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効果を発揮する実践訓練の概要

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効果を発揮する実践訓練の概要
効果を発揮する実践訓練の概要:
オンライン学習生徒のための
学生支援サービス
高等教育機関版
4年制大学の卒業率が40%前後をさまよい、3年間以内にアソシエイト単位
を取得するコミュニティ大学の生徒が5人に1人になった今、高等教育におけ
る持続性が大きな課題となっています1。しかし、完全にオンラインで提供さ
れるプログラムの場合はどうでしょうか?参考にできるデータが限定されて
いるものの、オンライン領域においても高い中退率は議論の的となっていま
す。バーチャル指導の需要が高まり、アクセス向上やコスト削減の意味で機
関が投資検討する中、この事実を無視することはできません。
学生支援サービス:
生徒の学習体験と学習成果向上
のため、生徒に対して機関が提
供する異なるサービスやツール
のことを指す。入学や入学登録、
また学資援助や学生口座、技術
的サポートまで幅広いサービス
が含まれます。
1 Paulson, A. (2009年12月)大学を中退する理由:仕事をしなければいけないから。The Christian Science
http://www.csmonitor.com/USA/Education/2009/1210/p02s01-usgn.html より。
「オンライン体験を通して
生徒に提供されるサポート
は、コースの内容以上に生徒
の成功に影響を及ぼす。」
SAS Curriculum
Pathways ディレクター
Bruce Friend
(パーソナルコミュニケー
ション、2010年6月16日)
この課題をより詳しく検証するため、オンライン高等教育プログラ
ムの継続率や卒業率を改善するために教育者や事務局が活用する効
果的な実践訓練を取り上げました。各種機関は、オンラインでは特
に学生支援サービスに重点をおいています。クラスルームのそれと
異なる点を重視することが多いようです。オンライン高等教育プロ
グラムのリーダーは、すべての学習者に対して365日体制のサポー
トを提供する必要性を明確にしています。既存オンラインプログラ
ムを運営する196の機関、3つのフォーカスグループ、5つのエグゼ
クティブインタビューを対象としたアンケート(2010年秋/冬に実
施)を実施しました。正しく組まれた効果的な学生支援サービス
は、良いオンライン学習体験を創造し維持するために必要不可欠で
す。また、従来の学習環境をサポートする形とはまったく異なる場
合があるという結果がでました。
なぜ学生支援サービスなのか?
「オンライン体験を通して生徒に提供されるサポートは、コースの
内容以上に生徒の成功に影響を及ぼす。」
SAS Curriculum Pathways ディレクター
Bruce Friend,
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月16日)
多くのオンラインプログラムのディレクターは、オンラインプログ
ラムにおいて学生支援サービスの質が最重要であることを理解して
います。生徒の学習成果の良し悪しが、学生支援サービスに密に関
比率
わっているという回答が75%を超えました。また回答者の90%は、
学生支援サービスが機関全体のゴール(リーチを広げるための戦略
や生徒の成績改善など)に欠かせないと答えています。そこには明
確な関係性があります:生徒の目標達成を、学生支援サービスと模
範的なアカデミックコンテンツの2つが支援するのです。生徒が1日
生徒の成功に関連
機関全体のゴール
している
に関連している
とても密接に関連している
あまり密接に関連していない
学生サービスに関する調査 (2010)
定量分析。Blackboard Institute
のあらゆる時間にアカデミックコンテンツを吸収しているのであれ
ば、学生支援サービスもまた同様に常に提供されるべきなのです。
しかし、どのようにして学生支援サービスに取り組めば良いので
しょうか。予算の削減が進む一方で入学者数は増加し、人的リソー
スは頭打ちしています。当然投資も難しい状況です。より効率的に
取り組むため、経験を持つ教育者や事務局運営者に彼らのオンライ
ンプログラムの運営方法を聞いてみました。中には100%のリテン
ション率を打ち出している機関もあります。数あるアドバイスの中
でも特に効果が高いであろうトップ9の方法をご紹介します。これを
参考に、生徒そして機関のためにオンライン学習体験を改善してい
ただきたいと思います。
9つの効果的な実践
入学登録期間中に、見込み学習者とのエン
ゲージメントをはかる
「私たちのウェブサイトは、彼らがまず最初に接
するものです。その後、入学登録のカウンセラー
と電話で話します。カウンセラーはすべてを把握
している必要があり、非常に重要な存在です。ど
のようなプログラムがあるのか、どういった経済
支援が提供できるのか、オンラインコースを受講
する価値がどこにあるのか。そしてさらに、生徒
が受講を決断したタイミングから受講が始まるま
での間に適切な量のエンゲージメントが必要にな
ります。彼らをエンゲージする調度良いタイミン
グだといえます。」
カペラ大学 副学部長
Sue Talley
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月16日)
オンラインプログラム実施前に最も頻繁に提供され
るサービス
プログラムとコースのコ
ミュニケーション/期待
経済支援策のガイダンス
アドバイザリーサービス
就学援助
学生オリエンテーション
学生サービスに関する調査 (2010)
定量分析。Blackboard Institute
見込み生徒に対して入学プロセスを案内すると同時に、オンライン及びパーソナルなインタラクションの機会を設けて
みると良いかもしれません。大学生は、機関が管理する外でオンラインで受講登録を行うことが頻繁にあります。コー
ス選択から経済的支援の確保に至るまで、プロセスはシームレスに設計されるべきです。常にコンタクトを取り続ける
ことで、生徒がプログラム開始前に興味を失うリスクを下げることができます。チャット、ライブの24時間体制のサ
ポート、SMSなどで質問や悩みに迅速に回答することも重要です。積極的にコミュニケーションをとることで、質問さ
れる前に回答を提示することが可能になり、機関の時間とコストの削減を実現します。
オンラインクラスルームへの高度なアクセス
を提供する
「授業開始の一週間前から、生徒によるオンライ
ンコンポーネントへのアクセスを許しています。
こうすることで、生徒はより早くプログラムの仕
組みを理解し、講義概要を予習しておくことがで
きます。」
ペンシルベニア州ロックヘブン大学 ディレクター
Ellen Paddy O’Hara
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月3日)
生徒に対して、講義開始前にオンラインクラスルー
ムを探索する機会を与えることは彼らの安心にもつ
ながります。オンライン学習の基本的なプロセス
や、コースの特性などを理解することができるから
です。講義が始まると、生徒はコンテンツとコラボ
レーションに集中することが可能になります。
オンラインプログラム実施中に最も頻繁に提供され
るサービス
アカデミックカウンセラー /
メンター
プログラムとコースのコ
ミュニケーション/期待
オンライン図書館とリサーチ
センター
バーチャル書店
技術サポート
学生サービスに関する調査 (2010)
定量分析。Blackboard Institute
オンライン生徒による図書館と書店へのフルア
クセス
「データベース、オンラインジャーナルなど様々なオ
ンライン素材を購入する必要がありました。単純に
オンライン素材へのアクセスがしやすくなっただけ
です。」
カリフォルニア州フェザーリバーカレッジ 指導学部長 Michael Bagley
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月3日)
書店は、教科書などの教材をデジタルもしくは送料オプ
ションつきで生徒に提供するべきです。
the Association of College and Research
Library(ACRL)の標準では、機関によるオンライン学習
者への「図書館員へのダイレクトなアクセスの提供」が
望ましいとされています2。ACRLはまた、遠隔教育を提
供する者は以下のような図書館サービスを提供すること
が重要であると指摘しています:
遠隔学習が始まった初期には、従来の指導カウンセラーが
活用されることが一般的でした。カウンセラーは自らの時
間を、オンラインそして対面のカウンセリングに割り当て
ていました。しかし現在では、オンライン生徒に対しては
オンライン学習の課題に精通する別のカウンセリングチー
ムを設ける機関が増えています。
ガイダンスカウンセラーと同じくらい生徒の成功に欠か
せないのが、教員による生徒のメンタリングへの関わりで
す。私たちが話を聞いたプログラムディレクターのほとん
どが、プログラムの成功がメンターの役割に大きく関係
していると回答しています。プログラムディレクターは、
メンターと生徒による近距離のコミュニケーションを推
薦しています。そうすることで、指導する側は生徒のコ
ミュニティや文化的環境をより深く理解することができ
るからです。
迅速にコミュニケーションでテクノロジーの問題
を解決する
参考図書の援助
「私たちの現在の人員削減率はこれまでで最も低い一
ハンディキャップがある人を含めた最大多数へのア
クセシビリティ
桁台です。ここに到達するのに10年かかりました。初
オンライン教材へのアクセス
た。ここで鍵となったのがテクノロジーです。オンラ
インのカリキュラムにテクノロジーが対応可能かどう
かを考えなくてはいけません。そこをクリアすること
が何より大きな壁なのです。」
コンサルティングサービス
図書館活用の指導
相互若しくは契約上の貸出
予約教材へのアクセス
適切な営業時間
プロモーション
学期の人員削減率は57%、次に26%にまで下がりまし
アイオワ大学 プログラム事務員
Clar Baldus
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月16日)
機関の多くが、365日24時間体制で技術サポートを提供
宅配やデジタルによる迅速な配送
する重要性を感じています。生徒はあらゆる時間帯に学習
をしており、地理的にもキャンパスから離れているのです
ユースポイントの援助
から。ところが、365日24時間体制をサポートするため
オンライン学習者のための指導カウンセラーと
メンターを配備
「アカデミックなサポートサービスは、生徒のリテン
ションと成功に必要不可欠です。アカデミックなアド
バイスは、従来通りキャンパスで学習する生徒と遠隔
学習者のどちらに対しても同じように提供されるべき
です。」
に必要な人員や費用を持ち合わせない機関が少なくありま
せん。これらの機関はサードパーティのテクノロジーサ
ポートに目を向けることが増えており、それぞれの投資レ
ベルで技術的専門性のギャップを埋める役割を果たしてい
ます。費用面においても、独自機能を持つシステムを内部
で構築するより好まれています。
テキサス州サンアントニオ・カレッジ カウンセラー兼教授
Carolyn Foster
(Slimp, Ed. D., M., 2006)
2
ACRL ¦ 遠隔学習ライブラリー·サービスのためのガイドライン(2008年7月1日)。ALA ¦ Home - American Library Association http://
www.ala.org/ala/mgrps/divs/acrl/standards/guidelinesdistancelearning.cfm より
テキサス州 Seminary of the Southwest 教育工学のディ
柔軟な営業時間とわかりやすさ
レクター Fito Kahn 氏は、機関の学習管理システムに組
「オンライン生徒とは、より高いレベルのコミュニ
ケーションが求められます。オンラインサービスの提
供者として、いつでも連絡を取り合えることが重要な
のです。両親や学校とのやり取り、学習成果の結果通
知まですべてを網羅するべきです。高度なコミュニ
ケーションと共有体験が求められます。」
み込まれたソリューションのメリットを「私たちのビルト
インされたシステムの利便性は高い」と話しています。
SAS Curriculum Pathways, NC ディレクター
Bruce Friend
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月16日)
大部分をオンラインで受講する忙しい生徒は、既に詰
まったスケジュールにさらに課題を行う時間を押し込ま
なければいけません。この領域で成功を収めている機関
は、生徒が都合の良い時間で世話係とのコミュニケー
ションを可能にしています。また教員がレスポンスにかか
る時間を明確にし、それを守るための対策をとっていま
す。
落第のリスクを抱える学生をテクノロジーでいち
早く特定
生徒のエンゲージメントとコースへの参加を継続的に監
視することで、教育者は適切かつ積極的に関わることを
許します。テクノロジーによるアラート通知システム
は、こういったイニシアチブの効果を高め、効率的にし
ます。
オンラインプログラム実施後に最も頻繁に提供
されるサービス
就職支援
卒業生向けプログラム
キャリアカウンセリング
卒業証書または修了認定
成績証明書
学生サービスに関する調査 (2010)
定量分析。Blackboard Institute
初期のアラート通知システムは柔軟であるべきです。生徒
の進 をリアルタイムに提供することで、教師はトラッキ
ングよりも学習に時間を使えるようになります。また、特
に注意が必要な生徒に関して、いつ何をもって通知するか
を設定できるようにするべきでしょう。アラート通知は成
績表、遅刻や課題の提出忘れ、出欠などから生成すること
ができます。指導者には警告が発せられる都度、適切な
メッセージを発信できるようにすることで状況の深刻さを
伝えられるようにするべきでしょう。
コースの外やプログラム完結を越えたサービス
「私たちはキャリアサービスのオンラインサポート、
卒業生団体への年間メンバーシップも用意していま
す。デジタルポートフォリオ、レジュメなどの収納場
所もあります。そのため、オンラインと従来の教育を
特に区別はしていません。皆に同じサービスを提供し
ているのです。」
オハイオ州立大学 遠隔学習コーディネータ
Cathryn Chellis
(パーソナルコミュニケーション、2010年6月3日)
コースやプログラム完結の枠を越えたサービス提供は、生
徒と学校のつながりを継続させ、オンライン学習体験のク
オリティーや価値を強化します。成績、成績証明書、その
他の証明書の通達や、追加コースのための再登録プロセ
ス、生徒の教育及びキャリアゴールを後押しするためのカ
ウンセリングやアドバイザリーサービスの提供などが含ま
れます。中には、バーチャルな「職とキャリア」のフェア
を開催することで、従来およびオンライン生徒をサポート
する機関もあります。フロリダ州立大学、ロアノーク大
学、カールトン大学、テキサス州立大学、スキッドモア大
学、ボール州立大学、メリーランド大学などがその例で
す。
シームレスな経済支援プロセスを確保する
「経済支援が、人々の実際の生活や学習に沿うもの
になることを願っています。」
ブリッジランド応用技術大学 テクノロジー指導、遠隔教育
ディレクター
Blackboard Institute について
Blackboard InstituteはBlackboardのグローバルコミュ
ニティを活かすことで、より良い教育体験を生みだすため
に教育機関がいかにテクノロジーを活用しているかの、ア
クションにつながる実践主導のガイダンスを提供していま
す。
Lee Tansock
挑戦的な経済状況と学費費用、コース教材の高騰によっ
て、生徒が学校に通い続けるために経済支援の役割は増
しています。ただ残念ながら、多くの生徒が支援をフル
活用できないでいます。十分に活用されない理由には、
経済支援に関する情報の欠如や不十分さ、フォームの複
雑性、要件に関する知識の欠如などが挙げられます。経
済支援事務局は、最も必要性のある生徒に対して財務リ
テラシーと明確性を説明する責務があります。しかしこ
れは、容赦ない仕事量ときつい予算によってチームの負
荷になってしまうケースがあります。ベストプラクティ
スを実践している機関は、テクノロジーを活用していま
す。テクノロジーを使うことで、生徒に提供する情報量
と質を向上させているのです。最も進化している機関
は、これらの経済支援に関する情報を生徒のデバイスに
届ける重要性を認識しています。生徒が学んだり課題を
こなしたりするモバイルデバイスやソーシャルメディア
などが含まれます。
結論
オンラインプログラムにおける学生支援サービスは、指
導者やコースのクオリティーと同じくらい生徒の成功に
欠かせません。そのため、バーチャル教育のクオリ
ティーに関する議論には、学生支援サービスの優先順位
とポートフォリオの考慮が含まれるべきでしょう。オン
ライン教育者は、非伝統的な生徒が抱えるニーズを満た
すサービスについて考える必要があります。オンライン
で学習する生徒は、キャンパスにいる従来の生徒とは異
なるニーズを持っている点を忘れてはいけません。これ
らの9つの効果的な実践は、サービスのインフラストラク
チャーを構築する際のガイドとなるものです。オンライ
ンで学習する生徒の持続と進化のために必要なサービス
をサポートできるはずです。
このダイジェストは、テクノロジーを用いた効果的な教
育および学習をハイライトしたものです。効果的な実践
をさらに見るためには、www.blackboardinstitute.com
をご覧下さい。
調査方法について:質的および定量的な調
査を用いることで、生徒の成功における学生支援
サービスの役割をまとめています。以下のものが
含まれます。
• バーチャル学習事務員の3つのフォーカスグ
ループと5つのエグゼクティブインタビュー:
- オハイオ州立大学 遠隔学習コーディネータ
Cathryn Chellis
- SAS Curriculum Pathways ディレクター
Bruce Friend
- インディアナ大学ブルーミントン 学生部長
Pete Goldsmith
- IDEAL-NM (Innovative Digital Education
and Learning in New Mexico) 専務理事
Virginia Padilla
- カペラ大学 副学部長
Sue Talley
• 高等教育に対して13,192件のEメールを配信
し、調査への参加を促しました。調査対象は2
年制、4年制、公立、私立、バーチャル大学で
す。281件の返答があり、オンラインプログラ
ムを運営する196の機関が参加しました。
販売元
アシストマイクロ株式会社
Blackboard Japan Project
〒164-0011 東京都中野区中央5-8-1 朝日生命新中野ビル2F
TEL:03-5340-1603 FAX:03-5340-1690
E-mail:[email protected]
開発元
Blackboard Inc.
650 Massachusetts Avenue N.W.
6th Floor
Washington, DC 20001-3796 U.S.A.
http://www.blackboard.com
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