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ストックホルム条約対象貨物の仮陸揚げ行為の特例等に関する 輸出

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ストックホルム条約対象貨物の仮陸揚げ行為の特例等に関する 輸出
ストックホルム条約対象貨物の仮陸揚げ行為の特例等に関する
輸出規制の見直しに係る事前評価書
1.政策の名称
ストックホルム条約対象貨物の仮陸揚げ行為の特例等に関する輸出規制の見直し
2.担当部局
経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 貿易管理課長
電話番号:03-3501-0538
東條
吉朗
e-mail:[email protected]
3.評価実施時期
平成26年5月
4.規制の目的、内容及び必要性等
(1)規制の目的
我が国が締結した条約その他国際約束等により輸出管理が求められる貨物の輸出については、外
国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」という。)に基づき、経済産
業大臣の承認を受けることを必要としており、具体的には、①ストックホルム条約、②ロッテルダ
ム条約、③麻薬新条約、等により輸出管理が求められる貨物の輸出について、輸出規制を実施する
ことにより我が国経済の健全な発展に寄与することを目的としている。
(2)規制の内容
①ストックホルム条約対象物質の仮陸揚げ行為の特例の導入、②ロッテルダム条約対象物質との
整合性の確保、③国内他法令との二重規制の撤廃、を行うため、輸出貿易管理令(昭和24年政令
第378号。以下「輸出令」という。
)の改正を行う。
具体的には、①ストックホルム条約対象物質の仮陸揚げ行為(機体等から機体等への積み替え行
為)について同令第4条第2項第1号に基づき第2条第1項第1号の経済産業大臣による承認を要
さないこととする、②ロッテルダム条約対象物質との整合性の確保の観点から同令別表第二の35
の3の項の対象品目から石綿等を含有する製品を削除する、③麻薬等の規制を国内他法令に一元化
する観点から同令別表第二の42の項の対象品目を削除する、の改正を行う。
(3)規制の必要性
本改正は、諸外国に倣った国際的な制度調和及び事業者負担軽減の観点から、改めて輸出規制に
ついて検証を行い見直すこととした。
(4)法令の名称・関連条項とその内容
経済産業大臣による承認を要しない特例規定は輸出令第4条第2項(上記(2)の①関係)に、
輸出令第2条第1項に基づく経済産業大臣による承認を要する貨物は同令別表第二(上記(2)の
1
②、③関係)に、規定されている。
○外為法第48条第3項
○輸出令第2条第1項、第4条第2項
○輸出貿易管理令の運用について
(5)影響を受け得る関係者
以下の4者が、本改正によって影響を受けると想定される。
○国際貨物輸送事業者
○輸出規制廃止品目の輸出者
○国民(消費者・一般事業者)
○行政機関(輸出規制の審査・検査業務等を行う部局等)
5.想定される代替案
今回の措置は、国際条約との制度調和及び国内法令との二重規制の撤廃の観点から規制緩和を行
うものであり、従来の規制手法等の措置枠組みそのものには及んでいない。そのため、代替案は検
討しない。
2
6.規制の費用・便益
本改正案の実施により、関係者に如何なる影響(費用、便益)が及ぶかについての具体的な比較
は以下のとおり。
費用
国際貨物輸送事

便益
特になし
業者

承認申請手続に係る作業コストの軽減

組織内の輸出管理体制の縮小

販売戦略への影響(従来、積み替え時に承認申請を必
要としていたところ、積み替えに係る特例(経済産業
大臣による承認を要しない。)が導入されることにより
これまで以上に貿易の円滑化が図られる。
)
輸出規制廃止品

特になし
目の輸出者
国民(消費者・

特になし

承認申請手続に係る作業コストの軽減

組織内の輸出管理体制の縮小

承認申請手続に係る事業者の作業コストが軽減するこ
一般事業者)
とで、間接的な影響として、上記事業者の便益が他の
輸出品の価格低下に還元され、費用負担が低減する可
能性がある。
行政機関(輸出

当該改正について関係業界に周知する必要が発生。

規制の審査・検
国際的な制度調和により、我が国経済の健全な発展に
寄与する。
査業務等を行う

承認対象外となった品目に係る審査・検査業務の軽減
部局等)
7.政策評価の結果
上記分析のとおり、今般の措置は、輸出規制品目に係る特例の導入、輸出規制品目の削除といっ
た規制緩和措置となっており、事務コストの軽減等及び輸出機会の増大等や国民社会にとって外国
貿易及び国民経済の健全な発展に資するという便益があり、更に行政機関(輸出規制の審査業務等
を行う部局等)にとっても審査業務等が不要となるという便益がある。一方、行政機関については、
本改正に係る関係業界への周知業務が発生するが、その費用は限定的なものと考えられる。これら
を踏まえ、本改正案を導入することは妥当であるといえる。
8.有識者の見解その他の関連事項
国内の国際貨物輸送事業者より、諸外国との国際的な制度調和の観点からの仮陸揚げ行為に係る
特例の見直しの要望がなされている。
9.レビューを行う時期又は条件
概ね3年に一度開催されるストックホルム条約締約国会合等における関連決議等の結果を踏ま
え、必要な制度見直しの検討を行っていく予定である。
3
国際的な枠組みにおける合意に基づく
輸出規制対象範囲の改正等に係る事前評価書
1.政策の名称
国際的な枠組みにおける合意の国内履行に係る新たな輸出規制
2.担当部局
経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 安全保障貿易管理課
電話番号:03-3501-2800
風木
淳
e-mail:[email protected]
3.評価実施時期
平成26年5月
4.規制の目的、内容及び必要性等
(1)規制の目的
大量破壊兵器等1の不拡散など安全保障の観点から、大量破壊兵器等及び通常兵器の開発等2に関
連する貨物・技術(以下「安全保障上機微な貨物等」という。)については、国際輸出管理レジー
ム3において各国が協調して輸出管理の対象とすべき品目の範囲を議論し、品目リストを合意してい
る。
我が国では、安全保障上機微な貨物等の輸出及び取引に関しては外為法に基づく許可制(以下「輸
出規制」という。)を実施しており、国際輸出管理レジームにおける合意等を踏まえ、輸出規制対
象品目の範囲を規定している関係法令の見直しを行うこととしている。
今般、国際輸出管理レジームでの合意内容及び国際連合安全保障理事会(以下、「安保理決議」
という。)を踏まえ、国際協調の下実施することとしている輸出管理の取組を誠実かつ確実に履行
すべく、所要の法令の改正を行うこととする。
(2)規制の内容
国際輸出管理レジームにおいて合意された輸出規制対象品目のリストを踏まえた品目の範囲の
拡大・縮小・明確化及び国連安保理決議を踏まえた一部の対象地域の拡大を図るべく、国内法令の
所要の改正を行う。具体的な内容は以下のとおり。
・カメラ等について、規制対象の変更【輸出令別表第一の二の項の一部改正】
・圧力変換器について、規制対象の変更【輸出令別第一の二の項の一部改正】
1
2
3
大量破壊兵器等:核兵器、生物・化学兵器、ミサイル。
開発等:開発、設計、製造、使用。
国際輸出管理レジーム:NSG(核関連)、AG(生物・化学兵器関連)
、MTCR(ミサイル関連)、WA(通常兵器関連)
。
1
・雷管の部分品について、規制対象に追加【輸出令別表第一の二の項の一部改正】
・中性子発生装置について、規制対象の変更【輸出令別表第一の二の項の一部改正】
・レニウム等について、規制対象に追加【輸出令別表第一の二の項の一部改正】
・防爆構造の容器について、規制対象に追加【輸出令別表第一の二の項の一部改正】
・発酵槽の部分品について、規制対象に追加【輸出令別表第一の三の二の項の一部改正】
・磁気テープ記録装置等について、規制対象から削除【輸出令別表第一の七の項の一部改正】
・サンプリングオシロスコープについて、規制対象に追加【輸出令別表第一の七の項の一部改正】
・インターネットを利用する方法による通信の内容を監視する装置について、規制対象に追加【輸
出令別表第九の項の一部改正】
・上記装置の設計用の装置等について、規制対象に追加【輸出令別表第九の項の一部改正】
・慣性航法装置等の部分品について、規制対象から削除【輸出令別表第十一の項の一部改正】
・中央アフリカについて、一部の規制対象地域に追加【輸出令別表第三の二の一部改正】
(3)規制の必要性
今次改正は、国際輸出管理レジームでの輸出規制にかかる合意及び国連安保理決議を適切に履行
するため等の措置であり、我が国が国際協調的な輸出管理の抜け穴となることを防ぐために実施す
る必要がある。
(4)法令の名称・関連条項とその内容
今回改正対象となる貨物等については、輸出貿易管理令別表第一にその品目名が規定されており、
具体的な仕様については省令以下に規定されている。
○輸出貿易管理令
○輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令
○貿易関係貿易外取引に関する省令
○輸出貿易管理令の運用について
(5)影響を受け得る関係者
以下の3者が、本改正によって影響を受けると想定される。
○新たに許可対象範囲が変更になった品目を輸出又は取引しようとする者(民間企業、研究機
関等。以下「企業等」という。
)
○国民(消費者・一般事業者)
○行政機関(輸出規制の審査・検査業務等を行う部局等)
2
5.想定される代替案
今般の措置は、国際輸出管理レジームでの合意及び国連安保理決議を踏まえたものに限られてお
り、規制手法等の措置枠組みそのものには及んでいないため、規制の手法等についての代替案は検
討しない。
3
6.規制の費用・便益
本改正案の実施により、関係者に如何なる影響(費用、便益)が及ぶかについての具体的な比較
は以下のとおり。
費用
企業等(※1)
便益
【許可対象となった品目を輸出又は取引しようとする者】

【許可対象となった品目を輸出又は取引しようとする者】
特になし
許可申請手続に係る作業コストの発生(申請手続に係る
書類作成、取扱品目が規制に該当するか否かの検索・確
認等が必要となる)
。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

組織内の輸出管理体制の拡大
【許可対象外となった品目を輸出又は取引しようとする者】

販売戦略等への影響(相手国・地域や品目によっては輸

許可申請手続に係る作業コストの軽減
出又は取引が許可されない事案が想定され、外貨獲得の

組織内の輸出管理体制の縮小
機会の減少や販売戦略そのものへの影響が生じうる)

販売戦略への影響(従来、相手国・地域や品目によっ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ては輸出又は取引が許可されない事案の想定されてい
【許可対象外となった品目を輸出又は取引しようとする者】
た品目が許可対象から外れることにより、外貨獲得の
機会の増大や販売戦略そのものへの影響が生じうる)
特になし
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【中央アフリカ向けに輸出又は取引しようとする者】
【中央アフリカ向けに輸出又は取引しようとする者】

事前に許可を得るための作業コストの発生(通常兵器

特になし

国際協調的な輸出管理体制の構築により、より強固な
の開発等に用いられるおそれの有無の確認作業。当該
おそれがある場合には、許可申請手続き、書類作成等
の作業)
国民(消費

外貨獲得の機会の減少、企業の販売戦略への影響

許可対象へ追加される品目については、間接的な影響と
者・一般事業
して、上記の企業等にかかる費用が国内向け製品に価格
者)(※2)
転嫁され、費用負担が増加する可能性あり
安全保障を享受することが可能

許可対象から除外される品目については、間接的な影
響として、上記の企業等への便益が国内向け製品の価
格低下により還元され、費用負担が低下する可能性あ
り
行政機関(輸

出規制の審
許可対象へ追加となった品目に係る審査・検査業務の追

国際協調的な輸出管理の誠実な履行により、我が国が
加発生
国際協調的な輸出管理の抜け穴となることを防止し、
許可対象範囲の変更について企業等への周知業務が発生
もって我が国及び国際的な平和及び安全の維持へ寄与
等を行う部局
(説明会開催及び資料作成、並びに改正内容を的確に説
するとともに、国際的な信頼の獲得が可能
等)(※1・2)
明・判断するための知見の蓄積等が必要となる)
査・検査業務



我が国企業等の正常な貿易活動を促進し、我が国経済
の健全な発展に寄与
中央アフリカ向け輸出に係る審査・検査業務の追加発生

輸出管理の実効性の担保が可能

許可対象外となった品目に係る審査・検査業務の軽減
※1.企業等に及ぶ費用・便益については、国内のどれだけの企業に許可申請手続に係る作業の追加又は軽減が発生するかの把握が困
難であるという点や、輸出管理体制の整備や販売戦略の決定に関するコストの増減は企業毎の個別判断に依存するという点等から、
4
定量的な分析が困難。同様に、行政機関の実務に及ぶ費用・便益についても左記の点に依存するため、定量的な分析が困難。
※2.国民や行政機関に及ぶ安全保障の実現・享受等に係る便益については、その性質上定量的な分析が困難。
」
7.政策評価の結果
上記分析のとおり、今般の措置における規制の許可対象品目や対象地域の追加によって、企業、
国民及び行政機関すべてについて、許可申請手続に係る作業コストの増大やこれに伴う価格への転
嫁といった間接的費用が発生する可能性が増大する一方で、規制の許可対象外になる品目について
は、逆に当該費用の軽減(=便益)が見込まれる。しかしながら、上記注釈に記載のとおり、個別
品目に関するこれらの事務量や価格転嫁量を把握することは難しく、したがってこれらについての
定量的な比較による考察は困難であるといわざるを得ない。
他方で、本改正は、国際的な合意に基づくものであり、改正案の導入によって、国際的な合意で
ある輸出管理を過不足なく誠実に実施することにより、我が国が国際協調的な輸出管理の抜け穴と
なることを防止し、もって国際的な平和及び安全の維持に資するとともに、国際的な信頼の獲得が
可能となる。逆に、導入を行わない場合、我が国における国際協調的な輸出管理体制に不備をきた
すことになり、これまで築きあげてきた国際的な信用を大きく損ねる可能性がある。また、これら
は、我が国企業等の正常な貿易活動を促進し、外為法の最終目的である我が国経済の健全な発展へ
の寄与を実現するものであり、我が国にとっては安全保障上及び経済上の両方のプラス効果が見込
まれるため、本改正案を導入することは妥当であるといえる。
8.有識者の見解その他の関連事項
国際輸出管理レジームにおいて毎年検討されている輸出規制対象品目の見直し(品目の追加、除
外等)に対しては、我が国からも安全保障に係る有識者・業界団体からの意見を踏まえて意見提出
しており、それらの多くが反映されている。
なお、改正後は、新しい規制への移行の周知や徹底のため、業界説明会などを実施している。
9.レビューを行う時期又は条件
上述のとおり、国際輸出管理レジームにおいて、国際協調的な輸出管理の規制対象品目の見直し
にかかる検討は、毎年実施されることとなっている。これに合わせ、我が国でも従来よりほぼ1年
に1回のペースで関係法令等の見直しを実施している。今後も、国際輸出管理レジームにおける規
制対象品目の拡大・縮減にかかる合意がなされる時期を踏まえ、適切な時期に我が国の輸出規制に
ついて検討していく予定。
また、随時、我が国の輸出管理のあり方などについて、とりまく安全保障環境の変化等を踏まえ、
有識者・業界団体と連携しつつ検討しているところである。
5
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