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電子タグ・電子商取引の現状と課題

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電子タグ・電子商取引の現状と課題
METI 経済産業省
資料3-1
電子タグ・電子商取引の現状と課題
~「新電子タグ・電子商取引イニシアティブ」について~
平 成 1 9 年 1 月
経 済 産 業 省
商務情報政策局
METI 経済産業省
1.現状の分析
2.課題の整理
3.課題解決に向けた取組
1
1.現状の分析
METI 経済産業省
(1)我が国経済社会が直面する課題
○
○ 我が国経済が、「経済成長戦略大綱」で視野に入れている「年率2.2%以上
我が国経済が、「経済成長戦略大綱」で視野に入れている「年率2.2%以上
の実質経済成長」を実現するためには、製造業のみならず、GDPの7割を占め
の実質経済成長」を実現するためには、製造業のみならず、GDPの7割を占め
るサービス産業を含めて、特に効果が大きいツールである
ITを活用した抜本的
るサービス産業を含めて、特に効果が大きいツールであるITを活用した抜本的
な生産性の向上を強力に推進することが必要不可欠。
な生産性の向上を強力に推進することが必要不可欠。
○
地球温暖化対策、製品リサイクル、
○ 加えて、近年、多くの産業分野において、
加えて、近年、多くの産業分野において、地球温暖化対策、製品リサイクル、
化学物質管理等の環境問題や、製品安全の確保等の課題に、従来以上に取り
化学物質管理等の環境問題や、製品安全の確保等の課題に、従来以上に取り
組んでいくことが強く求められている。
組んでいくことが強く求められている。
2
1.現状の分析
METI 経済産業省
(2) 近年の技術革新に伴うIT利用環境の変化
◆ブロードバンド環境の普及と標準言語等の開発
<従来の取組>
ブロードバンド環境の普及に加えて、電子商取引(EDI)について、業界ごとの取引特性を
踏まえた開発普及が進められ、取引の迅速化や事務コストの削減、在庫等の圧縮を実現。
最近の動き
近年開発された標準的な言語(例えば、XML)等を活用すれば、従来型EDIでは行わ
れていなかった、業界を越えた情報共有や、取引情報以外の様々な情報を交換・共有する
ことが技術的には可能となってきている。
◆電子タグ関連規格の国際標準化及び低価格化技術の確立
<従来の取組>
電子タグについては、個社で利用する例や、実証実験を通じた活用方策の検討が進められ
つつあるものの、業種・業界横断的な活用には至っていないのが現状。
最近の動き
関連規格の国際標準が漸く策定され、電子タグの低価格化技術が確立されたところであり、
国際的な展開を含めた利用の拡大が技術的には可能となってきている。
◆部門を超えた情報共有システム開発の進展
<従来の取組>
企業における情報システムは、各部門ごとに会計・財務システム、流通管理システム、製造
プロセス管理システム等が開発されてきている。
最近の動き
部門ごとに開発されてきた情報システムが統合され、ビジネスプロセス全般を通じて部門を
越え情報を一元的に共有できる汎用的なソリューションが提供されるなど、質的な向上が進
展してきている。
大量の情報から最適な情報を選び出す検索解析技術の活用等を通じて、企業の内外から情
報を取得することが可能となってきている。
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2.課題の整理
~ 新しい社会システムとしての「新・情報経済社会基盤」の構築 ~
METI 経済産業省
○
○ 我が国経済社会が直面する課題を解決するために
我が国経済社会が直面する課題を解決するために
は、
は、従来の業種・業界の壁を越えた情報共有による取
従来の業種・業界の壁を越えた情報共有による取
組が必要。
組が必要。
○
取引関係を越えた取組により、生産性の向
○ その際、
その際、取引関係を越えた取組により、生産性の向
上に留まらず、幅広い社会的課題に対応していくこと
上に留まらず、幅広い社会的課題に対応していくこと
が必要。
が必要。
○
○ こうした取組を進める上で、近年のIT技術革新の成
こうした取組を進める上で、近年のIT技術革新の成
果は極めて有用であり、
果は極めて有用であり、各業界において、「新・情報経
各業界において、「新・情報経
済社会基盤」と言うべきデータ共有化システムを構築
済社会基盤」と言うべきデータ共有化システムを構築
することが急務
することが急務。。
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3.課題解決に向けた取組
~「新・情報経済社会基盤」の構築に向けた今後の取組~
METI 経済産業省
(1) 「新電子タグ・電子商取引イニシアティブ」の推進
◆
◆ 「新・情報経済社会基盤」の基本コンセプト
「新・情報経済社会基盤」の基本コンセプト (具体的イメージの例は別紙)
(具体的イメージの例は別紙)
①
① 情報共有のためのツールとして、電子タグやインターネットを用いた次世代型電
情報共有のためのツールとして、電子タグやインターネットを用いた次世代型電
子商取引(EDI)基盤等を活用しつつ、社内外のシステムを有機的に連携させる。
子商取引(EDI)基盤等を活用しつつ、社内外のシステムを有機的に連携させる。
②
② 個別企業ベースではなく、関連業界(取引関係を越え、関連サービス事業者やリ
個別企業ベースではなく、関連業界(取引関係を越え、関連サービス事業者やリ
サイクル事業者等を含む。)の一体的な取組を推進することにより、情報共有化の
サイクル事業者等を含む。)の一体的な取組を推進することにより、情報共有化の
メリットを幅広く共有できる仕組みとする。
メリットを幅広く共有できる仕組みとする。
「新電子タグ・電子商取引イニシアティブ」として、
こうした新たな基盤の構築を目指す取組を推進
これにより、リアルタイムで様々な個別情報(受発注情報のみならず、部品・素材情報、製
これにより、リアルタイムで様々な個別情報(受発注情報のみならず、部品・素材情報、製
造履歴情報、マーケティング情報、環境情報等)を複数の主体間で可視化・共有化し、多
造履歴情報、マーケティング情報、環境情報等)を複数の主体間で可視化・共有化し、多
くの関係者の参加による様々なメリットの享受や、ネットワークの外部効果や、全体最適
くの関係者の参加による様々なメリットの享受や、ネットワークの外部効果や、全体最適
化による幅広い分野での生産性向上、イノベーションの創出、環境対応の促進、消費者
化による幅広い分野での生産性向上、イノベーションの創出、環境対応の促進、消費者
の安全・安心の確保等を推進。
の安全・安心の確保等を推進。
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3.課題解決に向けた取組
~「新・情報経済社会基盤」の構築に向けた今後の取組~
METI 経済産業省
(2) 具体的取組
①産業界との意見交換等を通じた「新・情報経済社会基盤」の具体的なプロジェクト検討の促進
「新・情報経済社会基盤」の構築のためには、これまで企業内又は業界内で閉じられてい
るシステムをつなぎ合わせ、様々な情報の共有化に必要な業種横断的プラットフォームの
構築に関する関係業界内でのコンセンサス形成が必須。
基盤構築の必要性について当省から主要業界に問題提起を行い、意見交換を行うプロ
セスを展開。あわせて企業、業界を越えた電子タグ、電子商取引システムの利用のために
解決すべき課題を抽出、整理。
②業界を越えたシステム活用を可能とするツールの確立(標準化、技術開発、実証)
産業界との意見交換の結果も踏まえつつ、必要なツールを明確化し、確立に向けた業種横
断的取組(標準化、技術開発、実証)を促進・支援。
(現時点で想定されるもの:共通辞書・データベース構築、電子タグの書込項目等の標準化等)
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3.課題解決に向けた取組
~「新・情報経済社会基盤」の構築に向けた今後の取組~
METI 経済産業省
(2) 具体的取組
③企業間・業種間の連携のための「指針」づくり
企業間、業種間の連携のために共通化、明確化すべき事項についての「指針」策定による、
確保すべき事項、水準等の共通化、明確化
(現時点で想定されるもの:相互運用、互換性確保のために公開すべき技術仕様、情報セキュリティ、
個人情報保護)
④新たな推進体制づくり
業界を越えたシステム活用を可能とするツール確立のための業種横断的検討を促進するた
めの体制のあり方の検討
⑤中小企業の共同活用のための環境づくり
中小企業による電子タグ、電子商取引システムの円滑な活用を支援するための措置案の
あり方の検討
⑥普及活動の展開
電子タグ・電子商取引システムの先進的な活用事例の取りまとめ、公表、セミナーの全国
的な開催 等
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(別紙)電機・電子関連産業における「新・情報経済社会基盤」のイメージ
METI 経済産業省
¾ 企業・業界の壁を超えた情報共有により、環境問題、製品安全への的確な対応を実現するため、業種横断的なプラッ
トフォーム(データ共有システム)を構築。
¾ EDIや電子タグを活用して、部品・製品から解体までの情報の集約管理を行い、部品・素材情報(化学物質、リサイク
ル関連情報等)や製造履歴(製造年月日、製造ライン等)の共有、店頭での消費者への情報開示(化学物質、消費電力
等)や、あるいは在庫管理、タグを利用した一括レジ精算、保守・中古販売・解体業者に対する製品整備マニュアル情報
やリサイクル手順の情報提供を可能にする。
電子タグ
(箱など)
電子部品・素材製造者
電子タグ
電子タグ
組み立てメーカ
小売店
電子タグ
電子タグ
消費者
保守・中古販売・解体業者
保守情報
受発注情報
PRTR
DB
MSDS
DB
受発注
DB
在庫情報
原材料情報
社内ネットワーク
進捗情報
行程履歴
DB
EDI
出荷管理DB
製品DB
性能情報
化学物質情報
家電リサイクル
DB
顧客DB
在庫DB
トレーサビリティ
検査・保守DB
商品情報
EDI
保守情報
EDI
化学物質DB
家電リサイクル
DB
リサイクル情報
新・情報経済社会基盤(データ共有システム)
関連するこれまでの取組
・あるメーカでは、生産工場や販売店、再生・回収センター等をネットワークで接続し、機器部品の処分やリサイクル状況、有害物質処理情報等を集約した統合管理
データベースを構築し、製品のライフサイクル全体について、正確な情報管理を効率的に実施。
・電子タグの実証実験の中で、製造・販売業者のみならず保守業者までを対象とした情報共有に関する実験を行った事例あり。
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