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星はスバル
星はスバル スバル(プレアデス散開星団) スバルといえば、今から一千年前、平安 時代の才媛清少納言が、「星はすばる、ひ こぼし、明星、夕つつ、よばいぼしをだにま からましかば、まして」と「枕草子」に述べて います。 雑誌名や車名さらには歌の題名にも使わ れた、「スバル」という言葉は外国語だろう と思っている人はいませんか。この言葉、 実は純粋の日本語なのです。 「スバル」というのは、1つの星の名前で はなくて、多数の星が集まったもの、すなわ ち散開星団の名前なのです。すなわち、ス バルには、「統る」(すばる)と「昴」(すばる) の二つの書き方があり、「統る」は「枕草子」 にも出てくる語で、現在は全く使われていま せんが、「一つにまとまる」、あるいは「集ま る」の意味があります。 「昴」はプレアデス星団のことで、肉眼で 見ることが出来る数少ない星雲・星団の一 つで、星が6個あるので、六連星(むつらぼ し)ともいわれています。 こうした言葉の意味から、雑誌名や車名 の「スバル」には、星の持つロマンチシズムや「いいもの美しいものが一つに集められ ている」といった意味合いが込められているようです。この星、普通の視力の人であ れば6個、目のいい人であれば10個以上見ることが出来ますよ。 冬の夜空と言えば、長方形に三つ星が並んだ「オリオン座」で、この時期は空が澄 んでいてひときわ目立ちますが、「オリオン座」は、この「スバル」を追いかけるようにし て昇ってきます。すなわち、「オリオン座」の直ぐ右上を探せば「おうし座」の中の「スバ ル」を見つけることが出来るというわけです。 中国では、昴宿(ぼうしゅく)というそうですが、この「スバル」、おうし座の星団の一 つです。おうし座にはV字型の「ヒアデス星団」と肩の辺りに蛍の群れのような美しい 瞬きを見せる「プレアデス星団」があります。これが「スバル」です。 おうし座は1月の下旬の夜の8時ごろ南中高度73°(南に向かって水平線から7 3°)の位置に見ることができます。「スバル」は実際にはほとんど真上の空を探すと 直ぐ見つかりますし、少々目が悪い人でも真上を見ればぼやっとした雲のような星の 固まりに見えますから直ぐ分かります。