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松江城石垣修理について

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松江城石垣修理について
【地元自治体の取り組みの紹介】
松江城石垣修理について
松江市歴史まちづくり部まちづくり文化財課
飯 塚 康 行
埋蔵文化財調査室 室長
松江市の取り組みの紹介
松江城石垣修理について
松江市歴史まちづくり部 まちづくり文化財課
埋蔵文化財調査室長 飯塚 康行
1
松江城の概要①
○松江城築城
○史跡指定
慶長12年(1607)~慶長16年(1611)
昭和9年5月1日
2
松江城の概要②
○松江城天守国宝指定 平成27年7月8日、文部科学省告示第118号
(構造形式) 四重五階、地下一階付、本瓦葺、南面附櫓一重、本瓦葺
○附指定 祈祷札2枚、鎮宅祈祷札4枚、鎮物3点(祈祷札、槍、玉石)
3
松江城の概要③
○国宝指定になった理由
①建築年代が祈祷札の発見によって明らかになったこと
②松江城独自の柱構造(複数階を繋ぐ通し柱)
4
城郭石垣の構造
松江城本丸北側石垣(解体前)
松江城本丸北側石垣(解体後)
松江城本丸北側石垣(解体後)
石垣構造図
5
松江城石垣の特徴①
○石垣の種類
・積み方の分類・・・布積み、乱積み
・石の加工程度の分類・・・野面積み、割石積み、切石積み
・算木積みの完成度・・・角石、角脇石
(本丸北側石垣)乱積み、野面積み、算木積み未完成
6
松江城石垣の特徴②
(腰曲輪石垣)乱積み、割石積み、算木積み未完成(角脇石なし)
7
松江城石垣の特徴③
(中曲輪石垣)乱積み、割石積み、算木積み完成に近い(角脇石一部あり)
8
松江城石垣の特徴④
(祈祷櫓下石垣)乱積み、切石積み、算木積み完成(角脇石あり)
9
鳥取県西部地震の被災状況①
○地震発生 平成12年10月6日、13時30分頃、M7.3(松江市震度5弱)
松江城では6か所の石垣で崩落が発生
10
鳥取県西部地震の被災状況②
○二之丸下ノ段南東角堀石垣
石垣の崩落
11
鳥取県西部地震の被災状況③
○本丸武具櫓下石垣
角石の割れ、変形
12
松江城石垣修理事例①
○腰曲輪水之手門跡周辺石垣(平成17年度解体修理)
解体修理範囲
13
松江城石垣修理事例②
○腰曲輪水之手門跡周辺石垣(平成17年度解体修理)
石垣裏込め状況
樹木根の状況
石垣解体後に現れた石垣
14
松江城石垣修理事例③
○腰曲輪水之手門跡周辺石垣(平成17年度解体修理)
丁張工、石垣復旧工
竣工状況
15
「石垣整備のてびき」の策定
○平成26年10月策定
「文化庁」
「全国城跡等石垣整備調査研究会」平成15年
「城跡等の石垣修理技術等の発展・継承のための検討会」平成18年
○策定の目的
①石垣の「構築技術」、「修理技術」を後世に保存継承する。
②石垣の「本質的価値」や「石垣整備の理念」を明確にして、
事業関係者間で共通認識を形成する。
○内 容
①石垣の本質的価値
②石垣整備の理念及び計画・設計の原則と方向性
③石垣の管理・・・現況把握(3次元レーザー測量)、石垣カルテの作成
④石垣の復旧(解体修理)
16
石垣の本質的価値
石垣の本質的価値
「歴史の証拠」
としての価値
「安定した構造体」
としての価値
本質的価値を評価する属性・指標
①形態・意匠
②技術・技能
④用途・機能-時代性-
③材料・材質-地域性-
⑤精神性
17
石垣整備の理念
①保存に関する理念
ア)石垣の本質的価値の保存
イ)石垣の保存に関する調査研究の充実
ウ)石垣保存の手法・技術の向上
-選定保存技術の確実な継承と保存-
②活用に関する理念
ア)石垣の本質的価値を学び理解する場の提供
イ)まちづくりや地域のアイディンティティとして位置づけ
ウ)管理・復旧・公開・活用に関する調査研究の充実
18
石垣総合調査①
○平成24~28年度実施中
・3次元レーザー測量・・・現況を記録し、不測の事態に備える
・石垣カルテ作成・・・現況を把握し、危険度判定の基礎資料とする
・石垣修理の年次計画を検討
○進捗状況
平成24~27年度までに115面/299面完了(38%)
面積では7,640㎡/18,026㎡完了(42%)
年 度
3Dレーザー測量
カルテ作成面数
平成24年度
2,364㎡
33面
平成25年度
2,809㎡
53面
平成26年度
2,467㎡
29面
平成27年度
10,386㎡
0
平成28年度
0
184面
18,026㎡
299面
19
石垣総合調査②
①3次元レーザー測量
立面図(本丸東側石垣)
平面図(本丸東側石垣)
20
石垣総合調査③
②石垣カルテの作成
石垣番号
石垣部位
B14
地区
本丸東
(多門)
方位
岩盤・地山・盛土
地盤
胴木・不明
20.7 m
右
中央
9.5 m
9.4 m
右隅角写真
左隅
右隅
平石部特記事項
9.7 m
198.2 ㎡
立面積
隅
角
部
左隅角写真
高さ
左
基部
20.5 m
東
平坦面
斜面( 0 度)
立地面
延長
天端
隅角部特記事項
本丸
立面形状
平面形状
勾配
石材構成
反り
石材配置
石材加工
左 出角・入角・鎬角
115 度
無・有(天端から 0.0m)
角石・角脇石・角尻石
野面・割石・加工
右 出角・入角・鎬角
116 度
無・有(天端から 0.9m)
角石・角脇石・角尻石
野面・割石・加工
痕跡(刻印・転用石・建物跡等)
石材寸法
石材形状
石材寸法
石材形状
・本丸武具櫓下石垣(B12-13)の
石垣構造調査での解体に伴っ
て、左半部を解体したようであ
る。H15,史跡松江城石垣修理報
告書より
石質(岩石種・特徴他)
安山岩,玄武岩
平
石
部
平面形状
立面形状
勾配
反り
直・輪取り 116 度
解体時(史跡松江城石垣報告書)
石材構成
石材配置
石材加工
築石・詰石・立石
布積み・乱積み・谷積み
野面・割石・加工
気負い
無・有(天端から 0.6m)
有・無
痕跡(刻印・転用石・建物跡等)
石質(岩石種・特徴他)
隅
角
部
天端
平
石
部
天端
孕み
緩み
基部
石材破損
脱落
崩れ
樹木
その他
変位観測
無 ・ 有
危険性
観測年・状況
崩落の危険性
a1
利用上の危険性
b1
危険度
A
右:有
有
中部
有
有
基部
有
有
積み直し境目
(左側修理)
有 ・ 無
右:有
中部
・右下の角石が孕んでおり、右側平石部の間詰石の抜けが見られる。
土圧や裏込め内の土砂の浸入による過度な水圧などにより右側の石垣が変形したと考えられる。
目地通り
安山岩,玄武岩
破損・変形内容
破損・変形要因・その他特記事項
有
備考
関連資料 H19 史跡松江城石垣修理報告書
孕み・間詰め石抜け
発掘調査 H15,史跡松江城石垣修理報告書p79~
図面・写真その他
上部構造物
改修時期 H15,16 左一部
築造時期 1607-1611
分類
江戸初期築城期
編年
江戸初期築城期
立面図
調査年月日
2013.02.26-27
調査者
21
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