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江戸川区景観ガイドライン(公園・農の拠点編)(PDF:2392KB)
このガイドラインは、江戸川区景観計画に示す景観形成基準(景観法第 8 条第 2 項第3号)の 内容を具体的な例を用いて解説するものです。 ガイドラインの各項目を参照しながら、計画地の周辺環境を読み解き、地区の多様性や魅力を 活かした江戸川らしい景観を実現していきましょう。 A ① ② ③ ④ ⑤ ※図中には、この冊子の対象範囲である公園の景観拠点と農の景観拠点の位置のみを表示し ています 1 ◆ 対象となる範囲 対象範囲 対象地域 公園の景観拠点 ・都立篠崎公園、小松川千本 桜・都立大島小松川公園、都 立宇喜田公園・行船公園、総 合レクリエーション公園、都 立西臨海公園の公園区域及 び外周から概ね 50~100m の区域 ①都立篠崎公園 ②小松川千本桜・都立大島小松川公園 ③都立宇喜田公園・行船公園 ④総合レクリエーション公園 ⑤都立西臨海公園 農の景観拠点 ・農地が集積している、鹿骨 一丁目~六丁目、北篠崎一・ 二丁目、西篠崎一・二丁目、 上篠崎一~三丁目、谷河内一 丁目の範囲 A鹿骨・篠崎地域 ◆ 対象となる行為 対象となる行為の種類と規模 建築物の建築 工作物の建設 建築物の新築、増築、改築もし くは移転、外観を変更すること となる修繕若しくは模様替え 又は色彩の変更等 工作物の新設・増築・改築も 都市計画法第 4 条 しくは移転、外観を変更する 第 12 項に規定す こととなる修繕もしくは模様 る開発行為 替え又は色彩の変更等 次のいずれかに該当するもの 次のいずれかに該当するもの ・高さ 15m 以上 公園の景観拠点 ・延べ床面積 1,000 ㎡以上 ・高さ 15m 以上 ・一団の土地を 3 区画以上に ・築造面積 1,000 ㎡以上 分割する集団の戸建て住宅 農の景観拠点 次のいずれかに該当するもの ・高さ 10m 以上 次のいずれかに該当するもの ・高さ 10m 以上 ・延べ床面積 300 ㎡以上 ・一団の土地を 3 区画以上に ・築造面積 300 ㎡以上 分割する集団の戸建て住宅 2 開発行為 開発区域の面積 500 ㎡以上 < 公園の景観拠点 > 既存樹木の 保全 屋上緑化 公園と連続性の ある緑化 統一感のあるスカイライン < 農の景観拠点 > 緑や土と調和 歴史的資源 する色彩 の保全 統一感のあるスカイライン 敷地内の緑化 3 ◆ 景観形成基準 公園の景観拠点あるいは農の景観拠点に該当するものは、本ガイドラインの他に「区内共通編」 (別紙) の内容があてはまりますので、双方を参照してください。 ※1 表の右端の頁番号は、区内共通編の関連頁を示すものです。 ※2 括弧内は、区の共通基準ですが、この「公園の景観拠点編」および「農の景観拠点編」では、特 に、それぞれの軸・拠点の特性を活かした整備イメージを掲載しています。 分野 キーワード 公園の景観拠点基準 農の景観拠点基準 頁 ※1 ゆとりある 公園や公園沿いの道路に面する場合 は、散策者が楽しめるよう、公園側 にオープンスペースを設置するな ど、公共空間と一体となった配置に 配慮する。 農地に隣接する場合は、緑がつなが るまちなみを形成するため、オープ ンスペースを設置するなど快適な 空間の確保に配慮する。 6 9 6 9 7 10 8 11 9 12 9 13 外構空間は、敷地内のデザインだけでなく、隣接する敷地など周辺の まちなみと調和を図った色調や素材とし、隣接するオープンスペース との連続性を確保する。 12 18 敷地内はできる限り緑化を図り、周辺の河川、公園、街路樹の緑と連 続させ、周辺環境に適した樹木を配置するとともに、良好な生育が可 能となるような植栽地盤を工夫する。また、屋上緑化や壁面緑化など に配慮する。 13 18 13 19 建物配置 配置 壁面位置 隣棟間隔の 公園側に建築物の顔を向けるなど公 園に配慮した配置とする。 確保 景観資源の 保全 高さ 規模 スカイライ ンの調和 建物の 形態 意匠 形態・意匠 建築物は、農地などからの見え方に 配慮する。 形態・意匠は、建築物自体のデザイン・バランスだけでなく周辺景観 (周辺建築物など)との調和を図り、長大な壁面及び単調な壁面を避 けるなど圧迫感の軽減を図る。 色彩・素材は、公園の緑との調和を 図る。 開放的な オープン スペース 緑化の推進 空地 外構 緑等 建築物は、公園、公園沿いの道路な どからの見え方に配慮する。 色彩計画 色彩 公開 敷地内や周辺に歴史的な資源や樹木をはじめとする残すべき自然な どがある場合、それらを生かした配置とする。 照明計画 照明は、公園の落ち着いた環境と調 和するよう配慮する。また、公園に 過度な明るさの照明は向けないよう 配慮する。 4 色彩・素材は、緑や土との調和を図 る。 農地に過度な明るさの照明は向け ないよう配慮する。 ◆ ガイドラインの見方 景観形成基準は、①配置、②高さ・規模、③形態・意匠・色彩、④公開空地・外構・緑等の4つの分 野で構成され、それぞれの分野に「キーワード」を示しています。 本ガイドラインは、「区内共通編」と「軸・拠点編」に分かれていますので、その双方の内容を参考 としてください。 また、各キーワードには<関連する項目>として、他分野などで参考としていただきたい項目を整理 しています。 キーワード 分野 景観形成基準の 種類 関連する項目 5 配 置 ゆとりある建物配置 ○公園や農地に面する箇所では、空間の広がりを形成するため、敷地境界に対して余裕を持って建物を 公園の景観拠点・農の景観拠点 配置しましょう。 緑化のための空間を確保しましょう 農地 公園 生け垣等による緑化 ○特に規模の大きな敷地では、公園へと連続する歩道状空地を確保するなどの検討をしましょう。 公園につながるように 設置された歩道上空地 公園・農地側と 一体的なオープンスペース <関連する項目> ゆとりある建物配置:共通編9頁 緑化の推進 :13 頁 壁面位置・隣棟間隔の確保 ○公園や農地沿いのまちなみが単調なものとならないよう、公園や農地に対して背を向けないような配 置としましょう。 ○公園や農地の開放的な景観を継承するよう、また、公園や農地からの視線の抜けを生み出すよう、建 物の配置を検討しましょう。 バルコニーなど 視線の抜けを生み出すような 適度な隣棟間隔の確保 <関連する項目> 壁面位置・隣棟間隔の確保:共通編9頁 緑化の推進 オープンスペースや メインアプローチの設置 :13 頁 6 配 置 景観資源の保全 ○敷地内に地域で長らく親しまれてきた樹木等がある場合には、当該樹木がつくりだす陰影を活かした 休憩スペースを設置するなど、できるだけ景観資源を活かした外構計画としましょう。 公園の景観拠点・農の景観拠点 樹木を活かした外構計画 のイメージ ○樹木等が建築計画の妨げになるような位置にある場合は、移植するなどまちなみの記憶が継承される ような配慮をしましょう。 ● まちなみのポイント 建物の配置・外構計画などと 併せて計画しましょう <関連する項目> ゆとりある建物配置:共通編9頁 景観資源の保全 :共通編 10 頁 緑化の推進 :13 頁 7 既存樹木の 移植のイメージ 高さ・規模 スカイラインの調和 ○公園や農地を中心としたまとまりある眺望景観を形成するため、公園内や農地周辺などから空が見上 公園の景観拠点・農の景観拠点 げられるようにしましょう。 <公園の景観拠点> 公園内などから空が大きく 見えるようにしましょう <農の景観拠点> 農地の前面道路などから見たときの 眺望に配慮しましょう ● まちなみのポイント 沿道や地区のスケールに 併せて計画しましょう <関連する項目> スカイラインの調和:共通編 11 頁 建物の形態・意匠 :共通編 12 頁 緑化の推進 :13 頁 8 形態・意匠・色彩 建物の形態・意匠 ○木や石などの自然素材を積極的に採用し、暖かみのあるデザインを心がけましょう。 ○公園内の視点場から望める場所などでは、まちなみを印象づけるアイストップを意識した形態・意匠 公園の景観拠点・農の景観拠点 を検討しましょう。 ● まちなみのポイント 自然素材を採用し、暖かみの あるデザインにしましょう ● まちなみのポイント 主要な視点場から望める箇所は 形態・意匠に配慮しましょう 農地と接する部分 公園のメインアプローチ に面する箇所 公園内の主要な広場などから 見える箇所 <関連する項目> 建物の形態・意匠:共通編 12 頁 緑化の推進 :13 頁 色彩計画 ○次頁に示す色彩基準に適合しない過度に鮮やかな色彩は避け、公園や農地と一体的な景観を形成する よう、緑や土と調和する色彩を選択しましょう。 ※ 木材、土材、石材、金属素材など自然の風合いを活かした部材や、無着色のガラスなどの色彩 については窓口にご相談ください。 ○複数の色を使う場合は、外壁のベースカラー、サブカラー、アクセントカラーなど使用する面積を考 慮して配色しましょう。 <関連する項目> 建物の形態・意匠:共通編 12 頁 色彩計画 :共通編 13 頁 9 形態・意匠・色彩 ○2頁「対象となる行為」に該当するもの全てが対象 となります。 ○ただし、右頁に示す大規模建築物と都市開発諸制度 を活用した建築物を除きます。 彩 度 色彩基準 公園の景観拠点・農の景観拠点 色 外壁基本色:各外壁面に使用する色 相 色彩に関する基準の内容 基準の適用部位 色相 0.1R~10R 外壁基本色 0.1YR~5.0Y その他 屋根色 0.1R~5.0YR 5.1YR~5.0Y その他 明度 4 以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 4 以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 4 以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 ―― ―― ―― ※実際のマンセル値と図表の色彩が異なる場合がありますのでご注意ください。 10 彩度 4 以下 1.5 以下 6 以下 2 以下 2 以下 1 以下 2 以下 4 以下 2 以下 形態・意匠・色彩 外壁基本色:各外壁面の 4/5 以上に使用する色 強調色 色 :各外壁面積の 1/5 以下について使用する色 色彩に関する基準の内容 基準の適用部位 色相 0.1R~5.0YR 外壁基本色 5.1YR~5.0Y その他 外壁強調色 0.1R~5.0YR 5.1YR~5.0Y その他 明度 彩度 4以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 4以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 4以上 8.5 未満の場合 8.5 以上の場合 ―― ―― ―― 4 以下 1.5 以下 6 以下 2 以下 2 以下 1 以下 4 以下 6 以下 2 以下 ※実際のマンセル値と図表の色彩が異なる場合がありますのでご注意ください。 11 相 公園の景観拠点・農の景観拠点 ○高さ 60m以上又は延べ床面積 30,000 ㎡以上の大 規模建築物が対象となります。 ○ただし、特定街区や総合設計など都市開発諸制度を 活用して計画される建築物は、別途東京都が定める 色彩基準に基づき、東京都と協議を行ってください。 彩 度 色彩基準 公開空地・外構・緑等 開放的なオープンスペース ○壁面後退によって生まれた空間は、周辺環境に応じて緑化空間などとして使うこととし、公園や農地 に面する箇所では、開放性が高く、敷地内の緑が表からも良く見えるような外構計画としましょう。 公園の景観拠点・農の景観拠点 ○特に農地に接する敷地では、敷地境界を生け垣とするなどの配慮をしましょう。 ● まちなみのポイント 開放性が高く、敷地内の緑が表 からも良く見えるよう前面に植 栽を配置しましょう ● まちなみのポイント やむを得ず高い塀等を設置する場合に は、透過性のあるフェンスとするなど、 隣接する敷地や周辺のまちなみと調和し た素材や色彩としましょう 緑が多い地域では 緑化空間を連続させましょう 歩行者が多い地域では歩道部分と 連続したゆとりある空間としましょう <関連する項目> ゆとりある建物配置:共通編9頁 色彩計画 :9頁 12 公開空地・外構・緑等 緑化の推進 ○緑化する際には、環境に適した樹種や周辺の街路樹や公園緑地等で用いられている特徴的な樹種との ○公園内の主要な視点場や農地との接道部などでは、シンボルツリーを配置するなど、効果的な緑化を 心がけましょう。 農地との接道部の緑化 敷地コーナーにシンボルツリー を配置 公園内の広場などから見 える箇所の演出 <関連する項目> 建物の形態・意匠:9頁 照明計画 ○公園や農地沿いの落ち着いた雰囲気を演出するため、低層部にはできるだけ暖かい色味の照明を用い るようにしましょう。 暖かい色味の照明のイメージ 参考:江戸川区では、街路灯の整備にあたり、 「江戸川区街路灯整備要綱」に基づき以下の平均照度に基づ いて街路灯を設置していいます。 地域一般道路(幅員 4~ 8m未満) :平均照度 1.5lx 以上 地域主要道路(幅員 8~12m未満):平均照度 5lx 以上 地域幹線道路(幅員 12~16m未満):平均照度 10lx 以上 広域幹線道路(幅員 16m以上):平均照度 15lx 以上 <関連する項目> 照明計画:共通編 19 頁 13 公園の景観拠点・農の景観拠点軸 調和に配慮しましょう。 江戸川区都市開発部 都市計画課(景観・地区計画係) 〒132-8501 東京都江戸川区中央一丁目 4 番 1 号 電話 03-5662-0695(直) Fax 03-5607-2267 第1版 平成 23 年4月作成