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INCA、80ノットで巡航

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INCA、80ノットで巡航
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F I E L D T E S T AT S E A
INCA
Cruises at 80 Knots
Salvatore Traniello氏、Isotta Fraschini Motori S.p.A.、
Emanuele Alabastri、ETAS
INCA、80ノットで巡航
コモンレールディーゼルのパワーボートでエンジンECUの適合
パワーボート向け電子制御ユニットの開発。それがイタリアのエンジン製造者Isotta Fraschini Motori社、ディーゼル燃料噴射のスペシャ
リストであるBosch社の Hallein SW開発センター、そしてシステムソリューションのスペシャリスト、Bosch Engineering社の共同プロ
ジェクトのテーマでした。
パワーボートTNT 48 Corsa
このプロジェクトの焦 点 は、Bosch
EDC7UC31電子制御ユニット(ECU)を
直列6気筒のコモンレールディーゼルエン
ジェクトに参画しました。
通常であれば、適合の主な課題は排煙を抑
てるため、経験豊富なP1パイロットであり
ジンに適応させることでした。ボートに積
えること、あるいは燃料消費を最小限にす
イタリアのMetamarine造船所のオーナー
まれた2基のエンジンは、マスタースレー
ることです。その一方で、高性能を求めら
でもあるMarco Pennesi氏は、エンジン
ブで通信を行う個々のECUによって制御さ
れる特殊な用途では、最小限の時間内で最
製造者のIsotta Fraschini社と手を結びま
れます。Turinに拠点を置くETASの在イタ
大出力を一気に発生させることが要求され
した。目標は2011年シーズンの前述のタ
リアカスタマーチームは、仕様の決定から
ます。この共同プロジェクトは、まさに後
イトルを獲得することです。国際モーター
装置の設計、そして実地テスト中の現場サ
者のカテゴリの典型でした。UIM P1パ
ボート連盟(UIM)が統轄するパワーボー
ポートまでの全期間を通じて、このプロ
ワーボート世 界 選 手 権 の栄 誉 あるエボ
トP1は、急速に発展しつつある世界最速の
リューションクラスのタイトルを目指して、
必要な条件を満たす特別なエンジンを仕立
R E A LT I M E S
IP67等級の金属製防水ケースに収納されたETAS製モジュール
Metamarine造船所で作られたサーフェス
プロペラです。2基搭載されたエンジンは、
Isotta Fraschini社の11.3Lのコモンレー
海上モータースポーツシリーズです。この
のステップレダンが取り付けられ、船尾の
シリーズは、過去 8年間において、12の
エアルーバはキャビンの自然換気に役立っ
国々で85戦以上の世界選手権レースを開
ています。中央の操舵輪は、電子システム
催してきました。
に接続された油圧アクチュエータによって
ルターボディーゼルで、それぞれが
2つのラダーをコントロールします。この電
Metamarine造船所の旗艦モデルで、純イ
タリア製のTNT 48 Corsaの船体は、ケブ
子システムは、速度と旋回半径の関数を最
ラー繊維を使用した減圧積層法によるサン
ることで、速度を落とさないあるいはより
ドイッチ構造によって並外れた強度を得て
滑らかなターンをできるようにします。
2600rpmで800馬力を発生します。ボー
トの全長は15.00m (49.2ft)
、船幅は
2.80m(9.19ft)です。ディーゼル燃料の
タンク容量は1,200L(317 USガロン)も
あり、ガバナーによって最高速度を80ノッ
います。船体には空気抵抗を軽減する2つ
推 進 力 をもたらすのは、船 体 と同 様 に
トに制限した状態では、このレーサーに
適化し、パイロットが舵の感度を変化させ
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コモンレールディーゼルエンジンを搭載した
パワーボート上での計測
280マイル以上の航続距離を与えています。
1600バール(23,206psi)という高い噴
射圧力を用いる6気筒のコモンレールエン
ジンは、それぞれが 24V 仕 様 の Bosch
EDC7UC31で制御されます。ソフトウェ
アは、オーストリアのHalleinにあるBosch
社のSW開発センターで設計されました。
Bosch Engineering社は、イタリアのBari
にあるIsotta Fraschini社のエンジンベン
ケーションエキスパートたちは、INCA V6
の明らかな進歩が証明されました。
とES590インターフェースモジュールの組
み合わせを使用し、パラレルETKを経由し
ETASにとって最大の課題は、実地テスト
て、基本的なエンジン機能と排気ガスの適
と同じ性能レベルを保証することです。
合を行いました。クランクケースの油圧や
Isotta Fraschini社は、テスト航行の全行
シリンダー温度といった作動環境は、頑丈
程にわたってエンジンの状態を監視できる
なES410とES420コンパクトモジュールに
データログボックスを求めていました(実
よって計測されました。実地テストの耐久
際の海上テストでは、船内スペースに限り
性段階を監視するために選ばれたツールは、
があり、航行条件も過酷だったため、IN-
チ施設において、安全機能やボディコン
メモリ容量を16GBに拡張したES715ドラ
CA PCを携えたアプリケーションエンジニ
ピュータインターフェースなどの適合作業
イブレコーダでした。
アの乗船は許されませんでした。
)
。
ECUの診断機能は、INCA V6.2.1のアド
このため、理想的なソリューションは、
オンであるODX-LINK V1.4により、プロ
を受け持ちました。
EPAのTier2排出物規制認証(IMO のTire
IIと同等)の資格を取得するため、500時
トコルKWP-on-CANを用いて適合され、
ES590 インターフェースモジュールと
ES715ドライブレコーダを収めた、IP67等
間を超える適合作業が積み上げられました。
テストされています。お客様の要求に応じ
級の金属製防水ケースを提供することでし
これに加えて、典型的な負荷状況で適合
て、ETASはお客様固有のトラブルコード
た。この装置はコックピット内に設置され、
データを検証し、要求されるレベルの船上
に関連する環境パラメータやフリーズフ
周囲の温度はおよそ60°C、最大垂直加速
安全性を確保するために、100時間の実地
レームと共に、より分かりやすいフォー
度6gというきわめて厳しい負荷条件に耐え
テストが計画されました。
マットに変換できる専用のODX構成を提
る必要がありました。
供しました。すべての情報は、適合に用い
エンジンベンチでの初期的な適合タスクの
られたのとまったく同じINCAの環境で収
過程で、Bosch Engineering社のアプリ
集されています。最終的に実用性と再現性
ETASのアプリケーションエンジニアリング
サービス部門(AES)は、ドイツの
R E A LT I M E S
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Fraunhofer研究所で実施された加速度テ
ストに基づいて、物理的負荷を制限の範囲
内に収めたデータストリーミングボックス
の製作を請け負いました。このテストでは、
課題
事前にIsotta Fraschini社と合意して採用
このプロジェクトの焦点は、Bosch EDC7UC31電子制御ユニット(ECU)を直列6気筒の
した特別な加速度データが用いられました。
コモンレールディーゼルエンジンに適応させることでした。ボートに積まれた2基のエンジンは、
マスタースレーブで通信する個々のECUによって制御されます。
このボックスへの入力は、エンジンに直接
マウントされた2つのEDC7電子制御ユニッ
ソリューション
トからと、パワーボートの船尾にあるエン
INCA V6とES590インターフェースモジュールの組み合わせを使用し、パラレルETKを経由し
ジンコンパートメント内に置かれたES4xx
て、基本的なエンジン機能と排気ガスの適合を行いました。クランクケースの油圧やシリンダー
ツールチェーンが発するXCP-on-
温度といった作動環境は、頑丈なES410とES420コンパクトモジュールによって計測されまし
Ethernet信号からの2つのCAN/CCPで構
成されていました。これら2つのCANバス
は、ネットワークを終端化するETASの機
器 によってアクセスされます。 Isotta
Fraschini社の2つのCANデバイス、すなわ
た。実地テストの耐久性段階を監視するために選ばれたツールは、ES715ドライブレコーダで
ちダッシュボードディスプレイとアラーム
収めた、IP67等級の金属製防水ケースを提供することでした。この装置はコックピット内に設
した。
メリット
理想的なソリューションは、ES590インターフェースモジュールとES715ドライブレコーダを
は、その間に設けられました。CANバスの
置され、周囲の温度はおよそ60°C、垂直加速度6gというきわめて厳しい負荷条件に耐える必
長さはおよそ8メートルでした。
要がありました。そのスタックトポロジ、防水カバー、そして容易な取扱いにより、コックピッ
ト内を多くのモジュールでいっぱいにすることなく、信号記録が可能になったのです。
ES4xxシリーズのコンパクト計測モジュー
ルは、このような使用事例には理想的であ
ることが確認されました。そのスタックト
ポロジ、防水カバー、そして容易な取扱い
により、コックピット内を多くのモジュー
ルでいっぱいにすることなく、Carter製の
レーシングボートとプレジャーボートに搭
油圧スイッチやシリンダヘッドに設けられ
載される機械的コンポーネントと装置類は、
た熱センサからの信号記録が可能になりま
すべてMetamarine造船所によって作られ
した。海上でのトライアル中に各種の計測
るものになります。
を行 うことが強 く要 求 されましたが、
ES715ドライブレコーダと特殊なトリガ条
プロジェクトに関わったすべての方たちの
件により達成されました。コックピット内
多大な努力のおかげで、プロジェクトの全
には、追加の手動トリガボタンも設けられ
活動は成功し、12月半ばに幕を閉じまし
ました。実地テストから戻ると、計測デー
た。期限内に性能レベルと安全性のすべて
タはIsotta Fraschini社によってアップロー
の面で目標が達成されたのです。
ドされ、Measured Data Analyzer V6.3
を用いて後処理が行われます。これは適合
データの微調整と最終リリースの責任も
負っているBosch Engineering社と密接
に協力しながら行われています。
TNT48レーシングボートの製造者である
Metamarine造船所は、これと外形のよく
似たプレジャーボートをTNT48レプリカと
いう名称で生産しようと考えています。も
ちろん、内装の仕上げやクルージングに適
した装備などは、オリジナルとは異なりま
す。新しいTNT48の2つのモデル、つまり
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