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技術職員採用案内パンフレット(PDF/2.86MB)

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技術職員採用案内パンフレット(PDF/2.86MB)
10 0 年 後に
誇 れ るまちを
Y O K O H A M A
E N G I N E E R
横浜市技術職員採用案内
[採用試験に関する問い合わせ先]
〒 231-0021
横浜市中区日本大通 15 横浜朝日会館7階
横浜市人事委員会事務局任用課
045-671-3347~8
平成27年3月発行
横浜市の技術職員を目指す皆様へ
1859年の開港当時、100戸足らずの寒村だった横浜は、わずか150年余りで、日本最大の政令指定都
市、基礎自治体に成長しました。その過程では、関東大震災をはじめとする幾多の困難、急激な都市化に伴
う様々な課題にも直面しました。いまや横浜の顔である「みなとみらい21地区」や「横浜ベイブリッジ」、
更には、豊かな自然と調和した美しい街並みは、皆さんの先輩である技術職員がこれらの困難を乗り越え
Project 1 南本牧ふ頭 建設事業 港湾局
4
Project 2 エキサイトよこはま22 都市整備局
6
Project 3 焼却工場 長寿命化対策事業 資源循環局
8
Project 4 横浜みどりアップ計画 環境創造局
10
Work Style 1 土 木
12
Work Style 2 建 築
14
Work Style 3 機 械 ・ 電 気
16
Work Style 4 環 境
18
にも貢献しています。
Work Style 5 造 園
19
少子高齢化や都市インフラの老朽化、地球規模での温暖化対策等、時代の課題に挑み、解決のモデルを
Work Style 6 農 業
20
発信していくため、そして横浜市を将来にわたり持続可能な都市へ再生していくために、ぜひ皆さんと一
横浜市の技術職員の人材育成
緒に取り組んでいきたいと願っています。
21
先輩職員からのメッセージ
22
て創り上げてきた、横浜の大切な財産です。他都市が経験したことのない急速な発展の歴史が、横浜市の
技術力を磨き上げてきました。
371万人の市民生活の安全と安心、大都市としての活力を、技術職員の皆さんが最前線で支えてくれて
います。
「市民の皆様の目線」と「長期的な視野」の双方を持ち、専門性を活かして横浜のまちをつくる喜び
は、技術職員だからこそ実感できるものです。また横浜のインフラ技術は、広く海外の諸都市の課題解決
2
C ONTENTS
3
Project
1
S TORY & ENGINEER
南本牧ふ頭 建設事業
工事かコンテナ船か
■港 湾局
【登場人物】
上 田 : 南本牧ふ頭建設事業全体の調整業務を担当。
佐 藤 : 南本牧ふ頭建設工事の設計・監督業務を担当。
ふ
頭のMC-1に巨大コンテナ船が停泊して、ガントリーク
レーンが盛んに荷下ろしをしている。そこから400m離れ
た対岸にはMC-3が位置し、完成を間近に控え、工事は最終段階
だ。完成すれば、水深20mを有する日本一のコンテナターミナル
となる。
M
C-3の着工には、大きな課題があった。それは、すでに供用
され、横浜港の主力施設として大型コンテナ船が毎日入出
港 を 繰 り 返 し て い る M C - 1・2 を 稼 働 さ せ な が ら 、い か に し て
MC-3の工事を進めるか、ということだった。市内経済を支える港
の機能停止は絶対に避けなければならない。しかし、急速に進展す
るコンテナ船のさらなる大型化や貨物量の増加に対応し、世界か
ら横浜港が選ばれ続けるためには、MC-3の整備は待った無しだ。
関係者たちは頭を抱えた。
上
〈平成26年3月撮影〉
海に大地を創造し
国際競争力のある港をつくる
南本牧ふ頭
連絡臨港道路
MC-2
MC-1
MC-4
第5ブロック
廃棄物処分場
MC-3
南本牧ふ頭は、国際的なコンテナ需要の増加・コンテナ船の大型化に対応した高規格なコン
テナターミナルを備えるふ頭として、平成2年に建設が始まりました。もともとこの地は水深
が深く、東京湾の入り口に近いため、国際競争力のある港をつくる上で最適な立地といえま
トリークレーンを6基装備。世界最大級の大型コンテナ船にも対応できます。
のものを作り上げているので、その過程で様々な課題が生じます
が、MC-3の着工の時のように調整が実り、事業が動きだした時は
大きなやりがいを感じます。
私は土木職として入庁し、最初の3年間は資源循環局で廃棄物処
理施設の設計・監督など現場の仕事に携わりました。そこでの経験
が、こうしたプロジェクトを調整する時にとても役立っています。
現場を知ることで、事業全体がわかることが多々あります。そうし
た意味で色々な仕事ができる横浜市は魅力的だと思います。
や現場の風速等に応じて定められた工事作業船の待避ルールを作
られる。止まりかけた大規模事業がやっと始まった。
実
佐藤 崇文
際に工事が始まった時のことを、上田は昨日のことのよう
浜市に住む人のために、横浜市の企業のために。そして、国
際都市ヨコハマとして、日本を支えるために。未来の港を
メガガントリークレーン
MC-3着工前の大きな課題とは? 右ページのSTORYで紹介します。
南本牧ふ頭連絡臨港
道路整備事業
MC-2
MC-4
不可視な海中での工事をどう管理するか
現在、南本牧ふ頭建設工事の設計・監督業務を担当しています。も
ともと大学では地盤工学を学んでいたのですが、配属された当初
は海の中の工事を管理する難しさに驚きました。直接目に見えな
い工事をどう管理するか。その答えを一言で表現すると、
「 不可視
な部分の見える化」です。
海中での工事の施工においては、監督員立会いのもとでの船や資
機材の品質・性能検査から始めます。
検査は非常に厳密であり、合格したものしか使用しません。その船
に施工業者が乗り込み、搭載されている高度なシステムや技術で
MC-1
大水深・高規格コンテナターミナル
整備事業(MC-1・2・3・4)
土木
港湾局 建設保全部
建設第二課
〈平成25年度入庁〉
に思い出していた。そんな上田の後ろ姿を見て、現場監督
技術職員がいる。
900m。急速に進展しているコンテナ船のさらなる大型化にも備えています。
4
横浜市ならではの仕事です。それぞれ立場の異なる関係者で一つ
役として奔走すること半年以上。入出港するコンテナ船の大きさ
創るべく、今日も建設は進んでいる。そして、その現場には多くの
また、平成26年度に完成したMC-3や整備中のMC-4は水深20m・両岸壁併せた延長は
のアクセスが今以上にスムーズになります。
全体を進めていくことです。これは、大規模な港湾の管理者である
は、市だけだった。立場の異なる関係者の意見を聞いて回り、調整
横
13年4月に供用を開始しています。岸壁水深16m・総延長700mあり、世界最大級のメガガン
から南本牧ふ頭まで高架道路で直接結ばれることから、様々な地域とコンテナターミナルと
います。私の仕事は、それぞれの工事のタイミングを合わせ、事業
れない。」皆が納得して工事を進められる方法はないのか…。工事
かなかった。
南本牧ふ頭のコンテナターミナルは、MC-1∼4の4つのエリアで構成され、MC-1・2は平成
道路」の整備も横浜市と国土交通省で進めています。この道路が完成すると、首都高速湾岸線
横浜港埠頭株式会社等が建設するなど、多くの事業者が関わって
港のたびに工事を停止して作業船を待避していては工事が進めら
げなんですね。」佐藤の言葉は、海からの強風に煽られて、彼には届
■大型コンテナ船にも対応
より、増大が見込まれる交通量に対応するため、新たなアクセスルート「南本牧ふ頭連絡臨港
で実施し、船を係留する岸壁は国土交通省、コンテナターミナルは
いるのは、上田係長や当時議論に加わった関係者の方たちのおか
きく書き換える規模の仕事です。
現在、南本牧ふ頭へのアクセスルートは南本牧大橋の1ルートのみ。今後、MC-3・4の完成に
MC-1へ安全にコンテナ船を着岸できない。」
「 コンテナ船の入出
南本牧ふ頭の建設は、基本計画や土地の造成・道路整備等を横浜市
を務める佐藤は語りかけた。
「今こうしてスムーズに工事ができて
す。計画の総面積は216.9ha(横浜スタジアム 約80個分)。海に大地を創造して、地図を大
■アクセスを向上させるために
係者の意見を聞き調整した。
「 十分な水域を確保しないと
現場を知ることで全体がわかる
り上げた。これなら、コンテナ船の安全を確保しつつ、工事も進め
【南本牧ふ頭 概略図】
■高規格なコンテナターミナルの必要性
▶▶▶
田は、船を安全に誘導する水先案内人や工事施工者など関
土木
施工とコンテナ船の安全の確保、両者の間に立って調整できるの
コンテナターミナル
O UTLINE
上田 新平
港湾局 企画調整部
南本牧事業推進課担当係長
〈平成15年度入庁〉
施工管理を行うことで、海中で起きていることを誰もが把握でき
るところまで見える化するのです。海に面した工事現場は常に危
MC-3
険と隣合わせであり、安全を任されている仕事だということを
第5ブロック処分場
整備事業
南本牧ふ頭 完成イメージ
日々実感しています。港町ヨコハマならではの仕事に関わること
ができ、市職員としても誇りに感じています。
5
Project
2
S TORY & ENGINEER
エキサイトよこはま22
まちづくりは常に動き続けるもの
■都市整 備局
【登場人物】
吉 田 :「エキサイトよこはま22」に携わる職員をまとめ、計画を推進する役割を担う。
異
「
議なし!」平成26年8月、都市計画審議会が開催され、
( 仮称)横浜駅西口
駅ビルに関する都市計画の変更が了承された。吉田は、ほっと胸をなでお
ろした。
「これで、エキサイト計画が軌道にのる。」西口駅ビル計画は、平成21年に
策定された「エキサイトよこはま22」のリーディングプロジェクトだ。しかし、平
成23年に発生した東日本大震災の影響で、ビル計画の練り直しが必要となり、都
市計画の変更までに時間を要した。
東
日本大震災を踏まえ、
「 エキサイトよこはま22」自体も、市民の安全・安心
を第一に考えて見直しが行われた。これまで想定していなかった津波へ
の対応や、災害時に多く発生する帰宅困難者への対策などを、関係者の方々と早
急に検討した。加えて、災害安全性を高めるエネルギーマネジメントの考え方な
ども取り入れた。
「 まちづくりは常に動き続けるもの。時代のニーズを先取りし
ながら、変えるべきところは変える姿勢が必要なのです。」と吉田は言う。
「 今後
は、鶴屋町地区やセンターゾーンの駅東口などでプロジェクトを具体化させな
ければ。」担当者たちの奮闘はまだまだ続くだろう。
横
(仮称)横浜駅西口駅ビル計画イメージパース
O UTLINE
浜市の経済や企業活動の拠点ともなっています。その横浜駅を中心とした
首
都
高
速
三ツ
沢
首
都
横 高
羽 速
線
横浜駅は1日の乗降客数200万人以上を誇る日本屈指のターミナルで、横
B
線
強化を図る取組が「エキサイトよこはま22」です。
南幸地区
横
D
計画では横浜駅周辺地区を5つに分け、各地区の特徴を活かしたまちづくり
平沼地区
み
線
道
線
鉄
本
道
相
模
海
線
北
線
東
3号
鉄
下
地
浜
営
京
本線
横浜駅にもみなとみらいにもアクセスしやすい
利便性の高い住宅・業務市街地
京急
様々な人々が楽しめる商業・文化・エンターテイメントのまち
市
成長企業が地域に育まれ、有力企業に共存して活躍するビジネスのまち
東
明日をになう人材を育てる、交流、にぎわいのまち
線
い
ら
み
と
な
世界と横浜をつなぐ玄関口、ホスピタリティあふれる横浜の顔
「エキサイトよこはま22」エリア
■国際競争力のあるまちづくり
6
ねて作った計画です。この計画には建築や道路だけ
でなく交通・防災・環境・福祉など、市の部署で関係
のないところはないぐらい幅広い力が集結されま
す。この先50年・100年残るまちづくりを、横浜駅と
浜駅周辺地区では、日々何かが変わり続けている。そして今日も、また一歩
確実に前進している。20年後の横浜に向かって。
いう日本有数のターミナルを中心にした地域でで
きるのは建築職冥利に尽きます。
E NGINEER
上野 美佳子
建築
時代のニーズを反映する
域の方々、事業者の皆様、そして市の先輩方が何年にも渡って考えてきた計画で、担当者
として大変責任を感じます。時代のニーズを柔軟に反映することを意識しながら、100
たいと思っています。
みなとみらい21
中央地区(高島地区)
E
い21中央地区は、一部がエリアに含まれます。)。
E
A
センターゾーン
を行います(右記地図内のA∼E。ヨコハマポートサイド地区とみなとみら
D
未来の姿を地域の皆さんと一緒に、3年間議論を重
年後も横浜駅周辺のまちが、市民の皆様に愛されるまちであり続けられるよう、尽力し
駅
北幸地区
■地区ごとの再開発のテーマ
C
ヨコハマポート
サイド地区
C
浜
計画の見直しを迫られた出来事とは? 右ページのSTORYで紹介します。
センターゾーン
鶴屋町地区
北幸地区
南幸地区
平沼地区
「エキサイトよこはま22」は横浜駅周辺のあるべき
横浜駅西口における民間開発の誘導などを担当しています。横浜駅周辺の再開発は、地
鶴屋町地区
周辺地区の再開発を、民間と行政の連携・協働によって実施し、都心機能の
B
地域の皆さんと一緒に作った計画
都市整備局 都心再生部 都心再生課
〈平成22年度入庁〉
■都心機能の強化を図ります
A
建築
※イメージパースであり、今後の検討により変更になる場合があります。
20年後の未来を見据えた横浜駅周辺の大改造計画
▶▶▶
吉田 和重
都市整備局 都心再生部 都心再生課横浜駅周辺等担当課長
〈平成2年度入庁〉
上浦 渉
土木
都市整備局 都心再生部 都心再生課
〈平成23年度入庁〉
幅広い知識で計画の主体となる
横浜駅東口再整備におけるインフラ計画の策定などを担当しています。私は大学を卒業
した後、建設会社で働いていました。そこで、公共工事に関わる仕事を行っているうち
に、工事の主体となれる行政の仕事に魅力を感じて横浜市を志望しました。現在の業務
横浜市は平成24年1月に「特定都市再生緊急整備地域」、平成23年12月に「環境未来都市」と「国際戦略総合特区」に指定されました。トリプ
では、鉄道・道路・建築・消防・港湾・河川など様々な立場の方と協議する機会があります。
ル指定を受けた都市は横浜市が全国で唯一であり、様々な優遇や支援が受けられるそれらのメリットを最大限に活用して、国際都市横浜の
幅広い知識が求められますが、毎日が刺激的でやりがいがあり、大規模なプロジェクト
玄関口として国際競争力のあるまちづくりを進めます。
に携われている充実感でいっぱいです。
7
Project
3
S TORY & ENGINEER
焼却工場 長寿命化対策事業
発電量1万3,000kW実現への道
■資源循 環局
【登場人物】
米 村 : 焼却工場の長寿命化事業を担当。
長谷部 : 米村の上司。焼却工場に関するあらゆる業務を統括。
何
「
か方法があるはずだ。」米村は悩んでいた。市内の焼却工場
で最も古い都筑工場の長寿命化事業に伴って、発電量を
アップできないかと考えていた。メーカーや建設コンサルタントに
相談した…が、その回答はいずれも「不可能です。もっと大規模な改
修が必要です。」だったからだ。改修にかかる費用は数十億円にのぼ
る。それでは、発電量を増加させる意味はない。設備の更新だけで終
わらせるべきなのか。何度も考えたが、諦めきれなかった。
研
都筑工場
昭和59年
施設のライフサイクルを向上させ
地球環境にも寄与できる仕事
O UTLINE
■なぜ長寿命化対策を行うのか?
ごみ処理は、市民生活に密接に関わる重要な事業であり、その中で、ごみの焼却を担っている
旭工場
ーカー担当者との様々な試行錯誤の末に、彼は答えを見つ
けた。蒸気タービンの入口弁を改造すれば、タービンはこ
れまでよりも多くの蒸気を取り入れることができ、発電量のアッ
プを実現できる。発電した電力は、工場内や工場に併設した余熱利
用施設で使用し、余った分は電力会社に売却する。今回の改修が成
究を重ね、メーカーと話し合いを続けた。しかし、打開策は
功すれば、発電量は従来の1万2,000kWから1万3,000kWにな
なかなか見つからなかった。そんな時、彼は長谷部との何
る計算だ。たった1,000kWの増加が、年間でおよそ1億円の増収
気ない会話の中にヒントを見つけた。
「当たり前と思っていること
になる。米村は達成感をかみしめた。
「 いや、まだまだ先ですよ。実
に疑問を持ってみるのもいいんじゃないかな。」
「 当たり前なこと
際に稼働を始めて、問題なく動き続けることを確認しなければ喜
ですか…」古い焼却工場の蒸気タービンは、発電効率が低く、蒸気
ぶことはできません。」
が余ってしまう。大規模改修をせずに、蒸気を無駄なく送る方法は
実際に稼働を始めて、問題なく動き続けることを確認するその日
ないだろうか?一から見直しが始まった。
まで、彼らの挑戦は続く。
鶴見工場
平成7年
平成11年
金沢工場
平成13年
【焼却工場の竣工年度】
のが焼却工場です。焼却工場は、日々高温で稼働していることから、一般的な施設と比べると
米村 卓郎
耐用年数が短いのが特徴です。現在、市内で稼働している焼却工場は4か所あり、竣工年度が
機械
資源循環局 適正処理計画部 施設課施設計画担当係長
〈平成12年度入庁〉
古いものから順次、施設を延命化するための長寿命化対策が必要な時期を迎えています。長
寿命化工事で基幹的設備を改修して耐用年数を延長することにより、工場の建替えよりも、
ライフサイクルコストを削減できます。
長谷部 孝広
電気
資源循環局 適正処理計画部 施設課長
〈昭和53年度入庁〉
日常の当たり前の風景の中に、
わたしたちの仕事がある
新しい事業に取り組める魅力
却炉が3基あります。その焼却炉を1年ごとに1基ずつ改修するとともに、関連設備の更新・
わたしたちは専門分野をもった技術職ではありますが、製品を開
この長寿命化事業のように、技術の革新とともに新しい事業に取
改修によって10年以上の長寿命化が可能となります。
発する民間企業の技術職とは少し役割が異なります。今回の長寿
り組むことができるのも、わたしたちの仕事の魅力だと思います。
命化事業でも、実際に設計や改修を行うのは専門の業者の方たち
かつての焼却工場といえば発電機などはほとんど設置されてな
です。わたしたちの仕事は、行政上の様々な課題を技術的な側面
く、余熱を利用するプールやお風呂を併設することぐらいしかで
焼却工場では、ごみを焼却する際に発生する熱を蒸気に変換して発電を行っています。発電
から捉え、いかに解決していくかを考えていくことです。そして、
きませんでした。しかし最近では、より効率的に電力を生み出せる
した電力は、工場内や近隣の地区センターや高齢者福祉施設、温水プールなどで使用し、余剰
横浜市と市民、横浜市と業者の橋渡しをする役割が求められてい
技術が発達して、どの焼却工場にも発電機が設置され、大きな収益
分は電力会社に売電を行っています。
ると思います。
をあげるようになっています。市内4つの焼却工場の売電収入は、
都筑工場の長寿命化対策では、蒸気タービン発電機の発電能力を1万2,000kWから1万
朝、出かける時に、ごみ集積場所に集められているごみが、夜、帰っ
合計でおよそ42億円(平成25年度)にのぼります。
3,000kWに向上させる計画です。
てくると無くなっている。こうした仕事をしていなければ、何も意
また、新しい取組として「焼却灰の資源化」があります。焼却灰の溶
平成26年度から長寿命化工事を開始した都筑工場には、1日に400tのごみを処理できる焼
■発電能力向上・省エネ化も実現へ
ごみクレーン操作室
発電能力1万3,000kWを実現するための紆余曲折とは? 右ページのSTORYで紹介します。
識することはなかったのかもしれません。でもそれは、ごみの収
融施設で作られる溶融スラグは、道路の路盤材などに利用される
さらに、省エネルギー設備の導入によるエネルギー使用量の削減や、新たな燃焼制御システ
集・運搬から焼却、埋立、資源化といった一連の処理の流れがしっ
ほか、溶融メタルからは、金や銀なども精製されています。毎日の
ムの採用による温室効果ガスの削減を図っています。焼却工場の長寿命化は、施設の延命化
かり機能しているからなのです。日常の当たり前の風景の中に、わ
ごみが様々なものを生み出していく。そこに醍醐味があると思い
だけではなく、地球環境問題にも貢献しています。
たしたちの仕事のやりがいはあります。
ます。
▶▶▶
8
メ
工場内の様子
9
Project
4
S TORY & ENGINEER
横浜みどりアップ計画
ひとつひとつの小さな熱意が
緑を守る力になる
■環境創 造局
【登場人物】
佐 藤 : 横浜みどりアップ計画の進捗管理に携わる。
三保市民の森
横
浜のみどりが減っていく・・・。かけがえのないみどりを次
の世代に引き継ぐためにはどうすればよいか。横浜みどり
アップ計画の策定に向け、多くの関連部署が調整を行い、懸命に動
いていた。そもそも横浜の緑の多くは民有地に依存しており、これ
らの緑を守るためには、土地所有者の方々の協力が不可欠だった。
ま
ずは市街化調整区域の航空写真と農地・樹林地所有者の
データを照らし合わせ、緑地を徹底的に調査した。調べる面
積は10,480ha、多くの手間がかかることは明らかだった。
「無謀す
ぎる。」
「不可能じゃないか。」誰もがそんな言葉を飲み込みながら、
前に進み続けた。
計画実現のために、全国に先駆けた取組である「横浜みどり税」を
身近なみどりを守り、
次世代に継承していくために
新たに導入する。この「横浜みどり税」を施策の財源の一部として
佐藤 智也
1970年
(昭和45年)
O UTLINE
1980年
(昭和55年)
▶
▶
2009年
(平成21年)
横浜の緑の移り変わり
【横浜の緑はこれだけ減っている】
活用し、市民みんなで横浜の緑を守っていく。その導入のプロセス
では市民を対象としたアンケートも実施した。その数1万人。
造園
環境創造局 みどりアップ推進部
みどりアップ推進課担当係長
〈平成7年度入庁〉
所有者に対しては、アンケート調査を実施し、都市計画や所有者と
市の契約などにより、樹林地を守るための「緑地保全制度」の案内
を郵送し、返信や問合せがあった所有者の方については、一人ひと
り伺って制度の説明を行った。初めはあまり興味を示してもらえ
横浜の緑のこれからを見つめる
なかった所有者にも、粘り強く繰り返し市の施策のねらいを伝え
横浜みどりアップ計画の進捗管理に携わっています。普段はあま
り感じませんが、横浜みどりアップ計画の成果を報告する資料を
■横浜のかけがえのない緑を守る
まとめたり、保全が進んだ写真やデータを見たりすると、こんなに
横浜は大都市でありながら、都心臨海部の緑豊かな街並みや、樹林地・農地で構成される郊外
沢山の緑が守られたのか…と、実感することがあります。
の里山など、市民生活の身近な場所に豊かな緑の環境が存在することが魅力のひとつです。
また、以前は、公園の再整備なども担当していました。横浜は開港
しかし、そんな緑の面積も年々減り続けており、昭和50年代には、市域の約半分近くが木々
の歴史を色濃く残している公園が多いだけに、守り続けていくべ
や畑の緑に覆われていましたが、今では3割を切る状況となっています。
き部分と、時代とともに変えていくべき部分をしっかり見極めな
こうした中、大切な緑の環境を守り、次世代に継承していくため、平成21年度にスタートし
ければなりません。そうして再整備した公園で、子どもたちが楽し
たのが「横浜みどりアップ計画」です。
そうに遊んでいたり、人々が集まっていたりするのを見ると、造園
ることで、理解を得られるようになった。
多くの職員の地道な作業、努力の末、平成21年度にスタートした
「横浜みどりアップ計画」は、今少しずつ実を結びはじめている。
日
本大通りのイチョウ並木を見ながら、
佐藤は言う。
「まだまだ
守るべき緑は沢山あります。でも、ただ守るだけではありま
せん。
「横浜みどりアップ計画」という名のとおり、この横浜を、緑や
花があふれるまちに変えていく。
それも私たちの仕事なんです。
」
。
佐藤たち、緑を思う職員の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
職としての喜びを感じます。
■取組の3つの柱と横浜みどり税
横浜みどりアップ計画
[計画期間:平成26-30年度]
は
「みんなで育む みどり豊かな美しい街 横
浜」
を理念に、
取組の3つの柱として市民の皆さんと一緒に
「市民とともに次世代につなぐ森を育
E NGINEER
む」
「市民が農を身近に感じる場をつくる」
「市民が実感できる緑をつくる」
活動を行っています。
▶▶▶
樹林地を守るために決行された大調査とは? 右ページのSTORYで紹介します。
横浜みどりアップ計画を進めるために、横浜市では、必要な財源の一部を「横浜みどり税」と
して市民の皆さんに御負担いただいています。計画の趣旨を市民の皆さんに御理解いただ
き、緑に関わる活動に参加するきっかけとなる機会を提供するため、事業内容などについて
港の見える丘公園 ∼ブラフ99ガーデン∼
効果的に幅広く広報していくことも重要な取組です。
農業
「農」とふれあう場づくり
■計画は着実に成果をあげている
計画期間5か年(平成21∼25年度)の取組は、大きな成果となり表れています。
私は北部農政事務所で、主に青葉区・緑区の農家や生産者団体に対し新鮮で安心な農作
例えば、樹林地では計画前の5倍以上のペースで保全が進み、新たに527.2haを保全しまし
物を安定供給するための農業振興策の実施や、農地の生産性を向上するために環境整
た。また、農地では118.8haの水田を保全し、地産地消の推進や担い手の育成なども進んでい
備の支援などを行っています。横浜みどりアップ計画では、農体験教室や、農産物直売・
ます。
「 緑」をつくる取組では、市民の皆さんが主体となった、緑のまちづくりの取組が市内
イベントなどを通じて市民の皆様に「農」とふれあう機会を提供する「恵みの里事業」な
16地区で進んだほか、園庭、校庭の芝生化など、市民の皆さんの身近な場所で、緑を増やす取
どに取り組んでいます。こうした事業に親子で参加して、地場産のものを美味しそうに
組が進んでいます。
食べる姿や、直売などでお客さんの声を積極的に取り入れようとしている農家の方た
今後も継続的に緑の保全と創造に取り組みます。
10
小室 快人
環境創造局 北部農政事務所
〈平成22年度入庁〉
水田風景(青葉区)
ちの姿を見ると、この仕事に携われてよかったと実感します。
11
Work Style
土 木
1
∼横浜のまちづくりの礎を担う∼
P ROJECT
● 土 木 職 の 事 業
高速横浜環状北西線事業
横浜環状北西線(以下、北西線)は、東名高速道路(横浜青葉インター
横 浜 市 の 土 木 職 と は ?
チェンジ)と第三京浜道路(港北インターチェンジ)を結ぶ、延長約
市民の生命や財産を守るとともに、市民が安心して、安全で、
7.1kmの自動車専用道路です。北西線は、現在建設中の横浜環状北
より豊かで質の高い生活を送るための「まちづくり」を行います。
線と一体となり、東名高速道路から横浜港までを直結します。
主に、総合的な都市整備や道路、河川、上下水道、港湾などの計画・建設において、
横浜市と首都高速道路株式会社により、できるだけ早い完成を目指
土木関係の専門的技術を必要としている業務に従事します。
して、設計と工事を進めています。
【主な配属先】
北西線を整備することで、市北西部と横浜都心・湾岸エリアの連携
道路局、環境創造局、都市整備局、港湾局、水道局、交通局、各区土木事務所 など
が強化され、横浜港からの流通促進による市内経済の活性化や災害
時のネットワーク強化を図ります。
港北インターチェンジ
W ORK
水道施設の更新・耐震化
● 土 木 職 の 仕 事
1
都市づくりの計画・推進
※完成イメージ
2
道路・河川の整備計画・建設・維持管理
横浜市を取り巻く大きな環境変化の中、安全・安心で魅力ある都市
横浜環状道路や幹線道路などの体系的な道路ネットワークの整備
の発展を支えるまちづくりや基盤整備に取り組みます。そのため、
のほか、市民に身近な生活道路や通学路における歩道設置などの
都市計画マスタープランなどの中長期的な計画や方針の検討、エ
交通安全対策を行っています。
キサイトよこはま22やみなとみらい21地区などの都心部の整備、
また、都市機能を守るため、橋梁やトンネルなど、道路施設の耐震
鉄道駅周辺の市街地開発、鉄道・道路などの都市基盤施設の計画・
化や計画的な維持管理、河川の改修による治水安全度の向上や河
事業化の検討、防災まちづくりの推進などを行っています。
川及び水路の計画的な維持管理を行っています。
水道事業は維持管理の時代を迎えています。安定給水の確保のた
め、基幹的な水道施設を計画的に整備すると共に、経年劣化する施
設 や 管 路 を 更 新・改 良 し 、機 能 向 上 と 耐 震 性 強 化 を 図 る こ と で
「トップレベルの安全でおいしい水」と「災害に強い信頼のライフ
ライン」の実現を目指しています。
また、市内に約9,100kmある配水管の水圧の適正化、市内配水管
鶴ヶ峰配水池工事状況
網の整備を進め、水運用を効率化することで安定した給水体制に
努めています。
さらに、震災や停電等に備えた取組として、断水等の影響範囲を最
小限に抑える「配水ブロックシステム」の構築や、浄水場間及び配
水ブロック間を結ぶことで緊急時のバックアップ体制を整えるた
めの「環状ネットワーク」の整備などを行っています。
新磯子幹線シールド工事状況
配水管敷設状況
下水道事業
下水道事業では、これまでに下水道管約11,800km、水再生セン
3
上下水道の整備計画・建設・維持管理
4
港湾の整備計画・建設・維持管理
近代上下水道発祥の地である横浜では、市民の安全・快適な生活を
横浜港は開港以来、日本と世界の交流を支えてきました。港を取り
守る様々な事業に取り組んでいます。 巻く環境の変化に対応し、横浜港が将来にわたって発展するよう
水道部門では、長期的な施設整備計画の策定や浄水場、配水池及び
施設の整備計画を策定し、日本最大の水深20m岸壁を有する南本
送配水管路など、大小様々な水道施設の耐震化、老朽化施設更新等
牧ふ頭コンテナターミナルの整備や、大さん橋客船ターミナルに
の設計や工事の発注・監督を行っています。
加え新たな客船ターミナルの整備など、大規模な建設工事の発注・
下水道部門では、下水道事業計画の策定や下水道管、水再生セン
監督を行っています。また、既存の港湾施設を安定的かつ安全に利
ター及び汚水・雨水ポンプ場などの施設の設計や、工事の発注・監
用できるよう、岸壁や道路、橋梁など、様々な施設の維持管理も
督を行っています。
行っています。
ター11か所と多くの施設を建設してきました。
(普及率99.8%)
今後は、長期的な見通しを踏まえた戦略的な再整備や、下水道管の
耐震化、雨水幹線整備や浸水予測等の情報を活用した浸水対策な
どで、災害に強いまちづくりを進めます。
また、水質改善、生物多様性保全等の観点から下水処理の高度化と
合流式下水道の改善、雨水浸透の促進により、良好な水環境を創出
します。さらに、下水道資源の有効利用による再生可能エネルギー
の活用等を通じて、循環型社会の構築に貢献します。
中部処理区本牧第二幹線下水道整備作業風景
世界に羽ばたくハマの技術力−。
横浜市では、JICA(独立行政法人国際協力機構)やCITYNET(アジア太平洋都市間協力ネットワーク)などの国際関係機関と連携し、アジアを
はじめとした途上国の水道事業に対して、自立して課題解決が可能となるよう水道・下水道に関する技術移転を行っています。海外研修員の受
入事業では、平成22年度までに27の国と地域から320人の研修員が来浜し、他機関や他都市からの短期間の依頼を含めると2,000人を超え
る研修員を受け入れてきました。また、専門家としての職員派遣は、JICA等の専門家・調査団員などで27か国、183人にのぼります。横浜市が
培ってきた経験・ノウハウを生かし、水ビジネスでの国際貢献にも力を入れて取り組んでいます。
12
13
Work Style
建 築
2
P ROJECT
柏尾戸塚線
● 建 築 職 の 事 業
∼ 横浜の「まち」を創る∼
事業区域
戸塚駅前地区中央土地区画整理事業
既存市街地の成り立ちの中で線路によって分断している戸塚駅東
横 浜 市 の 建 築 職 と は ?
西地区の一体化を図るため、線路の下部を通る都市計画道路を整備
市民が安心して豊かな生活を送り続けられるよう、
するとともに、公園や広場の整備、商業地区の賑わいづくりなど、周
防災対策や環境配慮など将来を見据えたまちづくりを行います。
辺のまちづくりを進めています。
主に、総合的な都市整備や公共施設の建設、
事業開始から50年が経過し、周辺地区の再開発事業も合わせると
開発・建築指導などの業務に従事します。
JR戸塚駅
総事業費は1,500億円を超えるビッグプロジェクトです。公共施設
【主な配属先】
のデザイン検討や建築のルールを定めたガイドラインの策定を市
建築局、都市整備局、各区役所 など
民とともに行うなど、地域に根付いたまちづくりを進めています。
W ORK
● 建 築 職 の 仕 事
1
まちづくり
2
戸塚駅前地区
公共建築物の営造と修繕
魅力と活力あふれる都市横浜を目指し、拠点となる都市開発事業
横浜市が保有する学校・庁舎・市民利用施設等、様々な公共建築物
の推進や、それらを結ぶ鉄道など都市交通体系の整備について、具
の設計や工事の施工監理、検査を行うとともに、施設整備における
体的な施策を計画・立案し、事業化へと結びつけます。
PFI事業等民間活力の導入や既存施設の有効活用などの検討を
昭和34年に建設された現市庁舎は、50年以上が経過し、設備の老
臨海都心部では、みなとみらい21地区や横浜駅周辺など、まちの
行っています。また、公共建築物の安全性や快適性を維持するため
朽化や執務室の分散化、災害対策の必要性など、多くの課題を抱え
将来像の策定や事業者との調整を行っています。
に、修繕・改修などの管理保全を行うほか、近年では施設の長寿命
ています。これらの課題を解決するため、平成32年の完成を目指
郊外部においては、地域の特性に応じた個性ある生活拠点づくり
化や省エネルギー化にも力を入れています。これに併せて、計画
して新市庁舎を整備します。
を目標とし、市民とともにまちづくりを行っています。
的・経済的な保全業務を進めるべく、より効率的な施設管理を行う
延べ床面積約15万㎡の超高層建築物となる新市庁舎には、都市景
ための調査研究を行っています。
観との調和、セキュリティの確保、再生可能資源の有効活用といっ
新市庁舎整備事業
た様々な機能を両立させることが求められ、本市公共建築におい
ては例がなく、高度な技術力を必要としています。
現在は庁内の他職種とプロジェクトチームを結成しています。建
築職はプロジェクトチームの中心となり、品質・費用・工程の最適
化を進めると共に、新市庁舎の機能に関する検討を進めています。
新市庁舎整備予定地
3
建築・開発指導
4
住宅政策
まちの基盤となる、建築物や宅地開発の審査・許可・検査・指導など
横浜市の住まいや住環境についての指針を策定し、高齢者や障害
を行い、良好な住環境や秩序ある市街地の形成に努めています。
者、子育て世帯等に配慮した住宅の供給を行っています。
また、狭あい道路の拡幅やがけ地改善のための対策工事助成事業、
また、住み慣れたまちで安心して暮らせるよう、マンション管理組
違反建築等に対する是正指導などと併せ、自然災害における被害
合への支援や住宅相談事業に取り組むほか、低炭素社会の実現に
を防ぐために建築物の不燃化・耐震化の促進、水害対策など市民が
向け、エネルギー性能が高く長寿命の住宅を公募・販売する脱温暖
安全・安心に暮らせる都市づくりに寄与しています。
化モデル住宅推進事業などにも取り組んでいます。
郊外まちづくり事業
少子高齢社会を迎え、開発から年月の経った都心近郊の郊外住宅
地では、様々な課題を抱えています(地域コミュニティの衰退、多
世代交流、子育て支援、地域のエネルギー、老朽団地の再生、地域交
通など。)。こうした課題を一体的に解決し、子どもから高齢者まで
多世代が住み慣れた地域で安心して住み続けられるよう、地域の
魅力や特徴を生かしながら、郊外住宅地の再生に向けた様々なプ
ロジェクトを進めています。
平成24年から開始した東急電鉄との次世代郊外まちづくり事業
など、現在4つのモデル地区において地域住民、民間事業者、行政、
大学等が連携して次世代へ引き継ぐまちづくりを行っています。
また、
「環境未来都市・横浜」として地球温暖化の防止や災害時にお
けるエネルギー供給を図るため、建築物の省エネルギー化やエネ
ルギーの自立・分散化に配慮したまちづくりに取り組んでいます。
郊外まちづくり報告会
14
15
Work Style
3
機械・電気
∼市民生活の安全・安心を担う∼
P ROJECT
● 機 械 職・電 気 職 の 事 業
下水道事業
横浜市では市内11か所の水再生センターで下水を処理
横 浜 市 の 機 械 職・電 気 職 と は ?
設備技術を生かし、
都市の交通網や水環境、
市民の生活基盤を守り、
暮らしやすい社会をつくります。
主に、廃棄物処理施設や下水処理施設、港湾施設、市営住宅・庁舎、浄水場など、
し、そこから発生する下水汚泥を2か所の汚泥資源化セ
ンターで集約処理しています。
水再生センターでは、汚れた水をきれいにして海や川へ
市民生活を支える様々なプラントや公共施設で、
機械職は機械設備、電気職は電気設備(主に強電)について、設計・管理などの業務に従事します。
【主な配属先】
戻すだけでなく、台風やゲリラ豪雨などで起こりうる浸
水被害から市民生活を守っています。また、汚泥資源化
センターでは、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガス
環境創造局、資源循環局、建築局、都市整備局、道路局、港湾局、水道局、交通局 など
を用いて発電を行ったり、下水汚泥の焼却灰を建築資材
として有効利用するなど、先進的な取組を行い、循環型
社会に貢献しています。
W ORK
● 機 械 職・電 気 職 の 仕 事
1
廃棄物処理施設の整備管理
南部汚泥資源化センター 消化タンク
北部下水道センター 消化ガス発電
太陽光・小水力発電事業
2
上下水道施設の整備管理
廃棄物の焼却工場等において、焼却設備、ボイラー設備、排ガス処
市民生活に欠かせない上下
理設備、発電設備、焼却灰資源化設備、排水処理設備等の整備(計
水道施設や雨水排水処理施
画・設計・施工)及び運転操作・維持管理を行っています。
設における機械・電気設備
また、焼却工場において、廃棄物を焼却した際に発生する熱を利用
について、点検・整備、運転
して発電した電力の売却なども行っています。
等の維持管理、設計・積算や
工事監督等の業務を行って
います。施設の運転にあた
横浜市では、水道事業における電気エネルギーの依存度
を減らし、環境にやさしい水道システムを構築するた
め、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していま
す。水道管路内を流れる水の力を利用した小水力発電や
浄水場内の沈澱池やろ過地などの余剰スペースでの太
陽光発電の設置を進めています。
これらの設備は、現在、小雀浄水場、港北配水池、川井浄水
場、青山水源事務所など多数の施設に設置されています。
り、設備が一つでも故障す
小雀浄水場 太陽光発電
ると、その影響は直接市民
青山水源事務所 小水力発電
へ及びます。日々の点検業
務が安心した市民生活を支
えています。
南本牧排水処理施設整備事業
廃棄物最終処分場はごみ処理の最後を担う重要な施設です。横浜市唯一の廃棄物最
終処分場は、南本牧ふ頭第2ブロックにありますが、平成29年9月(予定)で埋立てが
3
公共建築物の維持管理
4
地下鉄の設備・車両の整備管理
市・区庁舎や市民利用施設など公共建築物の機械・電気設備につい
市営地下鉄ブルーライン及びグリーンラインの電車や駅などへの
て、建設・改修工事の計画・設計・施工監理・検査等の業務や各区局
電気の安定供給や線路内の管理、施設や車両の定期点検、修理等の
の計画・相談に対する技術支援を行っています。代表的な事業とし
保守管理を行っています。また、老朽化した施設等を更新するため
て、みなとみらい21地区に隣接する新市庁舎の整備計画や、金沢
の調査や工事等の設計・積算等を行っています。
区・港南区・南区総合庁舎の建替整備工事が現在進行中です。
特に、設計においては低コストで高品質なものを造り上げるため、
また、公共建築物の効率的かつ効果的な保全を推進するため、各施
現場の環境や条件などから材料や工法、構造等を判断し、選定しま
設の劣化調査を行い優先順位を付けて長寿命化工事を計画・実施
す。単に造るのではなく、使い手の気持ちになって設計していくこ
するとともに、設備の省エネルギー改修にも積極的に取り組んで
とが大切です。
います。
終了するため、新たに隣接する第5ブロックに処分場を整備します。
処分場では、処分場内に降った雨や埋立てによる余水を公共用水域へ浄化して放流
する排水処理施設を設置しています。横浜市の処分場は、全国でも例が少ない海面
埋立型最終処分場で、排水処理施設の環境負荷の低減や省エネルギー化を図るため
には、機械職・電気職が中心となり、最新技術の導入を進めるなど高度な技術力が必
要です。こうしたプラントの整備や維持管理は、横浜市のごみを安全に安定して処
理する上で欠かすことができず、市民の生活環境を守る重要な仕事です。
南本牧排水処理施設
平成25年度グリーンライン2編成車両新造事業
平成26年3月29日に、開業以来増加するお客様の混雑緩和のため、グリーンライン
地下鉄車両を2編成新造しました。
基本設計は平成20年度開業時に、急勾配、急曲線を走行できるリニア車両として設計
された1次車に準じています。平成25年度における車両新造にあたっては、車内環境
の向上、バリアフリー及び省エネルギー化に向けて、更なる改善を図っています。
設計や予算の局内調整、製造過程における車両メーカーとの協議、完成した車両の
試運転など、全般にわたり知識と技術を生かし、お客様の利便性向上に貢献してい
ます。
川和保守管理所 車両整備風景
16
17
Work Style
環 境
4
Work Style
造 園
∼横浜の「環境」を創る∼
5
∼横浜の「みどり」のトータルコーディネーター∼
横 浜 市 の 環 境 職 と は ?
横 浜 市 の 造 園 職 と は ?
環境保全や温暖化対策、生物多様性などの環境政策に携わり、市民生活や企業活動を支えます。
市民や他職種と連携し、横浜の「みどり」を総合的にコーディネートします。
主に、工場の規制指導、大気・水質等の理化学分析、上下水処理等の水質管理、
主に、都市公園や緑地などに係る企画、設計・工事監督・維持管理や、
生態系や環境保全のための調査研究、地球温暖化対策など
開発に伴う緑化協議などの業務に従事します。
環境施策に係る企画・立案などの業務に従事します。
【主な配属先】
【主な配属先】
環境創造局、資源循環局、水道局 など
環境創造局、各区土木事務所 など
W ORK
W ORK
● 環 境 職 の 仕 事
1
規制指導
● 造 園 職 の 仕 事
2
施設管理
1
「みどり」豊かな都市環境の創出
2
公園・緑地の整備
大気汚染や水質汚濁など、法律・条例に基づいて規制・指導してい
浄水施設、下水処理施設、廃棄物処理施設の運転管理に必要な試験
横浜の緑を守り、増やす「横浜みどりアップ計画」のもと、緑のネッ
身近な公園をはじめ、スポーツができる公園、自然や歴史を活かし
ます。近年は、悪臭・騒音など規制が困難な事案も増加しています
検査を実施し、適正管理を行っています。市民に安全な水と快適な
トワークの核となるまとまりのある樹林地の保全や、生物多様性
た公園など、大小さまざまな特色ある公園づくりを進め、憩いとう
が、安全・安心な生活環境保全のため、市民の立場に立った対策を
生活環境を届けるために、水処理、下水処理、廃棄物処理において
に配慮した良好な森づくりなどを進めています。また、街の魅力を
るおいの場づくりや、良好な都市景観の形成を行っています。また
行っています。
環境職はなくてはならない存在です。
高め賑わいづくりにつながる緑等、市民が実感できる緑の創出に
市民の森などの整備や、安全安心のための防災工事にも取り組ん
この他、横浜駅西口再開発や中央リニア新幹線などの大規模開発
これらのノウハウは、全国でもトップレベルにあるため、長年にわ
取り組んでいます。
でいます。
に対して、環境影響を未然に防ぐため、環境アセスメント制度によ
たり東南アジアなど海外への技術協力を行っています。
り、適切な開発となるよう事前に審査しています。
3
試験検査・調査研究
4
政策・企画立案(環境行政の推進)
3
公園・緑地の維持管理
4
総合調整、開発指導
環境保全や生物多様性の保護のため、ヒートアイランド、きれいな
横浜市は、全国初の「公害防止協定」や独自の「指導要綱」など、先駆
横浜市内に2,640か所ある公園を安全・快適に利用できるよう、施
緑のコーディネーターとして、緑施策に関する中長期計画の施策
海づくり等、地域密着の調査研究を行っています。また、中小企業
的に環境行政に取り組んできました。また、最近は低炭素社会への
設や植栽の維持管理を行っています。
の立案や、事業のプロモーションなどを行っています。また、開発
の技術的な相談を受けるなど、技術支援に取り組んでいます。
転換を目指し、燃料電池車(FCV)や再生可能エネルギーの導入を
地域の身近な公園においては、地域のボランティアである公園愛
に伴う公園の設置や緑化協議を行い、身近な緑の保全、創出に努め
こうした環境保全の取組の他、感染症、食中毒、食品・飲用水など市
推進しています。
護会との協働による維持管理や魅力づくりを行っています。
ています。
民の安全確保に必要な試験検査も行っています。
「環境管理計画」、
「温暖化対策実行計画」など、横浜の環境に関する
政策を立案し、時代の変遷と地域特性から、横浜の環境を守り、創
造していきます。 18
19
Work Style
農 業
6
∼横浜の活力ある都市農業を未来へ∼
H UMAN RESOURCE DEVELOPMENT
横浜市の技術職員の人材育成
横 浜 市 の 農 業 職 と は ?
横浜市では、技術職員の意欲や能力の高まりが、組織力向上や市民サービスの向上につながると考えており、
「人材こそが最も重
横浜市では、市民の身近な場所で、野菜や果樹、花、植木、畜産など、多様な農業が営まれています。
要な経営資源」であることを念頭に、専門分野を担う人材の育成を計画的に進めています。
新鮮で安心な農畜産物を市民に提供し、潤いと魅力あふれる都市を目指して
様々な農業振興策を展開しており、農業職はその中心的な役割を担っています。
主に、都市農業の振興や緑地の管理、農業専用地区や土地改良区に関する業務などに従事します。
【主な配属先】
技術力は、現場での実務経験において、目標を設定し、成功体験・失敗体験を重ねること(OJT[On the Job Training]、人事考課)
を基本として、研修における専門知識・技術の習得や、異なる分野での業務経験(人事異動)を通じて培われていきます。また、技術
を習得することは、技術者としての「自信」、
「やりがい」、
「誇り」を持って業務に取り組むモチベーションにも繋がります。
環境創造局 など
そこで、職種ごとに人材育成の基本的な方針を示した「人材育成ビジョン」を策定し、職員一人ひとりの適性と能力・意欲に応じ、
キャリア形成を重視した人材育成に取り組んでいます。
W ORK
さらに、業務に関連する資格取得への支援や、キャリア形成についての個別相談制度などにより、男性も女性も、技術職としての
● 農 業 職 の 仕 事
1
農業振興
専門性を高めながら、自分らしく働き続けられるよう、職員一人ひとりのキャリア形成を組織として支援しています。このよう
2
農地の利用促進
横浜市独自の制度である「農業専用地区」を中心に、農業の生産基
農地は、食料を生産する役割とともに、環境保全、生物多様性の保
盤の整備を進めています。また、農畜産物の品質向上や安定供給に
全、子どもたちの教育・福祉など社会活動の場としての機能なども
向けた農家への支援や、意欲ある農家や新たな農業の担い手が農
併せ持っています。このような多面的な機能のある農地が、市民共
業経営を継続するための支援など、活力ある横浜の農業を目指し
有の貴重な財産として維持されるよう、農地の貸し借りを促進し
た様々な農業振興策を展開しています。
耕作放棄地を解消する取組を進めています。
に、横浜市には、技術職員として活躍し、成長し続けるフィールドがあります。
職員一人ひとりのキャリア形成
O J T を 中 心 と し た
人 材 育 成 体 系
個 人 の 能 力 や 意 欲 に 応 じ た
様 々 な 支 援 制 度 等
技術職員対象研修
人事考課
自治体学校等への派遣研修
3
農に親しむ取組の推進
4
地産地消の推進
近年、野菜づくりを楽しみたい、農作業を体験してみたいという市
市民の身近な場所で、新鮮で安心な農畜産物を購入することがで
民ニーズがとても増えています。横浜市では、多様な市民農園の整
きる横浜の特徴を生かして、ブランド戦略の策定や企業との連携
備や、横浜ふるさと村、恵みの里の運営など独自の取組を進め、市
による地産地消の取組を進めています。併せて、みなとみらい21
民が農業を体験できる機会を増やし、都市農業への理解を深めて
地区などの都心部で「食と農の祭典」などのイベントを開催し、地
いただく取組を積極的に推進しています。
産地消を支える市民と協働した横浜の農業や農畜産物の魅力を
民間企業等への人事交流
研 修
人事異動
資格取得支援
PRしています。
キャリア形成支援制度
横浜市では、
技術職員を対象とした様々な研修や制度を用意しています。
自らのキャリアをプランニングし、
目標に向かって必要な知識や能力を培い、
自分の可能性をどんどん広げていく、
そんな職員が横浜の明日を担っています。
20
21
先輩職員からのメッセージ
井上 貴子
土木
道路局 企画課
〈平成14年度入庁〉
M ESSAGE
ものから、車、自転車、人が共存する道路へと変化しており、時代の流
からアドバイスを貰い、無事に工事を完了することができた時はとて
れにも対応していかなくてはなりません。厳しい財政状況の下で、こ
も充実感がありました。
れらのバランスをいかにとり、そして将来に引き継いでいくのか。ま
他にも、局の電気職・機械職の職員がチームとなって課題に取り組む
た、市民の皆様の期待に応えられる土木技術とは何か。様々な部署と
技術検討プロジェクトに参加し、全工場で故障報告書を共有化するシ
議論を積み重ね、横浜の都市インフラをコーディネートするのも、私
ステムを作ったことが職員の技術力向上に寄与したとして評価され、
たち土木技術者の使命だと思っています。
田中 孝明
私は保育園に通う子どもを持つ母親でもあります。発熱や怪我で保育
電気
資源循環局 旭工場
〈平成24年度入庁〉
園から呼び出されることもあります。まだ甘えん坊で、母親と一緒に
遊びたくてたまらない時期ですが、仕事を終えて帰宅するともう夜
で、ゆっくり遊んであげる時間をとることは、とても難しいです。職
新しいことを知る喜びと明日を創る責任と
員、母親という二つの役割を果たすことは、思っていた以上に大変で
す。それでも続けようと思うのは、新しいことを知る喜びと、明日を創
一緒に仕事をする機会があることは貴重な経験であり、やりがいを感
じることができます。
私が横浜市で働きたいと思ったのは、以前からごみ焼却工場や上下水
道施設などプラント設備に関心があり、横浜市は自治体としての規模
仕事の数だけチャレンジがある
が大きいので、多様な設備の仕事を経験でき技術力の向上にもつなが
ると考えたからです。プラント施設以外にも交通、病院、学校などの公
私は平成14年に大学の土木工学科を卒業し、横浜市役所に入庁しまし
造することへの責任があるから。そして、続けていられるのは、支えて
現在、ごみの焼却工場で、プラント設備の日常点検、故障対応、工事・委
共施設でも電気職として活躍する場が数多くあり、様々な経験を積
た。水再生センター(下水処理場)の設計・工事発注、予算管理の部署を
くれる家族と、そんな状況を理解し協力してくれる職場があるからで
託の設計監督や焼却炉の運転操作を行っています。また、工場の見学
み、その経験を活かせることが魅力的でした。
経験し、出産、育児休業を経て、現在は道路局で企画・調整業務を担当
す。大事な仕事の約束がある日に、子どもが体調を崩してしまって、途
案内や啓発活動、粗大ごみを再利用したリユース家具の配布など市民
入庁時には焼却工場に配属され、知らない設備が多く不安でしたが、
しています。私が所属する道路局企画課では、5年先、
10年先の横浜を
方に暮れたこともあります。そんな時に、子どもの体調を心配してく
の方と接する業務も担当しています。
OJTが充実していて先輩職員の指導のもと技術、知識を身につけるこ
見据えて、今進めるべき施策の立案と、それを実行するための事業手
れ、休んでいる間の仕事の調整を進めてくれた上司と同僚がいるとい
焼却工場は市民生活に影響が出る重要な施設であるため、工場をトラ
とができました。また技術力向上のための研修も豊富であり、局内の
法や財源確保などについて、国の機関や財政部局と調整し、併せて市
うことに、感謝をしています。横浜市は、働くお母さん、そしてお父さ
ブルで休止しないよう常に使命感を持って業務を行っています。特に
みならず他局の技術研修にも参加できるので横浜市全体の技術力を
民の皆様との対話をしながら、検討を行っています。
んになることも、きっと、応援してくれるはずです。
やりがいを感じたことは、特別高圧受電設備の一部更新工事という、
吸収することもできます。このようにOJTや研修を通して積極的に能
様々な施策を進めていくためには、課題を整理することも大切です。
横浜は、古いものと新しいものが調和した美しい街並みが広がり、多
約20年に一度行われる大きな仕事の担当を任せられたことです。特別
力を向上させることができるのは横浜市の数ある魅力のひとつであ
横浜市では、人口増加に伴い急速に整備された膨大な数の橋梁、トン
くの人で賑わう、どの自治体にも負けない魅力のある都市です。この
高圧受電設備は、非常に高い電圧の電気を、工場内で使用できるよう、
ると思います。
ネル、歩道橋といった道路施設を保有しており、その老朽化問題に直
先も、そして、さらに輝く都市となるために、現状に留まることなく積
低い電圧に変換する設備です。旭工場はもうすぐ築17年を迎え、当
横浜市には技術者として携わることのできる多くの仕事があり、仕事
面しています。その一方で、経済活動を支える幹線道路の整備も求め
極果敢に挑戦していくことが必要です。私たちと一緒に、明日の横浜
工場において初めての更新工事となります。前例のない工事のため多
の数だけチャレンジがあります。皆さんと一緒にチャレンジできる日
られています。さらに道路に求められる機能・役割も、車を中心とした
を創造しませんか。
くの問題がありましたが、関係業者と何度も打合せを行い、多くの方
が来ることを心よりお待ちしています。
建築職の業務の幅はとても広く、住宅政策、まちづくり、建築・開発指
浜らしい職場のひとつです。
帆船日本丸、
赤レンガ倉庫、
象の鼻、
大さん
導、営繕など、様々な分野で活躍しています。私はこれまで、建築審査
橋など横浜の名所や、
横浜港の物流を支える裏方でもありました。
から始まり、国土交通省への2年間の派遣、耐震・防災業務、まちづく
平成22年からは環境創造局。横浜市民が排出する汚れた水をきれいに
りや住宅政策など様々な業務を経験しましたが、いずれの職場でも技
して海や川に戻し、また台風や大雨による水害から街を守る役割の下
術職として充実した日々を過ごすことができました。
大友 直樹
建築
建築局 住宅再生課長
〈平成11年度入庁〉
大橋 洋明
特に、国土交通省への2年間の派遣は、建築基準法等の大改正に伴う
機械
環境創造局 下水道施設部
下水道施設管理課担当係長
〈平成12年度入庁〉
作業に関わることができ、自分が作成に関わった法文が官報に掲載さ
れたのを見てとても感動したことを覚えています。その他にも、各省
折衝や国会議員対応などの業務を通して、政策が決定されていく国政
技術力を磨く広いフィールドとチャンスがある
の一端を垣間見ることができたことで視野が広がり、とてもいい経験
をさせてもらいました。一方で、最大の政令指定都市として国からも
一目置かれ、様々な場面で意見を求められることも多く、横浜市が期
水道事業に携わっています。私が管理を担当している水再生センター
では、私が生まれる前から稼働しているポンプを40年以上経った今で
も大切に使うなど、代々受け継いできた技術屋魂があります。また、下
水汚泥を集約処理する汚泥資源化センターでは、下水エネルギーを利
用した日本最大のバイオガスプラントが約30年前から安定して発電
先進都市としての気概をもって
を続け、現在は再生可能エネルギーとして電力の固定価格買取制度を
活用した売電を行っています。常に時代の先端を行く横浜市の先見性
の高さを実感します。
私は、平成11年に大学院を卒業し、建築職として横浜市に入庁しまし
待されているということを強く感じると同時に、横浜市職員であるこ
私は、平成12年に機械職として入庁し、建築局、港湾局、環境創造局を
国際都市らしい仕事に携わるチャンスもあります。横浜市では、バン
た。大学では建築を専攻していましたが、最初に配属されたのは建築
とを誇らしく思いました。
経験してきました。すべての職場に共通していえること、それは全国
コク都の気候変動マスタープラン策定を支援する事業があり、横浜市
局で、民間業者が建物を建てる際に行政に提出する書類を審査する部
現在は、平成26年の4月に新設された建築局住宅再生課で、民間住宅
の自治体の中のリーディングカンパニー的な存在であることです。横
各局から集まったメンバーが協力して活動するものです。私は下水道
署でした。
施策や団地再生、さらには郊外住宅地の再生を目指すモデルプロジェ
浜市は、都市発展の歴史の長さや規模の大きさの面で全国最大規模で
部門を担当し、都市インフラと温暖化に関する課題についてバンコク
そこでは、大学では専攻していなかった建築構造の審査をする担当と
クトを進めています。プロジェクトでは、4つのモデル地区を指定し、
あり、代々切り開いてきた技術を受け継ぎながら更に発展させてきた
都職員と議論しています。勢いのあるバンコク都がどう発展するのか
なりました。横浜市にはランドマークタワーをはじめとした大規模な
鉄道会社をはじめとする様々な企業と連携して、これまでにない新し
という、横浜市技術職員のアイデンティティがあります。
楽しみです。
建築物が多く、採用当初は本棚に整然と並んだ参考書やマニュアル等
いまちづくりの取組にチャレンジしています。 最初に配属されたのは建築局。横浜市には、区役所、学校、病院、消防
私は、入庁前に民間機械メーカーで設計や開発をしていました。横浜
との格闘でした。しかし、先輩職員が親身になって教えてくれたおか
横浜市には、みなとみらい21地区のような、まちの景観を大きく変え
署、福祉施設、市営住宅など多種多様の建築物があり、これらの建築物
市に入庁してキャリアを重ねるごとに感じているのは、以前の会社と
げで、その時に得られた知識や技術力は今でも私にとって貴重な財産
るダイナミックな仕事から、住宅政策や郊外まちづくりのような市民
の水まわりや空調設備の修繕工事を発注、監督する仕事を担当しまし
比べて市の仕事の幅が広いことです。私は3つの事業を経験し、様々な
となっています。お世話になった先輩・上司も含め、多くの職員が一級
や企業とともにまちを創る仕事など、技術職として幅広く活躍できる
た。学校だけでも約500校と数が多く、自分の母校と重ね合わせ、使う
分野で様々な方々と仕事をしながら、歴史ある横浜の伝統を引き継ぎ
建築士などの資格を積極的に取っています。横浜市には、意欲もレベ
チャンスがたくさんあります。ここ横浜がさらに魅力的で、他都市を
側である子供の気持ちになって設計や監督をしました。
次世代に誇れるものを残せるよう日々奮闘しています。環境未来都市
ルも高い建築職がたくさんおり、周囲からの刺激を受け、私自身も資
もリードしていけるまちとなるよう、技術職を志すみなさんと一緒に
平成19年に配属されたのが港湾局。
係長になって初めての職場で、
係の
である横浜市には、志高き技術系の皆さんが活躍できるフィールドが
格試験にチャレンジし、一級建築士や宅建、さらには技術士の資格も
まちづくりができることを楽しみにしています。
業務全体に対する影響力と責任が大きくなりました。
市が所有する船舶
たくさんあります。横浜市に愛着をもち、熱意のある皆さんと一緒に
や港湾施設などの修繕や工事を担当するという、
技術系職場の中でも横
未来の横浜を創っていける日を心から楽しみにしています。
取得しました。
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庁内で賞をいただいたこともあります。このように、課の枠を超えて
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