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機能性成分を生かしたジャージー生産物の付加価値向上技術の

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機能性成分を生かしたジャージー生産物の付加価値向上技術の
研究課題名
予 算 区 分
研 究 期 間
研 究 目 的
全 体 計 画
研 究 対 象
機能性成分を生かしたジャージー生産物の付加価値向上技術の開発
県
(令
単
達)
継
続
(平成19∼21年度)
担
当
協 力 関 係
経営開発部
先端技術科
岡山大学農学部宮本研究室
蒜山酪農農業協同組合
蒜山酪農農業協同組合では、生クリーム・バターの製造後に残る余剰脱脂乳の有効
利用が課題となっているが、この脱脂乳中にはたんぱく質やカルシウムが豊富に残っ
ており、その特長を生かした付加価値の高い製品の開発が至急に望まれている。
また、同地域のジャージー種のうち搾乳牛群から淘汰される経産牛は年間約300頭
で、このうち約50頭は蒜山酪農協により精肉やソーセージ等で加工・販売されてい
る。さらに、ジャージー種経産牛の肉は味がよく、ヘム鉄等の機能性成分も多く含ま
れているため、このような点を生かした食肉利用が進めば、価格が安定し、生産者の
所得向上につながる。
そこで、ジャージー種の余剰生産物について、特長的な成分に着目し、機能性食品
を求める消費者ニーズにあった新製品を開発して、蒜山地域におけるジャージー酪農
の6次産業化を推進する。
ジャージー種の加工品について、生産物中に含まれる機能性や発酵に用いる乳酸菌
の機能性などに着目し、新しい製品開発を岡山大学や蒜山酪農農業協同組合と共同し
て行う。
1 脱脂乳中のカルシウム等を生かし、乳酸菌スターターを工夫することにより、ヨ
ーグルトを開発する。
2 血圧上昇抑制効果のあるペプチド産生能の高い乳酸菌を特定し、これを発酵スタ
ーターとして利用する技術を開発する。
3 経産牛の肉中には、貧血防止に効果があるヘム鉄とともに体脂肪燃焼効果のある
カルニチンの含量が高いことが知られているため、ジャージー種における、これら
の機能性成分について品種特性や飼養方法等による影響を調べる。
4 3の結果をもとにカルニチンなどの機能性成分が多く含まれる牛肉を原料に、ペ
プチド産生能の高い乳酸菌を利用した発酵食肉製品(サラミ)等の製造技術を開発
する。
乳用牛・肉用牛
専 門 部 門
畜産物利用
本年度試験のねらい
1 成分を生かしたヨーグルトの開発
2 機能性成分(血圧上昇抑制ペプチド)産生能の高い乳酸菌の選定と発酵乳製品の開発
3 経産牛肉を原料とした発酵食肉製品の開発
試験1 成分を生かしたヨーグルトの開発
キーワード……ヨーグルト、ジャージー牛乳、脱脂乳
(時
期) 4月∼3月
〈試験の内容〉
ジャージー牛乳及び脱脂乳にはたんぱく質やカルシウム等が豊富であるため、その特長を生かし
て付加価値の高い、美味しいヨーグルトを開発する。
併せて、この開発する製品は、乳酸菌スターターを利用するため、発酵乳製品として利用できる
菌株を選定する。
1 対象乳製品 ヨーグルト
2 調査項目
①乳酸菌の選定②官能検査
試験2 機能性成分(血圧上昇抑制ペプチド)産生能の高い乳酸菌の選定と発酵乳製品の開発
キーワード……ACE阻害活性、血圧上昇抑制ペプチド、ヨーグルト
(時
期) 4月∼3月
〈試験の内容〉
ジャージー牛乳を原料とした脱脂乳を用いて乳酸菌を培養し、血圧上昇抑制効果のあるペプチド
産生能の高い乳酸菌を特定する。
次に、この菌の発酵温度・時間等の条件を検討し、血圧上昇抑制効果(ACE阻害活性阻害率)の
高い乳製品の開発を検討する。
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1
2
3
調査対象
対象乳製品
調査項目
乳酸菌5種類(岡山大学2種類、乳製品用2種類、ヨーグルト用1種類)
ヨーグルト
①乳酸菌の選定②菌数③pH④ACE阻害活性阻害率⑤ペプチド含量⑥官能検査
試験3
経産牛肉を原料とした発酵食肉製品の開発
{機能性成分(血圧上昇抑制ペプチド)産生能の高い乳酸菌の選定}
キーワード……ACE阻害活性、血圧上昇抑制ペプチド、発酵食肉製品
(時
期) 4月∼3月
〈試験の内容〉
発酵食肉製品において、利用できる菌株を選定するとともに、血圧上昇抑制効果のあるペプチド
産生能の高い乳酸菌を特定する。
1 調査対象
乳酸菌5種類
2 対象牛肉
ジャージー種経産牛の牛肉(カタ肉:棘上筋)
3 対象肉製品 ホモジネート、発酵食肉製品
サンプル数:各3サンプル(計15サンプル)
4 調査項目
①ACE阻害活性阻害率 ②ペプチド含量 ③水分活性 ④L-カルニチン
前年度までの成果
1 贅沢ヨーグルト(商品名)などの商品開発を行った。
2 岡山大学から提供されたL.helveticus株の培養条件とACE阻害活性の測定方法を検討した。
3 総カルニチン含量について、ジャージー種経産牛はジャージー種去勢肥育牛・ホルスタイン種
去勢肥育牛・黒毛和種雌肥育牛より有意に低い値となり、遊離型カルニチン含量においても同様
であった(p<0.01)。
4 遊離型カルニチン含量について、棘上筋が大腿二頭筋より高い値となった(p<0.01)。
5 ヘマチン含量について、ジャージー種去勢肥育牛はホルスタイン種去勢肥育牛・黒毛和種雌肥
育牛より高い値となった(p<0.01)。筋肉部位間では有意な差は認められなかった。
次年度以降の計画
1 脱脂乳中のカルシウムを生かし、乳酸菌スターターを工夫することによりヨーグルトを開発す
る。
2 乳酸菌による発酵では、風味形成だけでなく、血圧上昇抑制効果のあるペプチド等の機能性成
分も作られる。そこで、ペプチド産生能の高い乳酸菌を特定し、これを発酵スターターとして利
用する技術を開発する。また、乳製品への利用だけでなく、食肉加工品へ利用できる乳酸菌につ
いても検討する。
3 経産牛の肉中には、貧血防止に効果があるヘム鉄とともに体脂肪燃焼効果のあるカルニチンの
含量が高いことが知られている。そこで、ジャージー種の肉中に含まれるこれらの機能性成分に
ついて品種特性や飼養方法等による影響を調べる。
協力関係の分担
岡山大学:乳酸菌の提供
蒜山酪農協:ヨーグルト・発酵食肉製品の製造
当センター:上記調査項目の分析
年度スケジュール
4月
7月
10月
1月
3月
試験1
乳酸菌選定
製造試験・官能検査
乳酸菌選定
製造試験・官能検査
試験2
乳酸菌選定
ACE阻害活性測定
ペプチド含量測定
製造試験・官能検査
試験3
乳酸菌選定
ホモジネート調整
ACE阻害活性測定
ペプチド含量測定
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