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養鶏をめぐる情勢

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養鶏をめぐる情勢
資料4
養鶏をめぐる情勢
生産局畜産部
平 成 2 1 年 6 月
目
Ⅰ
次
需給と流通をめぐる情勢
Ⅲ
1.鶏卵需給等の動向
(1)需給(消費、生産、輸入等)
(2)価格
(3)流通
…
…
…
1
3
4
2.鶏肉需給等の動向
(1)需給(消費、需要、供給、輸入等)
(2)価格
(3)流通
…
…
…
6
8
9
3.国際動向
(1)関税制度
(2)EPA・FTA
(3)輸出
Ⅱ
飼料をめぐる情勢
…21
2.配合飼料価格安定制度と価格差補てんの実施
状況
…22
3.エコフィード(食品残さの飼料化)の取組の
イメージと対策
…24
4.飼料用米をめぐる状況
…25
5.国内産飼料用米使用畜産農家等へのMA米
販売措置について
…26
6.動物用医薬品及び飼料の適正な使用
…27
…12
…13
…14
1.配合飼料価格、とうもろこしのシカゴ相場等
の推移
Ⅳ
生産及び経営をめぐる情勢
1.経営の動向
(1)生産額
(2)生産構造
…15
…16
2.養鶏経営における担い手確保について
…18
3.アニマルウェルフェアの考え方に対応した
鶏の飼養管理指針について
…19
4・アニマルウェルフェアの考え方に対応した
採卵鶏の飼養管理指針(概要)
…20
養鶏経営における環境問題
…28
2.家畜排せつ物の利活用の促進
…29
Ⅴ
1.家畜排せつ物の発生状況と施設整備状況
家畜衛生の動向
1.鶏の伝染性疾病の発生状況等
…30
2.高病原性鳥インフルエンザ対策
…31
Ⅰ
需給と流通をめぐる情勢
1.鶏卵需給等の動向
(1)需給(消費、生産、輸入等)
・ 畜産物については、多様化する国民食生活の中で消費量が大幅に増大。
・ 鶏卵の消費量は、これまで食生活の高度化、多様化に対応して着実に増加してきたものの、近年はほぼ横ばいで推移。
1人1日当たり鶏卵消費量
60
g/日
50
40
43.1
45.1
55.3
55.1
54.7
54.1
54.2
53.7
53.3
53.5
53.8
25.8
26.2
25.5
26.0
25.9
27.2
26.5
26.5
27.7
28.2
27.8
26.1
27.0
27.3
27.6
14
15
16
17
18
19
51.9
46.9
13.1
15.3
16.2
30.0
29.8
30.7
22.2
業 務 加 工 用
30
20
29.7
29.3
10
28.5
28.6
家 計 消 費
0
50
55
60
2
7
12
13
資料:総務省「家計調査」、農林水産省「食料需給表」
-1-
年度
・ 鶏卵の国内生産量はほぼ需要を満たす水準で推移(鶏卵の重量ベース自給率:96%、カロリーベース自給率:10%
(平成19年度))。
・ 輸入は、国内需要の影響により増減を繰り返しているが、全需要量の4~5%の範囲内で推移。
鶏卵の国産・輸入別供給量と自給率
96%
(千トン )
3,000
(%)
100
113
輸入
国産
自給率
2,000
2,599
50
1,000
0
年度
0
50 55 60 2
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
資料:農林水産省「食料需給表」、「畜産物流通統計」、財務省「日本貿易統計」
注:19年度の自給率は概算値である 。
-2-
(2)価格
・ 卸売価格は、鶏卵の自給率が96%と高く、需要も概ね安定的に推移していることから、わずかな生産量の変動が大幅な
価格変動につながりやすい傾向にあり、季節的な変動のほか5~6年を周期とするエッグサイクルが存在。
・ 鶏卵卸売価格(標準取引価格)は、20年度は、生産量が前年を下回っていること等から堅調に推移したが、21年度(4~
5月)は、需要の低迷により前年同期を下回って推移。
○ 鶏卵卸売価格(標準取引価格)の推移
円/kg
300
259
250
205
224
220
215
200
192
169
168
164
150
159
163
142
142
142
133
基準価格
185
166
162
191
191
151
140
21年5月
159円(▲17.3)
129
100
年度平均
166円
94
139円
200円
181円
178円
168円
190円
( 4~5月)
161円
50
14年度 14年度 15年度 15年度 16年度16年度 17年度17年度 18年度 18年度 19年度 19年度 20年度20年度 21年度21年度
資料:全国鶏卵価格安定基金調べ
注1:( )内は、対前年同月比
注2:標準取引価格とは、全農の東京及び大阪で販売された適格卵の加重平均価格
-3-
(3)流通
①
鶏卵の流通
・国産鶏卵を合理的な価格で安定的に供給していくためには、農家段階の生産コストのみならず、流通の各段階
での合理化を図ることが重要。
生産量約260万トン(平成19年度)
鶏 卵 市 場
者
GPセン ター
生 産
487カ所
3.3千戸
平成20年
2月
全 農
量販店等
全鶏連
等
生
協
鶏 卵 問 屋
加工業者
直接販売
鶏卵の洗浄、検卵、
選別、包装、表示等
を行い、合理的な物
流を実現する供給基
地の役割
注)GP(グレーディング&パッキング)センターは2万卵/時以上の能力を有する施設の数。((社)日本卵業協会調べ)
業界聞き取りによると全農の出荷量シェアは全生産量の2割程度、
全国鶏卵販売農業協同組合連合会は同4割程度である。
-4-
② 鶏卵の公正競争規約について
・ 平成21年3月27日、「鶏卵の表示に関する公正競争規約」が官報に告示。6月10日には鶏卵公正取引協議会が設立
・ 本規約の主要部分の施行は、平成22年3月27日から施行
・ 本規約の適正な実施が図られるよう、生産者や流通業者のみならず消費者に対しても、規約の普及・啓発等を図
ることが重要
ブランド卵・銘柄卵とは
「鶏卵の表示に関する公正競争規約」の概要
(平成21年3月27日 官報告示)
○ 給与する飼料を変えて栄養成分を強化する等により、
付加価値を高めて販売される鶏卵
○ 昭和50年代初頭に登場
○ 現在、鶏卵生産量の2割程度がブランド・銘柄卵で、
その数は1000を超えるとも言われている(関係者から
の聞き取り)
○ 通常卵(レギュラー卵)が相場に応じて取引されるの
に対し、固定価格にて取引される場合が多い
1 対象
① 事業者
鶏卵を販売する者で、規約に参加するもの
② 商品
国産殻付き鶏卵(一般消費者向け生食用)
2 主な内容
① 必要表示事項
原産地や内容量等
② 特定事項の表示基準
栄養強化卵等の表示基準
③ 特定用語の使用基準
「平飼い」「有精卵」等の用語の使用基準
④ 不当表示の禁止
〔参考〕
鶏卵公正取引協議会
会員証紙(案)
-5-
2
鶏肉需給等の動向
(1)需給(消費、需要、供給、輸入等)
・ 畜産物については、多様化する国民食生活の中で消費量が大幅に増大。
・ 鶏肉については、食肉の中で豚肉に次いで消費量が多く、重要なタンパク源として位置づけ。
kg
食肉消費量の推移
14
11.6
12
10.8
10
8
5.7
6
4
牛肉
2
豚肉
鶏肉
0
昭和 35
40
45
50
55
60
資料:農林水産省「食料需給表」(19年度は概算値)
注:1人1年当たり供給純食料
-6-
2
7
12
17
19 年度
・ 鶏肉の自給率は、近年、消費量が安定的に推移する中で、概ね横ばいで推移。(鶏肉の重量ベース自給率:69%、カロリー
ベース自給率:7%(平成19年度))
・ 16年1月以降、タイ、中国での鳥インフルエンザ発生により、両国からの鶏肉輸入が一時停止。このため、ブラジル産鶏肉の
輸入量が大幅に増加するとともに、タイ、中国については、我が国が指定した加工施設で加熱処理された鶏肉調製品の輸入が
可能となったことから、両国からの鶏肉調製品の輸入量が大幅に増加。
・ 国産鶏肉は家計消費及び加工の仕向割合が高く、輸入鶏肉はその他(外食等)の仕向割合が高い。
鶏肉の国産・輸入別供給量と自給率
鶏肉輸入量の推移
千トン
%
100
2,000
97
94
92
1,600
千トン
90
82
581
297
69
115
1,200
500
634
568
591
67
68
67
650
65
686
702
662
64
64
65
585
67
561
679
69
67
589
605
69
69
80
28
40
1,354
1,380
1,252
1,120
400
1,236
1,234
1,216
1,211
1,195
1,216
1,229
1,239
1,242
1,293
759
1,364
1,372
28
10
365
340
27
32
362
23
420
22
146
200
394
308
333
その他
392
米国
323
20
輸入
国産
自給率
100
中国
タイ
194
ブ ラ ジル
0
0
年度
30
41
300
50
800
433
43
70
60
80
400
430
50
55
60
2
7
資料:農林水産省「食料需給表」
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
0
注:19年度の自給率は概算値である。
15
16
17
18
19
20
年度
資料:財務省「貿易統計」
鶏肉調製品輸入量の推移
鶏肉の用途別供給割合
家計消費
17
年
加 工
34
国産
8
輸入
93
その他
7
千ト ン
400
58
81
19
国産
輸入
56
338
44
346
339
311
国産 輸入
18
年
35
国産
9
輸入
92
300
8
83
149
17
国産
36
国産
96
41
86
55
14
122
200
タイ
186
中国
83
9
輸入 4
その他
144
米国
輸入
59
149
203
国産 輸入
19
年
272
56
国産
国産 輸入
0
資料:生産局畜産部推計
注 :国産・輸入の数値は、各用途における割合である。
59
100
185
193
122
114
(%)
100
0
15
-7-
196
143
輸入 41
16
資料:財務省「貿易統計」
17
18
19
20
年度
(2)価格
・ 鶏肉卸売価格は、19年度に国産指向の高まりから大幅に上昇したものの、20年秋以降は輸入の増加に伴う在
庫量の増加等により軟調に推移。
・ 国産鶏肉の小売価格も、20年秋以降は景気の低迷等により低下の傾向。
鶏肉卸売価格の推移(東京加重平均)
鶏肉の小売価格の動向(もも肉:東京)
(円/100g)
(円/㎏)
800
150
700
140
もも肉年度平均
600
500
400
649円
(6.5)
549円
(▲15.4)
584円
(6.3)
576円
(▲1.4)
560円
(▲2.7)
645円
(15.2)
672円
(4.1)
0
205円
(▲21.9)
210円
(2.5)
231円
(9.8)
242円
(4.7)
208円
(▲14.0)
4~5月
571円
(▲22.9)
110
120
100
21年5月
214円
(▲34.6)
200
100
130
90
むね肉年度平均
300
21年5月
581円
(▲21.4)
254円
(22.0)
325円
(28.2)
80
4~5月
216円
(▲32.2)
70
年度平均
60
125円
(3.8)
124円
(▲0.4)
123円
(▲1.4)
123円
(0.1)
123円
(0.4)
126円
(2.4)
135円
(6.7)
21年4月
133円
(0.7)
50
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
資料:「日本経済新聞」
注 :( )内は対前年度騰落率
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
資料:総務省「小売物価統計調査」
注 :( )内は対前年度騰落率
-8-
(3)流通
①
鶏肉の流通
・ UR合意に基づく関税率の引下げ等を背景として、鶏肉輸入量が増加する中で、国産鶏肉を合理的な価格で安定的に供
給していくためには、農家段階の生産コストのみならず、鶏肉処理・流通の各段階での合理化と衛生的な処理の推進を図
ることが重要。
鶏肉の流通経路
[生産]
[処理・1次加工]
[2次加工、卸売段階]
[小売段階]
外 食 店
生
産
集 出 荷 団 体
(農協等)
食
20%
鳥
とさつ、解体、部分肉処理を行
い、衛生的・合理的な物流を実
現する産地における供給基地
の役割。
食肉卸売業者
( 7,039 社 )
235,823 店
消
食品製造業者
畜産食品製造業
3,169 事 業 者
処
理
量 販 店
費
者
自営・契約農場
2,469 店
場
80%
ブロイラー飼養戸数
2,456 戸 (20年2月1日現在)
国内生産量137万トン
食鳥処理場
大規模
171
小 規 模 2,518
者
小 売 店
14,665 店
海 外 ( 全 輸 入 量 ) 42 万 ト ン ( 100%)
ブラジル
39 万 ト ン ( 93%)
米
国
2 万 ト ン ( 5%)
輸入業者
(20年度)
資料:財務省「日本貿易統計」、総務省「平成18年事業所・企業統計」、厚生労働省「平成19年度とちく・食鳥検査等に関する実態調査」、農林水産省「平成19年食鳥流通統計調査」、
農林水産省生産局畜産部推計、(社)日本食鳥協会調べ
-9-
② 鶏肉の低需要部位について
・
・
・
・
我が国の鶏肉需要は、欧米と異なり、適度な脂肪と歯ごたえのあるもも肉が中心。
1羽当たり販売価格に占めるもも肉の割合は1/2以上であり、ブロイラー経営の収益性はもも肉価格の影響が大。
一方、もも肉以外の部位(むね肉、ささみ、肝臓等)の需要は低く、冷凍に回すなど廉価販売を余儀なくされている。
部位毎の需給バランスの不均衡の改善がブロイラー経営の安定化に繋がることから、低需要部位の新規用途開発等を通じ
た利用促進が重要
①食鳥若どりの1羽当たりの部位別重量及び卸売価格(生鮮)
筋胃(30g程度)
約20円/羽
ささみ(90g程度)
約40円/羽
むね肉(400g程度) 生体(2,500g)
部位計約610円/羽
約120円/羽
手羽もと(100g程度)
約50円/羽
②生鮮品と凍結品の販売数量割合及び価格差(調査例)
肝臓・心臓(50g程度)
販売数量割合
※価格は肝臓
部位名
約20円/羽
もも肉(450g程度)
約310円/羽
手羽先(100g程度)
約50円/羽
注:卸売価格は日経新聞(20年度平均値を一羽当たりに換算)
生鮮品
凍結品
生鮮品と凍結
品の価格差
もも肉
92%
8%
25%
むね肉
72%
28%
34%
ささみ
68%
32%
50%
手羽もと
84%
16%
26%
手羽さき
91%
9%
21%
肝臓・心臓
76%
24%
79%
筋胃(砂肝)
89%
11%
23%
注:東京荷受5社平均((社)日本食鳥協会調べ)
-10-
③地鶏等に関する状況
・近年、各地で在来鶏等を利用した高品質鶏肉(地鶏、銘柄鶏)を生産する動き。
・地鶏肉の特定JAS規格認定事業者により生産されている銘柄は19銘柄。
○ 食鳥の出荷羽数
食
(単位:千羽、%)
鳥
計
肉用若鶏
その他の肉用鶏
廃鶏
その他の食鳥
平成13
666,744
567,876
8,196
(1.2)
88,545
2,127
14
686,857
586,045
9,162
(1.3)
89,507
2,143
15
699,248
595,283
9,318
(1.3)
91,913
2,734
16
687,199
589,957
8,388
(1.2)
86,193
2,661
17
707,101
606,898
8,546
(1.2)
88,938
2,719
18
720,508
621,820
8,851
(1.2)
87,171
2,666
「地鶏肉の日本農林規格」
19
728,066
622,834
8,577
(1.2)
93,928
2,727
《地鶏肉の生産の方法についての基準》
資料:農林水産省「畜産物流通統計」
注:「その他の肉用鶏」とは、ふ化後3カ月以上で出荷された鶏(一般的な「地鶏」、「銘柄鶏」を含む)をいう。
( )内は食鳥計に占めるその他の肉用鶏の割合
○ 地鶏肉の特定JAS規格認定事業者により生産されている銘柄 (平成21年6月)
~13年
14年
15年
16年
17年
18年
19年~
計
銘柄数
2
4
4
5
2
1
1
19
銘 柄 名 (県政順)
奥美濃古地鶏、阿波尾鶏
紀州鶏、播州地どり、おかやま地どり、はかた地どり
筑波地鶏、やさとしゃも、岡山桃太郎地どり、鳥取産大山地どり
奥久慈しゃも、丹波黒どり、熊本コーチン、天草大王、みやざき地頭鶏
京赤地どり、讃岐コーチン
媛っこ地鶏
三陸地鶏
資料:「国産銘柄鶏ガイドブック(2007年度版)」((社)日本食鳥協会)、農林水産省畜産振興課調べ
-11-
【地鶏の定義】
(素びな)
在来種由来百分率が50%以上、出生
の証明(在来種からの系譜、在来種由
来百分率及びふ化日の証明)ができる
ものを使用
(飼養期間)
ふ化日から80日間以上飼育
(飼養方法)
28日齢以降平飼いで飼育
(飼育密度)
28日齢以降1㎡当たり10羽以下で飼育
3
国際動向
(1)関税制度
・ 鶏肉については、UR合意後累次の引き下げを実施。
・ 骨付きのももは8.5%、その他のものは11.9%を課税。
鶏肉の関税制度
○鶏肉関税率の推移
骨付きのもも:ガット・ウルグアイラウンド農業交渉合意に基づき平成12年
度までに税率を8.5%に引下げ。
その他のもの:平成元年に日・アセアン首脳会議を受け丸と体を除き
12%に引き下げ。
また、ガット・ウルグアイラウンド農業交渉合意に基づき
平成12年度までにそれぞれ11.9%に引下げ。
現在、WTO農業交渉において市場アクセス等の合意に向けた議論が
行われている。
また、インド等とEPA締結に向けた議論が行われている。
区分
昭和
平成
-12-
62年1月
元年4月
7年4月
8年4月
9年4月
10年4月
11年4月
12年4月
備
考
(単位:%)
骨 付 き の も も
10.0
9.8
9.5
9.3
9.0
8.8
8.5
そ の 他 の も の
14.0
(丸鶏)
(その他)
14.0
12.0
13.7
12.0
13.3
12.0
13.0
12.0
12.6
12.0
12.3
12.0
11.9
11.9
・平成7年度からはガット・ウルグアイランドのステージングによる引下げ
(2)EPA・FTA
・
メキシコについては、2005年4月より経済連携協定(EPA)が発効。鶏肉については、関税割当(5年間で8500トン、冷凍骨付きのもも
8.5%→6.8%、冷凍骨なし鶏肉11.9%→8.5%、鶏肉調整品6.0%→3.6%等)を設定。
・
チリについては、2007年9月よりEPAが発効。鶏肉は関税割当(5年間で5500トン、冷凍骨なし鶏肉11.9%→8.5%)を設定。
・
タイについては、2007年11月よりEPAが発行。鶏肉は関税削減(5年間で骨なし鶏肉等11.9%→8.5%、鶏肉調整品6.0%→3.0%)を設定。
・
フィリピンについては、2008年12月よりEPAが発効。鶏肉は関税割当(5年間で7000トン、骨なし鶏肉等11.9%→8.5%)を設定。
・
シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、スイスについては、鶏肉は除外又は再協議扱い。
・
韓国、GCC、インド、豪州、ペルーとは交渉中。
我が国のEPA・FTAをめぐる状況
2002年
シンガポール
発効・
署名・
大筋合意
メキシコ
マレーシア
2003年
2004年
2006年
交渉(11月~)
☆署名
(9月)
交渉(1月~)
交渉(2月~)
インドネシア
交渉中
GCC(注3)
インド
豪州
☆署名(9月)
交渉(1月~)
スイス
鶏肉総輸入量
に占める割合
0
-
チリ
1,157トン
0.3%
タイ
0
-
2,962トン
0.6%
メキシコ
★発効(7月)
☆署名完了
★発効(12月)
(4月)
交渉(4月~)
ベトナム
2008年
鶏肉輸入数量
国名
☆署名(8月) ★発効(7月)
交渉(6月~)☆署名(6月)
交渉(2月~)
2009年
☆署名
★発効(7月)
(12月)
☆署名
交渉(2月~) (3月) ★発効(9月)
☆署名
(4月) ★発効(11月)
交渉(7月~)
ASEAN全体(注1)
韓国(注2)
2008年
☆署名
(3月) ★発効(9月)
★発効(4月)
ブルネイ
フィリピン
2007年
見直し交渉
(4月~)
☆署名(1月) ★発効(11月)
チリ
タイ
2005年
関割の設定又は関税削減を行った国から
の輸入状況
交渉(5月~)
フィリピン
★発効(12月)
☆署名(12月)
※メキシコは鳥インフルエンザの発生により21の州及び特別区か
らの輸入が停止。タイは鳥インフルエンザ発生のため輸入停止。
☆署名(2月)
交渉(12月~)
交渉(9月~)
交渉(1月~)
交渉(4月~)
ペルー
交渉(5月~)
(注1)ASEAN全体とのEPAは、2008年12月に日本とシンガポール、ラオス、ベトナム及びミャンマーとの間で、2009年1月
にブルネイとの間で、同2月にマレーシアとの間で、同6月にタイとの間で発効。今後、フィリピン、カンボジア、及びインドネシア各国の国内手続
完了の通告後、これら各国との間で発効予定。
(注2)韓国とは、2004年11月以降交渉が中断。
2008年6月及び12月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催。
(注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国:バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦。
-13-
(3)輸出
①鶏肉
・ 国内では需要が低いもみじ(鶏足)や手羽先を中心に、飲茶等の食材として香港、ベトナム等へ輸出。
・ 16年は、1月に国内で高病原性鳥インフルエンザが発生したことから、香港が我が国からの生きた家きん及び家きん肉
の輸入を一時停止したため減少したが、その後回復。
・ 19年は、ベトナム向けの輸出が大幅に増加。
②鶏卵(殻付き)
・ 輸出量は少ないものの、在留邦人の生食需要等に対応するため、香港等への輸出が増加。
鶏肉輸出量の推移
殻付き鶏卵の輸出量の推移
トン
トン
400
350
300
250
200
150
100
50
0
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
16
17
18
19
16
20
17
18
19
20
資料:財務省「貿易統計」
香港での販売状況
シンガポールでの販売状況
主に飲茶等の食材に利用され、日本産はサイズが大きいこと
などから評価が高い。
航空輸送により出荷3日後には店頭販売され、生食でも安心
して食べられる卵として評価が高い。
(販売先)
・レストラン等(一部小売販売もあり)
(販売先)
・日系量販店
(現地での主な用途)
・外食等の業務用、自家消費用
(現地での主な用途)
・現地邦人の自家消費用
もみじ(鶏足)
(現地販売価格)
・もみじ:390~500円/kg(市場における小売価格)
-14-
(現地販売価格)
・500円/L6個パック
Ⅱ
生産及び経営をめぐる情勢
1.経営の動向
(1)生産額
・ 我が国養鶏は、農業総産出額の約3割を占める畜産のうち、27%のシェア。
・ 産出額は鹿児島県が最も多く、産出額の上位5つの県で全国の産出額の4割弱を占める。
畜産
2兆4,773億円
( 30.2% )
その他
13.7%
果実
9.2%
<畜産の内訳>
H19
農業総産出額
8.2兆円
米
21.9%
都道府県
産出額(億円)
全国に占める割合
肉用牛 19.4%
生
豚
野菜
25.0%
○ 養鶏の産出額の多い都道府県
乳 25.6%
鹿児島県
723
10.0%
岩 手 県
585
8.1%
宮 崎 県
555
7.7%
茨 城 県
351
4.9%
千 葉 県
345
4.8%
2,559
35.5%
21.1%
鶏 27.3%(6,773億円)
うち 鶏 卵 4,060億円
鶏 肉 2,713億円
その他
計
6.5%
資料:農林水産省「平成19年農業総産出額(概算)(全国推計値)」
資料:農林水産省「平成19年農業産出額(都道府県別推計値)」
-15-
(2)生産構造
①飼養戸数、飼養羽数の推移
ア 採卵鶏
・飼養戸数は、小規模飼養者層を中心に、近年は年率4~6%程度の割合で減少。
・飼養羽数は、11年以降減少傾向で推移してきたが、近年は概ね横ばいで推移。
・一戸当たり飼養羽数は、増加傾向で推移。
飼養戸数・羽数
一戸当たり飼養羽数
8,000 50
飼養戸数(戸)
43
6,000 飼養羽数(十万羽)
40
一戸当たり飼養羽数(千羽)
4,000 3,300
30
2,000 1,425 20
0 10
7年
11
12
13
14
15
16
18
19
20
資料:農林水産省「畜産統計」
注1:種鶏のみの飼養者は除く。
2:7年の数値は成鶏めす羽数
300羽未満の飼養者を除く。
3:11年以降の数値は成鶏めす羽数
1,000羽数未満の飼養者を除く数値。
4:17年は世界農林業センサス調査年のため、
比較できるデータがない。
イ ブロイラー
・飼養戸数は、小規模飼養者層を中心に、近年は年率2~5%程度の割合で減少。
・飼養羽数は、減少傾向で推移してきたが、近年は概ね横ばいで推移。
・一戸当たり飼養羽数は、増加傾向で推移。
飼養戸数・羽数
一戸当たり飼養羽数
4,000 50
42
3,000 40
2,456
2,000 飼養羽数(十万羽)
30
1,030
1,000 飼養戸数(戸)
一戸当たり飼養羽数(千羽)
20
資料:農林水産省「畜産物流通統計」
0 10
7年
11
12
13
14
15
16
17
-16-
18
19
20
②地域別飼養動向
ア 採卵鶏
・飼養戸数は、全ての地域で減少。
・飼養羽数は、近畿、九州、沖縄で減少。
・一戸当たり飼養羽数は、全ての地域で増加。
(ア)地域別飼養戸数の推移
1,400 戸
(イ)地域別飼養羽数の推移
千羽
40,000 平成15年
37,307
800 628
600 400 10,000 123
93
200 23,654
20,270
18,581
6,213
8,244
7,847
関東
東海
41
40
32
30
近畿 中四国 九州
1,162
沖縄
21
20 10 0 北陸
48
50 40 55
0 北海道 東北
64
30 279
256
19,245
20,000 494
460
75
60 30,000 912
1,000 80 千羽
67
70 ▲9.8
▲5.7
平成20年
1,200 (ウ)地域別1戸当たり飼養羽数の推移
0 北海道 東北
北陸
関東
東海
近畿 中四国 九州
沖縄
北海道 東北
北陸
関東
東海
近畿 中四国 九州
沖縄
イ ブロイラー
・飼養戸数は、北海道を除き減少。
・飼養羽数は、北海道、東北、九州を除き減少しており、関東、東海、沖縄では高い減少率。
・一戸当たり飼養羽数は、北陸、沖縄を除き増加。
(ア)地域別飼養戸数の推移
1,200 (イ)地域別飼養羽数の推移
戸
平成15年
50,000 千羽
1,008
平成20年
1,000 400 ▲20.5
30,000 189
79
20
10,000 17
0 200 13,783
2,786
5,595
679
2,466
100 5,067
北陸
関東
東海
近畿 中四国 九州
資料:農林水産省「畜産統計」、「畜産物流通統計」
沖縄
55
508
34
25
31
北陸
関東
東海
46
30
近畿 中四国 九州
沖縄
27
29
0 0 北海道 東北
398
300 ▲21.1
20,000 221
7
▲20.8
24,634
471
444
400 200 500 46,679
40,000 800 600 (ウ)地域別1戸当たり飼養羽数の推移
千羽
北海道 東北
北陸
関東
東海
-17-
近畿 中四国 九州
沖縄
北海道 東北
2.養鶏経営における担い手の状況について
・ 養鶏については、認定農業者の認定率は平成20年度現在、採卵鶏45%、肉用鶏40%となっている。
・ 養鶏部門の特徴として、他の農業部門と比して法人化が最も進んでおり、また肉用鶏ではインテグレー
ションが行われていることが挙げられる。
認定農業者の割合(平成20年度)
(単位:%)
酪 農
肉 用 牛
繁 殖
肉専用種肥育
交雑種肥育
乳用種肥育
養 豚(肥育豚)
採 卵 鶏
肉 用 鶏
※資料:生産局畜産企画課調べ
64
-
23
52
42
40
60
45
40
畜産経営における法人経営の割合(平成17年)
(単位:経営体、%)
単 一
経 営
単一経営対数
①
酪 農
21,283
肉用牛
28,941
養 豚
4,815
養 鶏
5,068
畜 産
61,760
米麦作
916,729
施設野菜
52,015
果 樹
147,918
※資料:「2005年農業センサス」
うち法人経営対数
②/①
②
969
4.6
841
2.9
1,228
25.5
1,327
26.2
4,840
7.8
1,310
0.1
820
1.6
646
0.4
-18-
3. アニマルウェルフェアの考え方に対応した鶏の飼養管理指針について
・ 欧米を中心に、アニマルウェルフェアの議論が進められる中で、我が国としても、アニマルウェルフェアにど
のように取り組んでいくかの検討が必要。
・ 平成19年度より、検討会を設け(事務局:(社)畜産技術協会)、アニマルウェルフェアを「家畜の快適性に配
慮した飼養管理」と定義し、各畜種毎の飼養管理指針の作成に取り組んでいるところ。
・ 20年3月に「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」がとりまとめられ、今後、普
及啓発を行っていく予定。ブロイラーについては、21年度にとりまとめ予定。
推進委員会
(構成) 学識経験者、生産者、消費者、動物愛護団体 等
○活動内容
①家畜別分科会の検討への指導及び分科会間の調整
②家畜別飼養管理指針の検討
指導
分科会間の調整
飼養管理指針(案)の提示
科学的知見等の提供
分科会
科学的知見分析グループ
(構成)畜種別有識者(生産者、畜産施設業者、学識経験者等)
(畜種)採卵鶏、豚、ブロイラー、乳用牛、肉用牛、馬
(構成) 学識経験者
○活動内容
①アニマルウェルフェアに関する飼養管理等のあり方の検討
②飼養管理実態調査及び試行試験の実施
③飼養管理指針(案)の作成
-19-
○活動内容
①家畜別の科学的知見に関する
情報収集及び分析
②取り組む必要のある調査・研究
の検討
科学的知見等の
分析依頼
科学的知見等の
提供
4.アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針(概要)
第1 一般原則
第2 家畜の飼養管理
○ 「アニマルウェルフェア」を「快適性に配慮した
家畜の飼養管理」と定義。
1 管理方法
観察・記録、取扱い、羽つつき防止、誘導換羽、
病気、事故等の措置、清掃・消毒、有害動物の防
除・駆除等
○ 家畜を快適な環境で飼うことは、家畜が健康
であることによる安全・安心な畜産物の生産につ
ながり、また、家畜の持っている能力を最大限に
発揮させることにより、生産性の向上にも結びつ
くもの。
2 栄養
必要栄養量・飲水量、飼料・水の品質の確保、
給餌・給水方法
○ アニマルウェルフェアへの対応において、最
も重視されるべきは、施設の構造や設備の状況
ではなく、日々の家畜の観察や記録、家畜の丁
寧な取扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な
飼養管理により、家畜が健康であること。
3 畜舎
開放型鶏舎、ウィンドレス鶏舎の特徴等
4 飼養方式、構造、飼養スペース
○ 今後、本指針を基に、生産者団体が自主的
なガイドライン等を作成すること等により、アニマ
ルウェルフェアに生産者が積極的に取組むこと、
行政機関が積極的に普及啓発することを期待。
飼養方式の特徴等、構造上留意すべき事項、
観察により、飼養スペースが適当であるか判断
することの重要性等
5 環境
熱環境、換気、照明、騒音等
-20-
Ⅲ 飼料をめぐる情勢
1 配合飼料価格、とうもろこしのシカゴ相場等の推移
○ 配合飼料価格には、原料割合として50%を占めるとうもろこしや15%を占める大豆油かすの価格のほか、海上運賃や為替相場が
影響。
○ とうもろこしの国際価格(シカゴ相場)は、バイオエタノール向け需要の増加等から高騰し、さらに主要産地の天候不順等もあり
約300ドル/トンまで大幅に上昇。その後、世界的不況による需要減退、豊作予測等から相場は急落したが、直近では100ドル台後
半/トンまで値を戻している状況。大豆油かすについても、とうもろこしと同様の動き。
○ 海上運賃(フレート)は、昨年は堅調な船舶需要や原油価格の高騰の影響等により大幅に上昇した後急落したものの、直近では50
ドル/トン程度で推移。一方、為替相場は、昨年8月以降円高傾向で推移してきたが、直近では90円台後半/ドル程度で推移。
<配合飼料価格の推移>
円/トン
75,000
ドル/ト ン
(08.11)
(08.9) 67,627
64,664
70,000
65,000
(09.7)
55,000
60,000
(09.2)
55,343
55,000
50,000
(07.12)
54,028
(06.7)
43,250
45,000
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
06.1
(09.4)
52,100
40,000
35,000
06.1
4
7
10 07.1
4
7
10 08.1
4
7
10 09.1
4
7
<海上運賃の推移(ガルフ~日本)>
(08.5)
147.2
(07.11)
120.6
(06.7)
39.7
(09.5)
48.2
(08.12)
23.6
07.1
08.1
09.1
注:09年2月までの数値は実績値、09年3月以降は推計値
ドル/トン
<とうもろこしのシカゴ相場の推移(期近物)>
300
(08.6/27)
297
(755セント/ブッシェル)
250
130
120
(07.2/22)
171
(435セント/ブッシェル)
200
150
<為替相場の推移>
(06.7/3)
96
(243セント/ブッシェル)
4
7
10
07.1
4
(07.6)
123
(08.8)
109
100
50
06.1
(06.7)
116
110
(09.6/19)
157
(399セント/ブッシェル)
100
円/ドル
7
10 08.1 4
7
10 09.1
注:シカゴ相場の日々の終値である。(資料:生産局畜産部畜産振興課調べ)
4
7
-21-
90
06.1
(08.3)
101
07.1
08.1
(09.5)
96
(09.1)
90
09.1
2 配合飼料価格安定制度と価格差補てんの実施状況
○ 配合飼料価格安定制度は、①民間(生産者と配合飼料メーカー)の積立による「通常補てん」と、②異常な価格高騰時に通常
補てんを補完する「異常補てん」(国と配合飼料メーカーが積立)の二段階の仕組みにより対応。
○ 今般の飼料価格の高騰に対して、20年度内の特例措置として、異常補てんの発動基準を115%から112.5%に引き下げ、また、
制度の安定運用に必要な財源として、20年度の第一次補正予算で85億円、21年度予算で50億円を措置。
○ 通常補てん基金については、市中銀行からの借入金900億円に対する利子助成に加え、約292億円の長期無利子貸付など
を実施。
○ 制度の仕組み
国
○ 発動条件等
積立金1/2
異常補てん基金
配合飼料
メーカー
積立金1/2
異常補てん基金
(社)配合飼料供給安定機構
国とメーカーが
拠出
積立金
異常補てん金
積立金
通常補てん基金
畜産経営者
通常補てん金
通常補てん基金
(社)全国配合飼料供給安定基金
(全農系)
(社)全国畜産配合飼料価格安定基金
(専門農協系)
(社)全日本配合飼料価格・畜産安定基金
(商系)
生産者と飼料
メーカーが拠出
異常補てん金
-22-
・ 輸入原料価格が直前1か年の
平均と比べ115%を超えた場合
発動状況
(H18.10-12期~H20.10-12期分)
約900億円
・ 飼料価格が直前1か年の平均を
上回った場合
発動状況
(H18.10-12期~H20.10-12期分)
約2,630億円
価格差補てんの実施状況
67,600円
異常補てん
(2,398円)
64,800円
58,100円
配合飼料価格 (建値)
通常補てん
(7,800円)
通常補てん
62,800円 異常補てん (5,252円)
異常補てん (3,398円)
(1,517円)
通常補てん 約59,950円
(4,002円)
(約2,500円)
通常補てん
約57,400円
(8,983円)
55,700円
(約5,050円)
54,100円
通常補てん
(4,553円)
通常補てん
(4,371円)
通常補てん
(4,640円)
(約3,600円)
55,000円
約2,900円
異常補てん
通常補てん
(3,097円)
異常補てん
(5,550円)
(3,829円)
異常補てん
(1,860円)
(約 11,900円)
52,100円
(約2,000円)
(約1,850円)
(約1,800円)
(約1,750円)
実質農家負担額
(約1,530円)
通常補てん
(1,600円)
(約600円)
(約100円)
10月
19年1月
約42,600円
4月
7月
10月
20年1月
4月
7月
-23-
10月
21年1月
4月
7月
10月
3 エコフィード(食品残さの飼料化)の取組のイメージと対策
【食品循環資源の飼料化の進捗状況(平成19年度)】
飼料化
39%
食品製造業
メタン、油脂等7%
未再生等
23%
肥料化
31%
4,928千㌧
食品卸売
・小売業
3,366千㌧
外食産業
3,048千㌧
全 体
11,342千㌧
9%
25%
5 4 6
%% %
飼料化21%
(2,515千㌧)
3
%
63%
取組のための21年度事業
① 消費者に対する理解の醸成
・エコフィード利用畜産物認証制度の検
討
【エコフィード対策推進事業(継続)】
85%
・地域セミナー等の開催
【未活用資源飼料化促進事業(継続)】
27年度目標に
必要な飼料化量
飼料化45%(5,092千㌧)
② 安定的利用体制の構築
・配合飼料原料としてのエコフィードの
利用拡大
【エコフィード緊急増産対策事業(継続)】
○ 食品製造業:
品質・内容が明らかで、大量・定期的に発生
→ 飼料化への仕向けが容易
※ ただし、未再生分は飼料化に困難なものが多く、飼料化以外の再生利
用のものを飼料化とする検討・調整が必要。
○ 食品卸売・小売産業・外食産業:
異物の混入・品質の劣化が生じやすく、供給が不安定
→ 中小規模業者の収集・運搬体制等の課題への対応も含め、可能な限り
飼料化を促進する必要。
-24-
・TMRセンターを活用したエコフィードの
利用拡大
【地域資源活用型エコフィード増産推進事業(新規)】
・モデル的な地域協議会の設置
【未活用資源飼料化促進事業(継続)】
③ 技術の普及・定着の推進
・専門技術者の確保・育成のための研
修会等の開催
・飼料化及び飼料に関する優良事例の
紹介
【未活用資源飼料化促進事業(継続)】
4 飼料用米をめぐる状況
○ 飼料用米の作付面積ついては、地域水田農業活性化緊急対策等の支援措置を活用しつつ、平成20年度に前年の5倍以上に拡大。
○ 農林水産省では、平成21年を水田フル活用転換元年と位置付け、飼料用米について従来を上回る支援を展開している他、4月に成立し
た米粉・エサ米法に基づく支援を行う等、飼料用米の本格的な生産・利用に向けた取組を拡大。
○ 飼料用米の利活用を推進するためには、①畜産経営にメリットのある価格で提供されること(低コスト生産・流通体制の確立)、②飼料用
米に対する消費者の理解増進、③耕畜連携による安定的な生産・利用体制の構築などが必要である。
(単位:ha)
○ 飼料用米の作付面積
年度
全国計
17
45
18
104
19
292
20(見込み)
1,611
出所:生産局畜産部畜産振興課調べ。
○ 飼料用米の推進に係る最近の取組について
【メリット】
(稲作農家)
・ 水田の有効利用。
・ 通常の稲作栽培体系と同じ
で取り組みやすい。
・ 農機具などの新規投資不要。
・ 連作障害がない。
(畜産農家)
○ 飼料用米の推進に係る最近の取組について
時期
容
【H21】
1月~
■飼料用米の需要と供給のマッチング活動の展開
■飼料用米の現地推進活動の展開
4月~
■飼料用米等に対する新たな面積当たり助成の開始
(水田等有効活用促進交付金 5.5万円/10a)
■飼料用米等の生産拡大や必要な機械・施設整備への
支援を開始
(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金 補助率1/2)
■飼料用米の利活用に関するモデル実証の継続
(飼料用米導入定着化緊急対策事業)
■飼料用米等の作業受託を開始するコントラクターへの
面積助成の継続(農作業受託システム拡大緊急対策)
■飼料用米等を促進する法案等の成立
(米粉・エサ米法、米トレサ法、食糧法改正)
■経済危機対策における追加の面積助成の要求
(需要即応型生産流通体制整備緊急対策、
2.5万円/10a)
■飼料用米の栽培マニュアルの作成・公表
■多収性品種マニュアルの作成・公表
■飼料用米の現地推進活動の展開
【普及拡大のための課題】
・ 輸入トウモロコシとの価格差
縮小。
・ 生産者と製造事業者、畜産
農家等が連携した安定した供
給計画の策定。
・ 低コスト生産や多収品種の種
子の安定供給。
・ 輸入とうもろこしより安ければ、 ・ 保管・流通体制の確立。
配合飼料の原料として利用が ・ 配合飼料の原料として本格
可能。
的に取り扱うには、既存施設
の見直し等配合飼料工場の条
・ 長期保存が可能。
件整備。
・ 配合飼料の場合、特別な設
備や手間が不要。
内
-25-
5 国内産飼料用米使用畜産農家等へのMA米販売措置について
1 基本的考え方
国内産飼料用米を買い受け使用する者に対し、当該国内産飼料用米の円滑
かつ継続的な使用を維持・確保するための措置として、国内産飼料用米の使用
量の2倍の範囲内でミニマム・アクセス輸入米を販売。
2 販売対象者等の条件
① 国内産飼料用米の売買契約書等により確実に国内産飼料用米の使用が確認可能なこと
② MA米を使用する畜産農家等が最寄りの政府寄託倉庫において、MA米の引取りが可能なこと
③ 所属団体・法人において適正流通への取組みが可能であること
3 基本的な販売までの流れ
各県の政府寄託倉庫
MA米保管倉庫
②月別引取計画
提
出
総合食料局
④MA米
の引取
養豚・
養鶏農家
団体等
①契約(3ヶ月毎)
③MA米買受代金
支払(3ヵ月毎)
引取は個々の畜産農家、法人
-26-
6 動物用医薬品及び飼料の適正な使用
・ 平成18年5月29日から、食品衛生法の改正により、厚生労働大臣が指定する物質(対象外物質)を除く全ての動物用医薬
品等は人の健康を損なうおそれのない量(一律基準)を超えて残留してはならず、その例外として残留基準が定められたもの
については、これを超えて残留してはならないとされる制度(ポジティブリスト制度)が施行。
・ これに対応し、農林水産省では、飼料中の農薬等の残留基準の設定や動物用医薬品の使用基準の改正等を実施。
なお、今後、食品中の残留基準値の見直しに併せ、適宜見直しを行う予定。
農薬、飼料添加物及び動物用医薬品
農薬、飼料添加物及び動物用医薬品
農林水産省の取組
食品の成分に係る規格(残留基準)が
定められているもの
(799物質)
食品の成分に係る規格(残
留基準)が定められていな
いもの
厚生労働大臣が指
定する物質
(65物質)
【動物用医薬品】
・22成分+2配合の使用基準改正
ポジティブリスト制度の施行と同
時に、食品衛生法第11条第1項
に基づき、農薬取締法に基づく基
準、国際基準、欧米の基準等を踏
まえた基準を新たに設定
人の健康を損なうおそ
れのない量として厚生
労働大臣が一定量を告
示 (一律基準)
人の健康を損なう
おそれのないこと
が明らかであるも
のを告示
(特定農薬等)
(平成18年5月29日施行)
・40成分+8配合の使用基準新規設定
(平成18年5月29日施行)
・休薬期間の新規設定及び変更
(平成18年5月29日付け変更)
登録等と同時の残留基準設定など、
残留基準設定の促進
一定量(0.01ppm)を超えて
農薬等が残留する食品の販
売等を禁止
ポジティブリスト制度
の対象外
【飼料中の農薬残留】
・60物質について基準設定
残留基準を超えて農薬等が残留する
食品の販売等を禁止
(平成18年5月29日施行)
-27-
Ⅳ
養鶏経営における環境問題
1.家畜排せつ物の発生状況と施設整備状況
・平成20年の家畜排せつ物発生量は8,747万トンと推計され、このうち約15%が養鶏からの発生とみられる。
・20年12月1日時点で、家畜排せつ物法の管理基準対象農家約57,327戸のうち99.9%が管理基準に対応済み。
○ 家畜排せつ物発生量の推移
9,400
9,200
万
ト
ン
/
年
8,800
(
発
生
量
管理基準対象農家
(57,327戸)
48.4%
管理基準対象外農家
(61,024戸)
51.6%
9,000
畜産農家
(118,351戸)
8,600
)
8,400
管理基準対象農家
(57,327戸)
8,200
8,000
平成9年
11年
13年
15年
16年
18年
19年
20年
○ 畜種別に見た家畜排せつ物発生量(平成20年)
畜 種
発生量
乳用牛
約2,542万t (29%)
肉用牛
約2,671万t (31%)
豚
約2,254万t (26%)
採卵鶏
約
792万t
ブロイラー
約
489万t (6%)
合 計
施設整備
(51,193戸)
89.3%
簡易対応
(4,211戸)
7.3%
管理基準適合農家
(57,295戸)
99.9%
(9%)
約8,747万t (100%)
注:平成20年 畜産統計から推計
-28-
その他の方法※
(1,891戸)
3.3%
管理基準不適合農家
(32戸)
0.1%
※「その他の方法」には、畜舎からほ場への直接散布、周年放牧、廃棄物処理としての委託処分、
下水道利用等が含まれる。
2 家畜排せつ物の利活用の促進
・家畜排せつ物の利活用促進がこれまで以上に重要となる中、農業者の9割は家畜排せつ物たい肥を「利用したい」と回答。
・19年3月には、新たな「家畜排せつ物の利用の促進に関する基本方針」を策定・公表。見直しのポイントを踏まえ、関係者が一体となっ
て家畜排せつ物の利用の促進に取り組むことが重要。
・地域バイオマス利活用交付金による家畜排せつ物利活用施設整備等の支援のほか、家畜排せつ物利活用推進事業により、たい肥の
調整・保管施設等の整備やたい肥の利活用等に係る知識や技術の普及等の支援を実施。
○ 家畜排せつ物たい肥の利用に関する意識・意向調査結果
(17年1月農林水産省調査)
○ 新たな基本方針のポイント
基本方針見直しのポイント
家畜排せつ物たい肥の今後の利用に関する意向
特に考えはない 4.4
耕畜連携の強化
無回答 0.1
利用したく
ない 7.2
◎ 家畜排せつ物の利用促進を
進めるためには、耕畜連携
を強化していく必要
利用したい
88.4
◎ 耕種農家と畜産農家の交流
が少ないことが、耕畜連携
の阻害要因の一つ
回答者数
2 544人
(100.0%)
◎ たい肥需給情報の共有が不
十分な地域も存在
ある程度
利用したい
37.3
(%)
51.6
49.5
46.2
40
◎ 耕種農家のニーズに即した
たい肥を生産することが重
要
◎ 用途・作物により様々な耕
種農家のニーズを的確に把
握し、たい肥生産に反映
◎ 用途や作物により様々な耕
種農家のニーズに十分対応
できていない面も
◎ ニーズに即したたい肥生産
のために必要な情報を提供
◎ 耕地面積当たりの家畜排せ
つ物発生量は、都道府県間
で大きな格差
たい肥の利
用によって
循環型の農
業が可能に
なる
作物の品質
向上が期待
できる
化学肥料の
使用量の節
減が期待で
きる
◎ たい肥流通の円滑化のため
、たい肥センターの機能強
化、ペレット化、コントラ
クターの育成・充実等を推
進
家畜排せつ物のエネルギーとしての利用等の推進
41.1
20
0
◎ たい肥需給情報の収集・整
理、ネットワーク化を推進
ニーズに即したたい肥づくり
積極的に
利用したい
51.1
利用したい理由(複数回答)
60
◎ たい肥利用を促進するため
、耕畜連携の体制を整備
◎ 家畜排せつ物が過剰となる
地域等においては、たい肥
の広域利用又はたい肥化以
外の方法により家畜排せつ
物の処理・利用を図る必要
作物生産の
安定性の向
上が期待で
きる
-29-
◎ 過剰地域等においては、必
要に応じ、炭化、焼却、メ
タン発酵等を推進すること
により、たい肥の需給状況
を改善するとともに、エネ
ルギー利用を推進
◎ 地域内で発生する家畜排せ
つ物以外のバイオマスにつ
いても、その活用を推進
Ⅴ 家畜衛生の動向
1.鶏の伝染性疾病の発生状況等
最近の鶏の伝染性疾病の発生状況
(件数)
伝染性疾病の種類
10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年
伝家 高病原性鳥インフルエンザ
0
0
0
0
0
0
5
10
1
4
0
染畜 ニューカッスル病
1
8
5
9
6
0
1
2
4
1
1
病
家きんサルモネラ感染症
0
0
1
2
5
0
0
0
0
0
0
サルモネラ症
0
1
1
0
0
2
4
2
3
2
1
鳥インフルエンザ
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
鶏痘
7
4
9
1
6
15
10
14
9
10
15
242
385
230
119
89
85
62
52
62
50
53
届
マレック病
出
伝染性気管支炎
6
11
11
3
4
9
24
8
6
15
12
伝
伝染性喉頭気管炎
1
2
4
1
2
0
8
3
3
5
8
染
伝染性ファブリキウス嚢病
10
4
6
4
5
6
3
8
0
1
7
病
鶏白血病
31
8
24
20
7
10
17
12
12
13
6
鶏結核病
0
0
0
0
0
1
1
0
1
1
0
鶏マイコプラズマ病
2
1
2
1
0
0
4
2
4
5
2
ロイコチトゾーン病
8
15
9
4
6
12
6
14
15
4
11
※:家畜伝染病予防法の届出による
-30-
○ 高病原性鳥インフルエンザ対策
(1) 対策の概要
•
•
•
•
•
海外の発生情報の収集及び水際検疫体制の確立
家きん、野鳥のモニタリングによる監視及び異常家きん等の早期発見・早期通報の徹底
農場の飼養衛生管理の徹底による発生予防対策の実施
防疫体制の構築
発生時の殺処分及び移動制限などの迅速なまん延防止対策の実施
万が一の発生時には・・・
発生予防対策
発生予防対策
発生国・地域
野鳥のモニタリング
まん延防止対策
まん延防止対策
関係者間の連携・
家畜保健衛生所
連絡体制の構築
モニタリング/報告徴求
家畜保健衛生所
・異常家きんの
早期発見・早期
通報の徹底
水際検疫
・発生情報の収集
・発生国・地域からの
家きん、家きん肉等の
輸入停止
農場の飼養衛生
管理の徹底
・防鳥ネット等の各種侵入防止対策
・鶏舎内外の整理・清掃・消毒
・鶏の健康管理
・従業員の知識習得
発生農場
・早期発見・早期通報
・殺処分、焼・埋却、消毒
・移動制限と清浄性確認の検査
・衛生条件の確認による鶏卵の出荷等
・感染経路の調査
・損失に対する互助補償等
野鳥・野生動物、人・車両、飲用水・飼料等の
清浄国に復帰
汚染からの侵入防止
高病原性鳥インフルエンザ防疫対策指針により我が国の清浄性を維持
-31-
(2)現在までの発生と対応
(H21.5.26時点)
※平成20年青森県、秋田県、北海道で、オオハクチョウに高病原性鳥
インフルエンザウイルスが確認され、緊急的な立入指導や石灰散布等
の消毒を実施
<平成16年の発生> H5N1亜型
1月
山口県(1農場 約3万羽)
2月
大分県(1農場
14羽)
2~3月 京都府(2農場 約24万羽)
・平成16年我が国で79年ぶりとなる高病原性鳥インフルエンザ
(強毒タイプ)が発生
・発生農場においてまん延防止措置を実施し、4月に終息
・家畜伝染病予防法の改正
・「鳥インフルエンザ緊急総合対策」を取りまとめ
・特定家畜伝染病防疫指針の策定
・家畜防疫互助基金の造成、経営維持資金の融通
・緊急時に備えたワクチン備蓄
<平成19年の発生> H5N1亜型
1月
宮崎県(2農場 約7万羽)
1月
岡山県(1農場 約1万羽)
2月
宮崎県(1農場 約9万羽)
※平成19年3月1日移動制限解除
・平成19年1,2月宮崎県、岡山県で高病原性鳥インフルエンザ発生
・防疫指針に基づく迅速な防疫措置により早期終息
・家きん飼養農場で消石灰による緊急消毒の実施
・国民への正確な情報の提供(不適切な表示の是正等)
・感染経路調査報告書を公表(H19.9)
・防疫指針の変更(発生の疑い時点での公表、食鳥処理場等の例外
措置等) (H20.2)
・養鶏農場への立ち入り検査、衛生管理テキストの作成・普及
・モニタリングの強化及び早期発見・早期通報の徹底の通知
<平成17年の発生>H5N2亜型
6月~翌1月 茨城県・埼玉県(41農場 約578万羽)
・平成17年6月以降、茨城県を中心に高病原性鳥インフルエンザ
(弱毒タイプ)が発生
・弱毒タイプであることを踏まえ、一定の条件を満たす農場に監視
プログラムを適応
・18年4月までに殺処分を終了
・感染経路調査報告書を公表(H18,9)
・防疫指針に、弱毒タイプの発生時の防疫措置を追加(H18,12)
<平成21年の発生>H7N6亜型
2~3月 愛知県(7農場 約160万羽)
※平成21年5月11日すべての移動制限解除
・平成21年2月、愛知県のうずら農場で高病原性鳥インフルエンザ(弱毒タイプ)
が発生
・発生確認後、直ちに半径10km以内の移動を制限。その後弱毒タイプと確認され、
移動制限を半径5kmまで縮小。(ウイルスが分離された1~3例目に適用)
・4~7例目は、抗H7HA抗体だけが確認(ウイルス未分離)され、半径5kmの移動
制限はうずらのみを対象として実施。(清浄性確認検査は半径5km内のすべての
家きん農場について実施)
・全国すべてのうずら農場等について立入検査を行い、陰性を確認
・感染経路の調査のため、疫学調査チームを設置
・発生農場等の経営再開及び防疫対応等について、家畜伝染病予防費のほか、食の
安全・安心交付金、希少育種資源増殖回復特別対策事業等により支援するととも
に
家畜防疫互助基金の対象家畜に、平成21年度よりうずらを追加
-32-
(3)海外における発生状況とそれに伴う我が国の措置
・ 海外からの鳥インフルエンザの侵入を防止するため、発生時には家きん、家きん肉等の輸入を停止。
・ 平成16年2月からは、ペットも含めすべての鳥類について発生国からの輸入を停止。
・ 平成17年11月、厚生労働省を中心に新型インフルエンザ対策行動計画を策定。
農水省も水際検疫措置の強化、サーベイランスの強化等の防疫措置を実施。
・ アジア諸国を対象に、本病のまん延を防ぐためOIE、FAOを通じ、アジアを中心に防疫対策を支援。
アジア地域への支援の概要
《 ヨーロッパ 》
イタリア H7N3
感染確認日:2002.10.23
ルーマニア H5N1
感染確認日:2005.10.11
トルコ H5N1
感染確認日:2005.10.11
アルバニア H5N1
感染確認日:2006.3.9
チェコ H5N1
感染確認日:2007.6.22
オランダ H7N7
感染確認日:2006.8.1
(注)オランダはワクチン接種につき
2006.3.16以降輸入停止
セルビア・モンテネグロ H5
感染確認日:2006.4.5
ポルトガル H5N2(弱毒)
感染確認日:2007.9.19
英国 H7N7
感染確認日:2008.6.4
ドイツ H5N1
感染確認日:2008.10.14
デンマーク H7
感染確認日:2008.12.25
《 アフリカ 》
ナイジェリア H5N1
感染確認日:2006.2.9
南アフリカ H5N2
感染確認日:2004.8.9
ジンバブエ H5N2
感染確認日:2005.12.5
エジプト H5N1
感染確認日:2006.2.21
ニジェール H5N1
感染確認日:2006.3.1
カメルーン H5N1
感染確認日:2006.3.14
スーダン H5N1
感染確認日:2006.4.21
コートジボワール H5N1
感染確認日:2006.4.27
ブルキナファソ H5N1
感染確認日:2006.5.31
ジブチ H5N1
感染確認日:2006.5.31
ガーナ H5N1
感染確認日:2007.5.7
トーゴ H5N1
感染確認日:2007.6.26
ベナン H5N1
感染確認日:2007.12.6
家きんの高病原性鳥インフルエンザの発生状況
=輸入停止国【 58カ国・地域 】
《 ロシア,NIS諸国 》
ロシア H5N1
感染確認日:2005.7.22
カザフスタン H5N1
感染確認日:2005.8.4
ウクライナ H5N1
感染確認日:2005.12.6
アゼルバイジャン H5N1
感染確認日:2006.3.1
《 北東アジア 》
中国
H5N1 感染確認日:2004.1.27
モンゴル H5N1 感染確認日:2005.9.2
北朝鮮 H7
感染確認日:2005.3.15
韓国
H7N8(弱毒) 感染確認日:2007.11.26
H5N1 感染確認日:2008.4.2
H5N2(弱毒) 感染確認日:2008.10.4
H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.1.2
日本
●H7N6(弱毒)
感染確認日:2009.2.27
●H5N1(強毒)
感染確認日:2007.1.13
清浄性確認日:2007.5.8
●H5N2(弱毒)
感染確認日:2005.6.26
清浄性確認日:2006.7.21
●H5N1(強毒)
感染確認日:2004.1.12
清浄性確認日:2004.4.13
《 西・南アジア 》
イラク H5N1
感染確認日:2006.2.6
パキスタン
H7
感染確認日:2004.1.27
H5N1 感染確認日:2006.2.27
インド H5N1
感染確認日:2006.2.21
アフガニスタン H5N1
感染確認日:2006.3.17
サウジアラビア H5N1
イスラエル H5N1
感染確認日:2007.3.27
感染確認日:2006.3.20
バングラディッシュ H5N1
ヨルダン H5N1
感染確認日:2007.3.27
感染確認日:2006.3.27
イラン H5N1
パレスチナ自治区 H5N1
感染確認日:2008.1.17
感染確認日:2006.4.18
ネパール H5N1
クウェート H5N1
感染確認日:2009.1.19
感染確認日:2007.3.1
《 東南アジア 》
香港 H5N1
感染確認日:2001.5.18
マカオ H5N1
感染確認日:2001.5.24
ベトナム H5N1
感染確認日:2004.1.9
インドネシア H5N1
感染確認日:2004.1.25
ラオス H5
感染確認日:2004.1.27
(※H5N1 感染確認日:2006.7)
カンボジア H5N1
感染確認日:2004.1.25
タイ H5N1
感染確認日:2004.1.22
マレーシア H5N1
感染確認日:2004.8.5
ミャンマー H5N1
感染確認日:2006.3.14
《 南北アメリカ 》
アメリカ(弱毒タイプのため州単位での輸入停止)
ニューヨーク州 H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.3.12
ケンタッキー州 H7N9(弱毒) 感染確認日:2009.4.6
イリノイ州 H7N9(弱毒) 感染確認日:2009.4.27
テネシー州 H7N9(弱毒)感染確認日:2009.5.1
ミネソタ州 H7N9(弱毒)感染確認日:2009.5.18
カナダ(弱毒タイプのため州単位での輸入停止)
ブリティッシュ・コロンビア州 H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.1.26
メキシコ (弱毒タイプのため州単位での輸入停止)
コアウイラ州他 H5N2(弱毒) 感染確認日:2005.3.31
ドミニカ共和国 H5N2(弱毒) 感染確認日:2007.12.25
ハイチ共和国 H5N2(弱毒) 感染確認日:2008.6.16
2009年5月28現在
-33-
○アジアにおける鳥インフルエンザ防
疫体制強化プログラムの概要
・平成19年度補正予算額
1,242百万円
平成20年度予算額
71百万円
・事業内容
アジア域内の早期通報体制の整備、獣
医行政組織の能力向上、ウイルス伝
播ルートの解明
○アジアにおける食品安全・動植物検
疫関連総合支援事業のうち動物衛生
対策の概要
・平成19年度予算額
80百万円
平成20年度予算額
49百万円
・事業内容
防疫計画策定支援、早期警告システ
ム構築、専門家派遣 等
○アジアにおける高病原性鳥インフル
エンザ拡大防止緊急総合対策の概要
・平成17年度補正予算額
1,979百万円
・事業内容
地域レベルでの防疫戦略の整備、農
家の緊急サーベイランスの実施、殺
処分に必要な機材等の供与 等
(4)愛知県において確認された高病原性鳥インフルエンザに対する農林水産省の対応
1
発生の概要
発生日
2
飼養羽数
移動制限の解除日
1例目
2月27日
約26万羽
3月27日
2例目
3月4日
約20万羽
4月4日
3例目
3月10日
約11万羽
4月20日
4例目
3月18日
約67万羽
5月11日
5例目
3月29日
約14万羽
6例目
3月29日
約13万羽
7例目
3月29日
約9万羽
5月11日
5月11日
5月11日
移動制限
・発生確認後、直ちに半径10km以内の移動を制限。その後弱毒タイプであることが確認され、移動制限を半径5kmまで縮小。
(ウイルスが分離された1~3例目に適用)
・4~7例目は、ウイルスが分離されず、抗H7HA抗体だけが確認され、移動制限はうずらのみを対象とした。(清浄性確認検査
は半径5km内のすべての家きんについて実施)
・移動制限区域内の家きん卵、排泄物、家きん等については、農場の清浄性等を確認の上、移動制限の例外を適用。
3
発生農場等の経営再開及び防疫対応への支援措置を充実
・ 家畜伝染病予防費
:埋却場所確保の経費、防疫措置に伴う作物の被害、畜舎の損壊の補償等を追加支援
・食の安全・安心交付金 :経営再開のための雇用維持や疫学関連農場におけるまん延防止に係る経費等を追加支援
・家畜防疫互助基金
:平成21年度から、対象家畜にうずらを追加
・希少育種資源増殖回復特別対策事業:育種用うずらの導入やふ卵機機械の整備等に対して助成
(特別交付税
4
:愛知県が申請予定、農水省からも総務省に状況を説明中)
疫学調査チームによる感染経路等の調査
・発生農場の現地調査、分離されたウイルスの性状検査、うずら、鶏等への感受性試験等を実施
5
全国うずら飼養場の検査
・全国すべてのうずら飼養場について立入検査を行い、本病ウイルスの陰性を確認(38道府県、173施設、319万羽)
※静岡県の1農場で抗体検査(ゲル沈)が陽性となったが、抗H5HAおよびH7HA抗体は確認されず、定点モニタリングの対象としている
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