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経理アウトソーシングの 進め方と留意事項

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経理アウトソーシングの 進め方と留意事項
いかにコア・コンピタンスへ集中するか
経理アウトソーシングの
進め方と留意事項
ポイント
近年、会計基準の国際化や四半期報告制度等、会計・監
査環境の変化に伴い、経理担当者への負担が劇的に増加
している。一方、長引く不景気から、経理担当者の採用や
育成が十分に行ってこなかった企業も多く、経理業務の外
部委託(アウトソーシング)に踏む切る企業も多くなってきた。
本稿では、筆者の経理の受託業務の経験から、経理アウト
ソーシングを進める上での留意事項について述べてみたい。
APアウトソーシング㈱
代表取締役
公認会計士・税理士
千葉 和彦
(中央経済社「旬刊経理情報 2007年12月20号」に掲載されたものを転載しました)
はじめに
「アウトソーシング」は文字通り解すれば、企業活動に必要な経営資源(Source)の一
部を外部(Out)に委託することである。競争力の低下に苦しんだ80年代後半の米国企業は、
ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)から派生したビジネスプロセスアウトソーシン
グ(BPO)を積極活用することにより、経営を迅速に立て直し、見事に甦ったと言われている。
実際、筆者は89年から94年にかけて米国シカゴにある大手監査法人に勤務し、その実情を
垣間見てきた。以来、筆者は一貫して経理アウトソーシング業務に従事しているが、以下におい
ては、1.アウトソーシングが注目されるようになった背景と展望、2.誰が何をアウトソーシ
ングしているのか、3.成功させるための要因やアウトソーサー選定のための基準について、考
察してみたい。
アウトソーシングが注目されるようになった背景と展望
(1)アウトソーシング登場の背景
最近でこそ、コア・コンピタンス(Core Competence)という言葉も我国にお
いてかなり一般的な用語として定着してきたが、私が80年代終わりの米国で始めてこの言葉を
耳にしたときは、まさかこれほどまでに広まるとは予想しなかった概念である。コア・コンピタ
ンスとは「中核能力」、すなわち、自社が「強みを発揮するための競争力の源泉」という意味で
ある。
企業は本来、例えば製品製造に関するコア技術やノウハウ、あるいは商品販売に関する営業
チャンネルや商権、ブランドイメージといった、自社の業務領域について他社にはない固有の強
み、すなわちコア・コンピタンスがあるからこそ、商売が成り立っている。
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「選択と集中」の経営とは、「限られた経営資源のコア・コンピタンスへの集中」という
ことであり、これを推進するためには、自社のコア・コンピタンスを特定化することが、その出
発点としてまず求められる。経営資源をコア・コンピタンスに集中させ、「強み」を、他社の追
随を許さないまでの絶対優位なレヴェルまでに強化して初めて、最終的に市場において勝ち残れ
る、という訳である。
それでは、人事や経理、総務といった管理業務は、コア・コンピタンスであろうか。これらは、
企業活動を行っていく上でなくてはならないものであるが、それ自体が直接的に収益を生む業務
(コア・コンピタンス)とは言えまい。けだし、どんなに精緻に帳簿を作成しても、内部統制記
述書を作成しても、人事諸規定を作っても、1銭のお金も直接的に企業にもたらす事はないから
である。
そこで、もしこれらの重要ではあるがコアではない管理業務(ノン・コア・エッセンシャル業
務)のリソースを外部から経済的な価値で調達でき、かつ、高い品質を維持確保できるのであれ
ば、それらの外部リソースを利用しない手はない。アウトソーシングとは人事や総務、経理と
いった管理業務サービスを外部マーケットから調達して競争原理にさらし、一方で収益を生むコ
ア・コンピテンスに経営資源を集中させて、企業価値の増大をはかるという経営戦略に他ならな
い。
筆者が赴任した1989年の米国ではBPRが盛んに行われていたが、帰任時(1994年)
には戦略的アウトソーシング(BPO)の議論が盛んに行われるようになったのを明確に記憶し
ている。すなわち、BPRを行い、ITの力を借りて徹底的に業務改革、ホワイトカラーの生産
性を向上させるや否や、通信技術の革命が起きた。その結果、管理部門を社内に置こうが社外に
求めようがBPRの目的は達成されるという環境が出現したと考えられる。人事、経理、総務と
いう管理業務はそれまで市場競争に晒されることはほとんどなかったが、ITと通信インフラの
発達は、それらのリソースを直接的に市場から調達することを可能にしたのである。
(2)今後の展望
弊社の主要顧客であるグローバル企業の経営者を見ても、その企業のコア・コンピタンスのみ
を残して集中的に強化し、戦略性の低い管理業務はアウトソーシングにより市場原理にさらし、
徹底した効率化と競争優位の達成を目指そうとしている。会社という枠を取り払い、あたかもア
ウトソーサーが同一の事業を営んでいるかのように自分たちのネットワークの中に取り込もうと
している。いわば、弊社(アウトソーサー)を彼らの仮想企業体(バーチャル・コーポレーショ
ン)として機能させようとする。
筆者は、そのような傾向は、現在のフラット化する世界の中でますます強化されると思ってい
る。20世紀の製造業が、輸送手段と物流インフラ・システムの発達と合まって外製化を進め発
展したのとアナロジカルに、情報のネットワーク化・ウェッブ化は、21世紀における我国企業
の会計実務のあり方も大きく変貌させると思われる。何故なら、このようなフラット化する世界
で地球生命体の一部として生きていくためには、自分自身が質的に変化していかなければ生命力
を維持できないからである。これは、ある環境に適合した種が反映し、やがて量的な限界に至っ
て衰退し、そこから質的に変化したものだけが種を存続させる、というダーウィンの法則そのも
のだと思う。
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誰が何をアウトソースしているか
以上のようなマクロ的な背景と展望から、よりミクロ的な実務の現状について目を向けてみた
いと思う。
(1)誰が経理アウトソーシングを利用しているか
アウトソーシングの利用者、すなわち早期適用企業には大きく分けて二種類存在している。一
つは、会計機能が初めから無く、今後も持とうとしない企業であり、以下の3つのパターンがあ
る。
①スタートアップ:
ベンチャー企業や、大企業からのスピンオフ企業など、創業後余り時間が経過しておらず、資
金はあるが経理部門を抱える余裕がない会社。
②外資系の日本子会社や支店:
対日進出の外資系企業や、買収により日系企業を子会社化した会社
③SPC:
資産流動化などのストラクチャードファイナンスから設立された特別目的会社
もう一つは、会計のインフラはあるが、より良いコストパフォーマンスと品質を求めてアウト
ソーシングを導入しようとする会社である。これは以下のような分類が出来る。
④戦略的導入企業:
会社全体の経営戦略の一環として、広範囲かつ積極的に導入し、間接部門の質的向上を目指
そうとする会社。アウトソーサーのコストよりも質を重視する。
⑤経理苦渋、苦痛会社:
質の低い経理部門・担当者を抱えている会社
⑥急成長会社:
成長スピードに経理部門のキャパシティが追いつかない会社
⑦ジョイントベンチャー:
経理部門の所有権がはっきりとしておらず、第三者に任せたい会社
早期適用とは言わないまでも、アウトソーシングに高い関心を寄せている企業も多い。これら
の会社は、経理部門は整っており、早急にアウトソーシングを必要としているわけではないが、
アウトソーシングによるコスト削減、高品質化などの効果に興味を示している会社で、しっかり
とした実例があると、アウトソーシングを始める傾向が強い。もちろん、極めて安定した経営環
境にあり、よほど確実な実例がないとアウトソーシングに反発する会社も中にはあることを申し
添えておきたい。
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(2)何をアウトソーシングしているか
図1 経理業務のピラミッド
次に、これらのアウトソーシング早期適用
企業は、経理業務の何をアウトソースして
いるのであろうか?その分析には、経理業
務の組織的構造と関連付けるとわかりやすい。
経理業務は図のように、いくつかの階層を
持ったピラミッド構造になっている。
(図1)
①ITインフラストラクチャー:
ハードウエア、ネットワークセキュリティ、OSその他IT関連インフラ部分であり、取引データ処理
や財務諸表作成の土台なる部分。
②アプリケーション管理:
SAPやOracleといったERPシステムを管理する部分。
③取引処理業務:
買掛支払、旅費・経費精算、売掛回収、固定資産、給与計算処理、在庫集計といった取引デー
タの処理業務。
④定期・定型的財務報告:
月次貸借対照表、損益計算書、キャシュフロー計算書、セグメント別業績報告、年次決算報告
書、税務申告などの財務報告業務。US基準、国際会計基準などへの変換業務。SPCの財務
報告業務等。
⑤非定型的・戦略的財務報告:
合併、買収、分割、分社、事業承継などに伴うデューデリジェンス。特殊原価調査、差額収益分
析などの財務報告業務。アウトソーシング導入移行業務。
⑥経理部門全体の経営管理業務や意思決定業務:
高度な業務知識、業界知識を基礎として、経理部のみならず他の部門も巻き込んで行われる
経営意思決定および経営管理業務。
このうち、アウトソーシングになじまないのは、⑥の意思決定業務であり、最上階に位置する
この業務は、絶対に社内の経営資源で行われるべきものである。そうしなければ、経理業務の管
理監督機能と業務遂行機能とが同一になって、統治・ガバナンスが達成されないことになる。
①~⑤の階層部分は、それぞれアウトソーシング可能であるし、現実に担われている。①~②の
ITインフラ、ERP等アプリケーション管理業務は、ITコンサルティング会社や情報システ
ム開発会社等が、③の取引処理業務は、人材派遣会社や給与計算業者等が、④の定期・定型財務
報告は税理士事務所や社会保険労務士事務所等が、⑤は監査法人や法律事務所、経営コンサル
ティング会社等が担っている場合が多い。また、大企業がその経理子会社(シェアードサービス
センター)や中国等人件費の安いオフショアで委託している経理業務
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は③の取引処理業務が圧倒的に多いと思われる。
①~⑤のすべての階層の業務を引き受けることの出来る、垂直統合的スーパーアウトソーサー
がいればベストであり、理論的には可能と思うが、現実的には非常に困難であろう。なぜならば、
それぞれの階層に必要とされるコア・コンピテンスが違いすぎ、単一組織内でのキャリアマネジ
メントが困難なためである。アウトソーシングの導入プロジェクト(階層⑤)において、計画を
企画立案するのは経営コンサルティング会社が行うとしても、コンサルティング会社は日々の業
務処理まで受託すること(階層③、④)はコスト的に人材的にも無理がある。分析力や説得力の
優れた経営コンサルタントが、法令に準拠しながら淡々と日常の会計業務処理行う優秀な業務担
当者に必ずしもなるとは言えない。まさにコア・コンピタンスの違いである。
そこで、アウトソーシングの利用者としては、それぞれのアウトソーサーのコア・コンピタン
スを理解した上で、効果的かつ効率的に利用する必要がある。次節では、その利用にあたっての
留意事項について述べてみたい。
経理業務アウトソーサーの選定と利用における留意事項
(1)アウトソーサー間の連携
広範囲な経理業務をアウトソーシングする場合は、アウトソーサー間の綿密な連携が不可欠と
なる。一つの目的に向かってそれぞれが役割を果たし、共生していく必要がある。逆に言えば、
経理業務アウトソーサーを選択する場合に、それぞれの階層の担い手となる他のアウトソーサー
との連携が緊密に取れるか否かが重要な基準となる。
典型的な例として、給与・社会保険業務の例をとって見よう。この業務は労働対価の計算処理
と支給、税金・社会保険の支払いという、階層③に属する典型的な「取引処理業務」であるが、
大きく3つのフェーズに分けることが出来る。
(ⅰ) インプット情報管理:
勤怠、残業時間、基本給や被扶養者数など給与計算に不可欠なインプット情報を確定・入
するフェーズ。
(ⅱ) 計算処理:
計算の実施、給与支給、社会保険の届出、法定調書の作成など定型レポ
ーティングを行うフェーズ。
(ⅲ) アウトプット情報管理:
会計帳簿への仕訳、計算結果の部門別原価管理や予算統制
、戦略人事への活用のフェーズ。
i)のインプットデータの入手確定のフェーズ及びii)計算処理のフェーズでは、ピラミッド構造
で示される下の階層(①ITインフラ、②アプリケーション管理)との共同がとりわけ重要であ
り、企業に存在するITインフラと経理アウトソーサーのITインフラとのデータ交換時の情報
セキュリティ、個人情報の保護などが確保されなければならない。iii)のフェーズの仕訳処理は、
一つ上の階層である④「定期・定型的財務報告」そのものであるし、給与計算データを原価管理
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などを通じ、人事制度設計や戦略人事などに活用していくのであれば、さらに上流の階層(人事コ
ンサルティング会社等)との連携も必要である。
一見自己完結可能に見えるii)の計算処理フェーズのアウトソーシング自体も、単一の
アウトソーサーでは出来ないことがある。例えば、社会保険、労働保険の新規適用事業者の申請、
算定基礎届、その他の諸届は、法的準拠性確保の見地から社会保険労務士事務所との連携なくして
は行えない。
④の階層に属する月次決算、年次決算業務も同様である。すなわち、給与計算、売掛・買掛管理
などの取引処理業務がアウトソースされていれば、そのアウトソーサーとの連携は不可欠であるし、
税務申告書草案などは税理士事務所との連携の上でなされなければならない。財務諸表が監査され
る場合には、経理処理などについて監査法人等との綿密な連携と監査への協力体制が不可欠である。
⑤の階層に属する経理アウトソーシングを導入管理する業務についても同様なことがいえる。す
なわち、戦略的なアウトソーシングを企画、立案し実際に移行マネジメントを行う際には、次の工
程を担うであろうアウトソーシング会社と共同し、プロジェクトの早い時期より、実務処理に優れ
た業務担当者を参画させることが重要である。そうすることによって、コンサルタントにはなかな
か見えにくい実務上の問題点も浮き彫りにされ、より精度が高く、現実的で実行性のあるアウト
ソーシングプランの策定が可能となる。
(2)アウトソーサーの選定
戦略的に経理アウトソーシングを利用する会社は、このように複数のアウトソーサーを効果的か
つ効率的に活用しなければ、全体的整合性を確保できない。アウトソーサー同士が共生できるよう
な環境を、最上階にいる会社経営者は強いリーダーシップを持って創り出さなければならないし、
受託するアウトソーサーも他の領域のアウトソーサーと協調しながら、専門的スキルを継続して安
定供給しうるキャパシティと情報セキュリティを兼ね備えていなければならないのである。
そこで、経理業務のアウトソーサーを選択するにあたり考慮すべき点は、次の4点に集約される
だろう。
① 会計、税務、社会保険等、高度な専門的スキルを有し、それを中長期的に継続し
安定供給できる能力
② 隣接する他の領域・階層とのインターフェースを維持し、共生できる能力
③ アウトソーサー自身の情報セキュリティの安全性。ISO27001等の国際認証の有無
④ アウトソーサーにおいてそれらを可能にするマネジメント能力、組織文化の有無
(3)アウトソーサーの活用
経理業務アウトソーサーの活用に際しても、単に、ベンダー・サプライヤーの関係としてではな
く、長期的なコラボレーションを実現するパートナーシップとして構築することが何よりも重要で
あろう。具体的には以下の諸点について留意すべきである。
①
業務委託契約(SLA)の柔軟性:
どんなに精緻にサービス契約を作っても、契約時には予期しないことが起こりうる。その後の状
況の変化により、サービスの内容や報酬を柔軟に対応できるようにしておくべきである。
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②
品質評価基準:
アウトソーシング業務の品質評価基準を設定し、定期的な評価を行ってフィードバックすべきで
ある。
③
内部統制の監査:
アウトソーサーにおける内部統制の整備ならびに運用状況の調査を定期的に行う。さらに進んで、
アウトソーサーに対し、監査委員会報告第18号「委託業務に関わる統制リスクの評価」に準拠し
た監査を受けさせるとか、米国監査基準70号(SAS70)に従った監査を受けさせることが望
ましい。
④
人材開発:
プロジェクトチームスタッフの教育研修機会を確保し、アウトソーシング会社と共同して長期
的に人材を育成する機会をつくるべきである。
おわりに
アウトソーシングは外科手術的な見方をすると、移植手術と類似している。ただ単に機能障害が
起きている部分を新しい健康なものと取りかえるだけで治癒するものではなく、新しいものと既存
の他の組織との免疫反応を抑えながら、まさに体の一部として有機的一体に機能させなければなら
ないのである。広範囲な経理業務を一気呵成にアウトソーシングに切り替えることは、広範囲な移
植手術を一気に進めるようなものであり、効果に比べてリスクが高い。最終的なゴールとして広範
囲に経理業務をアウトソースすることを企画したとしても、その移行は徐々行われるべきである。
厳しい経営環境が続く中、手っ取り早く経理部門の人員確保が出来るアウトソーシングを活用し
たいという経営者の気持ちは理解できる。しかしながら、アウトソーシングという経営改革手法は、
あくまでも経営全体という観点から、コア・コンピタンスへの集中という前向きの行動と表裏一体
で活用してこそ初めて戦略的な効果を発揮できる。単なる業務委託やコスト削減ではなく、企業が
アウトソーサーを、アウトソーサーが企業を取り込むことにより、新しい知恵、価値を創出してい
くことが、アウトソーシングの本質である。そのような観点を失うと、単に問題を「外出し」し、
解決を先送りする結果となりかねない。経営戦略上の狙いを正しく設定した上での活用が肝要であ
る。
先行した欧米企業のまねではなく、如何にして日本という土壌に適したアウトソーシングの仕組
みを作り、日本的な新しい価値を生み出していくか。違った文化、個々人の知恵や技術をどのよう
に上手く絞り込み一つに集約していくか、いわば「統知企業」なりあるいは「知恵の連結経営」な
りを考えていきたいものである。
我国においてアウトソーシングが一般的な経営戦略して広まってきたのは喜ばしいことであるが、
もう一つの我国企業、すなわち海外現地法人においては、欧米のグローバル企業に比べほとんど活
用されていない。海外子会社毎に非常に人件費の高い駐在員をトップないしミドルマネジメントと
して送り込み、雑多の経営管理業務に忙殺されてしまうという現実が繰り返されている。
筆者は、海外現地法人のトップにはしかるべき力を持った現地人を登用し、そのトップリーダー
シップの下で現地のアウトソーサーを有効活用し、効率的な管理を進めるべきであると考えるが、
この件については別稿としたい。
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