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(別紙)概要

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(別紙)概要
航空法施行規則の一部を改正する省令案等について
平 成 26 年 6 月
航空局安全部
運航安全課
航空事業安全室
1.背景
航空法(昭和 27 年法律第 231 号。以下「法」という。
)第 76 条の2において、機長は、航行中、
事故が発生するおそれがあると認められる事態(以下「重大インシデント」という。
)が発生した
ときには、国土交通大臣にその旨を報告することが義務付けられており、航空法施行規則(昭和
27 年運輸省令第 56 号。以下「規則」という。
)第 166 条の4において、重大インシデントに該当
する事態が規定されている。また、
「重大インシデントに関する機長報告の処理要領」
(平成 12 年
1月 31 日付け空航第 89 号・空機第 85 号。以下「処理要領」という。
)において、重大インシデ
ントの具体的内容、報告の方法等の詳細が定められている。
今般、事態の重要度や国際基準の動向などを勘案し、重大インシデントに該当する事態を見直
す必要があるため、規則及び処理要領について所要の改正を行うこととする。
2.改正の概要
(1)
「発動機の内部において大規模な破損が生じた場合」の削除
平成 17 年に発生した発動機トラブル(タービンブレードが複数段にわたり全損し、当該発
動機を停止し、緊急着陸した事態。また、市街地に多数の金属片が飛散し、当該金属片と衝突
した地上の 1 名が軽傷。
)が、当時の規定では重大インシデントに該当せず、事故調査の対象
とならなかったことを受け、以降同様な事態が発生した場合に、航空・鉄道事故調査委員会
(現:運輸安全委員会)による調査の対象となるよう、平成 18 年に、規則第 166 条の4に航
空機自体の運航の安全性の観点から「発動機の内部において大規模な破損が生じた場合」を、
また、地上への影響の観点から「航空機から脱落した部品が人と衝突した事態」を追加する改
正が行われ、これらに該当する事案が発生した際には、第三者機関による調査が行われること
となった。
その後、
「発動機の内部において大規模な破損が生じた場合」については、8件の事案が対
象となり調査が行われたが、運輸安全委員会より「発動機内部に大規模な破損が生じたいずれ
の事案も、機体構造や飛行に重要なコンポーネントに影響はなく、残りの発動機だけで問題な
く着陸しているため、安全を脅かす状況ではなかった」との見解を得られたことを踏まえ、航
空局においても安全情報の収集・分析を行い検討した結果、各事案について、事故が発生する
確率が高いものとは言えず、重大インシデントの対象に含めるべきものには該当しないとの結
論が得られたため、規則第 166 条の4第6号から削除する。
(2)
「つり下げ物件等の落下」の追加
国際民間航空条約第 13 附属書において、重大インシデントに係る事例が規定されていると
ころ、昨年 11 月に同附属書が改正され、
「意図せず、あるいは緊急措置として意図的に、航空
機からつり下げた荷物、あるいは航空機の外部に搭載した荷物を落下させる事態」が新たに追
加された。
我が国においても、航空機から荷物をつり下げて行う物資輸送や航空機の外部に荷物を搭載
して運航するヘリスキーなどが行われており、このような運航において、航空機から荷物を落
下させた場合は、航空事故が発生するおそれがある事態であると認められることから、同附属
書の改正に併せ、本事態を規則第 166 条の4に追加する。
(3)処理要領の改正
規則の改正に併せ、重大インシデントの具体的内容について、事態の追加及び削除を行う等
の所要の改正を行う。
3.スケジュール
公布:平成 26 年7月
施行:平成 26 年 10 月
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