Comments
Description
Transcript
報告23
Oxbridge 研 修で学んだこと 1年 藤 澤 圭 佑 1 日 目 海 外 研 修 の幕 開 け! 3 月 16 日 水 曜 日 、午 前 5 時 。前 橋 高 校 から成 田 空 港 行 きのバスが出 発 し、我 々の Oxbridge 研 修 がついに幕 を開 けた。イギリスへの研 修 に対 する期 待 に胸 が躍 り、興 奮 冷 めやらぬ様 子 で会 話 が 飛 び交 っていた。午 前 8 時 、成 田 空 港 に到 着 した。その後 、搭 乗 券 を受 け取 り、スーツケースの重 量 検 査 と手 荷 物 検 査 も難 なくクリア、幸 先 のいいスタートを切 った。 そして、午 前 11 時 15 分 、我 々は、 世 界 の中 で最 も安 全 と言 われているブリティッシュエアウェイズ 006 便 (通 称 :BA006)に乗 り込 み、イギ リスへ飛 び立 った。 私 にとって最 初 の難 関 は機 内 食 だった。デザートのケ ーキの味 がとても甘 く、ヨーロッパ特 有 の味 を早 速 体 験 した。その後 は、日 本 から持 ってきた本 を読 んだり、映 画 を観 たり、寝 たりして過 ごした。約 12 時 間 の空 の旅 は 本 当 に長 く、いくら寝 ても時 間 がたたないという感 じで と ても疲 れた。 現 地 時 間 午 後 3 時 半 、無 事 にイギリスのヒースロー空 港 に到 着 し、休 む間 もなく観 光 バスに乗 り込 み宿 泊 先 のホテルへと向 かった。ロンドンの気 候 は、日 本 よりも少 し肌 寒 いという感 じであったが、薄 手 のジャンパーでも 十 分 過 ごせた。その日 は、長 旅 に疲 れ、明 日 のエネル ギーを補 充 するためベッドに就 くや否 や眠 ってしまった。 2 日 目 いよいよ研 修 スタート! 2 日 目 は、ロンドンの市 内 観 光 。現 地 に住 む日 本 人 のガイドの方 が我 々を案 内 してくれた。バスに 乗 ること 30 分 、最 初 にバッキンガム宮 殿 に到 着 した。運 よく、エリザベス女 王 がご在 宅 で、在 宅 を示 す旗 が宮 殿 の頂 上 に立 っていた。その後 は徒 歩 でロンドン市 内 の歴 史 的 建 造 物 が立 ち並 ぶ街 中 を 探 索 し、ビック・ベンとご対 面 。ガイドさんによると、ビック・ベンというのは時 計 塔 そのものをさすのでは なく、塔 のてっぺんにある大 鐘 を指 し、○○:00 時 を迎 えると〇〇と同 じ数 だけ鐘 がなるという。ちょう どその時 、午 前 11 時 を迎 えたため、11 回 の鐘 の音 を聞 くことができ、とても貴 重 な瞬 間 に居 合 わせる ことができた。その後 、大 英 博 物 館 へ到 着 。ここでは、かつてイギリス人 が各 国 から持 ち帰 ったさまざ まな品 々や戦 利 品 が展 示 されており、多 くの模 型 資 料 やドキュメントを 通 してイギリスという国 の歴 史 の深 さを感 じた。 夕 方 は、この日 のメインプログラムである、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教 授 の紅 林 秀 和 氏 の 講 義 を受 けた。紅 林 さんは、電 子 工 学 科 に属 しており、鉄 を用 いてその超 薄 膜 化 と界 面 効 果 に着 目 し、鉄 が本 来 持 たない機 能 性 を引 き出 す、という研 究 を行 っている。 紅 林 さんが、生 きる上 で軸 にして いたことは三 つあり、それは、Communication skills(コミュニケーション能 力 )、 Experience and Cultural awareness(経 験 と文 化 の認 識 )、 One expertise and How we use it in international settings(一 つの専 門 的 知 識 を国 際 環 境 の中 でどのように使 うか)だという。私 がこの中 で最 も重 要 と 感 じたのは、一 つ目 のコミュニケーション能 力 についてである。紅 林 さんが、大 学 受 験 のセンターテス トで獲 得 した得 点 を我 々に見 せてくれたが、どの教 科 も平 均 点 かむしろそれよりも下 回 っている教 科 もあった。将 来 、海 外 で生 活 するのであれば、小 さいころから英 語 が 堪 能 でなければいけないと思 っ ていたが、紅 林 さんが英 語 を本 格 的 に勉 強 し始 めたのはイギリスに来 てからだというのだから驚 きだ。 私 たちにとって留 学 は少 し手 に届 きそうにないもののように思 えるが、英 語 を話 すことがあまり得 意 で なくても、「話 したい!」という熱 意 さえあれば相 手 も聞 き取 ろうとしてくれるし、ジェスチャーを交 えれば よりスムースに会 話 をすることができる。相 手 に何 かを伝 えようとする熱 い意 志 、これも一 種 のコミュニ ケーション能 力 だと思 うし、これさえあればイギリスで 生 活 していくことも可 能 なのかもしれないと感 じた。 また、資 金 のことに関 してだが、留 学 するという事 になれば、日 本 の 諸 団 体 がある程 度 の資 金 を支 援 してくれる可 能 性 があり、要 するに、留 学 する際 最 も重 要 なのは自 分 の決 意 なのだ。紅 林 さんの講 義 を聴 き、私 の中 で留 学 がより身 近 なものとなり、将 来 の自 分 の選 択 肢 が増 えたような気 がした。 その後 50 の夕 食 では、紅 林 さんを始 め、イギリスで活 躍 している日 本 人 の方 々 4 人 と一 緒 に食 事 をした。その 中 には、前 橋 高 校 の卒 業 生 の先 輩 もいてとても充 実 した時 間 を過 ごすことができ た。 三 日 目 、四 日 目 オックスフォード、ケンブリッジへ・・・ 3 月 18 日 金 曜 日 早 朝 、我 々はロンドン市 内 のホテルからバスに乗 り込 み、走 ること約 一 時 間 半 、 宿 泊 する寮 に到 着 した。全 員 1 人 部 屋 で、自 分 の荷 物 を置 いた後 休 む間 もなくハートフォードカレッ ジへと徒 歩 で向 かった。三 人 のハートフォードカレッジの大 学 生 が、我 々をサポートしてくれたが、始 めはなかなか彼 らの言 っていることを聞 き取 ることが難 しく、そこで、自 分 の知 っている単 語 だけでも聞 き取 って、「点 と点 を結 んで線 にする」ことで大 体 の言 っていることはつかむことができた。この日 は、ハ ートフォード大 学 の教 会 で昼 食 を取 った。多 くのオックスフォード生 が食 事 をとっていて、私 は勇 気 を 振 り絞 ってその中 に入 っていった。まずは、自 己 紹 介 から始 めて趣 味 などを話 していくうちに一 人 のイ ギリス人 女 性 と話 が盛 り上 がった。前 日 行 われていたバルセロナ vs アーセナル(ロンドンのチーム)のス コアが知 りたかったので、聞 いてみると快 く教 えてくれて、試 合 の詳 しい様 子 まで知 ることができた。私 の英 語 は多 少 文 法 が間 違 えていたかもしれないが確 実 に通 じていて、初 めての英 会 話 にしては好 ス タートであった。そして、そのことが自 信 となり、その後 も何 人 もの大 学 生 と会 話 をすることができた。 紅 林 さんが言 っていた、留 学 すると自 信 になるということはこのことかと早 くも実 感 でき、ひとまわり成 長 す ることができたと思 う。 3 月 19 日 土 曜 日 、我 々はこの Oxbridge 研 修 の最 大 の目 玉 であるサイエンスフェスティバルへと向 かった。オックスフォード からバスで走 ること 二 時 間 でケンブリッジ大 学 (右 写 真 )に到 着 。 近 未 来 を感 じさせるような外 装 をしており、数 十 個 のカレッジが 集 まったとても大 きな大 学 だった。イギリス人 宇 宙 飛 行 士 のドキ ュメンタリーや宇 宙 学 の講 義 は、全 て英 語 で行 われたが辞 書 を 片 手 に内 容 をしっかりと理 解 することができ、イギリスの科 学 技 術 の進 化 を身 に染 みて感 じた。 五 日 目 、六 日 目 夢 は大 きく!! 3 月 20 日 日 曜 日 、この日 の午 後 は 5 人 の日 本 人 海 外 留 学 生 とディスカッションをおこなった。ここ で私 は「どのようにしたら英 語 を話 せるようになるのか」という率 直 な質 問 をしてみた。すると 、5 人 全 員 が口 をそろえて、「英 語 と接 する時 間 を増 やすという事 だ」と教 えてくれた。具 体 的 には、自 分 のスマ ホやパソコンの文 字 を全 部 英 語 にしたり、ゲームを英 語 でプレイしたり、映 画 の字 幕 を英 語 に したりす るなど、英 語 の力 をつけるきっかけは結 構 身 近 にあるし、自 分 の好 きな物 、例 えばスマホやゲームな どと英 語 を結 びつけることで英 語 に対 する拒 絶 心 が取 り除 かれ、知 らない間 に英 語 の力 がつくのだと いう。 遂 に、迎 えた最 終 日 、私 は悔 いが残 らないように食 事 の時 でも移 動 中 でも積 極 的 に会 話 をした。 その中 で、我 々のお世 話 をしてくれた大 学 生 三 人 のうちの一 人 である June さんの将 来 の夢 を聞 き、 私 は大 変 感 動 した。彼 は幼 いころ南 アフリカのケープタウン で過 ごし、アフリカの食 糧 危 機 や貧 困 を実 際 に目 にしてきた。 そして、将 来 は国 際 社 会 の一 員 となり、アフリカの現 状 を変 えていきたいと話 していた。私 は、彼 の将 来 の夢 のスケール の大 きさと熱 意 に共 感 し、私 の夢 は、抽 象 的 で小 さいものだ と感 じた。将 来 自 分 が何 をやりたいのか(目 的 )、どこで活 躍 したいのか(グローバル)を改 めて、考 える良 い機 会 となっ た。 国 際 社 会 への挑 戦 結 びに、現 在 日 本 は医 療 における超 先 進 国 のひとつだが、その最 先 端 技 術 を世 界 に発 信 するこ とに失 敗 し、後 れを取 っている。そこで、私 はこの研 修 で培 った実 戦 で生 きる英 語 力 とコミュニケーシ ョン能 力 を武 器 に、日 本 の医 療 技 術 と世 界 とを繋 ぐ架 け橋 となり、日 本 の医 療 振 興 に貢 献 していき たい。 51