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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title Author(s) Journal URL Deltoid free flap transferによる足底部再建の2症例 南雲, 吉則; 井砂, 司; 植木, 伊津美; 笹本, 良信; 佐々 木, 健司; 若松, 信吾; 野崎, 幹弘; 平山, 峻 東京女子医科大学雑誌, 53(8):807-808, 1983 http://hdl.handle.net/10470/10483 Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 83 低K血症を認め,KCI投与にて症状改善する.入院時 ないようにすれば溶血,意識障害等の合併症は少ない. 2)ESHの時間の長さよりも高温に対しての方が障 現屡屡意識清明,精神機能正常,一般理学的所見に異 害の発現と関係が深いと考えられる. 常なし.神経学的には両上下肢近位筋優位に筋力低下 を認めた.Troussean徴候陽性.検査所見:血清K, C1, 7.ポートワイン血管腫に対するDye正aser(色素 Pが各々低値.CPK, LDHが各々高値を呈し,著明な レーザー)による治療 (形成外科) 代謝性アルカローシスをみた.PRA, PAC, Angioten・ ○植木伊津美・井砂 sin I, IIが各々高値であった.またAngiotensin in− 司・南雲 吉則・ 笹本 良信・佐々木健司・若松 信吾・ fusion testでは,反応牲低下をみた. Ccr低下. Fish− 野崎 幹弘・平山 bergとPitressin testで尿濃:手力低下をみた.筋電図 峻 では,筋原性変化を認めなかった.また腎生検は行な ポートワイン血管腫の治療には,アルゴンレーザー い得なかったが,入院経過を通じて正常下限の血圧を 装置を使用してきたが,皮膚表面の疲痕化が少なから 呈し,下剤,利尿剤の投与もなく,厚生省研究班の診 ず認められ,治療効果は,未だ充分なものではないと 断基準を満たしており,Bartter症候群と診断した,脱 思われる.そこで,正常皮膚とポートワイン血管腫の 力発作は入院時,入院中の計2回起こり,この時の血 光の吸収率の差が最大である波長575nMの光を発す 清Kは2.1∼2.2mEq〃と寛解期よりも低く,また発作 る色素レーザー装置にて,治療を行なってみた. に一致して,CPK, LDHの上昇をみた.なおこれら酵 色素レーザーによる治療例では,皮膚表面の疲痕化 素はlndomethacin, KC1, Spironolactone投与によ が,ほとんどみられず,全体にアルゴンレーザーより り,血清Kが正常化するにつれ,低下した.本症の脱 も良好な結果が得られた.しかし,出力エネルギーが 力発作は臨床症状からみると周期性四肢麻痺の特徴を 小さく,血管に対するレーザー光の選択的吸収が大き 備えているが,myopathyを示唆する著明な酵素変動 いため,皮膚組織深部への透過性が少ないので,植皮 を認め,筋生検は行なえなかったが,Hypokalemic 後の辺縁再発例,全層拡張型には効果がみられなかっ myopathyに分類されるものと考えた. Bartter症候 群における筋病変の検索は重要で,今後症例の集積が た.従って,これらの症例はアルゴンレーザーの絶対 的適応ということができる. 色素レーザー装置による治療の特長として,1.小児 必要と思われた. 6。遠隔転移をきたした乳癌への温熱療法 でも麻酔なしで照射可能である.2.正常組織の破壊変 性が少なく,創治癒が早く今戸化が起こりにくい.3 (胸部外科) ○田原 士朗・曽根 康之・笹生 正人・ 表在性の血管腫しか破壊できない.4.反復照射が必要 毛井 純一・板塀 俊成・長柄 英男・ である,等があげられる. 横山 正義・和田 寿郎 ポートワイン血管腫を,どのように治療するにせよ, まず,色素レーザー照射を第一選択とし,これからも 当教室では,現在までに24例の進行癌に対して66回 の全身温熱療法を施行してきた.今回,stage IVの乳 症例を重ねていきたいと思う. 癌に対して,温熱療法を施行し,明らかな抗腫瘍効果 8.1)eltoid free血ap transferによる足底部再建 の2症例 を認めたので報告する.症例は67歳女性,骨転移等の 遠隔転移を認めた進行性乳癌で,左前胸部,上腕,腰 (形成外科) 部,右大腿部の癖痛を認めた.これに対し肺動脈温を ○南雲 吉則・井砂 指標とした血液加温法による全身温熱療法を2回,270 分間わたり施行した.温熱療法後は,著明な落痛の軽 野崎 幹弘・平山 .峻 軟部組織再建にあたっては種々のcutaneus flapや 減,及び視診触診上,腫瘤の縮少が認められ,温熱療 法の抗腫瘍効果が考えられた. 質問 司・植木伊津美・ 笹本 良信・佐々木健司・若松 信吾・ MC Hapの中からその再建目的にかなうため,より好 羽田野為夫(心研小児科) ましいdonor siteを選択する必要があるが,一般に求 1)温熱療法で副作用,合併症はどうか. められる条件は①薄く,②柔軟性のある,③sen− 2)副作用発生と療法時聞との関係はあるか. sory且apで,④donor siteが最小の犠牲ですむこと 応答 田原 士朗(胸部外科) といえよう.我々はこれらの条件を満足しうるdeltoid 1)肺動脈温を41QC∼42qcに保ち,42℃以上になら free Hapの2症例を経験したのでここに報告した. 一一 W07一 84 鎖骨及び肩峰・肩甲棘に機序する三角筋は上腕筋・ 結石症と診断された.その後も頻回に仙痛発作を繰り 上腕二頭筋ならびに上腕三頭筋に連なるが,本皮弁は 返すため,精査を目的として当科に入院した.入院時, これらの上腕筋群にまたがるfascio−cutaneous Hap 両側腎尿路結石および水腎症が認められ,腎機能の保 といえる.距離の栄養血管は後上腕回旋動静脈の 持のため,緊急に両側腎結石摘出術を施行した.術後, branchより形成され,また上外側上腕無神経の支配を 血液・生化学検査は正常であったが,肥満傾向,座瘡, うける,この神経・血管柄付遊離皮弁を筋膜と共に採 多毛に気づき,内分泌学的検索を行なったが,血漿コー 取し,顕微鏡下に神経・血管吻合を行ない,sensory Hap チゾルレベルは正常上限で日内リズムを認め,頭部 として組織欠損部に移植した. XPおよびCT,腹部CTでも異常を認めず単純性肥満 症例1:56歳男子.ベルトコンベアーによる挫傷で などとの鑑別診断上困難を伴った.しかしながら,1 右足遠位1/3に壊死をきたした.直径約13cmの同皮弁 年後臨床症状の増悪を認めたので,再度詳細な内分泌 を採取し,動静脈はdorsalis pedis a.及びco㎜on v. 学的検索を行なったところ,尿中170HCS,尿中free と吻合,神経はdeep peroneal n.と吻合した,術後経 コーチゾル高値,デキサメサゾン2mgで抑制された 過良好で歩行障害もなく,通常の既製靴がはけ,また ことからCushing病と診断した.現在, Hardyの手術 two point discriminationも一部を除き2cmと満足 を行ない経過観察中であるが,肥満も消退し,腎結石 する結果を得ている.donor siteも整容的,機能的に の増大も認めていない。そこで,Cushi亘g病と小児期の 患者の訴えはない. 尿路結石症の関係について文献的考察を含め,報告し 症例2:38歳男子.幼小時に右足に熱傷を負い,そ た. の後連痕拘縮と難治性皮膚潰瘍の合併を繰返してい た.海田切除・拘縮除去後に生じた欠損部に10×6cm 質問 (座長)吉岡 守正 摘出した下垂体に異常が認められたか. の同皮弁を移植.莇edian planta a.v.&n.と顕微鏡下 応答 に吻合した.皮弁は良好に生着し,患者は現在殊に問 題なく労働している. 伊丹 儀友(腎・小児科) 下垂体摘出時,はっきりしたマイクロアデノーマは なかったとのことです。 従来のsensory Hapは広い範囲をcoverするには, 10.IgA腎症に関する臨床病理学的検討一いわゆ る非IgA腎症との比較一 またdonor siteの犠牲の面からも,必ずしも満足し得 るものではない.その点donorに機能的問題を残さな (腎臓内科) い本皮弁は比較的広範囲の再建が必要な場合のsen・ ○菊池 典子・柚木 雅至・佐伯 英二・ sory Hapとしてweight bearing areaぽかりか,症例 湯村 和子・詫摩 武英・杉野 信博 によってはhead and neck areaへの再建にも有用性 我々は,持続する顕微鏡的血尿または蛋白尿を見た があると考える. 場合IgA腎症を疑うが,腎生検を行なうと,蛍光抗体 以上,deltoid free Hapの2症例を経験し,良好な結 法でIgAがメサンジウムに沈着を示さない,いわゆる 果を得たので報告した. 非IgA腎症例も経験する.ここではIgA腎症といわゆ 9.再発性腎・尿路結石症にて発見されたCushing る非IgA腎症について,臨床病理学的に比較検討を行 病の1例 なった. (腎臓小児科) 対象および方法:対象は,1979年4月から1983年2 ○伊丹 儀友・三原 章・鳴海 福星・ 月の間に当科で経験したIgA腎症75例といわゆる非 伊藤 克己 IgA腎症37例で,このうち非IgA腎症は36例までが (内科2)須田 俊宏・鎮目 和夫 minor glmerular abnormalitiesを示した.これら2群 Cushing病は古くから知られた疾患であるが,本邦 について種々の臨床所見,組織所見の比較を行なった. における報告例は比較的少ない.今回,われわれは, 結果および考察:平均年齢はIgA腎症30.0歳,非 再発性尿路結石症を主訴とし,発見された本症を経験 IgA腎症25.5歳とIgA腎症が軽度高値だった.性比と したので報告する. Ccreatは両群間で差は認められない.生検時の血尿の 症例:13歳男児.11歳時,肉眼的血尿が認められた 程度にも差はないが,生検時蛋白尿は(+)以上の者 が,確定診断を得ないまま1年余にわたり放置されて がIgA腎症で57%と有意に多く,ネフローゼ症候群も いた.12歳の時,突然左腰部痛を訴え,某医にて尿路 2例に認められた.高血圧例もIgA腎症では17%と非 一808一