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低温やけど防止に関する床暖房の安全性

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低温やけど防止に関する床暖房の安全性
- 7-
鍋 島 他 :低温や け ど床暖房
6
巻
大阪市 立大学生活科学部紀要 ・第4
(
1
9
9
8
)
低温やけ ど防止 に関する床暖房の安全性
その 2 接触部位皮膚温の経時変化
鍋 島美奈子 ・永村 一雄 ・新平鎮博
Pr
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1
9
4
7
年 の Mo
r
i
t
z3 らの実験 で は、接触 温 度4
4
℃、接 触
は じめに
現 在 、 施工 後 の床 暖房 の安 全性 に関 して は、BL (
ベ
時 間6
時 間でや け どが生 じる こ とを確認 してい る。 また、
ター リ ビ ング :優 良住 宅 部 品認 定 制 度 ) で 規 定 され た
/
「床面接 触 温 度 の上昇特性 に関す る試験 」 が な されてい
1
9
9
1
年 のS
uz
u
ki
′
l
らの実験 で は、接 触温 度4
1
℃、接 触 時
で は 、 BL方 式 の 革験 体
まえて、表 1に示す 実験 ス ケ ジュー ル を作 成 し、実 行 し
るが 、 筆 者 らの既 往 の研 究
間5時 間で や け どが生 じて い る。 これ らの研 究結 果 をふ
l・2
た。
(
図1
参照 )下の床面接触温度 (
以下 、閉塞温 とす る)は、
実際の 人体下床面 の接触温 度 (
以下 、接 触 温 とす る) よ
実験 はJ 大阪 ガスの環境 試験 室 内 に設置 された実験 用
り平均 で8
-9℃高 くなる こ とが わか った。 BL試験 体 の
構 成材 は断熱材 とな り、 人体 にお け る血流効 果 を考慮す
(
2階 建 て モ デ ル の 1階 部 分 の み 、 熱 負 荷
7
.
3
kc
a
l
/m2
h℃)にて、 1
9
9
7
年1
0月6日か ら4
週 間の 日程
る こ とが で きないためであ る 。 したが って、 低温や け ど
でお こなわれた.室 内 は耐 熱 防音 フロー リング (
熟伝尋
防止 を 目的 と した安 全 基準 と して 、現 行 の BL試験 値 を
抵抗
その まま適用す る こ とはで きず 、人体 の応 答特性 を反映
図3に床 断面 を示す。
の戸建 住 宅
0
.
1
5ni
2
℃/W ) 仕上 げであ る. 図2に実験 室 平面 、
した新 た な基準 が求め られて い る。
本報 で は、低 温 や け ど発生 の 目安 となる接 触部位 の皮
膚温 デー タを収 集す るため にお こなった被験 者実験 の結
果 と、 FEMに よる数値解析 につ いて報告す る。
均等荷重 2
0kg
I
3
87
。
l
図 2 室内平面図 (Xは熱電対による計測点)
0 0
パ イプ 間
パ イプ上
図 1 BL試 験方 法
実験条件
今 回の実験 は、接触 時 間 と皮膚温 、 あ るい は着衣 の影
響 を調べ る こ とが大 きな 目的 であ るが、 被験 者 の安全 を
最優先 に し、実際 に低温や け どが発生 しない よ う注意 を
7
4.
7Illlll
図 3 床断面図 (
× は熱電対による計測点)
払 った。
(1)
- 8-
生 活 環 境 学 科
表 1 実験スケジュール
3:
0
0-1
6:
0
0
1
0
/
71
4:
0
0-1
7:
0
0
1
0
/
81
3:
0
0-1
6:
0
0
1
0
/1
31
0:
0
0-1
6:
0
0
1
0
/1
41
3:
0
0-1
6:
0
0
1
0
/1
51
l
:
4
5-1
7:
4
5
1
0
/1
6l
l
:
0
0-1
3
・
:
0
0
1
0
/
2
0l
5:
0
0-1
7:
0
0
1
0
/
2
01
接触
時間
姿勢
臥 .臥 臥 臥 位 臥 位 臥
仰 仰 仰 仰 庭 仰 座 仰
実験
時間
時間
3
3
時間
3
時間
6
時間
3
時間
・
6
時間
2
時間
2
時間
温水入
温度℃
床表面
温度℃
外気 服装
湿 度℃
3
2
3
3
7
3
3
3
0
3
0
3
2
3
2
3
2
7
2
7
5
6
5
6
5
6
5
7
5
6
0
6
0
1
.
6
2
.
6
1
0
5
5
5
1
0
1
0
上下 :冬物 トレーナー
上下 :冬物 トレーナー
上下 :冬物 トレーナー
上下 :冬物 トレーナー
上下 :冬物 トレーナー
上下 :冬物 トレーナー
上下 :夏物パ ジャマ (
半称)
上 :長袖 カ ッターシ ャツ
下 :夏物パ ジャマ
6
0
3:
0
0-1
5:
0
0 2
1
0
/
2
11
時間
3
2
10
上 :裸
下 :夏物パ ジ ャマ
l
:
2
0-1
3:
2
0 2
1
0
/
2
2l
時間
座位
4:
3
5-1
6:
3
5 2
1
0
/
2
21
時間
仰臥
3
5
5 上 :長袖 カ ッ「
タ-シ ャツ
下 :夏物パ ジャマ
5 上 :長袖 カ ッターシ ャツ
下 :夏物パ ジャマ
4:
0
0-1
6:
0
0 2
1
0
/
2
31
時間
5 上 :裸
仰臥
仰臥
仰臥
名 と大阪 ガスの男性 社員2
被験 者 は健康 な男子大学生2
下 :夏物パ ジャマ
2
33
2
33
仰臥
08
68
0
8
1
4:
0
8-1
6:
0
8 2
時間
1
3:
3
0-1
4:
4
51
時間1
5
分
1
5:
1
3-1
6:
1
3 1
時間
5 上下 :夏物パ ジ ャマ
5 上下 :冬物 トレーナー
5 上下 :冬物 トレーナー
水温 度は計測 してい ないので、人 口 と出口の平均温 度 と
名であ り、仰臥 、 また は床座姿勢 で 1
-6
時 間の接触実験
した。入温水 6
0、7
5、8
0
℃の・
ときの 床 表面温 度 は、
3
2
.
3、
0-8
6
℃、
をお こなった。温水温度 はパ ネル入 り口付 近で6
3
3
.
2、
3
3
.
9
℃とな り、その差 は温水温 度 の差 ほ ど明確 では
0
-3
5
℃、室 内空気温度 は特 に制御 しな
非接触床表面 は3
ない。断熱材 下の熱電対 は外気 に さらされてい るため外
0-2
4℃程 度であ った。 T種
か ったが 、2
0
℃の時 は外気 1
0
℃設
気温 の影響 を受 けている。入温水6
(
cc)熱 電対
℃
、3
に示す床 表面、断面のほ
を用 いた温度の計測 は、図2
定、7
5、8
0
℃の ときは外気5 設定であ る。
か、人体皮膚温 、室内壁面温度 、室 内空気温度、外気温
床下 (
mm)
0
点 であ る。 また、被験 者 は床綾触温感、床温快
度 な ど9
不快 感 、全 身温冷感 につ いて、表2に示 す スケー ルを用
5
分 お きに申告 をお こなった。
いて1
表 2 中台 スケール
<床接触温感 >
o どち らで もない
1 や や温 か い
2 温かい
3 や や熱 い
4熱い
5 非常 に熱 い
<床温快不快感 >
3非常 に不快
⊥
2不快
1 やや不快
o どち らで もない
1やや快適
2 快適
<全身温冷摩>
4寒 い
_
3 や や寒い
_
2 涼 しい
・
1やや涼 しい
o どち らで もない
・
1 やや暖 かい
1
0
2
0
3
0
4
0
5
0
6
0
7
0
8
0
-90
■
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,
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温水 パ ネル
l
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I
-
甲熟可
.
.
.
床下∴
クイ
1
.
..
.
‥.
.
‥.
.
一一
十
人温水
0
℃
7
5
℃設定
設定
人温水 6
ー
入温水 8
0℃設 定
1
01
52
02
53
03
54
04
55
05
56
06
57
07
58
0
温 度o
c
図 4 断面温度分布
測定結果
1.
温水温度 と床表面温
2
.閉塞温 と接触温
温水 パ ネル入 り口の温度設定がそれぞれ6
0、7
5
、8
0
℃
高温水温 度、長時 間接触 であった1
0月1
6日の主要項 目
の時 の床 断面温 度分布 を図4に示す。温 水 パ ネル内の温
の温 度変化 を図5に示す。前 回の実験 結 果 と同様 、 閉塞
(2)
- 9-
鍋島 他 :低温やけど床暖房
BL試験体下の床面温度) は、接触温 ■
(
人体下の床
温 (
■
噛鳴巷 #世
3
2
4
面温度) より1
0℃以上 も高 くなってお り、乗離は明白で
ある。
1
997年 1
0月1
6日 被験者AB 75
℃ 仰臥姿勢 6
時間
9
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1
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1
9
9
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6被 験者8、人温水7
5
℃
6
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7.
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4
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▲
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▲ .≒ささ
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■ …享二
嘩娼 塞 蝉 世
4
3
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・.量内濃度 .---.-一一.-.
5
--二
2
0
図6 (
冬用パジャマ上下).
着用時の皮膚温変化
‥二
√
.-- ,㌔ 虻 血.
(
路 側).-- - .二
-
r
、√
I
3
0
∴ ;
-
よ ∴
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::背
図 5 人温水温度7
5℃設定 日の経時変化
-ー-'ー‥
千
海 商
緬
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虫碍感 ;i:;;_
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部 簡
--日 展受立 RtE 一
着 担 - - 誓 書R
由膚7
富
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J
▲
l
J
-
0
5
3.接触温、皮膚温 と床接触温感
-
- - --
-
-
れ寸︰寸 t
OM︰
寸t
m t:
寸t
図7 (
冬用パジャマ上下)着用時の皮膚温変化
ほぼ定常 に達 し、その後 は徐 々に上昇 しなが ら約2時間
。
一一一床 表 面 温
1
9
9
7
/1
0
/
3
0被験者 C入温水86℃
は比較的安定 している。背部皮膚温は実験 開始後3
0分で
半で40℃に達 している
--
00︰
寸t
る。姿勢の影響 を受けやすい腎部に比べ、背部の皮膚温
ー-
t
定で6時間接触 をお こなった被験者Bの皮膚温変化であ
-
れ寸︰
M
E
:
M
l
O
図6は図5の一部を拡大 した ものであ り、入温水7
5℃設
-
しか し、それ以降は3
9-4
0℃の
▲
I
.;;;;守
腎部下で計測 しだ床面の接触温 は前半45-43℃ で絶移
壬……
王 一画 繭 由
美
章…;…II
=∵
■
-
差は最大5℃程 度である。被験者 は厚手の冬用パ ジャマ
猛‥
▲‥- -JT,
1- ≡
:二二
背 部環鮮卑準 ;
;::
_
;;
:
を着用 していたので、発汗 ・蒸発の影響 も考 え られる。
30
背部は前半が 「
3:
やや熱い」、後半が 「
2:
温かい」 となっ
::二:: : ∴
:
ト
赦三立
…R
三
d
二
±
虚.
t
,
E
_
3
二::
れ寸︰寸 t
寸t
mT:寸 一
00︰
寸l
l
背部皮膚温が実験開始2
0分経過後か ら40℃を越 え、その
れ寸 ︰M
M
O︰
Mt
図7は入温水86℃設定時の被験者Cの経時変化であ り、
OM︰
25
ている。
「こ
書
三…三:.
:
.
J
≡
E
三
::::::::
:
:
:
:
二
:::::
三:十
;〆
接触温感について も、腎部 より背部の方が安定 してお り、
簡娼超せ 世
4 3
2
∴
し、後半は43-41
℃に下がっている。接触温 と皮膚温の・
嘩甲-
5
間で微妙 に変化 し、
4
0℃を大 きく越 えることはなかった。
後40-41℃で推移 した。接触温 は1時間経過後に53℃ に
1
9
9
7
/1
0
/
3
0被 験者 C入温水86℃
適 してお り、皮膚温 と接触温 は最大1
2℃程度の差があっ
図8 (
上半身裸+夏用パ ジャマ下)着用時の皮膚温変化
た。腎部皮膚温が4
0℃ を超 えることはなかったが、背部
接触温 感 は30分経過後 に 「
5:
非常 に熱 い」、1時 間後 に
「
6:
耐 えられないほ ど熱い」 を記録 し、1時間1
5分で実験
を中断 した。
4.
床接触温感 と席 温快不快感
図8は、上半身裸で夏用のパ ジャマズボ ンを着用 した
9は背部 とl
背部の床接触温感 と床温 に対す る快不快
図・
時の被験者Bの皮膚温変化である。図6、7に比べて、皮
感の関係 を示 してい る。背部 に関 しては、接触 温感が
膚温 と接触温 の差が小 さいこ とがわか る。実験 開始1時
「
2:
温かい」 の とき快適側 の 申告が多 く、「
3:
やや熱 い」
間半後 には、接触温が40-41℃、背部の皮膚温 は39-
では不快側の申告が多 くなる。一方、腎部では接触埠感
4
0℃ となっている。
が 「
3
:
やや熱 い」で も快適側 の申告が多 く、「
4
:
熱い上に
(3)
生 活 環 境 学 科
- 1
0-
表 4 解析環境条件
なる と不快 側の 申告が 多 くなる。 この こ とか ら、仰臥時
身体深 部温 度 (
℃)
室 内空気 熱 伝 達率 (
W/m2K)
血 液流 量 (
W=0.
25
Wm)
(
m3/ m3.
S
)
皮 膚 .脂 肪代 謝産熱 量 (
W/m3)
室 内空気温 度 (
℃)
の床温 に対す る快不快 感 は背部 の床接触 温感の影響が大
きい と考 え られ る。
r
1
0
皆蕃t
J=
雀鯛 世
4
3ー
6
3
5■1
2
3
・
3
温水 パ ネル直上温 度
(
℃)
温 水 パ ネ ル と合板 の境 界温度 (
℃)
37.
0
9.
3
0.
07
7
60.
0
★実測値★
★実測値★
★実測値★
二
.
.
F
.如
24
.16 L6
ー1
0
1
2
3
4
5
6
7
床接触温感(
背部)
4
3
1
0 .
′
■
ヽ
2
8
1
30
1
0
杵
雀
墳登
4 22
1
鯛也
6
5
2
5
1
2
3
1
0
-1
0
1
2
3
30
3
5
4
0
45
5
0
5
5
6
0
6
5
1
7
4
温度℃
1
0
5
ー
3
5
6
図1
0 人温水 6
0℃設定 (
1
0/21)の計算値
7
床接触温感(
腎部)
図 9 床接触温感 と床温快不快 感
数値解析
人体接 触部 位 の温 度 を推 定すべ くFEMに よる数値解
0月21、23日の仰 臥実験 を再現 す る.
析 5をお こない 、 1
解析 に用いた各種 の熟物性値 を表3に、境 界条件 を表4に
示す。 入力 デー タであ る温水パ ネル直上温 度 は、床面 に
2
5
何 も置 いてい ない箇所 と被験者 のい る箇所 の平均値 を用
3
0
3
5
4
0
45
′
5
0
5
5
6
0
65
温度℃
いた。 なお.
、 この推定 モデ ルで は人体 を裸体 と考 え、不
感蒸散 、発汗 な どの熟移動 は考慮 してい ない。数値計算
図1
1 人温水 75℃設定 (
1
0/2
3)の計算値
の結果 を図1
0、 11に示す。床表面温度 につ いては、人温
まとめ
0℃ 、75℃ のいずれの場合 も計算値 は実測値 とほぼ一
水6
致 して いる
。
接触温の計算値 を実測値 と比較す る と、入
低温やけ ど防止 を 目的 とした床暖房接触温 度実験 をお
5℃ で は計算
温水 60℃ で はほぼ一致 しているが、人温水7
こない、人体 の接 触温 度 に対 す る温 水温 度、接触 時 間 、
値 の方 が約 2℃ 高 くなってい る。計算値 を背部皮 膚温 と
着衣量の影響 を検討 した。 その結果、背部皮膚温 は実験
0℃で約 1℃ 、入温水 75℃ で約3℃の
比較す る と、入温水6
開始 30分以 降 はほぼ定常状態 とな り、 その後 は1℃ くら
差が生 じてい る。
い一
の幅 で微 変動 して い る。 入温水 75℃、 6時 間接触 の場
合 では背部皮膚温が4
0℃ を大 き く超 えるこ とはなか った
表 3 材料 の熟物性値
材料
人体組 織
血液
合板
温水
熱 伝導率
比熱
密度
(
W/mK) (
W.
mi
n/kg.
K) Oi
g
/m.
1
)
0.
5
4
0.
5
8
0.
1
5
0.
5
8
2
0.
93
2
0.
93
21.
63
60.
00
5
0.
0
5
0.
0
5
0
0.
0
1
0
0
0.
0
が 、入温水 86℃ の場 合 には背 部皮膚温 が 41℃ に達 した。
また、冬用 パ ジ ャマ着 用時 には皮膚温 と接 触 温 の差が 5
-1
2℃ となったが、上半身裸 で夏用パ ジャマズボ ン着 用
時 にはその差 が 1℃程度 になる。数値解析 で は、人温 水
7
5℃ の場合 の接触温 に関 す る予測誤差が大 き くな りモ デ
ル改良の余地 はあるが、概 ね良好 な結果 を得 た。
(4)
鍋 島 他 :低温や け ど床暖房
謝辞
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の事 例 、 日本生 理 人類学会 誌 、Vo
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本研 究 は東 京 ガス ・大 阪 ガ ス ・東邦 ガス3
社 か らの委
託研 究 の一部 であ り、実験 をお こな うにあた っては、大
2
阪 ガス商 品 開発 部 の定 国民 に ご尽 力 い た だ い た。 また、
房の安全性 一接 触温 度調査 -、大阪市立大学生活科学 部
本実験 は野上 雅浩氏 (
住宅金融公庫 ) の卒業研 究 の一環
紀要、第4
5巻、 pp.
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で あ り、 FEM に よ る数 値 解 析 プ ロ グ ラ ム は鄭 華 美 氏
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(トーゼ ン産業 株 式 会社 ) に負 う ところが大 きい。 ここ
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に記 して謝意 を表 します。
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本研 究 は、 平成 1
0年 度文部 省科学研 究 費補 助 金一般研
究
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B)「接 触 温 を考慮 した床 暖 房 設 計 基準 の提 案 と竣
●
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工検査用模擬 足 の開発 」(
代表 永村 一雄) の援助 を受 け
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た。 ここに記 して感謝 します。
参考文献
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鍋 島美 奈子 、永村 一雄 :低温 や け ど防止 に関す る床暖
5
・
と安全性 の評価 一耐熱 防音 フ ロー リ ング仕様 の集合住宅
鄭 華 美 、永柑 一雄 、深 井一夫 、 中根 芳 一 :血液 循環
を考慮 した局所加熱時の生 体 内部温 度の推 定、 日本生理
鍋 島美 奈子 、永村一雄、深 井一夫 :床暖房 の接触温 度
人類学 会誌 、Vo
l
.
2、No
.
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7-5
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