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腎細胞癌のCT/MRI診断
非造影CT 造影CT(早期相) 造影CT(遅延相) 非造影CTにて腎周囲腔に突出する充実性腫瘤を認める。 早期相にて腎皮質と同程度の増強効果を認める。 遅延相にて洗い出しを認める。 腫瘤辺縁にT2短縮域を認め、被膜様構造が示唆される。 被膜外浸潤、腎静脈内への浸潤を認めない。 T1強調像 In phase Opposed phase Opposed phaseでの信号低下 →腫瘤内の脂肪成分の含有を示唆する 術前診断:腎細胞癌(淡明細胞型) ・近位尿細管上皮細胞由来の悪性腫瘍。 ・50∼70代に好発、増加傾向。 ・性比は2∼3:1で男性に多い。 ・組織学的に、淡明細胞癌、顆粒細胞癌、嫌色素細胞 癌、紡錘細胞癌、嚢胞随伴性腎細胞癌、乳頭状腎細 胞癌に分類される。 ・血尿、腹部疼痛、腹部腫瘤が三徴であるが、最近では 画像診断の進歩に伴い、無症状で発見される例が増 加している。(今回は後者) 早期相 遅延相 ・非造影CT:腎実質と等濃度∼やや低濃度。 ・ダイナミックパターン:早期濃染(腎皮質と同程度に濃染)、 遅延相での洗い出し。 ・腫瘍増大に伴う中心壊死・出血・嚢胞変性などの二次性変化。 ・膨張型(expansive type)…予後良好 浸潤型(infiltrating type)…予後不良 ○血管筋脂肪腫 ○オンコサイトーマ ○転移性腫瘍 非造影CT: 骨格筋と同程度の等吸収 を呈する。 造影CT(早期相): 単純CT 早期相 早期濃染示すも腎皮質ほ ど増強効果を示さない。 bridging vesselを認め、 内部に結節状の増強効果 を認める。 造影CT(遅延相): 洗い出しを認める。 MRI(T2強調像): 明らかな被膜様構造を認 めない。 遅延相 MRI 造影CT (早期相) 造影CT(遅延相) 早期相にて軽度増強し遅延相にてわずかに洗い出し 中心性瘢痕も特徴的所見とされる (3cm以下の腫瘍では30%程度しかみられない1)) 1)Renal oncocytoma and carcinoma; failure of differentiation with CT Davidsonら ・腎腫瘍の殆どは、基礎疾患や有効な腫瘍マーカーが 存在せず、画像で発見・診断される。 ・生検は播種、出血を防ぐため一般的に行われない。 ・手術の際に有効な情報も得られる。(血管解剖など) ・隣接臓器、静脈内への浸潤の程度、他臓器転移の有 無、リンパ節腫大の有無の判定に有効。 腎腫瘍の診断・治療において、画像診断は欠かせない。