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購買付加価値を求める現代の消費者たち ∼「楽しさ」の訴求∼
購買付加価値を求める現代の消費者たち ∼「楽しさ」の訴求∼ Ⅰ部 3年 7 組 6番 岩沢麻衣 他 4名 Ⅰ部 3 年 4 組 43 番 堀尾健一 Ⅰ部 3 年 9 組 32 番 竹内英雄 Ⅰ部 3 年 11 組 11 番 風間裕介 Ⅰ部 3 年 24 組 8 番 宇多田梨枝 【目次】 第 1章 問題の所在 第 1節 購買活動の低下 第 2節 生活・購買スタイルの変容 第 2章 文献レビュー 第 3章 事例研究 第 1節 エンターテイメント企業 第 2節 ナイトマーケット 第 3節 まとめ 第 4章 実証的研究 第 1節 研究課題 第 2節 調査対象と調査期間 第 3節 分析方法 第 4節 分析結果 第 5章 考察 1 第 1章 問題の所在 第 1節 購買活動の低下 今日、かつて流通革命を巻き起こした大手スーパーの破綻、老舗百貨店の経 営不振など小売商業者にとって大変厳しい業況が続いている。日本リサーチ総 合研究所の発表する消費者心理の総合批評ともいうべき生活不安度指数は 2001 年 度 12 月 に 過 去 最 悪 の 水 準 ( 158) を 更 新 し 、 そ れ か ら や や 改 善 さ れ て は い る も の の (2002 年 6 月 発 表 指 数 : 145)、 総 平 均 (145)は も と よ り 過 去 の 不 況 局 面 に お け る 水 準 と 比 べ て み て も 依 然 と し て 非 常 に 高 い ( 悪 い )水 準 に あ り 、 ま だ ま だ 楽 観 視 で き る 状 況 に は な い ( 1 ) 。 失 業 率 は 5,4%を 超 え 、 消 費 者 を 取 り 巻 く 雇用や所得の環境は、今後も厳しさが続くと予想され、失業や収入の見通しの 改 善 に は あ ま り 大 き な 期 待 が も て な い 状 況 に あ る(2) 。 消 費 者 心 理 は 依 然 と し て 極めて悪い水準を脱しておらず、先行きは、なお不透明である。 さらに、女性の未婚化の進行や、それに伴う少子化や高齢化は世界に例を見 な い 程 急 速 に 進 展 に し て い る 。 1960 年 代 、 70 年 代 に 急 激 に 進 行 し た 「 高 学 歴 化 」、 さ ら に は 1986 年 に 施 行 さ れ た 「 雇 用 機 会 均 等 法 」 の 影 響 な ど も あ っ て 女 子 の 就 業 機 会 が 広 が り 、 男 女 の 給 与 格 差 も 縮 小 し つ つ あ る(3) 。 こ れ が 女 性 の 社 会 進 出 を 促 進 さ せ 、女 性 の 経 済 的 立 場 の 向 上 に 繋 が っ て い る と い え る 。そ し て 、 高収入を得られる就業機会が増え、生活のために結婚する必要が弱まってきて おり、生き方や自己実現など、人生設計の選択肢も広がってきている。これら の 影 響 で 、 未 婚 率 の 上 昇 も 進 行 し て い る も の と 考 え ら れ て い る (4)。 未婚化や少子化に伴って、世帯が増えないことが消費需要の低下(家や自動 車を買わなくなるため)につながり、深刻な問題となっている。また、労働力 人口の減少や貯蓄率の低下が経済活力を低下させ、公的負担の増大が更なる活 力低下につながるという悪循環を招来するおそれも出ている。 以上のように、近年の日本国家は消費の低迷が進行しているが所得水準は世 2 界的に見てまだまだ高いし、預貯金も多い。 したがって、経済力の底上げだけが冷えきった消費意欲を喚起する要因には なりえないと考えられる。日本の潜在購買力は依然として大きく、 「欲しい物が ないために購買することができない」という理由が現在における日本の消費低 迷を引き起こした第二の要因なのではないだろうか。 第 2 節では、消費不況において、前述した「買えない」という側面の他に「買 いたくない」という消費者心理について注目する。 第 2節 生活・購買スタイルの変容 現在の購買活動の低下による不況には、所得の減少により、消費を控えたた めに起こった不況と、可処分所得はかわらずあるのにも関わらず、モノを買う 気を起こさなくなった不況があるとここでは借定したい。 前者は景気が回復すれば自然と消費欲も出てくるが、現在の稀有な市場の雰 囲 気 は 、 後 者 の 影 響 も 大 き い と 考 え ら れ な い だ ろ う か 。 か つ て 、 1960 ‐ 1970 年代頃には、 「 3 種 の 神 器 ( 5 ) 」や「 3C ( 6 ) 」と い っ た 一 般 庶 民 が 憧 れ る 新 商 品 が 次 々 に 登 場 し 、 高 度 経 済 成 長 の 波 に 乗 っ て 急 速 に 普 及 し て い っ た 。 そ れ か ら、 耐 久 消費財の普及による需要減少の後は服飾品、外食など消費の拡大が始まった。 しかし、価格破壊の追随によるアジア諸国で生産された安い製品が日本市場に 大量に逆流し、供給過剰になって価格下落に拍車をかけ、ますます国内の製造 業を圧迫している。さらに供給過剰のために、消費者の購買意欲は低下し、個 人趣向の商品を追い求めるようになった。 インフレによる消費者の実質所得の低下は価格に対する消費者の反応を強め、 購買決定の計画性を高める。購買決定の計画化の進行は価格や製品の実質的内 容、品揃えを基準に店舗を選択する傾向が強い。価格における差別化戦略は広 く 採 用 さ れ 、 1990 年 代 前 半 か ら 、 I T 技 術 の 進 歩 や 人 件 費 の 安 い ア ジ ア 後 発 国 における生産によって生産コストが大幅に減少し、また、デフレと合い重なっ て価格破壊が進んでいる。東京都生活文化局の調査によれば、価格破壊を身近 3 に 感 じ る 人 は 86.5%に も 達 す る ( 7 ) 。 しかし、価格破壊が進み劇的に安くなければ支持されない商品が蔓延してい る一方で高級品ブームが起こっている。日本はグッチやヴィトンにとって世界 最 大 の 市 場 と な っ て い る ( 8 ) 。 280 円 の 牛 丼 を 食 べ て グ ッ チ や ヴ ィ ト ン の か ば ん を持っているのが一般的な日本人の姿ではないだろうか。このような消費の二 極 分 化 は 不 景 気 だ か ら モ ノ が 売 れ な い と い う 説 を 否 定 す る に い た る (9)。 消費者は従来のマスマーケティングに煽動されて購買に走るパターンから、 自分の嗜好を大切にする方向に転換してきている。低価格志向や必要なものし か買わなくなった一方で、自分が本当に気に入ったものや安全・健康に配慮し た 商 品 に つ い て は 、 多 少 高 額 で も 購 買 す る 傾 向 に あ る (10) 。 購 買 と は 本 来 、 生 活 し て い く の に 必 要 な 財 ・ サ ー ビ ス と 貨 幣 と を 交 換 す る こ と で あ っ た ( 1 1 )。 け れ ど も 、現 代 で は 購 買 と い っ た も の が変 化 し て き て い る 。も は や 普 通 に 商 品 を 購 買 ・ 獲得するのでは満足しきれない人たちが増えてきているのだ。 ジ ョ ナ サ ン ・ フ リ ー ド ( Jonathan Freedman) は 「 あ る 最 低 所 得 と い う も のが達成されると、それ以上の収入は幸福をもたらすという点では効果がなく なる。貧困水準を越えれば、所得と幸福の相関関数は驚くほど希薄である」と 述 べ た ( 1 2 ) 。「 昔 に 比 べ れ ば 明 ら か に 人 々 の 暮 ら し 向 き は よ く な っ た 。 し か し 、 心理的には暮らし向きが悪くなったかもしれない」と経済学者レスター・サロ ー ( Lester Thurow) は 言 う ( 1 3 ) 。 暮 し 向 き が 悪 く な っ た と い う 実 感 は 、 生 活 環 境 が 変 わ り 、特 定 の「 モ ノ 」の も つ 意 味 が 変 化 し て き た こ と か ら も き て い る 。 つまり、物質の所有が意味をもつ時代ではなくなったとも言えよう。 私たちは、必要は不断に増大すると思い込んでいる、しかし、成長経済は常 に満足を上回る必要を生み出し、結局、次第に大きな窮乏感を私たちに味わわ せ る の で あ る 。現 在 の 消 費 者 は「 不 必 要 を 買 っ て い る 」と 言 え る か も し れ な い 。 物質的所有という目的を達成できた現代の消費者は、新しい消費段階に入っ たといえる。今の消費者にとって購買は財の取得という意 味だけではなく購入 行為そのものが意味をもつのではないだろうか。 成熟社会においては、人間行動の主流は特定の欲求の充足や安楽の追及では 4 な く 、 刺 激 を 求 め 、 快 楽 を 追 求 す る も の と な る ( 1 4 ) ( 1 5 )。 コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア やインターネットの普及によって、大概の商品は欲しいけど、買おうと思えば 買 え る も の に な っ て し ま っ た (16)。 そ れ 故 に 商 品 と の 出 会 い 方 、 商 品 の 買 い 方 、 使い方に刺激や価値を求める。何を買ったかではなく、どこで、どのように、 誰から、どのような条件で買ったか、にこだわるのである。極論すれば、金を 払ってもいいから能動的な買い方をしたい消費者の購買意識が見える。 新奇性、非日常性を体験することにより、消費者は購買行為そのものを「楽 しい」と感じているのではないだろうか。 こ こ で 、こ の よ う な 消 費 者 に 対 し て 購 買 意 欲 を 増 幅 さ せ る 可 能 性 の あ る 効 果 、 「 楽 し い と い う 感 覚 」を 訴 求 し て 財 を 購 入 す る 心 理 を「 購 買 付 加 価 値 」と す る 。 そこで私たちは「現代の消費者は購買における付加価値を求めている」とい う仮説をたて、検証を行うとともに、本論文で考察していきたいと思う。第2 章では、文献レビューによって、この「楽しいという感覚」を定義づけ、第3 章では、消費者に対して購買付加価値を提供するよう環境を整備している代表 的な企業を見てみることにしよう。 第2章 文献レビュー 「楽しい」とは、日常的には、遊びによる愉快な感覚や官能的な悦びを意味す る 言 葉 と し て 用 い ら れ る 。「 楽 」 に は 、「 心 身 が 安 ら か で 楽 し い こ と 」 ( 1 7 ) と い う 意 味 が あ り 、「 楽 し い 」 と は 、「 満 足 で 愉 快 な 気 分 」 や 「 快 い 」 ( 1 8 ) と い う 意 味 を 持っている。 こ の 「 楽 し さ 」 を シ ジ ウ ィ ッ ク ( Sidgwick,H)、 ミ ル ( Mill,J.S.)、 プ ラ ト ン ( Plato) は 「 快 楽 」 と し て 論 じ て い る 。 ま た 、「 快 楽 」 と は 、「 気 持 ち よ く 楽 し い こ と 」( 1 9 ) と い う 意 味 を 持 ち 、本 論 で は「 楽 し さ 」と 同 義 と み な す こ と に す る 。 シ ジ ウ ィ ッ ク ( Sidgwick,H) に よ る と 、「 快 楽 」 と は 「 感 覚 や 感 情 を 持 っ て 5 い る 個 々 の 人 間 が 、感 情 を 経 験 し た 時 点 で 、ぼ ん や り と 、あ る い は は っ き り と 、 望 ま し い と 認 識 す る 感 情 」( 2 0 ) だ と し て い る 。 そ れ は 、 目 的 や 結 果 に 照 ら し て 望 ましかったり、他者の判断によって望ましいとされたりするのではなく、経験 し た 本 人 が 望 ま し い と 思 う 事 を 指 す ( 2 1 ) 。「 快 楽 」 と 呼 ば れ る 全 て の 感 情 に 共 通 の 性 質 は 、「『望ましい』と い う 語 に よ っ て 表 現 さ れ る 、 欲 求 及 び 意 思 と の 関 係 」 ( 2 2 ) で あ る と い う 。 ま た 、 シ ジ ウ ィ ッ ク ( Sidgwick,H ) の 「 快 楽 」 主 義 は 、 人 間本来の行動原理として快楽追求をとらえる心理的快楽主義と、人間は快楽を 追 及 す べ き で あ る と す る 倫 理 的 快 楽 主 義 に 分 け ら れ る (23)。 心 理 的 ・ 利 己 的 快 楽 主 義 は 、 各 人 の 「 快 楽 」 は 各 人 の 欲 求 の 対 象 と な る と い う 主 張 で あ る (24)。 プラトン( Plato)は「 快 楽 」を 欠 乏 の 充 足 、 欲 望 充 足 の 状 態 、 と し て 説 明 し 、 「快楽」にとって本質的なものは、 「欲望と要求、その満足に求められてもよい で あ ろ う 。」( 2 5 ) と し て い る 。 「快楽」を肉体的な欲望だけでなく精神的な欲望も 含 め 、 充 足 す る 事 だ と 論 じ た (26)。 ミ ル ( Mill,J.S.) に よ れ ば 、 あ る 対 象 を 望 む 事 と 、 そ れ を 快 い と 思 う 事 は 、 心 理 学 的 に は 全 く 同 じ 事 で あ る と い う ( 2 7 )。 そ し て 、 欲 求 は 、 個 人 的 価 値 の 世 界 に 属 す る 現 象 で あ る と い う ( 2 8 ) 。 と い う の も 、 ミ ル ( Mill,J.S.) は 「 小 売 原 理 の 証明」として、 「何かが望ましい事を示す証拠は、人々が実際にそれを望んでい る と い う こ と し か な い 」 ( 2 9 ) と 述 べ て い る か ら で あ る 。 つ ま り 、「 望 ま し い 」 と い う こ と ( 価 格 意 識) を 示 す 根 拠 と し て 、「 望 む 」 と い う こ と ( 欲 求 ) を あ げ て いるのである。 以上、 「楽しさ」についての文献の検討を行ってきた。ここで整理すると、本 論 に お け る 「 楽 し さ 」 は 、 シ ジ ウ ィ ッ ク ( Sidgwick,H) に お け る 「 主 観 的 な 望 ま し さ 」、プラトン( Plato ) に お け る 「 欲 望 の 満 足 」 と い う 定 義 に 近 い 。 ま た 、 「 望 む こ と 」 に 照 ら し て 快 楽 を 説 明 し よ う と し た ミ ル ( Mill,J.S.) の 議 論 と も 結びつく。ここで、単に「望ましさ」とせず、 「 主 観 的 な 望 ま し さ 」としたのは、 本論が主として個々の消費者の心理の立場から進めていこうとするものだから で あ る 。 つ ま り 、 本 論 は シ ジ ウ ィ ッ ク ( Sidgwick,H) が 言 う と こ ろ の 心 理 的 ・ 利己的快楽主義の立場をとる。この立場においては、主観的に望ましいかどう 6 か、社会全体にとって望ましいかどうかではなく、主観的に、行為者自身にと って望ましいかどうかで快楽が決まると考えることができる。なお、本論で言 う と こ ろ の 「 望 ま し さ 」 は 、 シ ジ ウ ィ ッ ク (Sidgwick,H) 同 様 、「 完 全 に 予 見 で き た な ら 望 ま れ る で あ ろ う 」 と い う こ と を 意 味 す る 。「 楽 し さ 」 と は 、「 主 観 的に望ましい経験」を意味するのである。 「楽しさ」を伴った購買行動とは、人間が本来持っている「楽しさ」への指 向 性 が 、 消 費 者 行 動 と い う 形 を と っ て 現 れ た も の と 考 え る こ と が 出 来 る 。 (30) ベ ン サ ム ( Bentham,R.) は 、「 わ れ わ れ が 何 を す る で あ ろ う か と い う こ と を 決 定 す る の は 、 た だ 苦 痛 と 快 楽 だ け で あ る 。」 ( 3 1 ) と 述 べ て い る 。 ベ ン サ ム ( Bentham,R. ) は 、 人 間 が 快 楽 を 求 め る こ と を 、 本 来 人 間 に 備 わ っ て い る 心 理 的 法 則 と 考 え た の で あ る (32)。 「楽しさ」とは、人間がいつでも何をするときでも求める、普遍的な訴求行 動であり、特に苦痛を伴って働いた結果得た「可処分所得」を「使う」時に、 人間は最大限、これを追い求める。つまり、人は、不快な思いをして購買する ことに忌避心理が働き、購買を通じて快感を得るのだ。そして、その快感こそ が「楽しい」という感覚であり、これを得るために、人は購買行動を起こすの だ。. 第3章 事例研究 第 1節 エンターテイメント企業 私 た ち は 、消 費 者 の 購 買 ス タ イ ル の 変 化 に 沿 っ て 、購 買 付 加 価 値 を 取 り 入 れ 、 業績を右肩上がりに伸ばしている企業について検証する。特に本章では独自の 調 査 ( 2002 年 7 月 28 日 、( 株 ) ド ン ・ キ ホ ー テ 広 報 部 加 藤 氏 宛 発 信 、 8 月 8 日に受信したドン・キホーテへの質問への回答、ドン・キホーテ人事部早川氏 7 を経由して連絡を取ったもの)を利用し、同社の最新資料により考察を進めた い。 ドン・キホーテは、 「 コ ン ビ ニ エ ン ス ( = 便 利 )」、「 デ ィ ス カ ウ ン ト ( = 安 さ )」 に 加 え て 「 ア ミ ュ ー ズ メ ン ト ( = 楽 し さ )」 を コ ン セ プ ト に し て 、 わ ず か 10 年 足 ら ず で 、 年 収 1000 億 円 以 上 、 全 国 で 56 店舗( 2002 年 7 月 16 日 現 在 ) の 大 企 業 へ と 成 長 し た ( 3 3 ) 。 ド ン ・ キ ホ ー テ は 、「 圧 縮 陳 列 」 と い う 手 法 で 、1 店 舗 あ た り 約 3‐ 4 万 種 類 の 商 品 を 迷 路 の よ う に 雑 然 と 、 天 井 ま で 積 み 上 げ 、「 店 の どこかから商品を探し出す」ことで宝探しのような買い物の楽しさをつくり上 げた。このような特徴から、目的を持って買い物に来る消費者よりもむしろ、 目的を持たずに欲しいものを探して買物をする時間を楽しむ消費者が多く利用 している。ドン・キホーテは“時間消費型”小売業として買物の楽しみを消費 者 に 提 供 し て い る の で あ る ( 3 4 )。 また、 「行って楽しい」店として老若男女から支持を得て急成長を遂げている 企 業 と し て 100 円 シ ョ ッ プ ダ イ ソ ー に も 注 目 す る 。 ダ イ ソ ー は 、全 国 に 約 2400 の 店 舗 を 持 ち 、 年 商 は 2420 億 円 を 誇 る 。 ( 2002 年 3 月 期 決 算 ) こ の 数 字 は 100 円 シ ョ ッ プ 業 界 ベ ス ト 5 合 計 の 8 割 近 く を 占 め る ( 3 5 )。 そ の 人 気 の 理 由 は 、 価 格 と 品 揃 え に あ る 。商 品 数 は 現 在 、生 活 必 需 の 日 用 雑 貨 か ら 趣 味 的 な 商 品 ま で 、 約 6 万 品 目 も の 商 品 を 取 り 扱 っ て お り 、 ま た 毎 月 700 種 類 の ペ ー ス で 商 品 が 週 替わり、月替わりで供給されるため、特に買う商品がなくても物珍しさからつ いついダイソーを訪ねてしまう。そこで思わず「ついで買い」するという消費者 は 1 日 で 65 万 に も 及 ぶ ( 3 6 )。 このような企業は、消費者に単に製品やサービスを売っているのではなく、 商 品 と の 刺 激 の ある 出 会 い 方 を 提 供 し て い る 。 買 い 物 を 「 楽 し い 」 と 思 わ せ る こ と に よ っ て リ ピ ー タ ー も 増 え 、 さ ら な る 購 買 を 促 す こ と と な る (37)。 また、お台場のヴィーナスフォートはヨーロッパの街並みを再現した、散策 型のショッピングモールであり、そこにはリアルな天空を再現する「スカイフ ィーチャー・プログラム」やイルミネーション、大規模な装飾が施され、消費者 は日本にいながら「ヨーロッパの都市での散策」という経験を楽しむ事が出来 8 る ( 3 8 )。 他 に 、 デ ィ ズ ニ ー ラ ン ド に 併 設 さ れ た イ ク ス ピ ア リ 、 横 浜 み な と み ら い 21 の ワ ー ル ド ポ ー タ ー ズ 、 ク イ ーン ズ ス ク ウ ェ ア な ど も 消 費 者 を 楽 し ま せ ている。これらの店が支持される理由は、 「テーマ性をもったコンセプト」にし たがって施設全体が創られているということ、つまり「テーマパーク」的な空 間演出がなされているからである。 単に買い物に行くという目的を果たすのみならず、ショッピングの楽しさを 最大限に広げ、消費者に購買付加価値を与えるのである。 第 2節 ナイトマーケット 前節ではドン・キホーテをここまで成長させた要因として「圧縮陳列」を挙 げたが、本節では「深夜営業」という時間差を使った特異商法を取り上げる。 近年に見られる「昼型→夜型」のライフスタイルの変化は、消費者の購買活動 時間にも影響を与えた。深夜営業を行うドン・キホーテは、この未開拓な市場 を タ ー ゲ ッ ト に し 、 多 く の 顧 客 を 得 る こ と に 成 功 し た (39) 。 ド ン ・ キ ホ ー テ の 夜 間 と 昼 間 の 売 り 上 げ 構 成 比 を 、 同 社 か ら の 回 答 を も と に 数 字 を 上 げ れ ば 、朝 10 時 か ら 20 時 ま で の 昼 間 で 約 55% 、 20 時 か ら 深 夜 2 時 ま で の 夜 間 で 約 45% の 売 り 上 げ に な り 、 こ れ を 、 時 間 当 た り で 換 算 す る と 、 約 1.4 倍 の 売 り 上 げ が 夜 間 に あ る と い う こ と に な る ( 4 0 )。 こ れ ほ ど 多 く の 消 費 者 が ナ イ ト マ ー ケ ッ ト を 利用する要因は、単にその利便性だけによるものではない。消費者たちは、 「夜 中に買い物をする」という今までと違う、目新しい購買活動を経験することに よって、好奇心に似た喜び、楽しさを消費するのである。また、社会には「夜 は寝る時間」という既成概念があり、この概念に逆らうことで、消費者は悪戯 のような楽しさ、スリルをナイトマーケットで経験するのである。 現在では、ドン・キホーテのみならず、スーパーマーケットのサミットや、 カ ジ ュ ア ル 衣 料 の ジ ー ン ズ メ イ ト な ど が 24 時 間 営 業 に 本 格 的 に 取 り 組 み 始 め 、 ナ イ ト マ ー ケ ッ ト が 拡 大 し て い る ( 4 1 )。 こ れ に よ っ て 、 深 夜 に 買 い 物 を す る と 9 いう新しい購買活動が可能となった。 しかし、ナイトマーケットの拡大は、同時に騒音問題等の環境問題を引き起 こ す 危 険 性 を 含 ん で い る 。 そ こ で 私 た ち は 、7 月 23 日 、 横 浜 市 役 所 ・ 大 気 騒 音 課の上山氏を訪れ、インタビューを行ったところ、 「確かに住民の方から、深夜 営業店舗の騒音に関する苦情が来ている。我々も測定を行い、店側と話し合い を持って改善に取り組んでいる。さらに、横浜市は今度、大気水質、騒音、振 動、地盤の全部を含んだ環境全体の市条例を作る動きをしている」と述べてい た 。 今 後 こ の 様 な条 例 が 各 地 で 増 え 、 店 舗 側 も 改 善 に 力 を 注 が な け れ ば 、 ナ イ トマーケットのこれ以上の成功は難しい。 第 3節 まとめ 生活必需品はほぼ消費者に行き渡り、 「物余り」と言われる現代において、消 費者はこれ以上商品を必要としているわけではない。低価格に買い物の楽しさ を付加したエンターテイメント・ショッピングが消費者に支持されている。具 体 的 に は 、 100 円 シ ョ ッ プ や シ ョ ッ ピ ン グ モ ー ル に み る エ ン タ ー テ イ メ ン ト 性 のほか、利便性、付随サービスなどが重要であり、そのひとつの形式がオーク シ ョ ン で あ る 。 こ の オ ー ク シ ョ ン と い う 形 式 は 、消 費 者 に 「 買 い 物 」 の 楽 し さ だけではなく、インタラクティブな「エンターテイメント性」を与えることが できるため、他の販売形態に比べても優位な販売活動が可能になる。このショ ッピング自体の楽しさとエンターテイメントの組み合わせは、インターネッ ト・ショッピングでは欠かせないものである。現在の消費者は、必要に迫られ て 買 い 物 を す る と い う よ り 、 買 い 物 自 体 を 楽 し む 傾 向 が 強 い ( 4 2 )。 第4章 実証的研究 10 第 1節 研究課題 この研究の主な目的は、仮説「現代の消費者は購買における付加価値を求め ている」を立証することである。そこでアンケート調査を行い、安さ・話題性・ 購買付加価値の 3 つのそれぞれの項目と購買意欲との相関を求めることによっ て仮説を立証していきたい。 第 2節 調査対象と調査期間 こ の 研 究 で の 調 査 対 象 は 、 主 に 首 都 圏 に 住 む 10 代 か ら 50 代 の 各 世 代 50 名 ず つ 計 250 名 の 男 女 を 対 象 と し た 。 私 達 は こ の 250 名 に FAX ま た は 直 接 訪 問 し て 調 査 に 参 加 し て 頂 い た 。 そ の 中 か ら 得 ら れ た 有 効 回 答 数 は 179 票 ( 回 答 率 71.6% ) で あ り 、 サ ン プ ル 構 成 の 概 要 は 表 1 で 示 す 通 り で あ る 。 ま た 調 査 期 間 は 、 2002 年 8 月 1 日 ∼ 9 月 15 日 で あ る 。 第 3節 分析方法 私 達 が 実 施 し た ア ン ケ ー ト は 資 料 1 に 示 す 通 り で あ る 。 質 問 2「 買 い 物 を す る の は 好 き で す か ? 」 は 購 買 意 欲 の 値 を 求 め る も の で 、 質 問 5「 バ ー ゲ ン は 好 き で す か ? 」 が 安 さ 、 質 問 8「 新 発 売 は 好 き で す か ? 」 が 話 題 性 、 質 問 3「 100 円 シ ョ ッ プ は 好 き で す か ? 」が 購 買 付 加 価 値 を 求 め る も の で あ り 、各 質 問 に は 、 「 は い 」「 ど ち ら で も な い 」「 い い え 」 の 3 段 階 に 分 け て 答 え て も ら っ た 。 そ こ で 出 た 数 値 を 因 子 分 析 し 、そ れ ぞ れ の 相 関 係 数 を 求 め た 。 ( 解 析 に は SPSS 10.0J for Windows を 使 用 し た 。) 第 4節 分析結果 11 表 2 で示した通り、安さ・話題性・購買付加価値のそれぞれの購買意欲と の 相 関 係 数 は 次 の 通 り で あ る 。 有 意 確 率 1% 水 準 以 下 で 安 さ は 0.239、 話 題 性 は 0.254、 購 買 付 加 価 値 は 0.311 の 相 関 係 数 が 出 力 さ れ た 。 ア ン ケ ー ト を 分析した結果、どの項目にもあまり強い相関関係を見つけ出すことができな かったが、購買付加価値が他の項目よりも比較的相関係数が高かったことで、 仮説「現代の消費者は購買における付加価値を求めている」を立証できたと 言 え る の で は な い だ ろ う か 。 つ ま り 100 円 シ ョ ッ プ に 訪 れ る 消 費 者 は 100 円 と い う 安 さ に 惹 か れ る の で は な く 、100 円 シ ョ ッ プ の 豊 富 で 目 新 し い 商 品 に惹かれてお店に訪れるのだ。またアンケートの予備欄にある「あなたは買 う時に値段以外で何を重視しますか?」という質問に対する回答では、図 1 で 示 す 通 り 「 品 質 」「 見 た 目 」「「 店 の 雰 囲 気 」「 店 員 の サ ー ビ ス 」 な ど が 多 か った。 以上のことから、消費者の購買意欲を掻き立てるものは、商品の見た目・ 品質のような商品そのものや、店の雰囲気・サービスなどの心理的要因の他 に、購買時における商品との刺激的出会い方や空間演出を経験する楽しさの ような購買における付加的価値も大きな比重を占めている事が分かった。 (表 1 サンプル構成) 10代 20代 30代 40代 50代 合計 (表 2 男 26 30 15 11 11 93 女 15 16 17 17 21 86 計 41 46 32 28 32 179 相関係数) 12 相関係数 購買意欲 購買意欲 1.000 . 179 .239** .001 179 .254** .001 179 .311** .000 179 Pearson の相関係数 有意確率 (両側) N Pearson の相関係数 有意確率 (両側) N Pearson の相関係数 有意確率 (両側) N Pearson の相関係数 有意確率 (両側) N 安さ 話題性 付加価値 安さ .239** .001 179 1.000 . 179 .231** .002 179 .247** .001 179 話題性 付加価値 .254** .311** .001 .000 179 179 .231** .247** .002 .001 179 179 1.000 .143 . .057 179 179 .143 1.000 .057 . 179 179 **. 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) です。 55 60 50 40 30 20 10 0 41 21 21 20 分 気 度 店 員 の 囲 雰 の 店 態 気 性 要 必 能 機 質 品 見 た 目 9 (図 1 第 5章 19 Q ,購 買 時 に 何 を 求 め る か ) 考察 以 上 、 私 た ち は 「 現 代 の 消 費 者 は 購 買 に お け る 付 加 価 値 を 求 め て い る 。」と い う仮説をたてて、実証的な検証を行ってきた。第 2 章を通して、実際に付加価 値 を 提 供 し て い る 企 業 に つ い て 研 究 し 、第 3 章 で は 、ア ン ケ ー ト 調 査 に よ り「 購 買 意 欲 」「 価 格 」「 話 題 性 」「 購 買 付 加 価 値 」 の 因 子 分 析 を 行 っ た 。 結 果 、「 購 買 13 付加価値」は「購買意欲」との相関が他の二つよりも比較的高く得られた。し か し 、 そ の 数 値 は 0.311 と 微 弱 な も の に と ど ま っ た 。 物質的に豊かな現代では、必需品などを購入する購買行動とブランド品など の奢侈品の購入などにみられるような一種の無駄遣いの形をなす購買行動があ る 。 フ ロ ム (Fromm,E)は 、 人 間 の 行 為 に は 、 生 き 残 る と い う 目 的 の 他 に 、 贅 沢 と い う 目 的 も あ る と 論 じ て い る (43)。 生 物 学 的 目 的 は 先 の 著 作 に お け る 、 生 産 性 の欠乏を補うことに、また贅沢という目的は先の豊穣に、それぞれ対応すると 考 え ら れ て い る 。 人 間 に は 豊 穣 を 求 め る こ と か ら 得 ら れ る 快 楽 が あ る ( 4 4 ) 。これ は 単 な る 生 存 を 超 え る 欲 求 に 基 づ く 快 楽 で あ り 、「 喜 び 」 や 「 幸 福 」 と 呼 ば れ る ものである。 小 島 は 、個 々 の 消 費 者 の 購 買 動 機 に 関 し て 、 「 必 要 条 件 − 魅 力 条 件( H M 理 論 )」 という理論を提唱している。これは、獲得過程(購買)に関する欲求の理論で あ る (45)。 必要条件というのは、消費者にとって、備わっていて当たり前だが備わって いなければ困るような要因である。品質の良さや値ごろであることな どはこれ に 該 当 す る (46)。 H M 理 論 に お け る 「 必 要 条 件 」 は 「 必 需 的 欲 求 」 と 、 ブ ラ ン ド イメージや新たな機能などの「魅力条件」は「贅沢欲求」と重なる部分が大き い と 思 わ れ る (47)。 こ の 二 つ の 購 買 欲 求 は そ れ ぞ れ 求 め ら れ る 価 値 が 違 う 。前 者 に お い て は 、 「品 質 」「 信 頼 性 」「 安 全 性 」 が 訴 求 さ れ る の に 対 し 、 後 者 で は 、 そ れ に 加 え 「 楽 し さ」などの「満足」や「喜び」を購買者に与える購買付加価値が珍重される可 能性が大きいと思われる。 しかし、アンケートではこの点を考慮しなかったため、データの統計的解析 の有効性には大きな限界がある。つまり、野菜を買うのにテーマパーク的価値 は必要ないのである。このため、現代の消費者は購買において「品質」 「信頼性」 「安全性」だけでなく、 「付加価値」をも求めていると推定する結果にとどまっ た。吟味した上での再調査が必要である。 最後に、本論文を作成するにあたって、ご協力下さった方々に深く感謝の意 14 を表したい。 【注】 (1) 日 本 リ サ ー チ 総 合 研 究 所 「 消 費 者 心 理 調 査 」 2002 年 6 月 実 施 . (2) 総 務 省 が 30 日 発 表 し た 労 働 力 調 査 結 果 に よ る と 、7 月 の 完 全 失 業 率 ( 季 節 調 整 値 ) は 5.4 % で 、 3 カ 月 連 続 で 横 ば い だ っ た 。 男 女 と も 前 月 と 同 じ 男 、 5.5% 、 女 5.2% 。 完 全 失 業 者 数 は 352 万 人 ( 男 213 万 人 、 女 138 万 人 ) で 前 月 よ り 16 万 人 減 っ た が 、 前 年 同 月 比 で は 22 万 人 増 と な り 、 6 カ 月 連 続 の 増 加 と な っ た 。 雇 用 保 険 の 受 給 者 数 は 117 万 7000 人 と 過 去 最 高 を 更 新 し た。 (3) 生 命 保 険 文 化 セ ン タ ー 編 岡 崎 陽 一 監 修「 近 年 の ラ イ フ ス タ イ ル が 社 会 を 変 え る 」 東 洋 経 済 新 報 者 ,1997 年 ,16 頁 . (4) 厚 生 省 編 「 厚 生 白 書 」 ,1995 年 版 ,206 頁 . (5) 洗 濯 機 ・ 冷 蔵 庫 ・ 白 黒 テ レ ビ (6) 自 動 車 ・ カ ラ ー テ レ ビ ・ ク ー ラ ー (7) 東 京 都 生 活 文 化 局 「 1998 年 第 5 回 消 費 生 活 モ ニ タ ー ・ ア ン ケ ー ト 」 (8) 日 本 市 場 は 、 バ ッ グ な ど の ル イ ・ ヴ ィ ト ン ・ ブ ラ ン ド を 中 心 と す る 同 社 の 主 力 部 門 、「 フ ァ ッ シ ョ ン ・ 皮 革 製 品 」 で 全 世 界 の 売 上 高 の 3 6% ( 2001 年 度 ) を 占 め る 最 重 要 市 場 。 毎 日 新 聞 2002 年 7 月 19 日 の 記 事 (9) 松 吉 章 吉 「 顧 客 本 位 時 代 の 小 売 業 経 営 情 報 化 戦 略 」 連 載 よ り http://www.shopbiz.jp/contents/news_RT/51_027.phtml (10) 小 売 商 業 支 援 セ ン タ ー に よ る 調 査 www.osbic.or.jp/Retail/ (11) 松 江 宏 、 亀 井 信 弘 、 松 村 潤 一 、 村 松 幸 廣 、 井 上 崇 通 、 大 脇 錠 一 「 現 代 マ ー ケ テ ィ ン グ 行 動 と 消 費 者 行 動 論 」 創 成 社 ,1989 年 ,4 頁 . (12) Wachtel, Paul L. 貧困』 The poverty of affluence.( 土 屋 正 雄 訳 『「 豊 か さ 」 の TBS ブ リ タ ニ カ ,1985 年 ,p48-49.) (13) 同 上 ,20 頁 . 15 (14) 堀 内 恵 子 著 、「 快 楽 消 費 の 追 及 」 ,白 桃 書 房 ,2001、 31 頁 . (15) Scitovsky,T. The Joyless Economy( 斎 藤 清 一 郎 訳 『 人 間 の 喜 び と 経 済 的 価 値 』 中 央 公 論 社 書 ,1979 年 ,23-146 頁 . (16) イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 状 況 は 、2001 年 末 の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 数 は 対 前 年 比 885 万 人 増 の 5,593 万 人 で 、 人 口 普 及 率 で は 、 対 前 年 比 で 6.9 ポ イ ン ト 増 の 44.0% と な っ た 。世 帯 が 前 年 34% か ら 26.5 ポ イ ン ト 増 加 し 60.5% 、 企 業 は 前 年 95.8% か ら 97.6% と 、 ほ ぼ 100% に 近 い 状 態 を 維 持 し て い る 。 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 数 の 上 位 10 カ 国 」 の 項 目 で は 、 利 用 者 数 で は 日 本 は 米 国 ( 1 億 6,614 万 人 ) に 次 い で 2 位 で あ る (17) 山 田 俊 雄 、 築 島 裕 、 小 林 芳 規 、 白 藤 禮 編 「 新 潮 国 語 辞 典 ― 現 代 語 ・ 古 語 ― 」 新 潮 社 ,1995 年 ,2232 頁 : 新 村 出 編 『 広 辞 苑 』 第 五 版 ,1998 年 ,2773 頁 . (18) 新 村 出 編 ,同 上 書 ,1667 頁 . (19) 同 上 書 ,449 頁 . (20) Sidgwick.Henry, The Methods of Ethics(Seventh Edition), Macmillan and Co.,1907,p131. (21) 同 上 書 ,同 頁 . (22) 奥 野 満 里 子 著 『 シ ジ ウ ィ ッ ク と 現 代 功 利 主 義 』 勁 草 社 ,1999 年 ,149 頁 : Sidgwick.henry, 前 掲 書 ,1907,151 頁 . (23) 塩 野 谷 祐 一 著 『 シ ジ ウ ィ ッ ク 功 利 主 義 の 構 造 』 一 橋 大 学 研 究 年 報 , 経 済 学 研 究 ,1983 年 ,117-214 頁 . (24) 同 上 . (25) Hirschberger,J.,Geschichte der philosophie,Verlag(高 橋 憲 一 訳 『 西 洋 哲 学史 古 代 』 ,理 想 社 ,1967 年 ,130 頁 .) (26) 堀 内 圭 子 『 快 楽 消 費 の 追 及 』 白 桃 書 房 ,2001 年 ,46 頁 . (27) 長 岡 成 夫 著 『 J.S.ミ ル 「 功 利 主 義 論 」 に お け る 快 の 質 的 区 別 の 意 味 』 イ ギ リ ス 哲 学 研 究 ,1985 年 ,459-528 頁 . (28) 同 上 . (29) John Sutuart Mill, Utilitarianism,( 井 原 吉 之 助 訳 「 功 利 主 義 論 」 関 嘉 彦 16 編 ,世 界 の 名 著 49『 ベ ン サ ム J.S ミ ル 』 中 央 公 論 社 ,1979 年 ,497 頁 .) (30) 堀 内 圭 子 著 ,前 掲 書 ,87 頁 . (31) Bentham,J.,An Introduction to the Principles of Morals and Legislation(山 下 重 一 訳 「 道 徳 お よ び 立 法 の 諸 原 理 序 説 」 関 嘉 彦 編 , 世 界 の 名 著 49『 ベ ン サ ム J.S.ミ ル 』 中 央 公 論 社 ,81 頁 .) (32) 堀 内 圭 子 著 ,前 掲 書 ,54 頁 . (33) 2002 年 7 月 28 日 、 ( 株 ) ド ン ・ キ ホ ー テ 広 報 部 加 藤 氏 宛 発 信 、8 月 8 日 に 受信したドン・キホーテへの質問への回答、ドン・キホーテ人事部早川氏を 経由して連絡を取ったもの。 (34) 同 上 . (35) 週 間 ダ イ ヤ モ ン ド 誌 調 査 の 「 女 性 が 選 ぶ 顧 客 満 足 度 ラ ン キ ン グ 」( 2000 年 11 月 4 日 号 ) に よ る と 、 ダ イ ソ ー は 総 合 ラ ン キ ン グ で 、 東 京 デ ィ ズ ニ ー ラ ン ド に 次 ぐ 第 2 位 に ラ ン ク さ れ た 。 年 齢 別 ラ ン キ ン グ で も 、 若 年 ( 20− 29 歳 )、 中 年 ( 30− 44 歳 ) 共 に 第 2 位 に ラ ン ク さ れ 、 熟 年 ( 45− 60 歳 ) に 至 っては第 1 位に選ばれた。 (36) 『 週 刊 東 洋 経 済 』 1999 年 10 月 23 日 号 ,48-50 頁 . (37) 注 ( 33) に 前 掲 。 (38) 大前研一・宮本雅史『 感 動 経 営 学 ビ ィ ー ナ ス フ ォ ー ト 誕 生 秘 話 』小 学 館 ,1999 年 ,31-33 頁 . (39) 注 ( 33) に 前 掲 。 (40) 同 上 . (41) 安 田 隆 夫 『 ド ン ・ キ ホ ー テ の 「 四 次 元 」 ビ ジ ネ ス 』 広 美 出 版 社,2000 年 ,39 頁. (42) 山 根 節『 エ ン タ テ イ ン メ ン ト 発 想 の 経 営 学 』ダ イ ヤ モ ン ド 社 ,2001 年 ,72-73 頁. (43) Fromm,E. The Art of Being(小 此 木 啓 吾 、 堀 江 宗 政 訳 『 よ り よ く 生 き る と い う こ と 』 第 三 文 明 社 ,2000 年 ,125 頁 .) (44) 堀 内 圭 子 『 快 楽 消 費 の 追 及 』 白 桃 書 房 ,2001 年 ,124-134 頁 . 17 (45) 小 嶋 外 弘 『 新 ・ 消 費 者 心 理 の 研 究 』 日 本 生 産 性 本 部 ,1972 年 ,70 頁 . (46) 堀 内 圭 子 ,前 掲 . (47) 同 上 . (48) 同 上 . 18