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ITS Japanニュース№136(2006年6月号)

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ITS Japanニュース№136(2006年6月号)
◆ ITS-Americaの年次総会
◆産学連携特集:宮城大学のITS取り組み
◆ ITS Japan国際グループ紹介
◆財団法人道路交通情報通信システムセン
ター(VICSセンター)のITS取組み
◆ ITSフィンランド視察団が来日
◆ 「ITS見学会」実施報告
◆幹事会報告
※写真、図等の著作権はITS Japan及び寄稿者に存するので、利用されたい場合は必ず承諾をとるようにしてください。
◆ ITS-Americaの年次総会
ITS-Americaの年次総会(Annual Meeting)が、5月7日∼9日に開催された。ITS Japanからも取材をし
ましたので、ご報告します。
ITS Americaの年次総会は、ITS-Americaにとっては、
世界会議の主催についで最大のイベントで毎年開催場
所を変えて行われる。 今回の年次総会は、米国建国
の地 ペンシルバニア州、フィラデルフィア市で開催され
た。
会場は鉄道の駅(プラットフォームが13あった)を改修
して、さらに会議室や展示会場を増設したペンシルバニ
ア・コンベンションセンターである。本部があったホテル
マリオットとは空中回廊でつながれており、大変利便性
の高いところに位置していた。
全体構成は、オープニング、クロージングの全体セッシ
ョン、個別の論議を行うセッション、展示、テクニカルツアーと世界会議などのITSイベントと同様の構成
である。 連邦政府、州政府、学識経験者など米国内のITS関係者が一同に介し、セッションで意見を
交わしたり、製品、サービスの展示を行うことで、新たな発見、新たな関係が、生まれ、ITSの発展につ
ながっている。 日本からも、数十名が参加している。
1)開会式
開会式は、駅舎を改修した大ホールで行われ、推定で
約400人が参加し、現会長のMartin Capper氏の司会で行
われた。
冒頭、ITS-Americaの来年度の会長は、Tom Lambert
氏の就任が紹介された。(ITS-Americaの会長の任期は一
年。)
Lambert氏は、州の警察関係の方で2005年のITSAmericaでも、副会長を務めるなどITS推進活動に関わっ
てきている。
ITS-AのNeil Schuster社長の挨拶では、Delay 0、
Fatality 0を目指した活動を続けていくこと、米国運輸省高速道路局(FHWA)主導のVIIプロジェクトで
も積極的な関与していくことなど、ITS AmericaのITS推進活動をアピールする内容であった。
キーノート・スピーチは、連邦通信委員会(FCC)の前議長のMicheal Powell氏で個人的経験を交え
ながら、ITS社会の発展に期待が述べられた。
アワードは、アプリケーション、市場性、連携強化など、6部門あり、ペンシルバニア、フロリダ州、など
主に各地域の取り組みが表彰されている。 企業からは、唯一、モトローラが研究・発明部門で受賞し
た。
2)セッション
ITS-Americaの各Forum活動を紹介するForum Showcaseとそ
れぞれの個別テーマを議論するProgram Sessionsの2種類があ
った。 Forum Showcaseは、8セッション、Program Sessionは、64
Session が設けられていた。
フォーラムの種類
ATCE:自動車、通信、ユーザー機器
CVFM:商用車、貨物輸送
HSPS:安全保障、公共安全
INFO:輸送情報
プログラムセッションでも関連するForumがラベルで示されてお PEA:ポリシー、評価、支持
り、関心のあるセッションを選ぶことが容易になっている。
RITE:研究、トレーニング、教育
ただ、発表のもとになる論文やプレゼ資料は、配布されず、そ TSOP:輸送システム運用、計画
の場における意見発表的で連携強化のビジネスアピールといっ
た色彩も強い。
全体を通してホットな話題は、VII(Vehicle Infrastructure Integration)であった。 VIIは、文字通り、車
との融合を目指したITSの基盤インフラ作りであるが、米国運輸省高速道路局(FHWA)の主導のもと、
州政府、自動車メーカーを巻き込んで調査・研究活動がスタートしている。
VIIの基本のアーキテクチャーは、道路にDSRCを配し、それを介した路車協調で安全や交通流に貢
献するためのシステムを構築していこうというもので、全体的な活動の方向性は州行政、自動車メーカ
ーも参画したVIIコンソーシアムで決定されている。
実証実験は、今はカルフォルニア、フロリダ、ミネソタ、ペンシルバニアの4州で実施されており、州単
位のイメージは強い。 4州以外でも検討中のところもあるが、今のところ具体的な取り組みにはなって
いない模様。
現実証実験の結果が出始める2007年からインフラへの投資計画が検討され、08年末までにまとめられ
る予定で、システムとしての稼動は、2010年、11年ぐらいが想定されている。
セッションでのプレゼンテーションは、状況報告のほか、本格的にシステムを構築していく上でキーと
なるプローブ情報のプライバシー問題、通信メディア、付加価値情報サービスなど、それぞれの立場で
プレゼンテーションが行われているが、まだまだ、問題提起的なものである。
自動車メーカーは、ドイツ系、日系メーカーが比較的積極的で、GM、Fordの米国メーカーはあまり前
面には出てきていなかった。
3)展示
通信、情報関係の会社を主体に約120社余りが出展していた。展示ブースはHomeland Security,
Weather Alley, Public Safetyなどに区分けされ関係企業の展示が集まっており、参加者の関心に合わ
せて、見易い配置になっていた。 また、ITS Americaの加盟企業は、ITS America Memberの看板を掲
げており、年次総会を会員の立場でサポートする姿勢が見てとれた。
出展企業は、システム技術、情報サービス、通信・情報技術の企業が中心で、大手自動車メーカーの
出展はなかった。また、政府関係では米国運輸省高速道路局(FHWA)が出展している。
4)クロージング
クロージングの全体セッションは、今回の組織委員会の委員長であった
Ken Philmus氏の司会によって進められた。
米国運輸省高速道路局(FHWA)でVIIを引っ張っているJeff Paniati氏が
政府代表として挨拶を行った。VII等、ITS普及のためにITS Americaが多く
の貢献をしていることが述べられ、ITS Americaと政府が良好な関係にあ
ることが伺われた。
ITA AmericaのNeil Schuster社長は、サンフランシスコ世界会議のショー
ケースの成果を讃え、組織委員長の表彰、参画企業にも謝辞が送られ
た。 ITS Americaはショーケースを継続的な活動とする意図で、07年の
電気製品ショーや、08年のニューヨークのITS世界会議でも積極的に参画
するように企業や州政府に呼びかけがなされた。
キーノート・スピーチは、年次総会のスポンサーであるXM衛星ラジオの
会長Gary Persons氏が行った。 衛星ラジオが拡大しつつあること、広域
をカバーする情報通信メディアとして有効などの衛星ラジオのアピールが
あった。
過去の年次総会開催場所
1991 - Reston, VA
1992 - Long Beach, CA
1993 - Washington, DC
1994 - Atlanta, GA
1995 - Washington, DC
1996 - Houston, TX
1997 - Washington, DC
1998 - Detroit, MI
1999 - Washington, DC
2000 - Boston, MA
2001 - Miami Beach, FL
2002 - Long Beach, CA
2003 - Minneapolis, MN
2004 - San Antonio, TX
2005 - Phoenix, AZ
2006 - Philadelphia, PA
なお、次回2007年度の年次総会は、6月4日∼6日にカルフォルニア州のパームスプリングで、2008年
度は11月16日∼20日にニューヨークで世界会議と同時開催される。 今まで、年次総会は、世界会議
が米国である時も、別に開催されてきたため、初めての同時開催である。
(担当:国際グループ 久保)
◆ ITS Japan国際グループ紹介
- 国際グループの業務概要 1.主要業務
国際グループの主要業務は下記の通りです。これらの業務の概要を紹介いたします。
z ITS世界会議の3極での共同運営
z 国際展開
z アジア・太平洋(以下AP)地域ITSフォーラムの事務局
z 国際交流
2.ITS世界会議の共同運営
ITS世界会議はITSの今後の重要性を世界レベルで認知させることを目的に、欧州のERTICO(実際
は子会社のITS Congress Associationが担当)、米国のITS Americaおよびアジア・太平洋(以下APと略
す)のITS Japanが創設したもので、この3極ITS推進組織のみが開催権を持ち共同で運営しているもの
です。
ITS Japanの前身であるVERTISは1995年ITS世界会議横浜大会を運営するために前年の1994年に
設立されました。国際グループはこの機能を遂行しており、まさにITS Japanのルーツと言っても過言で
はないでしょう。
実際の会議は各地域の実行部隊である組織委員会が主体で行ないますが、会議の基本である開
会式、セッション構成などは3極組織を中心とした国際プログラム委員会(IPC)で決めていきます。ITS
Japanでは開会式やExecutive Session, Special SessionのAP各国からの登壇者やセッションテーマの割
り振りを行い、会議が有意義に進行するよう配慮をしています。世界会議の運営責任を補佐する世界
会議理事会(BOD)は、各極から最大で15名選出され、今後の世界会議の方向性の論議や4年後の
開催都市承認などを行ないます。現在6名の日本人がAP地域から選出されています。
ITS世界会議には例年日本からの参加者が700∼1,000名にもなりますので、開/閉会式やExecutive
Sessionには日英の同時通訳を行い参加者へのサービス活動も行なっています。
今後のITS世界会議開催は2006年にはロンドンで、2007年には北京、2008年ニューヨーク、2009年
にはストックホルムで開催することが決まっています。
図1 ロンドン大会のロゴと会場のExCEL
3.国際展開
欧米やAP各国との交流は以前からも行なっていましたが、ここでの意味は「日本のITSをアジアに展
開し、その地域の交通・環境問題を解決しLivable Society作りに貢献する」と言うことです。現在は中
国、タイ、インド、インドネシア、マレーシアに焦点を当て、具体的な方策を検討しています。この方策を
受けてITS Japanの業務促進グループが、会員企業を中心とした研究会を発足させ、ビジネスの視点
での活動を行います。
4.アジア・太平洋(AP)地域ITSフォーラムの事務局
このフォーラムは、AP地域のITS発展のため、ITS世界会議がアジア以外で開催される年に、AP各
国・地域(14地域)の持ち回りで実施し、アジア版ミニITS世界会議とも言えます。ITS Japanはメンバー
から恒久的な事務局をやるように依頼されています。
2006年7月には香港で開催されますので、会員企業の方で興味のある方は是非ご参加下さい。
今後の課題として、14地域の中でAPフォーラムやITS世界会議を開催できる実力を持った組織が無
い国々へどう支援できるかです。ここ1∼2年はタイのITS推進組織の立ち上げと2009年にはAPフォー
ラムを開催できるように継続してタイ関係者と連携を深めて行きます。
図2 香港でのAPフォーラムのポスター
5.国際交流
日本のITSの展開は世界の中でもトップクラスであるため、各国政府の要人や海外の関係者が日本
を訪問しITS施設の見学や意見交換会を実施したいとの要望が数多くあります。そのため、関係省庁・
団体・企業の方々と連携を取りこれらのアレンジも月に平均1∼2回行なっています。
関係する省庁・団体企業の方々には施設見学のアレンジ、意見交換会への参加などいつもご協力
頂き有難うございます。
6.体制
国際グループは通常3名の理事企業出向者(常務理事、国際部長、担当部長)と2名の職員(論文担
当、国際事務局業務担当)の5名で構成されています。(引継ぎ時期を除く)
(全員国際共通語の英語に堪能です??また今後の世界会議に向けて中国語も重要になりそうで
す)
数多くの理事企業の方にITS世界会議運営の経験をして頂くことによりその重要性をより理解しても
らうため、2005年から国際グループの出向者は3∼4年の任期で交代するようにしました。
図3 国際グループ(6月5日までの体制)
図4 国際グループ(6月6日以降の新体制)
この事務局メンバーと現在の予算だけでは今まで述べてきた業務はこなせません。そこで理事企業
の委員からなる国際委員会の方々に国際グループの活動を常に強力にサポートして頂いています。
その活動の中には世界会議の事前概要集、事後報告会に向けてのセッション聴講集の発行、ITS
Japanブースの展示説明などがあり、委員自らが率先して作業を行なっています。 同様に日本人の
世界会議BOD、IPC委員の方々も各社の負担での海外出張を含め積極的なサポートを頂いていま
す。
今後ともITS世界会議、AP地域ITSフォーラムへの参加をお願い致します。
以上
お知らせ:6月6日のITS Japan総会をもって常務理事が菅から坂本に交代します。今までのご支援に
感謝を申し上げると共に、今後も引き続きご支援をお願い致します。
(文責 菅)
◆ITSフィンランド視察団が来日
5月6日∼9日の日程で、ITSフィンランドのメンバーが来日し、東京や名古屋のITS関連施設を視察し
ました。
警視庁交通管制センター、VICSセンター、日産自動車殿のCar Wings 、日の丸自動車興業殿の「丸
の内シャトル」、中部国際空港殿への視察につきましてはITS Japan 国際グループが仲介を行い、日本
のITSへの理解を深めていただきました。
また、5月12日のITS Japan 事務局への訪問では、セッポ・オールニITSフィンランド会長をはじめとす
る官民学の訪問メンバー33名と、両国のITSの状況についての意見交換を行いました。
ITSフィンランドは、交通管理・トラベル情報提供・交通安全などにITS技術を活用する 「Vision2010」
の目標達成にむけて、ERTICOと連携して活動しており、ユビキタス社会の実現を目指す「ユビ・フィンラ
ンド」プロジェクトの中でも交通の課題の解決のためにITS技術への期待は大きいものがあります。今秋
のロンドン世界会議での再会と今後の協調を約束しました。
今回の視察対応にご協力いただいたみなさまに厚く御礼申し上げます。
中部国際空港
丸の内シャトル
日産本社
ITS Japan
VICSセンター
(担当:国際グループ)
◆ 「ITS見学会」報告
ITS Japanは会員サービスの一環としたITS見学会「貸切バスツアーによる富士スピードウェイ見学会」
を5月26日(金)実施しました。 以下はその内容です。
開催日:2006年5月26日(金) 天候:残念ながら曇り、富士山を一瞬だけかいまみることができまし
た。
主 催:特定非営利活動法人ITS Japan
場 所:富士スピードウェイ㈱(静岡県駿東郡小山町)
1.参加者数 : 38名(3団体、22企業の方々。内ITS Japan事務局3名)
2.概
要 :バスツアーによるITS見学・交流会として開催
(1)スケジュール
東京駅付近 鍛冶橋駐車場出発
9:00
富士スピードウェイ<東ゲート>到着
11:00
11:00∼ 場内見学(観光バス乗車で見学)
12:00∼ 体験走行(コース走行・コースバンクに降りて路面見学)
12:30∼ 会員交流会(ピットビルのクリスタルルームにて)
14:15∼ 「トヨタ交通安全センターモビリタ」見学
富士スピードウェイ出発
15:45
東京駅無事到着、解散
18:10
(2)内 容
z ITS見学会の主旨説明および今後の予定について説明(秋月委員長)
(主旨)現地システム見学会や説明会・講演会など、会員参加型を通して
会員サービスの充実を図り、会員の交流の場を提供。情報交換や協業な
ど会員・団体の業容拡大を支援する。
z 往路の観光バス風景
z
富士スピードウェイ場内見学
z
ピットビルのクリスタルルームにて会員交流会を実施
交流会会場風景
観光バス内で事前に参加者の自己紹介を行っていたので、懇談は初対
面同士も打ち解けて会話が弾んでいた。
z
現地(富士スピードウェイ)の見学
z
「トヨタ交通安全センターモビリタ」見学
交通安全センターモビリタでの講習風景
3.参加者アンケートの結果(34/35名の回答)
(1)見学会の満足度・・・約9割のかたが満足、やや満足との回答。
内訳:満足17名(50%)、やや満足13名、(38%)普通3名、やや不満1名
(2)主な意見、要望など
z 大変良い企画だった。体験コーナがあれば尚良かった(情報・通信)
z F1の世界も必要、ITS、環境とのつながりも重要(自動車関係)
z 安心できるツアーで大変良かった。次の機会にも参加したい(官公庁関連団体)
z 事務局と富士スピードウェイのホスピタリティのあふれるサービスに感謝。参考になった。トヨタ
モビリタに興味を持ったし、参加してみたい(電機・電子部品)
z 安全運転センターでの体験学習が組み込まれるとBESTであった、2件(自動車関係)
z 普段見学できない施設を体験でき大変有意義な見学会であった。ITS関係の施設や工場見学
希望(建設・鉄鋼)
z 他社との交流、普段行けない場所=このような交流会を定期的開催希望(自動車関係)
z 次回は一泊でも良い。滅多に来れない所で大満足。いい企画を期待(電機・電子部品)
z ITSを実感できる見学会を希望(金融)
(3)ITS JapanNEWS、会報、会員サービス全般について
z 部品メーカにも役立つ情報を希望します(電機・電子部品)
z 発行期間が短い。もう少し少なくて良いのでは(建設・鉄鋼)
z リアルタイムな情報提供のためWebを活用しては?(情報・通信)
z ITS Japanの会員であることのメリットを継続検討する必要あり(機械)
4.全般的な反省点など
今回は「ITS見学会」を前面に出しての企画であり目的であった。交流会(懇親会)の時間を90分にし
たことにより、会員間の交流や企業PRを充分に行うことが出来た。アンケートから、交流会2回/年開催希
望や「泊まりでもいい」など意見があった。それだけ、この交流会に対する会員の期待感が感じられ、
約2年ぶりのITS見学会としては全般的に成功であった。
(担当:総務グループ イベント/サービス部 大関)
◆ 産学連携特集:宮城大学のITS取り組み
宮城大学は1997年に創設された県立大学であり、看護学部・事業構想学部・食産業学部の3学部に
より構成される.そのうちの1つである事業構想学部は、新たな事業を構想できる人材の育成を目指し
て設けられた学部であり、事業計画、空間デザイン、情報システム、デザイン情報の分野で教育研究を
行なっている。
ITSに関連する研究開発は、事業構想学部デザイン情報学科のデザイン情報系の蒔苗研究室、情報
システム系の宮西研究室・秋月研究室で行われている。宮城大学におけるITS研究の特徴は、主にITS
におけるアプリケーション技術を対象としていることであり、車車間・路車間通信技術を基盤とした交通
制御のためのプロトコルの研究や、空間情報モデルとその応用システムの開発等が行なわれている。
ここでは、現在行なわれている研究のいくつかを紹介する。
(1) ICタグを用いた道路標識システムの構築(蒔苗研究室)
現在の道路標識情報は、標識板により直接的な視覚情報として提供されているが、運転者の動
的な視環境の中で、標識の見落としが生じる場合も多い。このような問題に対して、車内で標識情
報を提示できるシステム(in-vehicle signing system)が有用と考えられるが、標識情報の取得方法
が問題となる。近年は、画像処理等により路上の標識を認識する研究がいくつか行われている
が、より確実な標識情報の伝達を実現するために、蒔苗研究室(蒔苗耕司教授)では、路面に設
置したICタグを電子的な道路標識として利用するシステムの研究を進めている。 ICタグは、近年、
急速に普及しつつあり、大量生産が可能であり、その単価が極めて安価であること、パッシブ型の
場合には電源が不要であること等の利点があり、道路標識への利用も有効であると考えられる。
車内における標識提示
路面へのICタグの設置
道路上へのICタグの配置においては、自動車の進行方向を考慮した適切な情報である必要が
ある。そのため、1つの標識を提示するために、図に示すような3つのICタグを用いることにより、区
間の開始・終了およびチェックを行うシステムを採用している。
本システムの適用は、運転者に対して現在の走行区間における規制等の情報を確実に伝達で
きるとともに、それらを高度に利用した運転支援システムへの応用が可能である。今後は、より高
速な走行に対応できるシステムの構築、路面へのタグの埋設方法、より確実な情報伝達を行うた
めのタグ配置方法について研究を進めていく予定である。
(2) 運転者間コミュニケーションシステムの開発(蒔苗研究室)
複数の車両が混在して走行する自動車交通の中で、周囲を走行する車両との意志伝達が必要
となる場合がある。停止や右左折・車線変更等の法的に定められた意思表示のみならず、例えば
挙手や非常点滅灯による謝意の伝達など、運転者のコミュニティの中で自然発生的に生じてきた
ルールも存在している。近年は車車間通信技術の研究が進んでおり、それを基盤とすれば、運転
者の間で正確かつ円滑な意思伝達するシステムが期待できる。このような背景から、蒔苗研究室
では、運転者間のコミュニケーションシステム(Inter-Vehicle Communication System; IVCS)の開発
を行なっている。
IVCSの概念図
現在、開発中のシステムでは、各車両が無線LANにより、IPネットワークに接続されていることを
前提としている。自車周辺に存在する特定の車両にメッセージを送信するためには、その車両の
IPアドレスを調べる必要がある。現在は、GPSによる位置情報を用いて、自車周辺のIPアドレスを
特定するシステムを構築し、動作検証を行なっている。またユーザーインターフェースにはホイー
ルボタンを利用し、音声および画像によりメッセージを検索できるシステムとしているが、その操作
面ではまだ多くの問題があり、改良が求められている。
現在は自車周辺の車両のみにコミュニケーション範囲を限定しているが、車群先頭等への追越
し意志の伝達等、車車間通信を活用した、より高度な運転者間(者者間)のコミュニケーションシス
テムの構築を考えている。
(3) 道路空間情報のモデル化に関する研究(蒔苗研究室)
道路の幾何構造に関する情報は、平面図や縦断図、横断図等の図面情報が基になっており、そ
れを3次元情報として記述する統一的なモデルはまだ定義されていない。蒔苗研究室では、道路
設計支援システムの開発の中で、道路線形をクロソイドや円曲線、直線といった個別の曲線要素
として扱うのではなく、曲率・勾配の情報として定義することにより、道路構造をより簡易な情報とし
て記述するモデルを開発している。この手法は、3次元線形情報を簡易に記述する手法として適用
可能であり、このような3次元線形情報がデータベース化されることにより、運転者の支援、あるい
は自動運転制御における予見制御に有効であると考えている。
道路線形情報に基づく予見制御の実現
(4) アドホックネットワークを用いた車車間通信に関する研究(秋月研究室)
秋月研究室(秋月治教授)におけるITSへの取り組みは、車車間ネットワークを中心に行なってお
り、これまで交差点や高速道路分合流部でのアドホックネットワークの適用について研究を行なっ
ている。高速道路分合流部での適用を例に説明すると、合流点以外では、各車線を走行している
車両は、車群を構成し、車群内でマルチホップネットワークを形成する。合流点付近では、各車群
の先頭車両(サーバー車と呼ぶ)が、他車群のサーバー車との間でアドホックなネットワークを構成
し、スムーズな合流のために互いの位置・速度情報を交換するとともに、車群の後方車両に対し
て、取得した他車群の情報を伝送する。サーバー車が合流点を越すまでの時間により、サーバー
車に優先度をつける。
図の道路モデルにおいて、システム搭載車両は、通常制御エリアでは車群内通信を行い、通信
エリアではサーバー車間での通信を行なって車線変更の優先度を決定する。このとき、合流エリア
内に車両がいる場合には減速し、合流エリアには進入しないようにする。非搭載車両は、待機スペ
ースにて待機することとなる。待機車両がある一定台数以上溜まると、システム搭載車両で構成さ
れる車群ネットワークのサーバー車から後続車両に対して、非搭載車両の合流を妨害しないよう
に、合流エリア手前で停止するか適正な速度まで減速するように指令を出す。非搭載車両のドライ
バーは、後方で車両が減速・停止したのを目視で確認して合流を行う。
合流点における道路モデル
(5) 交差点無停止通過型交通管制方式の研究(宮西研究室)
宮西研究室(宮西洋太郎教授)におけるITSへの取り組みは、(1)モバイルネットワークとしての取
り組み、(2)道路交通制御方式への取り組みの2点から行なっている。モバイルネットワークとして
は、公立はこだて未来大学の高橋修教授、道路交通制御方式としては日本工業大学の中村俊一
郎教授との間で協力関係にある。本稿では、後者について紹介する。基本的な取り組みの考え
は、将来においてGPS利用技術、DSRC技術、車々間通信技術、路車間通信技術の発展により、
道路を走行するすべての個別の車両の位置、速度などの状態情報がほぼ完全に把握できる理想
的な状態を前提にすると、市街地および高速道路での車両の走行がどれだけ安全性向上および
走行の効率化できるかという点を研究ポイントにしている。
特に市街地における車両の走行と信号制御との関係を研究している。これには2つの考え方が
あり、(1)車両の走行に同期させて信号を制御する方式と、(2)信号に同期させて車両の走行を管
制誘導する方式が考えられる。両者を図に示す。図において、一点鎖線は前者を、二点鎖線は後
者を表す。特に市街地における車両の走行と信号制御との関係を研究している。
前者の方式については、シミュレーションを行い平均的に旅行時間が約20%程度の改善が可能
であることを確認している。後者については、原理的な検討を行なっている段階で、今後、シミュレ
ーションによって効果を確認していきたいと考えている。
交差点管制機能による交通制御
あとがき
以上のように、宮城大学では現在、路車間・車車間通信を用いた交通制御や情報伝達システ
ム、空間情報システム等に関する研究を行なっている。今後は、これらの研究を有機的に結合さ
せ、研究の高度化を図るとともに、地方大学の特性を生かし、地域に根ざしたITSについても研究
を進めていく予定である。またこれらの研究室が属するデザイン情報学科では、人間−情報−環
境の中での新しいデザインや情報システムの探究を始めている。人間中心のシステムとしてのITS
のあり方など、新しい切り口で研究を進めていきたいと考えている。
宮城大学ホームページ: http://www.myu.ac.jp/
(寄稿:宮城大学事業構想学部デザイン情報学科 教授 蒔苗耕司)
◆ 財団法人道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)のITS取組み
1.はじめに
財団法人道路交通情報通信システムセンター
(VICSセンター)は、「ドライバーに的確な道路交通
情報を提供することにより、安全で快適な道路交通
環境の確立に寄与し、もってゆとりのある国民生活
の実現と社会経済の発展に資すること」を目的に平
成7年7月1日に設立、翌年4月23日に首都圏と東名・
名神高速道路で情報提供を開始、本年4月で丸10年
が経過しました。この間、地域毎に展開された情報
提供も僅か7年でインフラが整備されて全国エリア展
開が完成、また、車載機の普及においてもカーナビ
ゲーションの急速な普及と相まって、これも僅か8年
で累計出荷台数が1,000万台を超え、本年3月末には
1,500万台を突破しました。このようにVICSは、今や、
我が国におけるITS事業のトップランナーと認知され
るまでに成長し、次なる第2ステージへ向けて新たな
挑戦が期待されています。
この欄では、VICSの基本概要説明と最近行った実 上枠をクリックするとVICSの情報が動画でご覧いただけま
す。
験の例を紹介してまいります。
また、青いボタンで任意の説明までジャンプします。
2.VICSの仕組み(4つの機能)と情報内容
VICSには道路交通情報を体系的に収集する「①情報収集機能」、収集された情報を使いやすい形
に処理・編集する「②情報処理・編集機能」、それらの情報を利用者に伝達する「③情報提供機能」、
目的に沿って利用する「④情報活用機能」の4つの領域があります。
VICSでは、渋滞情報・所要時間・事故・工事規制・速度規制・車線規制・チェーン規制やSA・PAの満
車、空車情報を提供しています。情報内容は5分ごとに更新され、24時間提供しています。
これらのVICS情報は、VICS受信機能を持つカーナビゲーション等を購入・使用することにより受信
することができますが、VICS受信機には、FM多重放送だけを受信するものとビーコン(電波・光)の情
報も合わせて受信できるものの2種類があります。
【3つの通信・放送メディア】
VICSセンターで処理・編集されたVICS情報は、電波ビーコン、光ビーコン及びFM多重放送の3つの
メディアにより提供されます。
【3つの表示形式】
VICS情報は、文字(レベル1)、簡易図形(レベル2)、地図(レベル3)の3つのタイプでカーナビゲーシ
ョンのディスプレイに表示されます。
3.サービスエリアの拡大と車載機出荷台数
【サービスエリアの拡大】
平成8年4月23日に首都圏より情報提供を開始以来、平成15年2月で全国展開を完成しました。
【車載機出荷台数】
VICS対応車載機の出荷台数は、平成17年度年間で300万台を超え、累計出荷台数も本年3月末で
1,500万台を突破しました。
4.3メディアVICSの普及促進
VICS対応車載機のうち、ビーコンも含まれる3メディアの率はわずか10%台です。つまり、約9割の
ユーザーがFM多重放送のみで受信しているわけです。VICSセンターでは年々下降傾向にあるこの
率にハドメをかけるべく、昨年より、「3メディアVICSキャンペーン」を展開中です。ビーコン受信アンテ
ナ(下図写真)を装着し3メディア対応にすると、①DRGS(渋滞回避自動最適ルート案内)、②自動割
込み表示、③自車位置をもとにした関連情報等を受信できるメリットがあります。
◆3メディア比率
◆メリット
◆ビーコン受信アンテナ
5.事例紹介
次に、最近行った光ビーコン情報を活用した愛知万博での協力事業と箱根エリアでの実験を事例紹
介し、光ビーコン情報の優位性を説明してまいります。
【愛知万博での臨時駐車場情報提供活動】
昨年開催された愛知万博では、会期中、約1,500万人の来場が予想され、その交通対策として会場
近隣の6つの臨時駐車場への分散誘導が計画されました。
VICSセンターでは、かねて簡易図形情報提供による大規模イベントでの交通需要管理(TDM)につ
いても調査研究してきたことから、この計画に協力し、警察等と協議の上、名古屋市内から会場へ至
る主要なアクセス道について、ドライバーの経路選択上重要な地点に設置されている光ビーコンを選
び、万博駐車場情報を組み入れた簡易図形情報を実験的に提供致しました。
この情報提供においては、従来からの渋滞情報に加え、万博駐車場の位置情報、満空情報等が追
加提供されました。万博会場にマイカーで向かおうとするドライバーは、光ビーコンからの簡易図形情
報で最寄りの駐車場へのアクセスルートとその駐車場の混雑度も把握できるという訳です〔例1〕。
また、万博会場近辺を通過するだけのドライバーの利便を考慮して、図形情報を2枚に分割して提
供する試みも行われました〔例2〕。万博駐車場情報は2ページ目〔例2の「その2」〕で提供することによ
り、駐車予定のドライバーだけが2ページ目を活用するようにしています。
VICSセンターによるこのような諸対策が功を奏し輸送対策は全体として円滑に終始し、これらの対
応が評価され、万博協会より感謝状をいただきました。また、独自にアンケートも実施し、ドライバーに
対する誘導機能が実際に有効に働き、渋滞緩和効果が広く認知されたことが確認できました。
【箱根エリアの渋滞回避実験】
VICSセンターでは、昨年10月から今年3月末まで、日本有数の観光地である箱根地区を実験の素
材に選び、ドライバーの経路選択において光ビーコンからの簡易図形情報の高度利用策を模索すべ
く、警察、道路管理者、地元自治体等と共同しての情報提供実験を行いました。
このエリアは、週末や観光シーズンになると首都圏からの来訪者を中心に交通の集中による渋滞が
頻発し、しかも山間部に位置するためFM電波受信が困難であることから、ビーコンからのVICS交通
情報の提供による渋滞の緩和が期待されています。
そこで、この実験においては、①経路別の渋滞情報と目的地までの所要時間、②大渋滞路線ごとの
迂回道路情報、③広域渋滞マップ(東京までの帰りの高速道路情報)、④帰りの時間帯別の渋滞情
報(目的地までの渋滞状況と所要時間を帰りの時間帯別に提供)等、ドライバーのニーズの高いコン
テンツを試行的に提供することとしました。
実験のねらいは、このエリアに過剰に流入する車輛を、時間的に分散させることが可能となる情報
提供の在り方、内容を見つけることにあります。③や④の情報は、そのための実験コンテンツであり、
これらの提供によりドライバーが帰りの時間帯を適切に選択し、帰路における大渋滞時間帯を平準化
する上での効果測定を目的としたものです。
また、①と②は、箱根の地域特性を考慮し、最も渋滞が頻発する国道1号線において、目的地まで
の所要時間情報を経路別に複数提供し最適な道路選択を促したり、迂回情報を提供して地域全体で
の交通流の分散を図るためのものです。このほか、⑤箱根湯本駅前の路上駐車に起因する慢性渋
滞に対処するため、駅前の「公営無料駐車場情報」も提供、こういった諸般の施策により地域トータル
での渋滞問題解消方策を探ってみることとしました。
結果として下記アンケートからも伺えるように、非常にたくさんのドライバーに利用してもらい、また、
走行ルートを変更したと回答した人のほとんども、渋滞回避できてよかったと高く評価しています。
6.VICSの効果
このようなVICS情報を活用することによる効果は下記の通りです。
①道路交通情報がリアルタイムで入手できるため、渋滞回避により運転時間を短縮できます。
②交通状況の把握により、たとえ避けられない渋滞でも先が見通せることにより、心理的な安定が得
られ、安全運転ができます。
③駐車場の満空情報や交通情報の把握により、迷走・誤走を避けることができます。
④運転時間の短縮、迷走・誤走の回避によりCO2排出量の改善に役立ちます。
⑤VICS受信機購入後は、FM多重放送・ビーコンとも維持費(情報受信料)は無料で利用できます。
7.今後の取組み
最近におけるVICSセンターを取り巻く環境の変化にかんがみ、業務・財務運営の適正化・効率化等
を推進するため、VICSセンターでは平成18年度から組織及び業務配分について所要の改正を行い、
本年4月1日より下記新体制で業務をスタートさせ、当面の課題解決に取り組んでまいることとしまし
た。
【新組織図】
は部署名変更及び新規開設部門
【当面の課題】
①VICS情報の質の向上
ユーザーアンケート調査によると、情報の精度/速さ/量が第一に求められています。VICSセンタ
ーでは、この要望に応えるため、平成14年4月から「情報改善推進室」を新設し情報の精度向上に
取組んでまいりましたが、上記組織図の如く、本年4月より新たに企画事業部に移管し、各部にまた
がっていたこの種の業務を一元的に企画・管理することにより効率的・効果的な情報改善施策の推
進を図り充実させてまいります。
②地域VICS活動
平成15年より「地域要望実情調査(地域VICS活動)」を実施し、ユーザーが真に欲している情報を
的確に把握する活動に努めており、いくつかの地域での実証実験を実施、引き続き継続して推進し
てまいります。
③プローブ情報システムへの取組み
車両からリアルタイムで収集されるプローブ情報を活用することにより、多くの路線でより精度の高
い道路交通情報が提供可能となるため、プローブ情報システムの研究・開発に取組みます。
④「IT新改革戦略」に基づく安全・安心への取組み
VICS情報提供サービスの効果としては、渋滞の緩和等による直接的な経済効果ばかりでなく、
適確な情報提供に
よる心理面での安全・安心効果もいわれており、これらを視野においた取組みを推進してまいり
ます。
⑤第2システムセンター(バックアップセンター)の検討
災害発生時におけるVICS情報提供サービスの確保のため、現システムセンターにおける危機
管理対策をとりまとめるとともに、第2システムセンター(バックアップセンター)についても検討を進
めていきます。
(寄稿:財団法人道路交通情報通信システムセンター)
◆ 幹事会報告
NPO法人ITS Japan 平成18年5月度(第12回)幹事会
■ 開催日時:5月24日(水)10:30∼12:00
■場
所:日本女子会館ビル3階 ITS Japan 大会議室
■ 出席会社・団体:計30(理事会社20社、理事団体10団体)
Ⅰ.議題
1. 2006年度通常総会について
①第1号議案 2005年度事業報告及び収支決算について
②第2号議案 2006年度事業計画及び収支予算(案)について
③第3号議案 役員選任(案)について
④第4号議案 総会後の理事会開催について
⑤総会・理事会・懇親会進行予定
2. J-Safetyの活動状況
3. 国際関係について
①「第13回ITS世界会議」の状況
②「第8回アジア・太平洋地域ITSフオーラム」の状況
③中国・ITS世界会議(北京)組織委員会事務局訪日について
④ITS America年次総会の概要
4. 地域ITS推進団体連絡会について
5. 第5回 ITSシンポジウム2006第2回論文募集のご案内
Ⅱ.ITS関連団体ご報告(各団体からの最近の話題について)
1. (財)日本自動車研究所
1. 2006年度通常総会について
事務局から、6月6日(火)東京都千代田区霞が関3-2-5の霞が関東京會舘ゴールドスタール
ーム(霞が関ビル35階)で15:45から行われるITS Japanの2006年度通常総会について 、下記5
項目を報告しました。
① 第1号議案 2005年度事業報告及び収支決算について
② 第2号議案 2006年度事業計画及び収支予算(案)について
③ 第3号議案 役員選任(案)について
④ 第4号議案 総会後の理事会開催について
⑤ 総会・理事会・懇親会進行予定
2. J-Safetyの活動状況
事務局から、「J-Safety」 活動の進捗状況について、下記を中心に報告しました。
① J-Safety委員会が立ち上がるまでの経緯
・ IT新改革戦略(インフラ協調による安全運転支援システムの実用化)の実現に向け、
民の合意形成を図り「世界をリードできる安全システム構築の提言」を行なう目的で
② 世界一安全な交通社会を目指して(J-Safety委員会の考え方)
③ ITS推進協議会(官民連携会議)の発足と第1回ITS推進協議会(4/13)報告
・ 実務を行う作業部会の設置(構成メンバー:内閣官房、4省庁5局、経団連、ITS
Japan)と2006年度マイルストーン(予算要求に向けた検討、実験の詳細検討など)
④ 4/25第1回作業部会報告(官側の取り組み)と5/17第2回作業部会報告(民側の取り
組み)
⑤ 総会・理事会・懇親会進行予定
3. 国際関係についてJ-Safety委員会を2006年1月に立ち上げ推進し、官民連携会議への提言まと
めを行なう。
① 「第13回ITS世界会議」の状況
事務局から、10月8日∼10日、英国ロンドンのエクセルで開催される第13回ITS世界
会議の準備状況(会議日程、展示会、ショーケース、テクニカルビジット)について報告す
るとともに、会議登録についての参加申し込みをお願いしました。
② 「第8回アジア・太平洋地域ITSフオーラム」の状況
事務局から、7月10日∼13日、香港の香港会議展覧中心で開催される第8回アジア・
太平洋地域ITSフオーラムの準備状況(会議日程、各国からの予定参加者数、開会式、
エグゼクテイブセッシヨン、論文投稿状況、出展状況など)について報告するとともに、会
議登録やITS Japan共同展示ブースへの出展申し込みをお願いしました。
③ 中国・ITS世界会議(北京)組織委員会事務局訪日について
事務局から、ITS世界会議北京準備のための調査、日本のITS視察・日本のITS関係者
との交流のために、中国・ITS世界会議(北京)組織委員会事務局メンバー5名が4月24
日∼26日来日したことと、交流内容(①ITS関係4省庁5室長との交流会②財団法人日
本道路交通情報センター訪問③財団法人道路交通情報通信システムセンター訪問④財
団法人道路新産業開発機構訪問⑤国土交通省国土技術政策総合研究所訪問)につい
て報告しました。
④ ITS America年次総会の概要
5月7日∼9日にアメリカ・ペンシルバニア州フイラデルフイア市のフイラデルフイアコンベ
ンションセンターで開催されたITS America年次総会に出張参加した事務局から、トピッ
クス、VII(Vehicle Infrastructure Integration)を中心に報告しました。
4. 地域ITS推進団体連絡会について
事務局から、6月16日(金)にNPO法人 青森ITSクラブと共催で開催予定の「地域ITS推進団体
連絡会」について、下記内容を中心に報告しました。
① 日 時:平成18年6月16日(金) 9:00∼13:00
② 場 所:ぱ・る・るプラザ青森 北斗の間
青森市柳川1-2-14(JR青森駅より徒歩3分)
③ 議題案:1)各地域からの発表(各地域でのITSにおける官民連携状況など)
2)4省庁5局からの発表(IT新改革戦略とITS推進施策)
3)観光情報標準フォーマット作成について(ITS Japan)
④ 参加予定:地域ITS推進団体(13団体)とITS関係4省庁
5. 第5回 ITSシンポジウム2006第2回論文募集のご案内
事務局から、第5回 ITSシンポジウム2006(12月7日予定)の第2回論文募集について、論文
投稿の流れ、投稿方法、登録料、募集分野、プログラム委員会などを中心に説明しました。
① 論文投稿の流れ:
1)拡張アブストラクトの提出:
締切 7月31日(月)アブストラクトには研究の目的、内容、得られた結果が分かり
やく記述されていることが必要です。使用言語は日本語または英語。様式は問い
ません。A4で3枚以上、図表が含まれることが望ましい。
2)採否と発表セッション日時(暫定)の連絡: 8月下旬
3)最終論文の提出:
締切 10月30日(月) 指定の論文様式にて6ページ程度とします。
② 登録料について:
参加登録料: 一般18、000円/学生8、000円
③ 募集する論文の分野:
ITSに関する基礎技術から応用技術まで、幅広い分野(センサー技術、交通計画、通信
技術およびアプリケーション、都市工学、車両制御と自動運転、ITSシステムアーキテク
チャー・ITSプラットフオーム、交通政策・交通経済、安全性向上とヒューマンインターフエー
ス、交通心理学、交通制御、フイールドオペレーションテストとその結果、その他の基礎
技術・応用技術など)の論文を募集します。
④ プログラム委員会:
津川定之(名城大学)、朝倉康夫(神戸大学)、大口敬(首都大学東京)、大田友一(筑波
大学)、 大前学(慶應義塾大学)、 加藤晋(産業技術総合研究所)、田中伸治(東京大
学)、橋本尚久(産業技術総合研究所)、永井潔(関東学院大学)、山本俊行(名古屋大
学)
ITS関連団体ご報告
下記団体から、最近の話題についてご報告がありました。
① (財)日本自動車研究所
・ 6月16日 13:00∼17:10 東京都港区芝大門1−1−30日本自動車会館1階くるまプラザ第1
∼第3会議室で開催予定の「JARI ITSセンター平成17年度事業報告会」について
【次回NPO法人ITS Japan平成18年6月度(第13回)幹事会日程について】
日 時:平成18年6月21日(水)10:30∼12:00
場 所:ITS Japan 大会議室
◆ 人事異動
・ 6月1日付け
<新任>吉多 誠児 企画グループ担当部長(沖電気工業(株)より)
・ 6月6日付け
<退任>常務理事 普及促進グループ長
小口 隆久
<退任>常務理事 国際グループ長
菅 雅明
<昇任>常務理事 国際グループ長
坂本 堅太郎(前、国際グループ国際部長)
編集後記
・ 5月は晴れの日が少なく、日照不足による農作物の被害が発生し、キュウリの高値をはじめ、キャベ
ツ、スイートコーン、稲などの生育への悪影響が心配されています。
写真下はスーパーの野菜売り場のキュウリ陳列棚。つるが病気になり成育が困難で、品揃えが難しく
高値が続いています。
・ 一方、折りたたみ傘などの雨具の売れ行きなどが好調とのことです。人々は岩盤浴を楽しんだり、屋
外活動派は雨の合間をぬってテニスを楽しんだりしています。
写真下は雨の合間をぬってテニスを楽しむ人々と、金網側に咲いた昼顔。
・ 写真下は街の花屋さんに並んだ紫陽花。
・ ITS Japanは、6月6日に2006年度通常総会を東京都千代田区霞が関3-2−5 霞が関東京會舘 ゴール
ドスタールーム(霞が関ビル35階)で開催し、2005年度事業報告と2006年度事業計画が了承されるとと
もに新役員体制がスタートしました。
新事業計画に基づき、一歩一歩着実に前進していきたいと思いますので、ご支援をお願い致します。
(T.S)
編集・発行 ITS Japan
〒105−0011 東京都港区芝公園2−6−8 日本女子会館ビル3階
TEL:03−5777−1012 FAX:03−3434−1755
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