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D 級アンプにおける PWM 搬送波の高周波化に関する研究
D 級アンプにおける PWM 搬送波の高周波化に関する研究 113032 摂南大学 理工学部 木村 仁 電気電子工学科 電子光研究室 A Study on a Higher Freguemcy of the PWM Carrier in Class D Amplifier Hitoshi Kimura Electronic and Optical Systems Lab., Dept. of Electrical and Electronic Engineering, Setsunan Univ. 1. まえがき 現在、省電力化が注目されており、発熱量が低く なり、小型化が容易になるなどの多くのメリット がある。本研究では、いくつか種類のあるアンプ の中で消費電力の低い D 級アンプに対しての理解 を深めるため、PWM に使われる三角波の周波数と D 級アンプの出力の関係性について研究した。 2.D 級アンプとは 3.実験 3-1 実験.1 ( 図 2) に 固 定 の 周 波 数 の ア ナ ロ グ 信 号 (500Hz 1Vpp)を入力し、三角波の周波数を 0Hz から上げて いった場合、比較回路から出力される PWM がハイ になる前に電圧が降下し始める周波数を求めた。 表 1 部品ごとの三角波の周波数 OP07D 周波数 2kHz 比較回路 電力増幅 電力増幅 2114D 356N 10kHz 104kHz 160kHz 3-2 実験.2 実験 1 と同じ条件で三角波(50kHz 2Vpp)に固定し た場合の出力の THD+N(※3)を求めた。 60 31.9643 38.2139 0.33172 0.26199 40 THD+N(%) 図 1 アナログ信号の PWM 変調 三角波 4558D 20 0 OP07D 4558D 2114D オペアンプ アナログ信号 図 2 D 級アンプの回路構成 入力されたアナログ信号を2値レベルの信号に変 換して増幅するアンプであり、変調方式として使 356N 図 3 部品ごとの THD+N(※3) 4.まとめと課題 表 2 部品ごとのスルーレートと利得帯域幅積 われているのは PWM である。三角波とアナログ信 OP07D 4558D 2114D 356N 0.2V/ 1V/μ 15V/μs 12V/μs μs s 0.6MH 3MHz 13MHz 5MHz 号の振幅値を比較し、アナログ信号の振幅をパル スル ーレ ス波の幅に変換する。(図 1)そのため、三角波の周 ート 波数が高ければアナログ信号の振幅をより細かく 利得 帯域 パルス波の幅に変換することができ、アナログ信 幅幅積 号をより正確に増幅できると考えられる。(図 2) 実験 1 では 2116D 以外はスルーレート(SR)と利得 帯域幅積(GBW)の数値の大きい方が周波数の高い PWM 信号を発生させることができた。実験 2 では、 SR と GBW の値が大きく異なる部品の比較と、近い 部品の比較では結果が異なり、前者は SR と GBW が 低い部品。後者は高い部品の THD+N が高かった。 その原因は本研究の改良すべき課題である は D 級アンプの回路構成であり、周波数の高い三 角波を使用するためには、比較回路に使用するオ ペアンプ(以下部品とする)を利得帯域幅積(GBW) (※1)が大きく、かつスルーレート(※2)の高 いものにすることが有効であると考えられる。 脚注 ※1.GBW=A×f A=開ループ利得 f=利得が半減する周波数 ※2.オペアンプの出力波形の立ち上がりの傾きの指標 ※3.全高調波歪み率+雑音 z 文献 1.トランジスタ技術 高効率パワーアンプ作り方 2008 年 3 月号 2.荒木邦彌他:D 級パワーアンプの回路設計.CQ 出版社(2012 年) 3.トランジスタ技術 ディジタルアンプ誕生 2003 年 8 月号