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大分県佐伯市における地域防災キャンプ / 都市計画サロンのご報告
●九州支部 大分県佐伯市における地域防災キャンプ / 都市計画サロンのご報告 1.大分県佐伯市における地域防災キャンプ 大分県は東海・東南海・南海地震,加えて日向灘地震によ る地震,津波の被害が懸念されている地域である。 内閣府より 8 月 29 日に公表された「南海トラフの巨大地 震に関する津波高、浸水域、被害想定の公表について」によ ると,大分県佐伯市では最大津波予想高さが 15m,最短の到 達時間は 18 分(1m の津波)と示されており,地域によって は改めて防災対策の見直し・検証が必要な状況となっている。 左:iPad を活用したまちの点検,右:消防による救命救急講習 キャンプ期間中は,大分県社会福祉協議会による避難所運 これに先立ち,大分県教育委員会は,文部科学省から地域 営,自衛隊や消防による講習や実演,大分大学によるワーク 防災キャンプ推進事業の委託を受け,大分県佐伯市鶴見地松 ショップなどが行われ,地域が一体となった防災まちづくり 浦地区を中心とした「地域防災キャンプ」を開催することと の重要性,災害時に必要な情報や事前にどのような準備が必 なった。本事業は全国 15 道府県で実施されており,九州では 要なのかを体験を通して広く学ぶことができた。課題として 佐賀県,熊本県,大分県が採択されている。 は,時間的な余裕があまりなかったこと,地域の積極的な関 本事業の趣旨は, 「東日本大震災を受け,各地で想定され 与が必要であることなどが挙げられた。特に,子ども達が主 ている災害や被災時の対応等の理解,学校等を避難所とした 体的に取り組める「自治活動」につながるメニューとコンテ 生活体験などを実践する防災キャンプを実施することにより, ンツの充実があげられる。今後は,学校と地域,そして家庭 防災の観点に立った青少年の体験活動を推進する。これによ が連携した持続的な活動が求められる。 り,子どもたちに自助・共助の精神を涵養するとともに,地 域全体で取り組み事を通し,地域全体の防災意識の高揚を図 2.平成 24 年度第2回都市計画サロンのご報告 り地域住民のつながりを深める。 」となっている。地域防災キ 日 時:平成 24 年 7 月 13 日(金)16:30~18:00 ャンプの開催概要は以下のとおりである。 演 題: 「景観デザインの理論と実践 -国内外に事例にみる今日的意義と課題-」 主 催 大分県教育委員会 実施主体 地域防災キャンプ実行委員会 (23 団体 27 名) 開催期日 2012 年 8 月 3 日~5 日(2 泊 3 日) 講 師:柴田 久 氏 (福岡大学工学部准教授) 景観デザインの様々な理論の土木インフラ整備での実践例 主 会 場 佐伯市立鶴見中学校およびその周辺地域 を紹介いただき,そこで生じがちなデザイン上の問題などにつ 参 加 者 佐伯市立松浦小学校児童,鶴見中学校生徒, いても触れながら,デザイン理論の適用の重要性等についてご 活動内容 保護者,教職員,地域住民等約 100 名 講演頂いた。また,サンフランシスコ市内の街路整備において, 体験活動①:ID 作成,被災時に必要な情報 ランドスケープ・アーキテクチュアがもたらした整備効果の計 体験活動② 〜③:町の危険箇所を探せ! 測等が実践された論文内容についてもご報告頂いた。 体験活動④:避難所での健康管理 体験活動⑤:避難所運営訓練 体験活動⑥:サバイバル術を学ぶ 体験活動⑦:救急救命 体験活動⑧:夜間避難訓練 体験活動⑨: 「鶴見防災サミット」を開こう その他:講話,朝食,夕食,非常食体験,段 ボールで間仕切りなど (文責:幹事 小林祐司(大分大学) )