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洞察(インサイト)をそなえた多くの命(生命):過去から現在に至る

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洞察(インサイト)をそなえた多くの命(生命):過去から現在に至る
仏 典 翻 訳 研 究 会 2015 年 度 第 1 回 研 究 談 話 会 /2014 年 沼 田 智 秀 仏 教 文
書籍優秀賞受賞記念 エリック・ブラウン博士学術講演会
『 The Many Lives of Insight: The Abhidhamma and Transformations
in Theravada Meditative Practice, Past to Present.
洞 察 ( イ ン サ イ ト ) を そ な え た 多 く の 命 ( 生 命 ) :過 去 か ら 現 在 に 至 る
アビダンマとテーラワーダ瞑想行の変容』
“The Many Lives of Insight: The Abhidhamma and
Transformations in Theravada Meditative Practice, Past to
講義名
Present.”
洞 察 ( イ ン サ イ ト ) を そ な え た 多 く の 命 ( 生 命 ) :過 去 か ら 現 在
に至るアビダンマとテーラワーダ瞑想行の変容
開催日時
場所
2015 年 6 月 5 日 ( 金 ) 15:00~ 16:30
龍谷大学
大宮学舎
清和館 3 階ホール
Dr. Erik C. Braun ( エ リ ッ ク ・ ブ ラ ウ ン 博 士 )
講師
Associate Professor, Oklahoma University ( オ ク ラ ホ マ 大 学
准教授)
司会
那須英勝先生(龍谷大学
文学部教授)
主催
龍谷大学
仏教文化研究所
共催
龍谷大学
世界仏教文化研究センター
後援
公益財団法人
仏教伝道協会
【講義のポイント】
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【講義の概要】
インサイト・メディテーションは、多くの人々の生に大変大きな
影響を与えるものである。この瞑想の形成あるいは再構成において
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非
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僧
く
礎
常 に 大 き な 影 響 力 を 持 っ た 人 物 が 、レ デ ィ・サ
、 パ オ ・ サ ヤ ド ゥ ( 1934-) で あ る 。 ミ ャ ン マ
は、上座部仏教の哲学的テキストであるアビ
結びつけていった。いわばアビダンマは、マ
となっているものである。
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ゥ( 1 8 6 4 - 1 9 2 3 )
身のこの二人の
マと瞑想をうま
ドフル革命の基
ア ビ ダ ン マ は 、こ の 世 界 を 4 つ の カ テ ゴ リ ー 、つ ま り 1 つ の 心( c i t t a )、
5 2 の 心 所( c e t a s i k a )、2 8 の 色( r ū p a )そ し て 1 つ の 涅 槃( n i b b ā n a )
に分ける。一般的には、このアビダンマは、少数のエリート僧のみに
とって重要なものとされてきた。しかし、レディのわかりやすい著作
のお陰で、「雨のように」、アビダンマは大衆に広まった。レディは
アビダンマと集団瞑想を結びつけていった。
これまでの誤りを次々と正していったレディによるアビダンマ解釈
に関する著作は、非常に過激な論争を生んだ。当時、ミャンマーは、
イギリスの植民地下にあり、人々は国と共に仏教も無くなるのではな
いかと心配していた。ミャンマーの仏教にとっての最前線 の砦である
アビダンマ解釈の誤りを指摘するレディは、反仏教者のようにも見ら
れた。しかし、レディによって、人々のアビダンマに対する関心が高
まったのも事実である。
レディは、アビダンマ研究に基づいた瞑想の方法を広めていった。
また、難解なアビダンマの核心を老若男女問わず、容易に分かるよう
にと、韻文詩を作成したりもした。レディは、その生涯においておび
ただしい数の著作を執筆し、学問と実践の関連について詳細に述べて
いった。また、彼は瞑想法を説明するためにもアビダンマ の概念や用
語 を 使 用 し た 。 具 体 的 に は 、 心 を 鎮 め る 精 神 集 中 ( samatha 止 ) を 飛
ば し て 、 い き な り イ ン サ イ ト ( vipassanā 観 ) へ と 向 か う 瞑 想 で あ る
( 古 典 的 に は 、シ ャ マ タ → ヴ ィ パ ッ サ ナ ー の 順 番 が 勧 め ら れ て い る )。
一方、パオによる瞑想へのアプローチは、深い集中すなわち禅定
( jhānas) を 修 養 す る こ と を 強 調 す る 点 に お い て 特 徴 的 で あ る 。 そ
れは、いわばレディの瞑想においては省略されるものである。
またパオの瞑想は、未来に注意を投影する点に特徴がある。多く
の僧が、未来のような非現実的なものは理解の範囲を超えていると
批判したが、今では彼の弟子たちによって、よりわかりやすく、受
け容れやすい形で解説されている。
【まとめ】
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Dr. Erik C. Braun ( エ リ ッ ク ・ ブ ラ ウ ン 博 士 )
【文責】
龍谷大学世界仏教文化研究センター
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