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カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド
お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 各商品につきましては、 1421ページをご覧ください。 カウンタ 概要 ■カウンタとは カウンタとは、カウント(数を数える)という言葉からきていま す。人間が数を数えるのに、10個や20個なら簡単に数えられます が、数が多くなると困難になり、人間のかわりに数を正しく数え るのがカウンタです。 例えば、街角で交通量の調査のときに数を数えるのに使っている のもカウンタの一種です。通行人の数が多くなったとしても、人 間のかわりに正確に数量を数え、覚えています。 コントロール 機器 タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ 〈プリン生産ライン〉 成形部 第1充填機 第2充填機 加熱 ヒータ 日付スタンプ スクラップ カット シール部 打抜機 パチンコ店で、自分が出した 玉数を自動的に計算する機 械は玉数を正確に数えてい ます。正確に数を数えないと トラブルのもとになります。 光電センサ 個 プッシャー カウンタ 遊園地などで見られるゲー ム機は、時間内に入ったゴー ルの数を数えます。 ここでも、カウンタが正確に 数を数えているので、正しい ゴール数を表示することが できます。 操作盤 プリン生産ラインで、生産されたプリンを光電センサで検出して います。カウンタにはあらかじめ3という数を設定しておき、光 電センサからの入力信号が 3 回入力したらプッシャー*がプリン 容器を押し出し、箱の中に入れます。 カウンタは、作業者が表示を確認するために、多くの場合は、操 作盤に取り付けられています。 *プッシャー 押し出す機器 電子温度調節器 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 テクニカルガイド 1642 自動機械の中で使われているカウンタの例を示します。 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp ■プリセットカウンタとは 箱詰め工程を、入力→制御→出力の信号の流れで説明します。 プリンの箱詰め工程で入力信号の入るタイミング、出力信号の出 るタイミングは、下記の動作チャートを見てください。 設定値 3 3 あらかじめ設定した数(設定値) 2 入力信号が入るタイミング (入力信号が1つ入るごとに1つ 上がっていく) 1 カウント値 ①入力 光電センサ 入力信号 カウンタの入力状態 出力信号 カウンタの出力状態 表 示 カウント値 カウンタ前面に表示され るカウンタが数えた数 (カウント値) カウント値(現在値) コントロール 機器 設定値 光電センサは、物が光をさえぎることによって検出する入力 機器です。この光電センサからカウンタに信号が伝えられま す。 ②制御 カウンタにはあらかじめ3という設定値を入力しておきます。 カウンタは光電センサからの入力信号を数え、3つ数え終わる と信号を出力機器のプッシャーに伝えます。 動作チャートの説明 ①プリンが1個通過するとカウンタに入力信号が入り、カウント 値が1と表示されます。 ↓ ②次のプリンが通過するとカウント値が2と表示されます。 ↓ ③3つめのプリンが通過するとカウント値が3と表示され、設定値 と一致するので出力信号が出ます。 あらかじめ決めておいた数を設定値 (プリセット値) といい、その 数を数え終わって出力信号を出すことをカウントアップといい ます。これは、タイマの設定時間、タイムアップという言葉と同 じような意味になります。 タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 テクニカルガイド ③出力 プッシャーは、カウンタからの出力信号を受けて、プリンを 押し出し箱詰めをします。 このように、カウンタを中心として入力→制御→出力の順番に信 号が流れていきます。 プリセットカウンタとは 入力信号を数え、あらかじめ設定した数になると出力信号を出 し次の出力機器を動作させる制御機器 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1643 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp ■基本構成 ●電子カウンタ 形H7CXの基本構成図 ①表示部 ③内部回路 ②設定部 ① 表示部 計数部で数えた数を表示します ② 設定部 前面のキーで設定値を入力します ③ 内部回路 入ってきた入力信号を数え、設定値と比較し一致した ら出力信号を出します ■カウンタの種類 コントロール 機器 プリセットカウンタのプリセットとは、あらかじめ設定できるという意味を表します。 プリセットカウンタでは、カウントアップすると出力信号を出しますが、出力信号を出さず表示のみのトータルカウンタという種類も あります。トータルカウンタは生産数などの表示だけが必要な場合に使用します。 光電センサを使って、プリンの生産数をカウントし、表示をしています。 〈プリン通過数カウント〉 本日の生産数 本日の生産数 タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ カウンタは、出力の有無によって2つに分類されます。 電子温度調節器 プリセット カウンタ デジタル パネルメータ/ 信号変換器 設定値を設け 出力信号を出す 代表的な機種 カウンタ テクニカルガイド 形H7CX トータル 代表的な機種 カウンタ 出力信号を出さず 表示のみ行う RST 形H7EC-N 1644 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 形H7GP お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カムポジショナ 概要 ■カムポジショナとは 入力検出器 (エンコーダ・レゾルバ) から角度データを取り込み、あらかじめ設定したON/OFF角度設定値に従い出力をON/OFFするも のです。 食品・包装機械などでは、角度位置データをもとに各機構部の動作タイミング制御をおこないます。 このタイミング制御に、カムポジショナが使われます。 パウチ充填包装機 ターンテーブル ⑤ ④ ③ ⑥ カム出力 ステップ0 ON角度 ステップ1 OFF角度 ON角度 OFF角度 ステップ9 ∼ ON角度 OFF角度 ① 45° 90° 135° 225° 270° 315° ② 0° 90° 135° 180° ― ― 90° 225° 270° 285° 315° 345° ∼ ① ⑥ ② 0° カム出力1 カム出力2 90° 135° ステップ0 180° 225° ステップ1 ステップ0 270° ∼ 315° 0° 45° ステップ9 ステップ1 ステップ9 カム出力6 ステップ0 ∼ タイマ/ タイムスイッチ ■レゾルバ カウンタ/ カムポジショナ レゾルバは構造がシンプルで電子部品を使用していないため、ほこり、振動などによる性能への影響がエンコーダ と比べて小さいという特長が有り、耐環境性、信頼性に優れていると言えます。 また、ブラシレスのため、メンテナンスフリーで寿命は軸受部のみに依存します。 ●特長 • 抜群の耐環境性を誇るレゾルバ レゾルバは、油、粉塵、温度、衝撃に対しても抜群の耐環境性を 誇ります。また、−10℃から+80℃までの広範囲で使用できます。 • アブソリュート角度検出 レゾルバはアブソリュートで角度割出しが可能で、しかも1台で 360分割にも720分割の高精度にも対応できます。 電子温度調節器 たとえば固定巻線 S1 − S( に位相差のない角度で固 3 sinθ で励磁) 定巻線が固定していると R1 − R2 には sinθ の電圧が誘起されま す。回転が始まると(S1 − S3)に 90 度位相のある巻線(S2 − S4)の (θ−α) の電圧が誘起 cosθの電圧に影響を受け、R1−R2にはsin されます。(下図) α分の遅れ(進み)の位相(時間)を検出し計数することで、角度 をアブソリュート的に割り出します。 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 テクニカルガイド 励磁側(S1−S3) sinθ 電圧 • 軸許容力は196N、軸径は10mm(形3F88L-RS17/RS17T) 軸許容力はラジアル、スラストとも196Nであり、他の検出器 (エ コントロール 機器 ステップ1 ∼ ①マガジンからの供給袋アーム制御 ②ポンプ駆動シリンダ制御 ③固形物所定量投入制御 ④所定量液充填のプランジャ、ポンプの制御 ⑤口閉じ、脱気制御 ⑥シール金型プレス時間の制御および排出アーム制御 45° 誘起側(S1−S3) sinθ ンコーダなど)の追随を許しません。 時間 • ケーブル長は最大100mまで レゾルバケーブルは最大 100mまで延長できますから、レゾルバ から離れた所での遠隔操作、制御が可能です。 α分の 〔αは (S1−S3) と (R1−R2)間の回転角度〕 時間遅れ ●原理 ●許容スラスト力、許容ラジアル力について 固定巻線 S1 R1 回転巻線 sin(θ−α) sinθ 軸にかけられる垂直、水平の最大の力を表します。この大きさが そのまま寿命に比例します。(ベアリングの機械的寿命) ラジアル力 ︵軸に垂直方向︶ 下図のように、機械的に90度位相を変えた固定巻線(S1−S3) (S2−S4) の2組それぞれにsinθ、cosθの電圧をかけます。回転巻 線 R1− R2に誘起された sin (θ−α)の電圧を観測することで、角 度を検知する一種の回転トランスです。 スラスト力(軸に水平方向) R2 ●原点補正について S3 S2 固定巻線 cosθ S4 レゾルバを機械系と連結したとき、機械原点とレゾルバ原点が異 なる場合でも容易に調整し、原点を合わせることができるのが、 原点補正です。 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1645 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カウンタ 用語の説明 ●電子カウンタ ●減算(DOWN)カウンタ 各機能の構成要素にトランジスタ、IC、マイコンなどを主要素 にしたカウンタ。 計数入力ごとに数値が減少していくカウンタ。 計数入力 n n−1 n−2 n−3 計数値 n−4 n−5 0 ●加減算(UP/DOWNまたはリバーシブル)カウンタ 加算と減算の両機能を有するカウンタ。 加算用 計数入力 加算、減算用の入力方法には いくつかのモードがあります。 減算用 2 1 コントロール 機器 計数値 ●電磁カウンタ 電磁石を励磁または消磁することにより文字車を動作させ、計数 を行うカウンタ。 ●プリセットカウンタ タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ セットされた数値まで計数したとき、制御出力が動作するカウン タ。 設定値 1 1 0 0 ●最高計数速度 カウンタを動作させたとき、ミスカウントせずに表示部、または 出力部が確実に動作する範囲で定めた計数速度の最高値で、計数 (1秒当たりのカウント数) で示す。 速度を表す単位Hz ●ON/OFF比 計数入力信号の ON時間と OFF時間との比。 (カウンタの“最高計 数速度”はON/OFF比1:1にて規定) 計数値 計数入力信号 ON OFF ON時間 電子温度調節器 OFF時間 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 ON ●動作モード 制御出力 プリセットカウンタにて、セットされた数値まで計数したとき の制御出力や表示の変化のパターン。 ●トータルカウンタ 計数入力の数値を表示するカウンタで、制御出力のないもの。 ●加算(UP)カウンタ テクニカルガイド (例) Nモード 計数入力ごとに数値が増加していくカウンタ。 セット数値 計数値表示→保持 計数値表示 計数入力 制御出力→保持 5 制御出力 4 3 計数値 2 Cモード セット数値 計数値表示→瞬時リセット 1 0 計数値表示 制御出力→ワンショット 制御出力 注. その他のモードの動作に関しては各商品ごとの説明をご覧ください。 1646 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp ●段数 制御出力を出すためのプリセット数。 (例)2段カウンタ セット2 ●計数機能(動作方式) 加算(UP)、減算(DOWN)、加減算(UP/DOWN またはリバーシ ブル)、特に加減算カウンタにおける入力モードは下記のとおり。 UP/DOWN A 指令入力 H セット1 計数値 CP1 L H CP2 L 制御出力1 3 計数値 制御出力2 2 2 1 ●桁数 計数可能な最大桁数。 3 2 0 1 0 UP/DOWN B 個別入力 H ●表示方式 計数した結果を表示する素子。 LED:Light Emitting Diode…発光ダイオード LCD:Liquid Crystal Display…液晶表示 注. 電磁カウンタにおいては文字を印刷した文字車が使用される。 CP1 L H CP2 L 3 計数値 2 0 コントロール 機器 2 1 ●外部供給電源 計数用やリセット用などに使用するセンサ類のためのカウンタ から供給する電源。 (センサ用電源ともいう) 3 2 1 1 0 UP/DOWN C 位相差入力 H ●リセット 計数部、表示部および出力部を計数開始前の初期状態に戻すこ と。 ●電源リセット CP1 L タイマ/ タイムスイッチ H CP2 L 3 計数値 2 電源電圧をしゃ断することによるリセット。 2 1 電子温度調節器 0 0 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 UP/DOWN D 指令入力 H ●自動リセット カウンタ内部から発生する信号による自動リセット。 カウンタ/ カムポジショナ 2 1 ●外部リセット リセット入力信号端子に所定の信号を与えるリセット。 3 CP1 L H CP2 L ●手動リセット n n−1 手動操作により、リセットさせること。 計数値 n−1 n−2 n−2 ●電磁リセット リセット電圧信号を加えることにより、電磁的にリセットするこ と。 テクニカルガイド n−2 n−3 n−3 0 UP/DOWN E 個別入力 H CP1 L H CP2 L n n−1 計数値 n−1 n−2 n−1 n−2 n−2 n−3 n−3 0 UP/DOWN F 位相差入力 H CP1 L H CP2 L n n−1 計数値 n−1 n−2 n−2 n−2 n−3 n−3 0 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1647 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カウンタ 使用上の注意 ●入力の接続 ●電源について ・カウンタの入力部は入力条件が“定格”として規定されていま す。入力用センサの“残留電圧” にご注意ください。 ・除々に電圧を印加しますと、電源リセットされなかったり出力 がONすることがあります。電源電圧はスイッチ、リレー等の 接点を介して一気に ON 印加してください。 電源 光電センサの例 〈形E3X-DA11-Sの場合〉 OFF パワーチューニング 動作表示灯 表示部 表示灯 (橙) (橙) 茶 負荷 黒 制御出力 光電 スイッチ 主回路 DC 12∼24V ・電源投入後50ms以内はカウント動作は不定となりますので、 この時間後に信号を入力してくださ ON 電源 OFF い。詳細は各商品の掲載ページをご覧 50ms ください。 カウント動作不定 青 残留電圧︵V︶ 注. 残留電圧 トランジスタが ON した時に 発生する “出力” と “0V” 間の電圧 (トランジスタ両端電圧とダ イオードブリッジの両端電圧 の合計) ・電源の接続は、AC電源でご使用の場合は、極性に関係なく指 定の2極端子に接続できますが、DC電源の場合は極性にご注意 ください。 ・DC電源の場合、規定のリップル含有率としてください。 2.0 1.5 リップル含有率 1.0 コントロール 機器 0.5 0 20 50 80 100 150 200 負荷電流(mA) タイマ/ タイムスイッチ 近接スイッチの例 〈形E2E-X□Eの場合〉 カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 プログラマブル コントローラの例 〈形CJ1W-OD211の場合〉 出力表示LED +V OUT00 ∼ 内部回路 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 OUT15 テクニカルガイド COM ・インバータ電流で形成された入力波形では、カウント入力を正 しく受けつけない場合があります。 1648 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド ・電源端子間への外来インパルス電圧については、日本電気学会 制定のインパルス電圧電流試験一般(JEC-210)に準じ、±(1.2 ×50) μsの標準波形で確認していますが、この値を超えるイン パルス電圧が発生する場合は、サージアブソーバをご使用くだ さい。 また、電源重畳サージやノイズが加わった場合、内部素子の破 壊や誤動作の原因となりますので、回路の波形を確認いただく と共にサージ吸収用素子のご使用をおすすめします。発生して いるサージ・ノイズにより素子の効果が異なりますので、実機 でご確認ください。 ・電源 OFF 時に残留電圧・誘導電圧が加わらないようにしてく ださい。 「カウンタ 参 ・電源投入時に短時間ですが突入電流 (1653ページ 考資料 (突入電流一覧表) 」 参照) が流れ、電源の容量によっては カウンタが起動しないことがありますので、十分な容量の電源 をご使用ください。 ●制御出力 ・制御出力接点の負荷電流は定格の適用負荷以下でご使用くださ い。定格以上の値で使用すると、接点は接点寿命が著しく短くな り、トランジスタの場合はトランジスタ破壊の原因になります。 ・制御出力用接点の寿命は、開閉条件により大きく異なります。 使用にあたっては、必ず実使用条件にて実機確認を行い性能上 問題のない開閉回数にてご使用ください。性能の劣化した状態 で引き続き使用されますと最終的には、回路間の絶縁不良や制 御出力用リレー自体の焼損の原因となります。 ・微小負荷開閉時には、各商品ごとに記載された最小適用負荷を ご確認ください。 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp ●取りつけについて ●その他 ・取りつけ方向は特に制限はありませんが、できるだけ水平方向 で確実に取りつけてください。 ・制御盤に組み込まれた状態で、電気回路と非充電金属部間の耐 電圧試験・インパルス電圧試験・絶縁抵抗測定などをする場合、 ①カウンタを回路から切り離してください。 (ソケットをカウン タから引き抜く、配線をはずすなど) ②端子部の全端子を短絡してください。 (制御盤の一部の機械、部 品に耐圧、絶縁不良が生じた場合のカウンタの内部回路の劣化 破損の防止。) ・電子カウンタのプリセット値変更は常時読込み方式を採用し ています (ただし、形 H7AN-R □は、リセット時読込みも選択 できます)。データの入力の変化があった場合に計数入力との 一致が発生した場合には出力が出ますのでご注意ください。動 作モードなどの機能設定の読込みについては個別ページを参 照ください。 ・端子ねじの締めつけの際には過度の締めつけをしないように ご注意ください。 ・誘導負荷を開閉する場合、逆起電圧が発生します。そのため、 カウンタと組み合わせて電磁リレーなどを開閉する場合には、 カウンタの誤動作、破壊を防止するためにサージ吸収素子をつ コントロール けてください。サージ吸収素子例として、直流回路ではダイ 機器 オード、交流回路ではサージアブソーバなどがあります。 表面取りつけ ・形 P2CF ソケットを使用して、 カウンタを縦に並べてご使用 の場合は、フックの可動部分 を考慮して、ソケットの上、下 に 20mm ほど余裕をもたせて ください。 埋込み取りつけ ・形 Y92F-30 埋込み取りつけ用 アダプタを使用する場合、本 体をパネル前面から角穴へ入 れ、裏面からアダプタを挿入 し、パネル面との隙間が少な くなるよう押し込んでくださ い。さらにねじで固定してく ださい。 ・本体をタテ方向に連続取りつ けをする場合、形Y92F-30の成 形ばね部が左右になるように 配置します。 タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ 成形ばね ・本体をヨコ方向に連続取りつ けをする場合、形Y92F-30の成 形ばね部が上下になるように 配置します。 電子温度調節器 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 成形ばね ●取りはずしについて ・形Y92F-30埋込み取りつけの場合、アダプタのねじをゆるめて フックを上下に広げてアダプタをはずしてください。 ねじ COUNTE テクニカルガイド R RST RST ●設定 キースイッチによる設定の際、爪や先端の鋭敏な工具を使用しな いでください。爪や先端の鋭敏な工具などを用いますと、キーが 破損する恐れがあります。 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1649 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp サージキラーの代表例 項目 適用 回路例 分類 * 電源 C R AC 誘導 負荷 * △ ○ ○ ○ CR方式 C 電源 R 誘導 負荷 特徴、その他 DC 素子の選び方の目安 C、Rの目安としては C:接点電流1Aに対し0.5∼1 (μF) R:接点電圧1Vに対し0.5∼1 (Ω) です。 ただし負荷の性質や特性のバラツキなど により異なります。 Cは接点開離時の放電抑制効果を受けもち、 Rは 次回投入時の電流制限の役割ということを考慮 し、実験にてご確認ください。 Cの耐電圧は一般に200∼300Vのものを使用し てください。AC回路の場合はAC用コンデンサ 負荷がリレー、ソレノイドなどの場合は復帰時 (極性なし)をご使用ください。 ただし直流高電圧で接点間のアークの遮断能力 間が遅れます。 が問題となる場合に、負荷間より接点間にCRを 接続した方が効果的な場合がありますので実機 にてご確認ください。 *AC電圧で使用する場合 負荷のインピーダンスがCRのインピーダンス より十分小さいこと。接点が開路のとき、CR を通して、誘導負荷に電流が流れます。 ダイオードは逆耐電圧が回路電圧の10倍以上の もので順方向電流は負荷電流以上のものをご使 用ください。 電子回路では回路電圧がそれほど高くない場 合、電源電圧の2∼3倍程度の逆耐電圧のもので も使用可能です。 ダイオード方式 電源 誘導 負荷 × ○ 誘導負荷に貯えられた電磁エネルギーを並列 ダイオードによって、電流の形で誘導負荷へ流 し、誘導負荷の抵抗分でジュール熱として消費 させます。この方式はCR方式よりもさらに復 帰時間が遅れます。 ダイオード + ツェナー ダイオード方式 電源 誘導 負荷 × ○ ダイオード方式では復帰時間が遅れすぎる場 合に使用すると効果があります。 ツェナーダイオードのツェナー電圧は、電源電 圧程度のものを使用します。 ○ バリスタの定電圧特性を利用して、接点間にあま り高い電圧が加わらないようにする方式です。 この方法も復帰時間が多少遅れます。 電源電圧が24∼48V時は負荷間に、100V∼ 200V時は接点間のそれぞれに接続すると効果 的です。 バリスタのカット電圧Vcは下記の条件内になる ように選びます。交流では√2倍することが必要 です。 Vc>(電源電圧×1.5) ただし、Vcを高く設定しすぎると高電圧へのカッ トが働かなくなるため効果が弱くなります。 コントロール 機器 タイマ/ タイムスイッチ バリスタ方式 カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 誘導 負荷 ○ なお、次のようなサージキラーの使い方は避けてください。 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 電源 テクニカルガイド 電源 C 負荷 しゃ断時のアーク消弧には非常に効 果がありますが、接点の開路時Cに エネルギーが蓄えられているため、 接点の投入時に短絡電流が流れるの で、 接点が溶着しやすい。 電源 C 負荷 ・負荷の種類によって突入電流が異なり、接点の開閉ひん度・使 用回数などに影響します。定格電流と共に突入電流を確認して いただき、 余裕を持った回路設計を行うことをおすすめします。 しゃ断時のアーク消弧には非常に効 果がありますが、接点の投入時にC への異常な充電電流が流れるので接 点が溶着しやすい。 通常、 直流誘導負荷は、抵抗負荷に比べ開閉が 困難とされていますが、適切なサージキラー を用いると抵抗負荷と同程度まで性能が向上 します。 ・電池交換時は配線をはずしてください。高電圧が印加された個 所に触れて感電する恐れがあります。 ●カウンタの異常診断 次のような使用方法の場合、各種異常の発生が考えられますの で、適切な処理が必要です。※印は異常内容。( )内は対応例。 ①同一電源線または近くに誘導負荷の大きなモータやソレノイ ドなどが配線・設置されていないか。 ※入力信号が入っていないのに勝手に歩進する。 ※カウンタの電源部が破裂し動作しなくなる。 (モータやソレノイドを離したり、電源にノイズフィルタを接 続します。) ②同一電源線または付近で、接点開閉時アークの飛ぶ接点使用部 品が使われていないか。 ※入力信号が入っていないのに勝手に歩進する。 (アークが飛ばないようアークサプレッサを接続します。) ③入力機器に接触信頼性のよい接点が使われていない。 ※接点がメイクしているのに歩進しない。 (接触信頼性のよい接点をもつリレーに交換してください。) 1650 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp ④入力信号線が必要以上に長く配線されていないか。 ⑨接点の計数入力なのに高速の計数速度で使用していないか。 ※入力信号を余分に計数する。 入力 接点バウンスを計数 ※電源線の影響を受け、勝手に歩進する。 (1435ページの「●正しい入力信号処理について」をご参照く ださい。) ※残留電圧のため常に信号が入力された状態となり歩進しない。 (信号線を極力短くし、カウンタ入力のすぐ近くに小容量: 約0.01∼0.1μF:のコンデンサを接続してください。) ⑤電源線が高圧線に近づいて配線されていないか。 ※電圧線の影響を受け、勝手に歩進する。 (1435ページの「●正しい入力信号処理について」をご参照く ださい。) ⑥電源電圧が徐々に印加されていないか。 ※電源が印加されても表示がでたらめになる、正常動作しない。 (接点などにより、電圧を一気に印加してください。) ⑦水、油、塵埃のかかる場所、直射日光の当たる場所で使われて いないか。 (計数速度を低速:30Hzにする。 ) ⑩カウンタ電源電圧を印加したままの状態で、入力機器(近接、 光電センサなど) の電源のみをON/OFFすると、このON/OFF 時に過度パルスが発生してカウンタに入力されることがあり ます。 ⑪トランジスタ信号による計数入力であっても、その入力速度が 30Hz以下であれば、30Hzに最高計数速度を選定することによ り耐ノイズ性が向上します。 ⑫リセット入力は、最高計数速度の選定、入力方式に関係なく、 コントロール 機器 接点、トランジスタのいずれかで、20ms 以上のリセット信号 を与えれば確実にリセットができます。 20ms *1 *1. 波形割れ、接点バウンス等があっても、 安定時間が20ms以上あれば可。 *2 *2. リセット信号完了後、50ms経過して 50ms CP1、CP2入力可能となる。 リセット入力 ⑬計数入力の最高計数速度の定格値は、最小信号幅の入力信号を メーク比(ON/OFF 比) 1:1 で入力したときの応答速度です。 メーク比1:1以外の場合でも、最小信号幅はON幅、OFF幅と もに規定値以上必要としますので、メーク比1:1以外の入力に 対しては、応答速度が遅くなります。最高計数速度以下の入力 信号であっても、ON幅、OFF幅のどちらか一方が最小信号幅 の規定値以下の場合、カウンタが応答しないことになります。 Ta タイマ/ タイムスイッチ カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 Ta(ON幅)、Tb(OFF幅) は 最小信号幅以上必要です。 30Hz…16.7ms 1kHz…0.5ms Tb 3×Tb メーク比1:3では最高計数 1 速度はカタログ値の です。 2 テクニカルガイド 最小信号幅(Ta)不足で 応答しません。 ※長期使用後、設定値通りでカウント UPしなくなったり、まっ たく正常に動作しなくなる。ケースが変形してくる。 (硬質フロントカバーを取りつけると、防滴、防塵効果があり ます。水、油、塵埃がかからぬよう、また、直射日光をさえぎ るようにしてください。) ⑧振動・衝撃の大きい場所、あるいは常時かかる場所で使われて いないか。 ⑭トランジスタ信号で方形波以外の波形、例えば正弦波、三角 波、鋸歯状などで、計数入力する場合は、ON/OFFまたは「H」 「L」の規定値の期間がそれぞれ最小信号幅以上となるように してください。 ※接点開離し、シーケンスに不具合を生じる。 ※内蔵部品や構造部品にストレスがかかり動作しなくなる。 (振動源に防振ラバーを敷くなど振動を低減してください。 また、振動源に直接取りつけないでください。) カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1651 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カウンタ Q&A Q1 カウンタで、( 設定 (かつ計数値も( リセッ 0 ゼロ) 0 ゼロ) トされた状態で)出力できる機種を教えてください。 Q4 A1 以下のカウンタ“0”設定時の動作一覧表をご参照く ださい。 A4 形式 形H8GN 形H7BR コントロール 機器 備考 電源投入時、瞬時出力、リセット入力中出力OFF。 電源投入時、出力動作しない。 (BATCH出力のみ瞬時出力。) 形H7AN 電源投入時、瞬時出力、リセット入力中出力OFF。 形H7CN 電源投入時、瞬時出力、リセット入力中出力OFF。 形H8BM 電源投入時、出力動作しない。 形H7CX Fの時のみ瞬時出力、リ 電源投入時、出力モード N、 セット入力中出力OFF。 他のモードは瞬時出力、ワンショット時間後OFF。 K-1モードはOUT2のワンショット時間後、 OUT1を自己保持出力に設定していても、出力OFF。 Q2 A2 タイマ/ タイムスイッチ プリセットカウンタとは、どのようなカウンタをいい ますか? 計数値がセットされた数値に達したとき制御出力が 動作するカウンタです。 プリセットカウンタの機種品揃えについては、1422 ページをご参照ください。 カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 Q3 A3 トータルカウンタとは、どのようなカウンタをいいま すか? 計数値を表示するのみで制御出力のないカウンタで す。 トータルカウンタの機種品揃えについては、1422ペー ジをご参照ください。 テクニカルガイド 1652 カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド タイム・カウンタとは、どんな機能を持つものです か? 時間 (タイム) を計数 (カウント) し表示する機能を持つ ものをいいます。 別名、積算時間計、アワー・メータともいいます。た だし、その表示単位は、 「時間」に限らず、分、秒、場 合によっては日によって表示できるものもあります。 タイマとの相違は、タイマが時間を設定し、設定時間 になったら電気信号を出力するものであるのに対し、 タイム・カウンタは時間を設定することなく、単に時 間を積算し表示するだけのものである点で相違しま す。 従って、カウンタ的に定義すると、タイマは「プリ セット・タイマ」、タイム・カウンタは「トータル・ タイマ」ということになりますが、タイム・カウンタ は、歴史的にカウンタに分類されています。 お問い合わせ 0120-919-066 最新情報は http://www.fa.omron.co.jp カウンタ 参考資料(突入電流一覧表) 表中の――表示は定常電流に近いため省略します。値はすべておよその数値ですのでご参考にお使いください。 ■カウンタ 形式 電圧仕様 形H7CX-Aシリーズ 形H7CX-Rシリーズ 形H7BRシリーズ 形H7ANシリーズ 形H7CNシリーズ 形H7Eシリーズ 印加電圧 突入電流 (ピーク値) 時間 0.7ms AC100∼240V AC264V 5.8A AC24V/DC12∼24V AC26.4V 10.4A 1.2ms DC12∼24V DC26.4V 6A 1.2ms AC100∼240V AC264V 5.8A 0.7ms AC24V/12∼24V AC26.4V 10.4A 1.2ms AC100∼240V AC264V 11.3A 5ms AC24V/DC12∼24V AC26.4V 10A 2ms AC100∼240V AC264V 23A 1ms DC12∼24V DC26.4V 15A 4ms AC100∼240V AC264V 800mA 1ms DC12∼48V DC52.8V 400mA 1ms ―― ―― ―― ―― 形H8BMシリーズ DC24V 2A 20ms 形CSKシリーズ 全仕様 DC26.4V ―― ―― ―― 電圧仕様 印加電圧 突入電流 (ピーク値) 時間 * コントロール 機器 ■カムポジショナ 形式 形H8PS-8シリーズ DC24V DC26.4V 1.9A 23ms 形H8PS-16/-32シリーズ DC24V DC26.4V 3.1A 12ms * *突入電流の時間は下記波形の範囲にて測定しています。 100% (ピーク値) タイマ/ タイムスイッチ 突入電流 カウンタ/ カムポジショナ 電子温度調節器 30% 測定時間 デジタル パネルメータ/ 信号変換器 時間 テクニカルガイド カウンタ/カムポジショナ テクニカルガイド 1653