園:0 か所
○農業生産集団に対する支援:イベント支援等
平成 23 年度の目標(5 年後)
○市民農園の充実
○農業体験農園の開設
○農業生産集団に対する支援の充実
○農業の多様な担い手の育成
平成 28 年度の目標(10 年後)
○各農業振興策の継続実施
将来の目標
○市民とともに育てる東やまと農業の実現
雑木林での落ち葉はき
43
3.3.3
公害防止等の安全対策の充実
◎現状と課題
東京都では、昭和 24 年の「工場公害防止条例」を皮切りに、国や他の自治体に先駆けて公害行
政に取り組んできましたが、近年は公害の防止はもとより、広く環境保全上の見地から新たな規
制や仕組みが必要となってきました。そこで、これまであった「東京都公害防止条例」は、平成
13 年に「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」
(以下、環境確保条例という)に全面
改正され、施行されています。
環境確保条例では、これまでの工場を発生源とした産業型公害から、都民の生活や都市におけ
る事業活動に密接に関連した自動車公害問題や土壌・地下水の汚染などの有害化学物質問題、さ
らには地球温暖化やオゾン層破壊など地球的な規模の問題へと大きく変化してきたことに伴い、
知事、事業者、都民それぞれの責務を定めているほか、環境への負荷の低減への取り組み、自動
車公害対策、工場公害対策、緊急時の措置などを規定しています。
資料)「エネルギー白書 2006」経済産業省
図 3.3.3
平成 18 年 7 月
汚染物質の環境への影響と対策
当市における公害に関する苦情は、大気汚染、悪臭、騒音などが多くなっていますが、苦情件
数はここ数年減尐傾向にあります。
市内の環境汚染の状況を環境調査結果でみると、二酸化窒素濃度、道路交通騒音が環境基準を
超えることがあります。
44
用語解説
○環境基準・・・大気、水質、土壌、騒音について、人の健康、生活環境を保全するために望ましい目標値とし
て環境基本法で定められた基準です。
○要請限度・・・自動車騒音に係るものと、道路振動に係るものがあります。それぞれ騒音規制法、振動規制法
に基づき、住居の集合地域や病院・学校の周辺地域であって、自動車騒音や振動が一定の限度(こ
れを「要請限度」といいます)を超え道路周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときには、
都道府県公安委員会に対して道路交通法に基づく交通規制等の措置を講じるよう要請できます。
また、市町村長は道路管理者に対して道路構造の改善等について意見を述べることができます。
H15
H16
H17
45
40
35
苦情件数
30
25
20
15
10
5
0
大気汚染 水質汚濁 土壌汚染
騒音
振動
地盤沈下
悪臭
その他
資料)行政報告書
図 3.3.4
苦情件数
二酸化窒素濃度(ppm)
H16.2
0.16
0.14
0.12
0.1
0.08
0.06
0.04
0.02
0
H17.2
H18.2
環境基準;
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでの
ゾーン内又はそれ以下であること。
0
2
4
6
8
地点番号
10
12
14
16
資料)行政報告書
図 3.3.5
H16
二酸化窒素濃度
H17
80
要請限度
70
環境基準
60
70
65
(dB)
50
40
30
20
10
0
新青梅街道奈良
橋庚申塚交差点
青梅街道東大和
中央交差点北
青梅街道郷土博物館
入口交差点西
芋窪街道桜街道
交差点北
資料)行政報告書
図 3.3.6
騒音(夜)
45
二酸化窒素濃度は、ここ数年、環境基準値以内でしたが、平成 17 年に 5 か所で基準値を超えて
います。ただし、東京都で実施している連続測定では、環境基準の超過は認められませんでした。
道路交通騒音・振動については、市内でも交通量の多い新青梅街道や青梅街道沿いで環境測定
を実施しています。道路騒音では、新青梅街道奈良橋庚申塚交差点で要請限度を超えていますが、
ほかの地点ではここ数年下回っており、市民対象のアンケート調査においても、騒音について不
満を示す人は多くありませんでした。
交通振動については、要請限度のみで環境基準は定められていませんが、要請限度は大きく下
回っています。
中流
下流
参考(梅板橋;清瀬市)
20
18
16
BOD(mg/l)
14
12
10
環境基準(E類型)
10mg/l以下
8
6
4
2
0
平成 9
10
11
12
13
年度
14
15
16
17
資料)「行政報告書」
図 3.3.7
空堀川の水質(BOD)
空堀川をはじめとする、市内を流れる河川の水質は、ここ数年環境基準を大幅に下回っていま
したが、平成 17 年度に空堀川の中流で、環境基準値と同程度の BOD 濃度が検出されました。
また、河川に排水している工場の排水を採取し分析調査を実施(年 3 回)しましたが、排水基
準を超過した項目はありませんでした。
◎施策の方向
定期的に水質、大気の状況、交通騒音などの一般環境調査を実施して現況の把握を行うととも
に、その結果を公表して市民、事業者による自発的な環境負荷低減に向けた取り組みが推進され
るよう努めます。
また、生活騒音、汚水処理の方法など、生活環境におけるトラブルの防止についても、啓発活
動を行います。
46
事業者等に対しては、公害の発生を未然に防ぎ、事故等により緊急事態が発生した場合にも、
環境へ与える負荷を最小限に食い止めることができるよう、法律等に基づいた規制、指導、監視
を行います。また、事故等に対する備えなど事業者としての自覚も促します。
また、公害防止対策以外の安全対策として、防災・防犯対策を推進していきます。防災に関す
る施策は、市民の生命と財産を守る基本的な市の施策ですが、その具体的な内容は市全体に関わ
るものであり、地域防災計画に定められています。そのため、必要に応じて計画の見直しを実施
し、震災及び風水害に対する対策を推進していきます。
防犯については、警察署などの関係機関や地域の団体、学校等との連携を図りながら、対策を
推進していきます。
◎施策の体系
公害防止等の安全対策の充実に関する施策については、以下のような内容を実施します。
公害防止等の安全対策の充実
公害等の防止に係る対策の推進
、悪臭防止対策の推進
大気汚染・悪臭防止対策の推進
騒音・振動対策の推進
水質汚濁防止対策の推進
土壌汚染防止対策の推進
その他の公害防止対策の推進
その他の安全対策の推進
防災対策の推進
防犯対策の推進
◎ 目標達成のための施策
☆公害等の防止に係る対策の推進
騒音、振動、大気の状況等について一般環境調査を実施し、状況の把握に努めるとともに、そ
47
の結果を公表し情報の提供に努めます。
また、工場、事業場等に対し、法律及び東京都環境確保条例に基づく規制、指導、監視を行い、
よりよい環境づくりに努めます。
生活騒音など、生活環境におけるトラブルの防止についても啓発事業を実施するほか、市民か
らの相談に応じていきます。
○大気汚染、悪臭防止対策の推進
法律及び東京都環境確保条例に基づき工場、事業場等に対する規制、指導、監視を継続実施し
ていきます。
○騒音・振動対策の推進
道路交通騒音や振動、交通量等必要な調査を実施し、関係機関に情報提供するとともに、自動
車交通量の抑制や舗装補修等について要請していきます。
○水質汚濁防止対策の推進
河川等の水質、水量、水生生物等の環境調査を実施し、現況の把握に努めるとともに工場排水
等の水質検査、規制、指導、監視を行っていきます。また、公共下水道整備が完了した地域につ
いては、下水道未接続世帯に対して早期接続を働きかけていきます。
○土壌汚染防止対策の推進
工場、事業場に対し、土壌汚染物質の適正管理、代替物質への転換等の指導・啓発を強化して
いきます。
○その他の公害防止対策の推進
大気・悪臭・水質・土壌に対する対策とともに、公害防止に向けて進めるべき対策を推進しま
す。例えば、環境汚染の原因となる化学物質を適正に管理し、また緊急時にも適切に対処できる
よう、取扱事業者に対して管理方法書の作成を促すなど、注意を喚起していきます。
☆その他の安全対策の推進
公害防止対策以外の都市環境の安全にかかわる対策を推進します。
○防災対策の推進
市民の生命や財産を守る災害対策は、まちづくりの基本の一つとなることから、東大和市地域
防災計画として別途具体的な計画が定められています。今後、必要に応じて計画の見直しを行い、
震災及び風水害に対する対策を推進していきます。
○防犯対策の推進
警察署などの関係機関と連携を図り、犯罪の抑止に努めます。また、市内の不審者出没情報な
どを提供している安全安心情報送信サービスや広報活動を通じて、市民の防犯意識の高揚に努め
ます。
48
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○自動車騒音要請限度以下の達成率 75%
○二酸化窒素濃度の環境基準達成率 69%
○河川の水質環境基準達成率 86%
平成 23 年度の目標(5 年後)
○環境調査の継続
○自動車騒音要請限度以下の達成率 100%
○二酸化窒素濃度の環境基準達成率 100%
○河川の水質環境基準の達成率 100%
平成 28 年度の目標(10 年後)
○環境調査の継続
○自動車騒音要請限度以下の達成率 100%の維持
○二酸化窒素濃度の環境基準達成率 100%の維持
○全測定地点における河川の水質環境基準の維持
将来の目標
○全測定地点、全項目における環境基準の達成
○環境負荷が尐なく住み続けたくなる都市環境の実現
3.3.4 その他の施策
☆快適さに関する施策
都市環境を考えるとき「ゆとり」や「快適さ」は重要な要素です。本計画においては、
「人と自
然の共生」に加え、都市環境の重要な要素である快適さの向上を目指して各種施策を実施してい
きます。
○景観に関する施策
当市の景観の向上を目指して、次の対策を実施していきます。
・美しい景観や街並みへの配慮
景観形成を総合的、計画的に進めるためには都市づくりを自然、歴史、文化がもつ景観要素と 連
携させて進める必要があります。 開発事業の計画に対しては、「東京都景観条例」や「東大和市
都市景観構想」の方針を踏まえた 相談や調整に努めてまいります。
○美化に関する施策
当市の美化の向上を目指して、次の対策を実施していきます。
・美化啓発事業の推進
ごみのポイ捨て、ペットの糞の適正な始末、落書き、違法ポスター・看板などについて、関係
49
機関と連携して PR ポスターの募集・掲示、リーフレット配布など啓発事業に努めます。
・環境美化条例制定の検討
引き続き市報やホームページなどでごみのポイ捨てや違法ポスター・看板設置の禁止等を呼び
かけるとともに、これらの防止に実効性のある取り組みとして、環境美化条例について先進自治
体の実施状況を研究し、制定を検討します。
○環境福祉に関する施策
当市の環境福祉の向上を目指して、次の対策を実施していきます。
・バリアフリー化等の推進
平成 21 年 3 月に策定された、第四次東大和市地域福祉計画に基づき、道路、公園、駅など公共
施設におけるバリアフリー化やユニバーサルデザインの推進など、誰もが安心して生活できるま
ちを目指します。東京都の「福祉のまちづくり条例」に基づき、
「福祉のまちづくり整備要綱」の
検討や、東京都の補助金の活用を図り、福祉のまちづくり整備事業の検討やガイドブックの作成
などを行っていきます。
☆東大和市都市マスタープランの見直し
都市計画に関する基本的な方針として平成 12 年に策定された計画であり、平成 30 年を目標年
次としていますが、総合計画等との整合を図るなど社会環境の変化に応じて見直しを検討します。
☆アスベスト等に対する施策の検討
アスベストについては、健康課と環境課に相談窓口を設け、市民のアスベストによる健康被害
の低減に努めています。なお、市内でその使用が確認された公共施設については、既に飛散防止
処置がなされています。
☆電磁波の影響に関する情報収集の継続
電磁波に関して、引き続き情報収集を実施します。
50
3.4
学習や体験を通じて、環境を大切にする心を育てるまちの施策
3.4.1 小・中学生に対する環境教育の推進
◎現状と課題
市では、
「人と自然が調和した生活文化都市東大和」の実現を目指して、教育施策を推進してい
ます。環境問題を子どもたちにも理解できるようにする取り組み(環境教育)は、子どもたちに
東大和市民であることに誇りをもたせ、知性、感性、道徳心、体力など生きる力を育み、人間性
豊かに成長することを願って、必要な事業を実施していきます。
市内の小・中学校では、社会科や理科、家庭科、技術・家庭科、国語などの教科で環境教育に
取り組んでいますが、学校と各関係部署との連携による環境教育には、以下のようなものがあり
ます。
表 3.4.1
対象
東大和市が実施する小中学生向け環境教育
事業名称
内容
リサイクル施設の見学受入れをしていきます。
必要に応じて、学校の朝礼や授業時間に出張説明
もします。
小学生への環境教育
小中学生
親子
中学生の勤労体験受入れ
(リサイクル施設)
ペットボトルのキャップはずしや、空き缶をつぶすの
を手伝ってもらいます。この体験を通して働くことの
大切さや、それとあわせてごみの分別・リサイクル
の大切さを身をもって感じてもらいます。
環境教室事業
小学生(4年生以上)の親子を対象に野外環境教室
(施設見学会)を開催しています。
表 3.4.2
子どもを対象としたリサイクル工作への参加者数
内容
H15
1回目
2回目
3回目
合計
1回目
2回目
合計
ペットボトル工作
卵の殻工作
リサイクル工作 アルミ缶工作
1回目
2回目
合計
牛乳パック工作
その他
紙すき
工作教室(巣箱等)
新聞広告工作
その他リサイクル工作
環境クイズ
51
H16
12
9
13
34
24
22
46
40
40
21
-
H17
21
14
11
28
53
-
-
65
9
74
4
35
21
-
29
25
47
◎施策の方向
学校を中心に市の関係部署との連携はもとより、地域、環境団体、事業者等との連携を図りな
がら、自主性と体験学習を重んじた環境教育を推進していきます。
市は、小・中学生のグループが自主的に行う環境活動を支援し、環境活動のリーダー的な役割
を果たせる子どもの育成に努めます。また、小学生が行える簡便な環境調査を小学校の教育の一
環として実施していきます。
また、親子で体験しながら環境について学べる親子環境体験学習の機会を増やしていきます。
◎施策の体系
小・中学校における環境教育の推進については、学校等との連携を図り、以下のような施策を
実施していきます。
小・中学生に対する環境教育の
推進
こどもによる環境活動の支援
小学生による環境調査
親子環境教室の開催
◎目標達成のための施策
☆こどもによる環境活動の支援
小・中学生のグループによるこどもエコクラブの活動を支援していきます。
こどもエコクラブの活動は、環境省実施事業で、生物調査やリサイクル、エコマップづくりな
ど自主的な取り組みを進めてみんなの前での発表(エコロジカルあくしょん)、毎日の生活の中で
地域の環境のことや地球環境のことを考えるトレーニング(エコロジカルとれーにんぐ)といっ
た活動を展開しています。平成 17 年度現在、全国で 4,000 クラブ、11 万人が登録・活動してい
ますが、現在、東大和市内の登録は 1 グループです。
今後は、市と小・中学校が連携を図り、クラブ活動の一環として、こどもエコクラブ活動に限
らず広く環境に関する取り組みを検討していきます。
こどもエコクラブのキャラクター
52
☆小学生による環境調査
二酸化窒素簡易測定や水生生物による水質調査など、小学生が行える簡易調査を市内小学生の
教育の一環として実施していきます。また、学校におけるクラブ活動と連動した、より専門的な
環境調査の実施を検討します。
☆親子環境教室の開催
現在実施している、小学生の親子を対象とした野外環境教室を引き続き開催するほか、環境団
体の協力を得て、雑木林の下草刈りや間伐など親子で体験しながら環境について学べる機会を増
やしていきます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○リサイクル工作等参加者数実績:平均 25.7 人/回
平成 23 年度の目標(5 年後)
○小・中学生の環境リーダーの育成
○小学生による環境調査の実施
○市内小学生高学年の自然観察会経験率の向上
平成 28 年度の目標(10 年後)
○小・中学生の環境リーダーの育成、人数の増加
○小学生による環境調査の継続実施
○市内小学生高学年の自然観察会経験率の向上
将来の目標
○小・中学生の環境意識の向上
53
3.4.2
生涯学習としての環境教育の充実
◎現状と課題
生涯学習においても環境教育は重要であり、東大和の環境について学べるための手段や機会は
多く用意されるべきです。
現在、市が主催する消費者講座には、毎年 20 名前後の参加者があります。また、図書館では、
環境を考える図書展やポスター展示などを実施しています。また 6 月の環境の日(6 月 5 日)前
後には、市民等による「環境市民の集い」において、多くの市民に環境に関する啓発活動を行っ
ています。
◎施策の方向
市民が環境について自発的に学ぶことができるよう、学習の機会を増やします。
「環境」の中には、地球温暖化やオゾン層の破壊などのように、個人の日常的な行動と影響を
受ける環境の対象との距離が離れているもの、あるいは時間的なズレが生じるものがあります。
このような環境についても、市民が正しく学習することが出来るよう、市の関係部署は勿論のこ
と、環境団体の協力を得て、講座の開催や施設見学会を実施します。
また、身近な環境を保全・活用していくための具体的な行動メニューを示したエコガイドブッ
クの作成や市民が日常の行動の中で、より良い環境を実現するため、自主的に取り組める具体的
指針を示した市民版環境配慮指針・行動計画の作成を支援し、活用を呼びかけていきます。
市民版
環境配慮指針
施設見学会のようす
用語解説
○環境配慮指針・・・本市が目指す基本目標の実現に向け、行政だけでなく市民の日常生活や事業者の事業活動
において環境に配慮すべき基本的な考え方を示したものです。なお、市民としての「環境配
慮指針」は、消費者としての行政や企業も配慮すべき事項であり、また、事業者における配
慮指針」は、事業者としての都及び市町村の活動についても適用されるものです。
54
◎施策の体系
生涯学習としての環境教育の充実としては、以下のような施策があります。
生涯学習としての環境教育の充
実
環境学習講座の開催
環境に関するガイドブックの作成・配布
市民版環境配慮指針の作成支援
◎目標達成のための施策
☆環境学習講座の開催
市民が自発的に環境について学ぶ機会を提供するため、中央公民館等での講座を開催します。
☆環境に関するガイドブックの作成・配布
地域の中や身近なところから環境を保全していくために必要となる具体的な行動メニューを示
した「エコガイドブック」を作成し、活用を呼びかけていきます。
☆市民版環境配慮指針の作成支援
市民、事業者、民間団体が自主的に行動する指針の作成を支援し、活用を進めていきます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○環境学習講座の受講者数の実績:平均 20 名/回前後
平成 23 年度の目標(5 年後)
○環境学習講座の受講者数の増加
○環境に関するガイドブックの作成に着手
○市民版環境配慮指針の作成の支援
平成 28 年度の目標(10 年後)
○環境学習講座の受講者数の増加
○環境に関するガイドブックの完成
○市民版環境配慮指針の普及
将来の目標
○市民、事業者の環境意識の向上、環境改善行動の実践
55
3.4.3 狭山丘陵などを題材とした体験学習の推進
◎現状と課題
狭山丘陵を題材とした体験学習として、自然観察会が年間を通じて実施しており、毎回二十名
前後の参加者がいます。
コラム
○「野草教室」のこと
昭和 47 年 8 月 27 日(日)に第 1 回を開き、平成 18 年で 34 年を数える観察会は、
「四季の野草を通して市の
おかれている自然の姿を市民の皆さんに確かめてもらおう」と始められたものです。開催当初は、年間の 4 回
でしたが、今では 6 回に増えました。
市立狭山緑地をはじめとする、豊かな緑の中で貴重なお話とともに植物を観る会で、毎回好評を得ています。
その昔、この「野草教室」が、東大和市でヒメザゼンソウという植物が発見されるきっかけにもなったそうで
す。次に催される野草教室でも、何十年かぶりに市内で初めて見る野草が見つかるかも知れませんよ。
◎施策の方向
自然に親しむ場として狭山丘陵の雑木林を活用します。また、狭山丘陵に限らず、体験に主眼
を置いた施策として、農業体験やホタルの飼育、幼虫放流等を実施し、市民の環境保全に対する
意識の高揚を図っていきます。
◎施策の体系
狭山丘陵などを題材とした体験学習の推進としては、以下のような施策があります。
狭山丘陵などを題材とした体験
学習の推進
自然と親しむ場づくりの推進
ホタルの飼育
野生生物、希尐生物等の生息状況の把握
ボランティア制度活用の推進
◎目標達成のための施策
☆自然と親しむ場づくりの推進
市や環境団体が連携を図り、自然に親しむ場として雑木林を活用していきます。農家や農協と
56
協働し、市民農園の拡充等を検討していきます。
○ホタルの飼育
室内及びせせらぎにおいてホタルの飼育増殖を行い、ホタルの野火止用水への定着を目指すと
ともに、市民の環境保全に対する意識の高揚を図っていきます。
また、市立第七小学校では、地元の方の協力を得て、全校児童がホタルの飼育活動に参加して
おり、鑑賞会が催されています。平成 18 年度のホタル鑑賞会には市内外から約 2,000 名が集まり
ました。
○野生生物、希尐生物等の生息状況の把握
野鳥については、これからも主な公園・緑地における調査を継続するとともに、野鳥以外にも
昆虫や植物などの「生きもの」に対象範囲を広げ、自然保護団体の協力を得るなどしてデータを
集積し、まとめていきます。
☆ボランティア制度活用の推進
環境調査や地域美化などのボランティア活動を行う市民に対し、市が清掃用具等の提供やボラ
ンティア保険の適用などの支援をしていきます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○屋外におけるホタルの発生数:72(野火止等)
○野草教室等の狭山丘陵における体験学習会参加者の実績:20 名/回前後
平成 23 年度の目標(5 年後)
○屋外におけるホタルの発生数の増加
○野草教室等の狭山丘陵における体験学習会参加者の増加
平成 28 年度の目標(10 年後)
○屋外におけるホタルの発生数の増加
○野草教室等の狭山丘陵における体験学習会参加者の増加
将来の目標
○体験学習の機会の充実、体験学習に対する自主性の増加
○ホタルの自然定着
57
3.4.4 その他の施策
☆安全に関する教育の検討
交通安全を含む、「安全」についての教育を保育園、幼稚園及び小学校に出向いて実施します。
特に、自転車を交通手段として安全に使えるように、自転車利用のマナーの向上を目指し、小学
校における自転車の乗り方や自転車免許講習会を実施していきます。
☆環境に配慮した学校施設整備
環境負荷の低減を図るため、学校の校庭芝生化や花壇の緑化をはじめ、環境教育施設としての
整備については、国や都の動向を注視して進めてまいります。
☆学校職員への環境意識を高める研修の実施
市内の小・中学校職員に対し、環境教育の内容充実のために研修の実施について検討を進めま
す。
58
3.5 みんなで考え、みんなで協力し、みんなで豊かな環境を創っていくまちの施策
3.5.1 市民と行政のネットワークの構築
◎現状と課題
現在、当市には 10 以上の環境団体があり、清掃や緑化、農法研究、水質浄化など様々な活動が
行われています。なかには東大和市だけでなく、近隣の市民とも交流を持ち、積極的に活動を進
めている団体もあります。
しかし、これらの環境団体と行政とが協働して、実際に清掃活動や環境調査等を実施している
例はあまり多くありません。今後は、こうした環境活動をよりスムーズに実施していくために、
環境団体と行政だけでなく、市民個人と行政の間にも適正なつながりを持ち、それぞれが結びつ
いてネットワークを構築していく必要があります。さらに、環境団体同士のネットワーク化につ
いても支援していく必要があります。
また、環境問題を的確に把握するためには、環境に関する情報を利用しやすい形で入手できる
ことが必要です。現在、市の環境情報については、市報から情報を得る人が最も多いというアン
ケート結果がありますが、インターネットによる情報検索も急増してきています。
なお、東大和市ホームページでは、以下の情報を提供しています。
・市政全般(東大和市)
:http://www.city.higashiyamato.lg.jp/
・環境全般や廃棄物対策関連(生活環境部):
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/15,311,49,84.html
◎施策の方向
環境に関するイベント等を実施し、協働・連携の機会を設けるなど、市民と環境団体と行政と
のネットワークづくりに努めます。市民、事業者、民間団体が自主的に行動する指針の作成支援
や美化活動に自治会や環境団体ばかりでなく個人でも参加できるような仕組みを検討します。そ
して、環境情報の共有化として環境団体間におけるネットワークの構築などに関する相談窓口の
設置の検討や環境に関するイベントや講座等の環境情報を積極的に提供していきます。
59
◎施策の体系
市民と行政のネットワークの構築としては、以下のような施策があります。
市民と行政のネットワークの構築
協働・連携の機会づくりの推進
市民と協働する美化活動等の推進
自然観察会等の開催
環境情報の共有化の推進
環境ネットワーク相談窓口設置の検討
環境に関する情報の積極的な提供
◎目標達成のための施策
☆協働・連携の機会づくりの推進
環境に関するイベントを実施するなどして、市民と環境団体と行政とのネットワークづくりに
努めます。
○市民と協働する美化活動等の推進
市民、事業者、民間団体と行政が協働して公園・河川等の美化活動を進めます。
○自然観察会等の開催
市主催の自然観察会や景観ウォッチング、環境学習会、環境調査会、雑木林の作業体験等の体
験学習の実施や、市民グループ主催の催しを支援していきます。
☆環境情報の共有化の推進
市民と行政のネットワークを構築するために、市民と行政の間で環境情報の共有化を進めます。
○環境ネットワーク相談窓口設置の検討
環境団体間におけるネットワークの構築、環境に関する新たなグループの形成支援などの相談
窓口の設置について検討を進めます。
○環境に関する情報の積極的な提供
環境について知りたい全ての人を対象に、情報を提供し、周知・普及・啓発を図ります。具体
的には、イベントや講座の予定をできるだけ市報やホームページに掲載し、マスコミに対し市民
向け環境情報を提供します。また、環境月間を利用して、様々な環境意識啓発事業を実施してい
きます。
60
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○市民と協働する清掃活動の実績:なし(これまでは数年に一度実施)
平成 23 年度の目標(5 年後)
○市民と協働する清掃活動の実施
平成 28 年度の目標(10 年後)
○市民と協働する清掃活動の実施及び参加者数の増加
将来の目標
○市民、環境団体、行政の協働
61
3.5.2
環境団体等への支援と人材の育成
◎現状と課題
現在、市が環境に関する事項で市民団体等へ行っている支援は、廃棄物の集団回収に対する一
部助成などがありますが、財政的支援はこれが唯一の支援です。これに対し、一部の環境団体か
ら、市が環境の指導的役割を担う人材を育成、活用し、その指導者及び環境団体と協働して施策
を実施していくしくみを検討してほしい、との要望があります。
今のところ、市には人材育成の制度はありませんが、東京都では緑のボランティア活動に関す
る指導者や環境学習のリーダーを育成し、都民の自主的な環境活動を支援・促進しています。一
定の講習を受講後、東京都の認定を受けると緑地保全や自然観察などの知識・技術を会得し、個
人やボランティアグループなどの求めに応じて指導や助言を行える人材として登録されます。平
成 18 年 9 月現在、市内在住のこうした指導者は、延べ 14 名います。
◎施策の方向
環境団体への支援としては、ボランティア制度の活用や、市民協働提案事業を検討します。ボ
ランティア活動を行う市民グループや環境団体に対しては、市が用具等の提供や貸与、ボランテ
ィア保険の適用などが考えられます。市民協働提案事業とは、市民グループや環境団体等が提案
する事業を市と協働して進めることにより事業効果を高めていこうとするものです。
また、市では、東京都が主催する緑のボランティア指導講習修了者や環境学習リーダー養成講
座修了者の連携・活用を進め、環境保全活動を実践していく新たな環境リーダーの育成について
検討するほか、生涯学習としての環境教育として公民館講座等を開催し、人材育成に努めていき
ます。
◎施策の体系
環境団体等への支援と人材の育成としては、以下のような施策があります。
環境団体等への支援と人材の
育成
ボランティア制度活用の推進
市民協働提案事業の検討・推進
環境活動のリーダーの養成
62
◎目標達成のための施策
☆ボランティア制度活用の推進
道路や公園の美化清掃ボランティア活動を行う市民が市に登録し、協力者に対しては、市が清
掃用具等の提供や災害補償保険の適用などの支援をしていきます。
☆市民協働提案事業の検討・推進
環境に関する事業のうち、市と市民が協働して進めることにより事業効果が高まると考えられ
るものに対しては、実施にあたって基本的な考え方やそれぞれの役割、責任等を確認した上で、
その役割に応じた経費等を負担していきます。
☆環境活動のリーダーの養成
東京都が認定している緑のボランティア指導者講習の受講者を増やすとともに、緑のボランテ
ィア指導者や環境学習リーダーと連携を図り、環境学習活動や環境保全活動を実践する環境活動
リーダーの養成に努めます。
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○緑のボランティア指導者及び環境学習リーダー(東京都認定。当市在住の延べ人数):14 名
平成 23 年度の目標(5 年後)
○緑のボランティア指導者の人数増加
○新たな環境リーダーの育成
○環境学習活動及び環境保全活動の回数増加
平成 28 年度の目標(10 年後)
○各施策の継続実施
将来の目標
○市民の環境意識向上
○環境保全活動の内容充実
63
3.5.3
国、東京都、周辺自治体との連携
◎現状と課題
都が整備や管理する河川、道路、公園等については、市民の意見が伝わりにくいという面があ
ります。これらの問題を改善するためには、国や都、周辺自治体との連携を図り、市民の意見を
取り入れ、義務と責任を共有することが重要です。
市内を流れている空堀川の流域 4 市(武蔵村山市・東大和市・東村山市・清瀬市)では、空堀
川水環境確保対策会を組織し、水質浄化と快適な水環境の創出を目指し、合同水質調査を実施し
ています。また、環境啓発事業として、親子を対象にした水辺環境や環境関連施設の見学会を年
1 回実施しています。
◎施策の方向
周辺自治体と河川の環境確保対策や道路交通問題の改善、ごみ処理施設等の効率的整備・運営
のために、情報交換や共同で施策を実施するなど連携を図ります。また、道路交通騒音、振動の
低減対策を進めるため、都等の関連行政とも連携を図っていきます。
◎施策の体系
国、東京都、周辺自治体との連携としては、以下のような施策があります。
国、東京都、周辺自治体との連携
水辺を中心とした連携
都道の交通問題の改善
一部事務組合の施設管理
◎目標達成のための施策
国、東京都、周辺自治体との連携については、以下のような内容を実施します。
☆水辺を中心とした連携
空堀川の流域関連 4 市(武蔵村山市・東大和市・東村山市・清瀬市)による情報交換、合同の
水質調査や事業を実施するなど、連携を図っていきます。
64
☆都道の交通問題の改善
道路の整備とともに歩道の拡幅、街路樹整備、低騒音型舗装の施工など、誰もが安全で快適に
通行できるような歩行空間を目指し、整備の推進を要請していきます。また、道路交通騒音、振
動の低減対策を進めるため、都、隣接する関連行政との連携を図っていきます。
☆一部事務組合の施設管理
一部事務組合及び加入各市との連携を図り、効率的な施設整備、施設運営を実施します。
水辺を中心とした連携(イメージ)
進行管理における指標項目と目標
現況(平成 17 年度)
○空堀川の合同水質調査の実施:年 1 回
平成 23 年度の目標(5 年後)
○空堀川の合同水質調査の継続実施
○都道の交通問題の改善要望書の提出
○一部事務組合における各自治体間の連携強化
平成 28 年度の目標(10 年後)
○各施策の継続実施
将来の目標
○各自治体の連携強化による効率的設備投資と環境問題の早期解決
65
3.5.4 その他の施策
☆廃棄物減量等推進員制度の推進
ごみ減量とリサイクル推進について、地域のボランティアとして、廃棄物減量等推進員制度を
継続実施します。具体的には、市と地域の連絡役として、ごみ減量の啓発事業を進めます。
☆アドプト制度導入の検討
市民が「里親」となり、公園・緑地等の公共施設を「養子」として、義務的活動ではなく自ら
の活動と責任で公共施設を市と協働で管理する制度(=アドプト制度)の導入を検討します。
☆放射線測定と測定値の公表の実施
東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線の拡散への対応で、放射線量の測定を実施
し測定値の公表をしていきます。
66
3.6
環境基本計画の監視項目と現況及び目標
3.5 までに述べてきた環境基本計画の監視項目と現況及び目標を計画の柱ごとに整理すると、以下のようになります。
これらは、6 章で示す進行管理において役立てることができます。
◎自然環境「水と緑を保全・活用し、自然を大切にするまちの施策」
現況(平成17年度)
狭山丘陵の公有
○狭山緑地8.1haを
地化の推進と適
公有地化(累積)
正管理
67
緑と水辺の整備
を進め、自然の生
態系の保全・回復
に努める
○都市計画公園等の
一人当たり面積
2
15.0m
(H17年4月1日)
平成23年度の目標(5年後)
○狭山緑地9.35haを公有地化
(当該買収面積の3か年平均
0.25haずつ取得すると仮定)
○狭山緑地の適正な維持管理
の実施
○都市計画公園等の一人当たり
2
面積 18.57m
(H22目標。緑の基本計画より)
○生物調査を隔年で実施
○ホタルの生息数の増加
○ビオトープの増加
平成28年度の目標(10年後)
将来の目標
○事業認可面積14.6haを公有地化
(立川都市計画緑地第9号東大 ○狭山丘陵の多面的機能の保持
和緑地の事業完了見込より)
○狭山緑地の適正な維持管理の ○狭山丘陵における公有地の拡大
継続実施
○都市計画公園等の一人当たり
2
面積 18.67m
2
(H30目標18.75m より按分。
緑の基本計画より)
○左記施策の継続実施
○生態系の保全・回復、自然配慮
型整備、人と自然の共生
○誰もが安全で快適に散策できる
空間づくり(公園、河川等)
◎循環型社会「ごみを減らし、資源・エネルギーを有効利用するまちの施策」
現況(平成17年度)
○家庭ごみ排出量
731g/人/日
3R(リデュース、リ
ユース、リサイク
ル)のより一層の
推進
68
再生可能エネル
ギー及び雨水利
用の促進
平成23年度の目標(5年後)
○家庭ごみ排出量
700g/人/日以下
○事業系ごみ排出量
3,000t/年以下
○リサイクル率 24.3% ○リサイクル率 35%以上
○最終処分量
○最終処分量 2,500t/年以下
2,667t/年
○せん定枝資源化量 ○せん定枝資源化量(施設投入量)
(施設投入量)
170t/年以上
95t/年
(注:平成17年3月
稼動)
○地域温暖化対策行動 ○地域温暖化対策行動計画の
計画に向けて準備中 策定及び着実な実施
○市内のエネルギー: ○市内のエネルギー総量の削減
電力 302,366MWh
(6%)
10.4kWh/人 ○バイオマスエネルギーの利用
ガス 34,728千m3
促進
1.20m3/人 ○市内の一人当たり消費電力量
(電力は平成15年度実績) 低減に向けた啓発活動の推進
○太陽光発電の利用促進
○市の雨水利用施設:
○市の雨水利用施設の増加
3施設
○雨水浸透施設の設置数増加
平成28年度の目標(10年後)
将来の目標
○ごみの減量、資源の有効利用を
推進し、次期一般廃棄物処理
基本計画で定める目標の達成
○より一層のごみ量の減尐と
資源化率の向上
○せん定枝資源化量(施設投入量)
の増加
○集団資源回収量の増加
○マイバッグ利用推進店の増加
○地域温暖化対策行動計画の実施
○平成19年改訂予定の東京都環境
基本計画を参考に、再生可能
エネルギーの利用拡大
○市内のエネルギー総量の削減と
再生可能エネルギーの利用拡大
◎都市環境「安全・快適で、ずっと住み続けたくなるまちの施策」
現況(平成17年度)
○エコファーマー認定
地産地消の推進 者数:6人
と食の安全性の
確保
69
:
○市民農園の実施:
市内4か所
:
都市農業の推進 ○農業体験農園の
実績:0か所
0
か所
による農地の保
全
○農業生産集団に
対する支援:
イベント支援等
平成23年度の目標(5年後)
○地場農産物の生産量増大と
市内流通量増大
○エコファーマー認定者数増加
○小・中学校の給食における
地場野菜利用率の向上
○小・中学校における食育授業の
実施
○地場農産物を利用した食育
の実施
平成28年度の目標(10年後)
○各施策の継続実施
将来の目標
○地産地消推進の継続
○地場農産物の安定的供給の確保
○市民農園の充実
の開設
○農業体験農園数の増加
○農業生産集団に対する支援の
充実
○農業の多様な担い手の育成
○環境調査の継続
○自動車騒音要請限度 ○自動車騒音要請限度以下の
以下の達成率75%
達成率100%
公害防止等の安
○二酸化窒素濃度の ○二酸化窒素濃度の環境基準
全対策の充実
環境基準達成率69% 達成率100%
○河川の水質環境基準 ○河川の水質環境基準の
達成率86%
達成率100%
○各農業振興策の継続実施
○市民とともに育てる東やまと農業
の実現
○環境調査の継続
○自動車騒音要請限度以下の
達成率100%の維持
○全測定地点、全項目における
環境基準の達成
○二酸化窒素濃度の環境基準
達成率100%の維持
○環境負荷が尐なく住み続けたく
なる都市環境の実現
○全測定地点における河川の水質
環境基準の維持
◎環境教育・学習「学習や体験を通じて、環境を大切にする心を育てるまちの施策」
現況(平成17年度)
○リサイクル工作等
参加者数実績:
小・中学生に対す 平均25.7人/回
る環境教育の推
進
平成23年度の目標(5年後)
○小・中学生の環境リーダーの
育成
○環境学習講座の
受講者数の実績:
生涯学習としての
平均20名/回前後
環境教育の充実
○環境学習講座の受講者数の増加 ○環境学習講座の受講者数の増加
○小学生による環境調査実施
平成28年度の目標(10年後)
○小・中学生の環境リーダーの
育成、人数の増加
○小学生による環境調査の
継続実施
将来の目標
○小・中学生の環境意識の向上
○市内小学生高学年の自然観察会 ○市内小学生高学年の自然観察会
経験率の向上
経験率の向上
70
○環境に関するガイドブックの
作成に着手
○市民版環境配慮指針の作成の
支援
○市民、事業者の環境意識の向上、
環境改善行動の実践
○環境に関するガイドブックの完成
○市民版環境配慮指針の普及
○屋外におけるホタル
○屋外におけるホタルの発生数
○屋外におけるホタルの発生数
の発生数:72
の増加
の増加
○体験学習の機会の充実、体験
狭山丘陵などを
(野火止等)
学習に対する自主性の増加
題材とした体験学 ○野草教室等の
習の推進
狭山丘陵における
○野草教室等の狭山丘陵における ○野草教室等の狭山丘陵における
○ホタルの自然定着
体験学習会参加者の 体験学習会参加者の増加
体験学習会参加者の増加
実績:20名/回前後
◎協働・連携「みんなで考え、みんなで協力し、みんなで豊かな環境を創っていくまちの施策」
現況(平成17年度)
平成23年度の目標(5年後)
平成28年度の目標(10年後)
将来の目標
○市民と協働する清掃活動の実施
○市民と協働する清掃活動の実施
○市民、環境団体、行政の協働
市民と行政の
○市民と協働する清掃
及び参加者数の増加
ネットワークの
活動の実績:なし
構築
(数年に一度実施)
○各施策の継続実施
○市民の意識向上
○緑のボランティア指導者の
○緑のボランティア
指導者及び環境学習 人数増加
環境団体等への
○環境保全活動の内容充実
リーダー
○新たな環境リーダーの育成
支援と人材の育
(東京都認定。
成
当市在住延べ人数) ○環境学習活動及び環境保全活動
:14名
の回数増加
71
○空堀川の合同
水質調査の実施:
国、東京都、周辺 年1回
自治体との連携
○空堀川の合同水質調査の
継続実施
○都道の交通問題の改善要望書
の提出
○一部事務組合における各自治体
間の連携強化
○各施策の継続実施
○各自治体の連携強化による効率
的設備投資と
環境問題の早期解決
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