Comments
Description
Transcript
第3回次世代移動体通信用弾性波デバイスに関する 国際
The Murata Science Foundation 第3回次世代移動体通信用弾性波デバイスに関する 国際シンポジウム Third International Symposium on Acoustic Wave Devices for Future Mobile Communication Systems A62112 開催日 平成19年3月6日~平成19年3月8日(3日間) 開催地 千葉市(千葉大学けやき会館) 申請者 千葉大学 教授 山 口 正 恆 信システムについて説明があった。午後には、 会議の概要と成果 近藤氏(静岡大)、谷津田氏(日本無線)よ 平成19年3月6日∼8日の3日間にわたり、千 りSAWセンサの現状について紹介があり、続 葉大学けやき会館において、千葉大学主催の いてMalocha氏(中央フロリダ大)、Kuypers 標記国際会議が開催された。この国際会議は、 氏(東北大)から最新のSAWワイヤレスセン 弾性波デバイス関連技術に携わる世界中の研 サについて紹介があった。続いて、橋本氏(千 究者・技術者が一堂に会し、次世代移動体通 葉大)、渡部氏(首都大)、Wright氏(北大) 信システムへの適用に向けて、様々な観点か により弾性波伝搬の可視化技術と弾性波素子 ら忌憚無く討論を行うことを目的とし、3年お 特性診断への適用が議論された。2日目には、 きに同じ会場で開催されている。 まずAigner氏(Triquint) 、谷口氏(富士通) 、 今回は2004年に続いて3度目の開催となる。 Marksteiner氏(EPCOS)により薄膜バルク波 この国際会議は主催者側が依頼した招待講演 共振子(F B A R)開発の現状が紹介され、続 のみによって構成されている。このため、最 いて、Ruby氏(Avago)、Smolder氏(NXP) 、 新の内容ばかりでなくこれまでの経緯や背景 Dubois氏(CSEM)によってFBARと半導体 等も系統的に紹介され、極めて教育的である。 集積回路との一体化手法について様々な観点 2001年に初回を開催したが、多くの参加者か から議論された。さらに、川久保氏(東芝) ら本国際会議の有効性が賞賛され、定期的に と和佐氏(京大)によってF B A R用の圧電材 開催する様に要請を受けた。この様な国際会 料堆積手法について議論された。また、古畑 議は工学系ではあまり例が無く、開催の意義 氏(セイコーエプソン)によりSAW素子を半 は極めて大きいと自負している。 導体集積回路中に実現したに組み込んだ集積 1 日目午前には山口委員長の O p e n i n g 化発振器の試作について報告があった。続い Addressに引き続き、McCune氏(松下)、田 て、Solal氏(Triquint) 、高山氏(松下電子部 中氏(日立)による携帯電話トランシーバ部 品)、門田氏(村田製作所)によりS AWアン の最新回路技術が紹介され、続いてWeigel氏 テナ共用器開発に関する最新動向が紹介され (エルランゲン大)、佐藤氏(サムスン)によ た。最終日には、Ballandras氏(FEMTO-ST) り、弾性表面波(S AW)を利用した新規通 が弾性境界波開発の現状が紹介され、大森氏 ─ 593 ─ Annual Report No.21 2007 (千葉大)により超広帯域・低損失S AW素子 なり、休憩時間にも活発に討議が行われていた。 開発の現状が報告された、また、伊形氏(富 なお、シンポジウムに引き続き、8日、9日 士通メディアデバイス)により、SAW素子用 に同一会場で周波数制御デバイスに関する日 微小パッケージ技術が紹介された。最後に 本台湾ワークショップを開催し、本シンポジ Kovacs氏(EPCOS) 、Wilkins氏(RFMD:急 ウム参加者には登録費無料で参加できる様に 遽欠席のため橋本副委員長が代理発表)によっ 配慮した。こちらでも活発で忌憚の無い議論 てS AWモジュールの最新技術が披露された。 が行われ、参加者から好評であった。 そして、最後に橋本副委員長によりC l o s i n g 以上の様に、本国際会議を通じて、弾性波 Remarksが披露され、成功裏に終了した。 デバイスにおける研究・開発の現状並びに将 参加者総数は187名を数え、一大学主催の 来に向けての動向が整理でき、しかも今後と 国際会議としては大盛会であった。外国の研 も基幹技術であるために達成すべき技術的課 究機関・企業から予想を上回る 4 8 名の参加 題が明らかとなり、会議の立案段階で予想し があった。なお、一日目の講演終了後には た以上の成果を挙げることができた。 Welcome Partyを、二日目の講演終了後には 最後に、今回のシンポジウムをご支援頂い Social Gatheringを開催した。これらの会合を た村田学術振興財団に深謝致します。 通じて、日を重ねる毎に参加者同士が親密に ─ 594 ─