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No.215 (2006.7)

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No.215 (2006.7)
ノオン:エン多ク
平成18年7月号NO.215
[魅力を増す住宅地] 写真:グリーンタウン高尾第1・2期(1985年財団事業)
高尾の自然を生かしたまちづくり、集まって住むことのメリットを最大限に生かせるまちづくり等を
コンセプトにしたタウンハウス。
区画内道路・公園・緑地・テニスコート・集会場・緑道を174戸が共有しており、住民が管理(管理組
合にて)している。まちなみ設計として12種類の仕掛けがなされ、ユーザーに高く評価され完売した。
例えば、4メートル道路はレンガ敷きとし、アクセントとして中央目地溝を採用。6メートル道路に
は通過交通の安全を図るため、
道路の幅を狭くする狭窄マス
(レンガ積みの植木マス)を設
置。さらに道路とカーポート
の一体化、公空間と私空間の
謝中間に司るデザイン性にすぐ
れた集合門柱の採用など。
写真は、事業当時(下)と
本年7月のもの(上)、宅地の
生垣も勇定され、道路に張出
した植栽帯もきちんと維持さ
れている。
⇔
トピックス
・2006北スペイン住宅地まちなみ調査
視察団に参加して
・住まいのまちなみコンクール表彰式
1
2006北スペイン住宅地まちなみ調査視察団に参加して
事業部部長来栖 豊
北スペイン、バルセロナを視察先として、
植えられており、建物は高さ、外壁、窓、バ
6月3日から12日号で10日間の日程で総勢15
ルコニー、シャッター、屋根材(スペイン瓦、
名にてロンドンヒースロー空港経由でビルバ
赤)等みごとに統一感があった。古い建物は
オに入る。現地コーディネーターのスペイン
ロマネスク様式の影響で石造りが多くみられ
カタルーニャ工科大学バルセロナ建築学校へ
た。
留学中の東京大学工学部都市工学科博士課程
の阿部大輔氏とビルバオ空港にて合流する。
ビルバオ∼アルタミラ∼ア・コル一蹴ャと北
スペインの中小都市を中心にハンプローナ、
ア・コルーニャの住宅地開発を視察する。
3.サンティアゴ・デ・コンポステーラー
ポルトガルとの国境に近い都市で世界遺産、
大聖堂カテドラル、キリスト教3大聖地であ
っ 譲
麟
熱︸ 尊
麩羅
義塾
懸
1.サリグレン・エコシティ視察
り、ダンテ曰く「真の巡礼者とは聖地サンティ
アゴを目指す者のことである。」キリストの
十二使徒の一人「聖ヤコブの墓」(9世紀初
ナバーラ住宅公社が開発しているスペイ
あに発見される)を800k皿を1ケ月かげてホ
ン最大のエコシティ。第1期住宅整備では
タテ貝をぶらさげて“自己浄化の道”を歩く
5,217戸が供給され、そのうち98.12%をアフォー
との事。
ダブル住宅が占める。スペインの典型的な低
層住宅が主体で平均床面積90㎡、ガレージ及
4.バルセロナ
び物置付きで価格は11万ユーロ(日本円約1,
6月9日(金)朝早く3時30分に起床、サ
500万円)。全体開発として、歩行者専用道路、
ンティアゴ・デ・コンポステーラー空港をイ
自転車道の整備、住宅ブロックの街並みは2
ベリア航空でバルセロナへ入る。現地コーディ
∼3階∼5階建で街区を囲み中庭が共有空間
ネーター伊東:豊雄建築設計事務所バルセロナ
になっており、緑地が多く整備されていた。
事務所勤務の三好隆之氏と合流する。(阿部
氏も同行)スペインの住宅、都市居住、都市
2.インモコルーニャ社訪問
2
再生等のレクチャー及び勉強会、市街地や街
スペイン北西部を代表する不動産開発業者
並みを視察する。バルセロナは10世紀以降、
を訪問し、住宅供給のトレンドなどをインタ
地中海貿易で栄え、画家のピカソ、ミロ、ダ
ビューした後、同社の手掛けた住宅地を数多
リや建築家ガウディらをも輩出したスペイン
く視察した。スペイン北部はまさにグリーン
独自の文化圏である。現在はスペイン第2の
スペインと呼ぶにふさわしい地域で街全体に
大都市人口300万人以上で、港湾、商業都市
緑が多く、プラタナス、ユーカリの木が多く
として繁栄、碁盤の目のように整備された市
街地、ゴシック地区、ランプラス通り、グラ
今後の街並み住まいづくりを担当する上で大
シア通りと街並みが広がっている。
いに役立ちました。
1992年のオリンピック開催を契機に大掛か
りな都市の再開発が進あられた。特にウォー
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あヨト
○
ターフロント周辺、ビーチは素晴らしい。建
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物は近代的で統一感がある。住宅は億ション
でヨーロッパ、アメリカの資本家などが別荘・
セカンドハウスとして購入する。
バルセロナの街全体は天才ガウディの個性
的な建築物を象徴として展開されている。聖
家族教会サグラダファミリァがシンボルになっ
ており、1883年に工事着手124年が経過して
難欝欝欝欝灘藝耀蕪雑灘騰議難欝欝
いるが、これから100年くらいかけて170m18
本の塔を完成させるとの事。気の遠くなる息
6月度事業運営委員会開催
の長い計画である。ガウディの作品として他
6月8日に定例の事業運営委員会が開催さ
にもグエル公園、カサミラ等も素晴らしい。
れた。冒頭、財団より新任伊藤部長の紹介と
挨拶があった。事業報告として、個別プロジェ
5.密集市街地の再開発について(私見)
クトの進捗状況の概要報告、新規プロジェク
古いものを残しながら(外壁等)新しく使
トとして2事業の説明、住宅展示場運営の状
いやすい建物に変えていく。パティオ中庭方
況、都市機構プラン協力事業の報告、および
式で公園の周りに建物が配置されて建ってい
平成18年度まちなみ見学会の件として10/4
る。都市居住として住宅の外側の空間を考え
(水)∼5(木)で静岡県千福ニュータウン
ている。400mの3分割133mの正方形の街区
の見学を予定していることの案内があった。
を形成した街並みが美しくできている。人が
第2部には、(独)建築研究所 研究員樋
集まりコミュニケーションが生まれている。
野公宏氏を講師としてお招きし「住宅地の防
建物は1階に店舗、バル(立ち飲み居酒屋)、
犯の考え方」一安全・安心まちづくりと題し
レストラン(イベリコ豚の生ハムは絶品口いっ
て、パワーポイントを使用して、いろいろな
ぱいに上品な脂と深い味わい、スパークリン
事例を元に”Safer Places”の7原則の説明
グワイン“カバ”との相性は抜群)、2階に
していただいた。
は事務所等、3階以上は住居になっており、
機能が平面的でなく立体的である。最後に今
新任
回視察を通じて「百聞は一見にしかず」でし
7月1日付けで企画部部長として伊藤哲司
た。財団の街並みコーディネーターとして、
氏が三井ホーム株式会社より着任された。
3
財鰯のうご導
住まいのまちなみコンクール
随 想
・国土交通大臣表彰式
企画部部長 伊藤 哲司
6月23日(金)、第24回まちづくり月間中央行
事において国土交通大臣表彰式が日本都市セン
ター会館コスモスホールにて行われた。
第1回住まいのまちなみコンクール国土交通
大臣賞受賞のコモンシティ星田HUL−1地区建
築協定運営委員会・同街並み保全委員会へ北側
国土交通大臣より表彰状が授与された。
この7月に財団に着任し、住宅生産振興財団
が出版した一連の書籍二等を読ませていただき
ました。そのなかで、最:初に私の目に留まった
のは、欧州・住宅・まちなみ最新事情(平成17
年6月26日∼7月5日)「ヨーロッパの環境共
生への最新の取組み」に掲載されていた「イギ
リスの不動産制度」でした。斉藤先生が英国の
不動産に関する権利体系、フリーホールド・リー
スホールドについて大変分かりやすく解説され
ており、完全所有権制度が一般化している日本
で生活してきたものにとって、大変趣味深いも
のでした。
これを読ませていただき、30年ほど前に訪米 ()
した時のことを思い出しました。米国で最初に
驚いたことは、「タイトルインシュアランス」
と「フィルターレイション」という言葉でした。
「タイトルインシュアランス」とは、土地の売
・受賞団体 表彰式・交流会
買にあたり、その土地が自分の所有物であるこ
国土交通大臣表彰式終了後、同会館内にて、
とを保険会社に保証してもらう制度で、米国の
第1回住まいのまちなみコンクールの住まいの
まちなみ賞受賞者の表彰式(当財団主催)が行
多民族国家とその開拓史があらわれているよう
われた。
とは、ある地域が高級住宅地から中級住宅地、
来賓の国土交通省住宅難市街地建築課井上課
スラム・ゲトウに変遷していくことであり、一
長のご挨拶の後、住まいのまちなみ賞受賞4団
体へ当財団石川専務理事より表彰状が授与され
生に何度も住居を移り変わる民族性があらわれ
た。
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表彰式の後、受賞5団体による交流会を藤本
審査委員長とコーディネーターの大月先生によ
り交流会が行われた。交流会の内容は、9月発
行の『家とまちなみ54号』に掲載する予定。
な気がします。また、「フィルターレイション」
ていると思います。所かわれば、品変わるでは
とのできない生活の基本的な基盤であり、かっ
土地と人間の関係の体現者であり、歴史的な所
産物であるともいわれております。
土地の価値は、その上に載る建築物によって
決定されます。地:域に;適合した建築物等を建設
すればその価値は増加し、逆になれば減少もし
ます。われわれは、地域に適合し、安全でかっ
快適性を享受できる建築物を建て、その維持管
理に努めなければなりません。
この度、安全で美しいまちなみづくりに参加
できる機会を得たことに大変感謝しています。
本誌は再生紙を使用しております。
ボンエルフ第215号
発行日 平成18年7月20日
編集発行人:石川 哲久
4
発行所籔住宅生産振興財団
〒105−0001菓京都港区虎ノ門1丁目21番19号秀和第二虎ノ門ヒル7階 TEL O3−3580−8811㈹FAX O3−3580−9422
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