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外務省提出資料
外務省の文化・スポーツ協力に係る取組み 資料9 1.文化無償協力 1.文化無償協力 (1)文化無償協力の成果(平成16年度まで) (1)文化無償協力の成果(平成16年度まで) • イラクに於ける復興支援も含め、途上国の経済社会開発に向けた活力と自尊心を支える協力として活用(平成16 年度予算:23.5億円) 文化無償協力 国家機関に対する文化・高等教育振興のための機材供与(1件5000万円以内)。 実績:126ヶ国に1,215件、500億円(昭和50年度∼平成15年度末の累計) 文化遺産 無償協力 国家機関に対する文化遺産の保存振興のための施設建設、機材供与、周辺環境整備 等(1件3億円以内)。 実績:7ヶ国に7件、15.7億円(平成12年度∼15年度末の累計) 草の根文化 無償協力 NGO、地方公共団体等に対する文化・高等教育振興のための機材供与、輸送費補 助(1件原則1000万円以内)。 実績:51ヶ国に87件、4.3億円(平成12年度∼平成15年度末までの累計) 文化施設の建設・修復等の途 上国の要望、イラク等戦禍に より多大な被害を受けた国よ りの文化施設への支援要請 等のニーズに応えるため、平 成17年度予算案が成立次第、 上記文化無償協力と文化遺 産無償協力を統合する等、施 設案件への支援が可能とな るように、文化無償スキーム を改善予定。 無償イメージ︵ 予定︶ 平成17年度以降の文化 (2)スキームの改善 (2)スキームの改善 案件名(案) 一般文化無償 限度額:3億円 草の根文化無償 限度額:原則、1千万円 旧案件 ポイント 文化遺産無償 文化無償 これまで文化遺産無償のみで可能 であった施設の建設・修復を文化遺 産以外の案件についても可能にする とともに、限度額を3億円とする。 これまでの機材供与のほか、施設 整備(主に施設の修復や小規模施設 草の根文化無償 を念頭に)を可能にする。 2.ユネスコを通じた協力 2.ユネスコを通じた協力 有形・無形の世界遺産保存等のために、ユネスコに3つの信託基金を設置(拠出金 による我が国の「顔の見える支援」) ユネスコ文化遺産 ユネスコ文化遺産 保存信託基金 保存信託基金 • • • ユネスコ無形文化財 ユネスコ無形文化財 保存・振興信託基金 保存・振興信託基金 文化遺産の保存・修復、 関連の人材養成。 (例)アンコール遺跡の保 存・修復、バーミヤン遺 跡の保存・修復 4716万ドルを拠出(平成 16年度までの累計) • • • 無形文化財の保存・振興 (例)無形遺産傑作宣言事 業に関する支援(我が国 の能楽、人形浄瑠璃文楽 も「傑作」に指定された)、 モンゴル口伝遺産の映像 記録、カンボジアの伝統 舞踊復興、無形遺産条約 策定支援 1084.0万ドルを拠出(平 成16年度までの累計) ムサンナー県にある オリンピック・スタジ アムの修復(草の根 文化無償)(左は、修 復前、右は修復中の 写真) ユネスコ人的資源 ユネスコ人的資源 開発信託基金 開発信託基金 • • • 「持続可能な開発に資する 人材育成」事業の支援 (例)世界淡水アセスメント 計画を実施する人材育成 事業、「万人のための教 育」達成のためのアフリカ への教育支援事業 3608.7万ドルを拠出(平成 16年度までの累計) (上)ラオスに対する文化遺産無償協力 「ワット・プー遺跡保存環境整備計画」) 3.スポーツ交流支援事業 3.スポーツ交流支援事業 柔道や剣道といった我が国起源のスポーツも含めて、スポーツ分野での交流を深める ことで、対日理解の促進を図り、将来我が国外交の遂行を円滑にすることを目的とす る事業。 スポーツ指導者及びスポーツ界で指導的立場にある(または 将来そのような立場に 就くことが期待される)人物を招へいし、各スポーツ連盟等に対して被招へい者の受入 れ(研修・視察プログラムの作成等)を依頼する。 被招者は各受け入れ団体作成のプログラムに沿い、約二週間研修を行う。 平成14年度 平成14年度 • 柔道4名、剣道1名、空 手5名計10名(東南アジ ア諸国10ヶ国より1名ず つ)等 (右)イラク柔道 関係者の招へい (写真提供:(財) 全日本柔道連盟) 平成15年度 平成15年度 • 柔道10名(イラクを含む 中東諸国、南アジア・東南 アジア、東欧より招へい) 平成16年度 平成16年度 • イラクより8名(柔道3名、 陸上4名等)。柔道関係 者については、アテネ・ オリンピック、アラブ大会 のタイミングにあわせ2 度招へい。 外務省の対イラク文化・スポーツ面での協力 1.基本的考え方 1.基本的考え方 ○ 日本政府は、イラク国民が現在の苦しい状況の下、国家再建に向けた努力を粘 り強く継続していることを最大限支援したいと考えている。 ○ イラクの人々が困難に立ち向かうに当たり、心に希望を持ち、明日への期待を 高めていくことは重要であり、文化・スポーツ面での協力は、そうした復興に当 たっての精神面での支援となる。 ○ 文化遺産は国民の誇りであり、また、スポーツは国民の団結にも資するもので ある。こうした分野での協力により、日本国民のイラク国民を想う気持ちが伝わ ることを期待している。 ○ 文化・スポーツ面での協力、交流は、更に、親しみやすく、日本人のものの考え 方や礼節ある日本のソフトなイメージの理解・普及という効果もある。 2.TV番組の提供 2.TV番組の提供 (1)「おしん」の提供 (1)「おしん」の提供 これまで59カ国・地域にて放映され、戦後の貧しい中から立ち上がった日本の経験に勇気づ けられたとして人気を博してきた。 2003年10月末、外務省は、国際交流基金を通じ、エジプト国営テレビ局の協力を得て、「おし ん」少女時代を中心とした96話をアラビア語字幕付きでイラク・メディア・ネットワーク(IMN)に 無償提供、放送済み。残りの201話についても、IMNとの間で放映に関し協議中。 (2)その他の番組の提供 (2)その他の番組の提供 2004年4月、レバノン・フューチャーTV(イラクを含む中東・北アフリカのアラビア語諸国を中心 に視聴される衛星放送)に「プロジェクトX」を提供・放映済み。 2005年1月、ムサンナーTV(ムサンナー県一帯を対象とする地上放送)に「プロジェクトX」及 び「人形劇」を提供。2月に入り、「プロジェクトX」を放映。 3.スポーツ面での協力 3.スポーツ面での協力 (1)日本サッカー協会(JFA)の器材寄贈 (1)日本サッカー協会(JFA)の器材寄贈 JFAは 2003年8月∼10月、「サッカー仲間を助けよう」と、都道府県支部に働きかけてボール (1214個)、ユニフォーム(4853着)、スパイク(394足)を集め、イラクサッカー協会に寄贈。政 府が輸送費を負担(草の根文化無償)。2004年2月23日にイラクサッカー協会側に器材が引 き渡された。 (2)2004年2月12日のサッカー親善試合に関する協力 (2)2004年2月12日のサッカー親善試合に関する協力 日本代表VSイラク代表の親善試合に来日した選手のために、政府は国際交流基金を通じて イラク選手団の渡航費を支援。出来るだけ多くのイラク国民がこの試合を観戦できるように、イ ラク・メディア・ネットワーク(IMN)による親善試合のイラクでの同時中継放送を支援すると共 に、外務省の招聘により、来日中のレバノンのフューチャー衛星テレビに対しても親善試合で の取材支援を行った。 3.スポーツ面での協力(続き) 3.スポーツ面での協力(続き) (3)放送局への支援 (3)放送局への支援 ムサンナー・テレビ局に対し、取材用カメラ等の撮影機材、編集機材の供与を決定し、 2004年9月、同局職員11名を訪日招待して放送技術に関する研修を実施した。 (3)サマーワ地域へのスポーツ関連協力 (3)サマーワ地域へのスポーツ関連協力 イラク青年スポーツ省(ムサンナー県)に対し、ボール(1000個・ODAマーク入り)・ゲーム ジャケット(3000着)・空気入れ(20台)を供与(草の根文化無償)。クウェートからサマー ワまでの供与器材(一部)の輸送は自衛隊のC−130で行われた。引き渡し式を2004年5 月23日に宿営地で実施。同年6月10日に供与されたボールを用い、サマーワの3つのサッ カークラブと自衛隊の交流試合が行われた。 サッカー場等として使用するムサンナー県にあるオリンピック・スタジアムの修復(観客席、 天蓋屋根、ゲート、選手控え室、チームベンチ等の修復)にかかる贈与契約を2004年10 月に締結(草の根文化無償)。現在工事中。 ムサンナー県教育局に対し、ボール(ODAマーク入り、サッカーボール278個、バスケット ボール220個、バレーボール300個)、陸上用器材(高跳び、砲丸、ハードル等)、体操用 マット等の供与を2005年2月に決定(草の根文化無償)。現在、器材調達中。 日本代表VSイラク代表の親善試合 サマーワでの交流試合 3.スポーツ面での協力(続き) 3.スポーツ面での協力(続き) (4)柔道関係の協力 (4)柔道関係の協力 イラク柔道連盟会長を招聘(2004年2月22日∼3月6日)。この機を捉え、政府は、国際試合 用の青色柔道着50着をイラク柔道連盟に供与すると共に、全柔連が同団体に寄贈する柔道 着100着、公式試合用畳2セット(約200枚)の輸送支援(草の根文化無償)を行う方針を決 定し、2004年3月3日、阿部副大臣によるアル・ムサーウィー・イラク柔道連盟会長への本件 柔道器材の目録贈呈式(山下全日本柔道連盟理事等が同席)を実施。器材は同年3月27日 にイラク柔道連盟側に引き渡された。 (5)国際競技会への参加を目指す競技選手への支援 (5)国際競技会への参加を目指す競技選手への支援 アルサマライ・イラク・オリンピック委員会会長を招聘(2004年4月13日から17日)。同会長と の意見交換の結果、2004年8月のアテネ五輪、9月のアラブ大会(於:アルジェリア)や2006 年のアジア大会(於:カタール)等の国際競技会への参加を目指すイラク人選手に対する支 援につき合意。具体的支援内容は、(イ)競技器材の支援(重量挙げ、ボクシング、陸上)、 (ロ)強化選手のトレーニング受け入れ、(ハ)日本オリンピック委員会がイラク・オリンピック委 員会に寄贈したオリンピック代表団の制服の輸送。 右合意に基づき、2004年7月25日から同年8月7日にかけて、アテネ五輪柔道代表選手及び コーチ各1名をわが国に招聘し、(財)全日本柔道連盟及び(財)講道館の協力を得て、強化ト レーニングを実施。また、同年9月のアラブ大会に向けて、同月1日から15日にかけて、柔道 及び陸上競技の選手等8名の受け入れを実施した(うち柔道選手1名は銅メダル獲得)。 (左)イラク柔道連盟 会長への柔道器材 目録贈呈式 (左)イラク柔道選手 の招へい (写真提供: (財)全日本柔道連盟) 4.文化財・文化芸術面での支援 4.文化財・文化芸術面での支援 (1)イラク国立博物館への支援 (1)イラク国立博物館への支援 ユネスコの日本信託基金により、イラク国立博物館修復ラボの復旧支援(器材供与、人材育成、 施設整備)を実施中。2004年3月30日から4月6日には、国際交流基金がドニー・ジョージ同博 物館館長を招聘し、政府関係者との協議を実施した。 (2)遺跡警備車両供与等 (2)遺跡警備車両供与等 イラク復興支援のための国連信託基金に拠出した資金の一部をユネスコの実施する文化分野の プロジェクトに充て、遺跡警備車両供与等のプロジェクトを実施中。 (3)イラク現代演劇グループの招へい (3)イラク現代演劇グループの招へい 国際交流基金は、イラク現代演劇グ ループ計20名を2004年10月3日から26 日まで日本に招聘し、東京、名古屋、大 阪での公演を支援した。 (4)イラク音楽の紹介 (4)イラク音楽の紹介 国際交流基金は、ナスィール・シャンマ音楽グループ(同人のみイラク 人で現在エジプト在住。他はエジプト人7人、シリア人1人)を2004年 11月25日から12月4日まで日本に招聘し、東京、長崎、広島でイラク 音楽他のアラブ音楽を紹介した。