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孵化放流の事業
資料番号:93-38 海がめ保護の歴史 海 が め 保 護 と 増 殖 に 関 す る わ が 国 の 研 究 は 100 年 の 歴 史 が あ る 。 その事例を次に紹介する。 先ず、東京都が公表した資料に基づいて調べてみると 1. 捕 獲 制 限 東 京 都 は ア オ ウ ミ カ メ の 捕 獲 量 が 激 減 し た こ と を 踏 ま え て 、 明 治 31 年 3 月 22 日 付 を も っ て 小 笠 原 沿 海 の ア オ ウ ミ カ メ の 捕 獲 を 制 限 す る 規 則 1を 制 定 し て い る。 その要点は次 3 点であった。 第1条 免許制にし、資格者に限定する。 第4条 産卵期は禁猟とし、資源の保護を図る。 第4条2項 卵および若い亀の捕獲を禁止する。 東 京 都 は 漁 獲 量 が 減 少 し た た め 、重 ね て 、大 正 15 年 7 月 24 日 付 け で 、小 笠 原 島 の ア オ ウ ミ カ メ の 漁 業 取 締 規 則 2を 制 定 し て 制 度 の 徹 底 を 図 っ た 。 2. 増 殖 事 業 の 展 開 上 記 の 制 限 に も 拘 ら ず 、 明 治 39 年 以 降 著 し く 漁 獲 が 減 少 し た た め に 、 大 正 2 年 か ら 29 年 間 の 長 い 間 に 亘 り 、 人 工 孵 化 放 流 事 業 3 を 展 開 し 、 一 定 の 大 き さ ま で育ててから放流している。その数は延べ 3 万 9 千頭にも及んでいる。 実 に 年 間 1340 頭 余 り に 及 ぶ こ と に な る 。 何よりも感嘆と賞賛されることは長期間継続的に行われたことである。 3. ワ シ ン ト ン 条 約 野生動植物の国際取引の規制し捕獲を制限し絶滅のおそれのある野生動植物の 保 護 を は か る こ と を 目 的 で 1973 年 に 制 定 さ れ 、タ イ マ イ は す で に 絶 滅 す る 危 険 性がある生き物にランク付けされ商業目的の輸出入は禁止された。 我 が 国 は 1980 年 11 月 4 日 に 条 約 を 批 准 し 、締 約 国 と な っ た が 、タ イ マ イ に つ い て は べ っ 甲 事 業 者 に 配 慮 し て 留 保 (除 外 )し 、1992 年 ま で 数 量 を 規 制 し な が ら 輸 入 を 続 け た が 、 1994 年 7 月 で タ イ マ イ 留 保 を 撤 回 し た 。 1 2 3 東 京 府 令 第 18 号 東 京 府 令 第 88 号 ア オ ウ ミ ガ メ の 増 殖 技 術 の 改 良 に 関 す る 研 究 、 東 京 都 水 産 試 験 場 、 昭 和 55 年 3 月 -1- 資料番号:93-38 4. 野 生 動 植 物 の 種 の 保 存 に 関 す る 国 内 法 の 制 定 わが国はワシントン条約の全面的な履行に伴い「 、絶滅のおそれのある野生動植 物 の 種 の 保 存 に 関 す る 法 律 」 を 1992 年 (平 成 4 年 )に 制 定 し た 。 5. ウ ミ ガ メ 保 護 条 例 鹿 児 島 県 で は 1988 年 (昭 和 63 年 )に ウ ミ ガ メ 保 護 条 例 を 制 定 し て い る。その要点は次の通りである。 ウミガメが豊かな自然環境を構成する貴重な野生生物であり,県民 等 が 一 体 と な っ て ,そ の 保 護 を 図 り 県 民 共 有 の 資 産 と し て 継 承 す る 。 何人も,県内の海岸に上陸しているウミガメの捕獲をし,又海岸に 産 卵 さ れ た ウ ミ ガ メ の 卵 を 採 取 し て は な ら な い 。 (略 ) 6. タ イ マ イ の 資 源 調 査 4 1973 年 に フ ィ リ ピ ン 、マ レ ー シ ヤ 、な ど の タ イ マ イ の 資 源 調 査 を 行 い 、タ イ マ イ資源は豊富である。現在の漁法と集荷法を続ける限り心配はないと報告して いる。 1979∼ 80 年 に イ ン ト ネ シ ア ・ マ レ ー シ ア 地 域 の タ イ マ イ 資 源 調 査 を 行 い 次 の ように報告している イントネシア中心に乱獲が目立ち、小型化している。 長期的展望にたった諸策が必要である。 養殖事業は慎重であるべきこと。 7. 産 地 ・ 中 小 企 業 振 興 ビ ジ ョ ン 5 1981 年 1 月 に べ っ 甲 製 品 製 造 業 を 対 象 に し て 産 地 ・ 中 小 企 業 振 興 ビ ジ ョ ン が 策定された。 こ の ビ ジ ョ ン は 海 が め (玳 瑁 )の 保 護 も 然 る こ と な が ら 、 べ っ 甲 製 品 事 業 者 の 振興に関わるものである。 このビジョンにはべっ甲業界の実態調査、産地中小企業対策臨時措置法の指定 に基いて、振興策の取り纏めが行われた。 べっ甲製品は長崎の代表的な観光土産品であるが、消費需要の低迷に加え、 世界的に野生動植物の保護の風潮が高まり、タイマイの輸入規制が行われ事業 4 5 長崎県 長崎県 「 産 地 ・ 中 小 企 業 振 興 ビ ジ ョ ン 」 昭 和 56 年 1 月 -2- 資料番号:93-38 環境が厳しくなっている。 8. 地 場 産 業 振 興 新 ビ ジ ョ ン ー県南・県央地域―6 1991 年 (平 成 3 年 )に は 地 場 産 業 振 興 新 ビ ジ ョ ン ー の 一 つ と し て べ っ 甲 製 品 製 造 業が取り上げられて、当時の現況分析と以後の進むべき基本的方向及び産地振 興のための具体的方策が立案された。 6 長崎県 -3-