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海外安全対策情報 - 在ポルトガル日本国大使館
海外安全対策情報(ポルトガル・2016 年 10 月) 1 治安情勢等及び邦人被害の状況 (1)治安情勢等 ア 一般犯罪情勢 当国における 2015 年の犯罪認知総数は 356,032 件で,2014 年(343,768 件) よりも 1.3%増加した。他方,凶悪犯罪認知件数は 18,964 件で,2014 年(19,088 件)よりも 0.6%程度減少した。 近年,犯罪件数は減少傾向であったところ,この度認知件数が増加に転じた 理由として,警察による街頭警戒及び警戒検挙活動の強化のほか,法改正に伴 う動物虐待行為等新たな犯罪の事件化,並びに放火(森林火災)の増加等が挙 げられている。 イ リスボン周辺のスリ犯の主な傾向 犯人グループは乗用車を利用し,観光客が多数集まる観光スポットを移動す るとともに,盗んだものをすぐに同車両運転手に渡し,次の犯行の準備をして いる。スリ犯は フィゲイラ広場,ロシオ広場,路面電車 付近にて犯行に及んでいるほか リベルダーデ通り にて高級ブランド品を大量に買い込んだ外国人観光客を主なターゲットとして いる。 ウ 観光客を狙った犯罪等手口 最近報告されている手口として,レストランで飲食する男女に近づき,巧み な話術でバラを購入するよう促し,商品受け取った後,高額を請求するもの。 また写真を撮ってあげると近づき,撮影した後に金品を要求するもの(なかに は,支払いが終了するまで,カメラやスマートフォンを返却しないもの)等が 報告されている。 (2)最近の邦人関連被害例 7~9月の間,大使館に届けられた邦人の犯罪被害件数は 17 件(4~6月の 間の届出数は 11 件)。 依然として,市電(28 番及び 15 番)を利用する観光客を狙ったスリ被害が多 発しており,警察官による巡回が継続されている。 ア イ 犯罪手口 すり 13 件 置き引き 1件 ひったくり 1件 手口不明 2件 エ 犯行時間帯 ウ 発生曜日 0~6時 0件 月曜日 2件 6~9時 1件 火曜日 1件 9~12 時 3件 水曜日 2件 12~15 時 5件 木曜日 3件 15~18 時 1件 金曜日 0件 18~21 時 4件 土曜日 5件 21~24 時 2件 日曜日 4件 不明 1件 発生場所 場所 件数 リベルダーデ通り 2件 リスボン バイシャ・シアード・アルファマ地区 3件 ベレン地区 1件 市電(28 番,15 番) 3件 その他交通機関内 1件 ホテル内 0件 上記以外 1件 シントラ・カスカカイス 3件 ポルト 1件 不明 2件 オ ○ 被害例・対策 リスボン市内繁華街を観光していたところ,背負っていたリュックサック が開いていることに気付き,確認したところ中から現金,パスポート,財布 等が盗まれていた。 ⇒貴重品を入れたバッグ等は必ず目の届く所(正面)に所持して下さい。 ○ リスボン市内市電 28 番(又は市電 15 番)にバッグを提げて乗車した。降 車後,バッグが開いていることに気付き,確認したところ,現金,パスポー トが盗まれていた。 ⇒犯人グループは混雑する市電内(特に乗降時)にて犯行の機会を狙って います。バッグはしっかり正面に持ってください。特に乗降時の押し合うタ イミングが危険です。 ○ レストランでバッグから目を離した隙に、バッグごと盗まれていた。 ⇒所持品は必ず自分の目が届く範囲で管理をして下さい。 2 報道による凶悪犯罪等の事例(日付は 2016 年) ・武器(拳銃・刃物)を所携のうえ,脅迫する手口が目立つ。 ・昼間においても,銀行及び ATM を利用する際は十分な警戒を要する。 【リスボン地方】 ○ 7月7日4時ころ,カスカイス市内において,4人組が ATM にガスを注入 して爆破し,現金を奪って逃走した。 ○ 7月 19 日 11 時半ころ,リスボン市内において男3名が観光客夫婦に暴行 を加え,金品を奪って逃走した。 ○ 8月までの数ヶ月間,CP カスカイス線の駅構内や電車内等において常習的 に乗客を脅し,現金を奪っていた 17 歳~21 歳のグループ4名が8月9日,逮捕 された。 ○ 9月5日午後,ロウレス市内において,乗用車に乗った2人組が通行人に 拳銃を突きつけ,現金ほか所持品を奪った。 【北部】 ○ 7月 12 日夜間,ヴィラ・ド・コンデ市内ガソリンスタンドに散弾銃を持っ た3人組が押し入り,同店従業員を脅迫のうえ,現金を奪って逃走した。 ○ 7月 23 日午後,ファフェ市内のスーパーに男が押し入り,ATM に現金を補 充していた警備員を襲い,現金を奪って逃走した。 【中部】 ○ 8月 22 日未明,コインブラ市内の公園において,刃物を所持した2人組が 「Pokemon Go」で遊んでいた男性2名を脅し,携帯電話及び財布を奪った。 ○ 8月 30 日午前6時ころ,レイリア市内において,3人組が ATM を爆破した うえ,現金を奪って逃走した。 3 テロ・爆弾事件発生状況 当該期間中,ポルトガルにおけるテロ関連動向は把握されなかった。 なお,爆発物容疑の不審な物件(主にリュックサック)として警察に通報さ れ,事件性なし(爆発物にあらず)と判明したケースは複数件あった。 4 誘拐事件発生状況 特筆すべき誘拐事案は把握されなかった。 5 対日感情 良好。 6 日本企業の安全に関する諸問題 当該期間中,外国籍(日本資本を含む)企業が,脅迫や何らかの事件に巻き 込まれたという事案の発生は報告されていない。