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価格ー品質・広告費用の最適糸口合

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価格ー品質・広告費用の最適糸口合
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
鵬76−
寛37巻第1号
76
価格・品質・広告費用の最適結合
梶 原 祓 天
(.−)
独占的競争Monopolistic Competitionのもとにおける企業の利潤ほ,企業
(1)
(2)
($)
の販売する生産物の価格,品質,および販売努力によって決定される。
本稿の目的は,企業に極大利潤をもたらす価格,品質,広告費用の結合(以
(り
下,これを最適結合とよぶ)の条件を示すこ.とである。
本稿全体を通じて次の前提をもうける。
1−・種類の生産物が販売される。
2 調整される品質は,その水準について数還的指標がえ.られるものの中の−
山 品賀q11alityとほ消費者の慾望を満足する生産物の物理的,化学的属性をいう。
12)販売努力saleseffortとは生産物に関する情報を買手紅与え,買手が購買を決定す
るよう説得することをいう。広告活動と販売眉の活動がその主なものである。
(3)E.HChamberlin;TheTheory of Monopolistic Competition(6th.ed.,Cam・
bridge,Mass:Harvard University Press,1950)p”147
J.S。Bain;Pricing,Distribution,and Employment,Economicsof an Enterprise
Sy苧tem(NewYork,HenryHolt and Company,Inc・,1948)pp“247∼249,
(4)次の文献による。
RuDorfmanand P小0”Steiner“OptimalAdvertisingand OptimalQuality”
in Frank M=Bass and Others,MathematicalModelsand Methodsin Marketing
(豆omewood,Illinois:Richard DIrwin,Inc・・,1961)pp203∼219
この細題を多数財を販売する企業について解決しようと試みた文献としてほ次のもの
がある。
B,Holdren;The Structure of A Retai1MaIket and The Market Behavior of
RetailUnits(England Cliffs,N‖J。,Prentice−Ha11,Inc.,1960)pp125∼133
なおこの文献でほTScitovskyのOffer variation cost(TScitovsky;Welfare
and Competition,Chicago:RichardI=rwin,Inc・,1951)を用いて分析せすiめて
いる◇
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価格・品質・広告費用の最適結合
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−ハ 77T−
(5) つに限定する。
3 調整される,あらゆる水準の品質は極小費鳳で生産される。
4 あらゆる水準の広告活動ほ.極小費用で行われ,広告活動の水準ほ広告費用
で代表される。
5 価格と広告,価格と品質,広告と品質は芋虫立に蘭整される。
6他の企其の密接な代替性をもつ生産物の価格,品質,広告活動ほ所与であ
る。
(ニ)
企業が広告費用と価格だけを調整するときの広告費用と価格の最適結合の条
(6) 件を求める。ここでほ品質は考えない。
次のように記号を定める。
C:平 均生産費
P:価
格
曾:販 売 遠
点:利
潤
5:広 告 費 jl]
販売鼻¢は価格Pと広告費用5の函数として次のようにあらわす。
(2,1)ク=/(♪,ぶ)
平均生産費Cは販売還牒の函数として次のようにあらわす。
t5)品質にほ,例えば鉄線の抗張力,自動用タイヤの最大走行距離数のように数虞的指標
がえられるものと,デザイン,スタイル,カラ−のように客観的に測定できないものと
がある。
L Abbott;QualitY and Competition(New York.1955)pp125∼130
O.R Oxenfeldt“Consuzner Knoweユedge;It MeasuIement aLld Extent”
The Review of Economi?S and Statistics,Volり ⅩⅩⅩⅠⅠ(Nov・P,1950)p300
(6)仏莞費用と価格の最適結合をグラフを用いて説明した文献としてほ次のものがある。
HDemsetzり The Nature of Equilibriumin Monopolistic Competition”The
Journalof PoliticalEconomy,VolLXVII,Feb,.,1959pp.21∼28
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
第37巻 第1号
ーー・7β・柵・
(2,2) cニ=g(¢)
=g(ノ(♪,5))
利潤点は次のようになる。
(2,8) 尺=少・¢】いヴ・−β
=クノ’(夕,ぶトーg‡パ♪,ぶ))./■(♪,ぶ)−ぶ
(2,3)が極大値をとるための必要条件は次のように.して求められる。
(2,3)を♪,5紅ついて偏徽分し,それぞれを零とおく。
(…)=十上一=0
(2,5)晋=接−・ト意−g意=0
/
これからクを消去して
∂ノ
∂♪
(2,6)ノ■= ̄
 ̄
否㌻
をうる。
販売の価格弾力性係数をり♪で,広告の限界生産物を〝であらわし,それぞ
れを次のように定義する。
(2,7) 智♪=
(2,8)〝=
これを用いて,
(2,5)ほ次のように書き替えられる。
(2,9) 〃♪=〝
すなわち,ここでの最適条件ほ販売の価格弾力性係数と広告の限界生産物が
等しいことである。
(7)
(2,3)が極大値をとるための十分条件は次のようにして求められる。
面 S.AOzga“Imperfect MarketsTroughLack of Knowledge’− QuarterlyJou・
rnaloL Economics,Vol.LXXIV,Feb・,1960,pr42を参照せよ。
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価格・品質・広告費用の最適結合
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(2,8)を次のように書き番えろ。
(2,10) 虎=¢(♪,5)
また,
掴=,炉糎
∂2点
¢5ぶ=「詣㌃
とする。
(2,8)が極大になるための十分条件は,
d2月=¢ββゐ2・+紬郎郎ぬヰ・¢ぶ∫ゐ9<二0
となることである。
この条件は次のよう軋なる。
¢♪♪<0,
;≡;;l>0
(三)
企業が品質と価格だけを調整するときの品質と価格の最適潜合の条件を求め
る。ここでは、広告活動は考え.ない。
次のように記号を定める。
c:ヰ 均生産費
格
少:価
¢:販 売 遠
点:利
潤
方:品
質
販売暴¢ほ価格♪と品質.方の函数として次のようにあらわす。
(3,1) ¢=ノ(β,.ガ)
平均生産費cは販売鼠ヴと品質.先の函数として次のようにあらわす。
(∂,2) c=g(留,α)
=gげ(♪,.幻,∬)
ー79−
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第37巻 第1号
ー ぷク ー一
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利潤点は次のようになる。
(8,3) 屈=β・¢−・‖・■C・¢
=♪ゾ(少,.か…・ノ■(♪,・%)giノ(少,・れ・完i
(3,8)が極大値をとるための必要・条件ほ次のように・してこ求められる。
(3,8)を♪,.如こついて偏微分し,それぞれを零とおく。
(3,4)晋=塔十仁増募一雄ニ0
意+窓塔=0
(8,5ノ雷=楼−ノ藩卜
これから♪を消去して,
をうる。
・さ、・
販売の品質弾力性係数を恥であらわし,これを次のよう虹走路する。
ゼ£
c ∂・方
(8,7)冴・方二 ̄
頂㌃
これと,(2,6)を剛、て,(3,6)は次のように書き番えることができる。
(8,8)ぞ♪=一甲・光
すなわち,ここでの最適条件は販売の価格弾力性係数と販売の品質弾力性係
数紅ク/cを乗じたものが等しいことである0
(3,8)が極大値をとるための十分条件は次のようにして求められる0
(8,8)を次のように書き替える。
(3,9) 点=¢(♪,・ガ)
(8)弾力性の概念が品賀変更とこれに対する需要の反応度を示す指標として利用されうる
ことはいうまでもないが,なおこれについて次の文献を参照せよ。
E.H”Chamberlin“TheProduct a岳anEconomic Variable”QuarterlyJournal
of Economics,Vol。LXVII(Febl・,1953)p4
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価格・串賀・広告襲用の最適姶含
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また,
脚=,妙=…=
∂℡虎
∼恒● 諒−
とする。
(3,3)が極大隼なるための十分条件ほ,
d2月=¢♪ク%2+2¢如(疹ゐ十¢.方∬血2く0
となることである。
この条件は次のように.なる。
初坤く0,
>0
¢Aか¢ク.方
¢一;ゆ ¢方.光
(四)
企業が広告費用,品賀,価格を調整するときの,広告費用,品質,価格の最
適結合の条件を求める。
次のように記号を定める。
c:平 均生産費
格
♪:価
ヴ:販 売 品
月:利
潤
ぶ:広 告 費 用
方:品
質
販売還¢は価格♪,広告費用ぶ,品質烏の函数として次のよう笹あらわす。
(4,1) 曾=ノ■(♪,ぶ,方)
平均生産費cは販芦屋ヴと品質・ガの函数として次のようにあらわす。
(4,2) c=gイヴ,.尤)
=gげ(♪,.方ノ,.方)
ーβJ−
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畢37巻 第1号
一一∂ニ ー
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利潤虎は次のようになる。
(4,∂■) 屈=♪・¢・−9・C一一・5
芯クノ(♪,5,.芳ト‥−∴/(♪,ぶ,.幻g〈/■(♪,5,れ.方〉−5
(4,8)が極大値をとるための必姿条件は次のようにして求められる。
(4,3)を少,5,.如こついて偏微分し,それぞれを雰とおく。
(4,4)㌻塔什g思−g訃音=0
(4,5)晋=接・−・接一頒意叫l=0
(4,6)雷=攫−・g各−傭溜−一倍=0
これから夕を消去して,
ニノ■
1
−−一一 =こ.ニ ーー−−
型
∂♪
∂ノ’
 ̄−  ̄
茄 訂
をうる。
(2,6),(2,7),(3,7)を用いて,(4,7)は次のよう紅書き番える
ことができる。
(4,8)ご一志二三子
または,
(4,9)暫♪=÷暫1方ニ〝
(4,8)が極大値をとるための十分条件は次のようにして求められる。
(4,8)を次のように書き替え.る。
(4,10) 虎=¢(♪,5,∬)
また,
榊=一,陣極=,
¢ぶぶ=山⊥
∂2月 ¢ぶ・方=如5=砺,擁=擁=畏,郎方ニー∂㌻
∂2月
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価格・品質・広告費用の最適結合
S3
−ββ−・−
とする。
(4,8)が極大になるための十分条件は,
♂点=¢勿叫〆ヰ・2¢♪ぶ♂夕ゐ・+¢ぶ5ゐ望
+2¢如d少ゐ+2¢ぶ.方ゐd∬十¢∬∬ゐ望・く0
となることである。
この条件ほ次のようになる。
止r
¢
び
×
め一
町
・
痺
×
お
・甲
坤
二二∴ニー ー
如
・甲
¢♪ク<0,
×
ここでの最適条件はまた別に次のようにして求めてもよい。
広告費用を含めた総費用をCであらわし,それを次のようにかく0
(4,2)′ C=ゐ(g,ぶ,.ガ)
(4,2)の費用函数をこれで置き換える。
利潤尺ほ次のようになる。
(4,3)′ 忍=♪・留−−・C・−ぶ
=♪ノ(♪,ぶ,.方)・一別ゾ(♪,ぶ,わ,ぶ,カ
(4,8)′が極大値をとるための必要条件は次のようになる。
(4,8)′を♪,ぶ,.方について偏微分し,それぞれを零とおく。
(4,4)′ 晋=塔十ノ・一昔告=0
(4,5)′ 晋=嫁一器意一昔=0
(4,6)′ 雷=楼一濃意−L溜㌃=0
これから♪を消去して,
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ーβ4−
第37巻 第1号
∂ゐ
∂ゐ
】
鵬./■ 頂㌻ 膏㌻
(4,7)′
l▲ ̄ ̄ ̄:.=
− ̄ ̄
▼一−
∂ノ・ ∂′・
∂♪ ∂方 ∂ぶ
をうる。
販売の広告弾力性係数を智5であらわし,それを次のように意義する√。
∂.′
暫ぶ=
∂ふ
これと(2;7),(8,7)を用いて,(4,7)′は次のように書き替えること
ができる。
(4,8)′ 一一
また,ゐ/曾は広告費用も含あた平均′費用であり,こ・れをCノであらわせば,
(4,8)′は次のように書き替え.られる。
(4,8ノ′′ 紳=チぞ・ガ=ナ耶
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