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3.0MB - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
社会をおもろくするためのAI 2016年4月25日 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 研究センター長 柳田 敏雄 社会をおもろくするためのAI開発 お も脳 ろに い聞 社く 会 AI 高いエネルギーのもとで 便利さや速さ,正確さを 追求する技術 1 生産性、利便性の向 上だけでは、おもろい 社会にならない 2 未来のICTにおけるAI技術研究開発の基本戦略 ~高品質なビッグデータの集積化~ 賢いAIシステムを作るには、質の高いビッグデータが不可欠である 分析 脳に学ぶ 次世代AI開発 WISDOM X AI基盤技術の 開発・検証 DISAANA 高品質なビッグデータ 社会システムへ の実装 VoiceTra 収集 レーダーやセンサー ネットワークによる 環境データセンシング ( 1976〜) リモートセンシングデータ クローリングによる収集 (2006〜 ) WebやSNS等の テキストデータ nicterによる収集 (2006〜 ) サイバーアタック データ fMRIによる収集 (1990〜) 高次脳機能計測 データ 安全・安心のための環境ビッグデータ利活用技術 3 電磁波 グローバル電波センシング技術 宇宙天気予報 航空無線や衛星測位に影響する ・太陽黒点を自動抽出 ・フレアの発生可能性予測 リージョナル電波センシング技術 気象観測 現在の課題 広域・地形等を考慮した 副次的な災害、予報は 人により判断 ゲリラ豪雨災害対策支援システム 豪雨のリアルタイムモニタや予測 → スマホアプリでの配信(実験中) 次世代AI技術への期待 災害情報・被害推定 電波で地表を捉え 地表面の状況を自動判別 火山の監視 震災の被災状況調査 過去の事例を学習する だけでなく、未知の 複雑な状態に対応する 推論が行えるAI技術 価値を創るビッグデータデータを利活用する技術 4 自然言語処理技術 音声・言語、翻訳 VoiceTra 現在の課題 29言語の翻訳に対応 音声認識処理にディープラーニングを実装 民間企業への技術移転実績 20件以上 機械学習は利用して いるが、大規模な 学習データが必要で、 人手によるアノテー ションが必須 Webの知識解析 仮説の推論や質問の提案まで行う事が WISDOM X 出来る世界トップレベル・国内唯一の 高性能な自然言語処理・AIシステム 質問「東京オリンピックで何を心配すべきか?」 D-SUMM 及びDISAANA 災害関連情報をリアルタイムに 深く分析・整理して提供 検索エンジンでは、埋もれてし まう情報が発見できる。 次世代AI技術への期待 少量の学習データから 学習し、高精度を実現 できるAI技術 情報を安全に繋ぎ、守るビッグデータ利活用技術 ネットワーク 情報ネットワーク ネットワーク資源を動 的に調整し、サービス の品質を確保 緊急時、障害時にも 適切なサービスを提 供 情報セキュリティ ネットワークを監視し、 新たな脅威、インシデン トを早期に発見 外部へセキュリティ情報 を提供 現在の課題 大規模システムの処理 に多くのエネルギーを消 費すると共に、未知の 異常やサイバーアタック に関してはエキスパート の経験と直観にて対応 次世代AI技術への期待 低消費電力で未知の状 態から発生する大規模 なリアルタイムデータの 特徴を抽出し、人の直観 による処理を組み込んだ AI技術 5 ビッグデータ技術とAI技術 • ビッグデータ技術とAI技術は表裏一体 – ディープラーニングのためには大規模なデータが必要 • しかしながら、現在のAI技術はコスト高で頑固で 融通が利かない – 大規模なデータが必要であり、それを計算する大規模な 計算機が必要 – 特定の処理には強いが、学習させた分野以外の 処理には無能 • 高い汎化能力を持った、低エネルギー、低コスト、 AIが必要 – →そうだ、脳に学ぼう!! 6 7 デコーディング技術を使った脳に学ぶAI 脳が何を感じ、何を思っているかを推定する技術 脳活動の解読で知覚体験の映像化に(一定精度で)成功 (1) 人工脳訓練フェーズ 体験 脳活動 脳モデル 低次の認識から 高次の認識へ 順次モデルを高度化 ? 脳モデル 初期視覚野脳活動から 推定した知覚体験 (Nishimoto et al., 2011 Current Biology) CM評価に応用、NTTデータが商用化(2016年度予定) (2) デコーディング 体験 実際の知覚体験 被験者が見ていた動画 脳活動 脳活動から推定した知覚意味内容 名詞 動詞 形容詞 女性 男性 髪 着る 着ける 被る 若い 鋭い 短い 文字 ラテン アルファベット 咲く 読める 書く 黄色い 白い 美しい 海 広大 一帯 眺める 囲む 面す 深い 数多い 狭い (品詞別トップ3) 脳活動 … 体験内容 メタデータ 多様な認知機能を対象とした脳データ取得とAI構築 … 主観認知、会話、判断、学習、購買、創造、社会性、倫理、… 脳デコーディングモデルの構築/深化 脳情報 データベース 機械学習 AI技術 脳と親和する 認知/判断/人格 を持った汎用AIの 基盤開発へ 8 脳に学ぶ桁違いの省エネAI 9 IBMチェス専用 スーパーコンピュータ IBMディープブルー 1995年 50,000ワット 1ワット (思考時と休止時 (20ワット)の差) 世界チャンピオン ガルリ カスパロフ 2016年 消費エネルギーの 差は数万倍! デミス・ Deep Mind ハサビス アルファ碁 (2000CPU、300GPU) 250,000ワット 世界最高の棋士 イ・セドル九段 ゆらぎを利用する 使用料:30億円? 生命の原理 10 さらにその先のAI技術を目指して 人が機械に合わせる時代 限られた専門家が使う時代 機械が人に合わせる時代 全ての人が使える時代 脳型AI(<100ワット) 大量情報の 蓄積 環境・状況・制約を認知して 心配を安心に変え、 希望実現を助ける 大量知識の 蓄積 スパコン(2000万ワット) ワトソン(20万ワット) サーバ(300ワット) AIと遊ぼう 職人技を 伝えたい 入力・条件・動作 をプログラムで定義し、 かつ特徴のあるデータを大量にイ ンプット 入力・特徴・条件・動作 全てをプログラムで定義 エキスパートシステム 生産オートメーション 機械学習・ディープラーニング ビッグデータ 過去(20世紀~2000年代) 現在(2010年代) 老後も自分の経験や 知識を活かしたい どうしたい・どうありたいかを 話す・考える・身振り手振りで伝えると コンピュータは 自分で必要な知識・情報を学び、考え、 人を支援する 脳に学ぶAI 未来(2040年代) ビッグデータ + 機械学習 脳に学ぶAI