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救助編(PDF:2711KB)
第2章 業 務 救 助 業 務 救 助 概 況 1 救助業務 当消防局に特別高度救助隊1隊、中署及び南署に高度救助隊をそれぞれ1隊、そ の他の8署と1分署(臨海)に兼任の救助隊をそれぞれ1隊、計12隊を配置し、 特別高度救助隊員22人、高度救助隊員24人、兼任救助隊員115人の総勢161人が24 時間勤務の2交代制により効果的な救助体制を構築しています。(表Ⅳ-1) 表Ⅳ-1 救助隊配置表 合計 署所別 階級別 特別高度救助隊 高度救助隊 消防局 中・南 161 22 24 消 防 司 令 10 6 4 消防司令補 50 13 消 防 士 長 62 3 合計 消 防 平成26年4月1日現在 兼任救助隊 堺 中 東 西 臨海 南 北 美原 高石 14 12 14 12 12 12 14 12 13 11 4 2 3 4 2 2 4 2 3 9 8 5 3 5 8 6 9 2 4 2 5 8 3 2 4 1 8 6 士 39 平成25年中の救助出場件数は878件で、このうち救助活動件数は480件で、前年 に比べ8件増加しています。 活動件数480件を災害別でみると、建物等での活動件数が194件で最も多く、全 体の40.4%を占め、次いでその他事故(誤報、虚報、参考含む)の164件(34.1%) で、以下火災と交通が同件数のそれぞれ55件(11.4%)の順となっています。 救出活動を伴う救助活動件数は299件に上り、前年に比べ10件増加しています。 救助人員は324人で火災、交通事故、建物事故、その他建物付属物への挟まれ、又 は転落した人などの救出等、消防の救助活動分野は火災によるものだけでなく、 種々の災害による救助要請に対応しています。 高度救助隊 特別高度救助隊 兼任救助隊 特別高度救助工作車 救助隊標識 - 59 - Ⅳ 救 助編 2 救助概況 第2章 業 務 教育訓練実施状況 3 教育訓練実施状況 年間及び月間の訓練計画に基づき、体力錬成から基本・応用救助訓練を実施し ています。また、高度な専門知識と技能の習得を図るため、府立消防学校の専科 教育(救助科)に救助隊員10人を派遣したほか、特別教育(上級救助研修)に2 人、 (潜水士養成研修)に4人、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の 潜水技術研修に2人、消防大学校の高度救助・特別高度救助コースに1人、NB Cコースに1人を派遣し、一層の技能の向上を図りました。 (1) 体力錬成訓練 ストレッチ、ランニングのほか、持久力、筋力、瞬発力、敏捷性を養う訓錬 を実施し、定期的に体力測定を行うことにより適正な体力管理に基づく効果的 な体力錬成に努めています。 (2) ロープ訓練及び救助機械器具の取扱訓練 ロープ訓練は、救助活動の基本であり、災害現場での使用頻度は高く隊員自 身の安全確保の上でも必要不可欠なものです。そのため、ロープ結索、登はん、 Ⅳ 救 助編 渡過、降下の基本訓練から平面救助、高所・低所等の応用訓練を実施していま す。救助器具については、各器具の操作訓練及び器具を使った各種操法訓練、 また実災害を想定し、油圧機械器具を使用した交通事故救出訓練等を実施し、 技術の錬磨に努めています。 高所からの救助訓練 車両を活用した交通事故救出訓練 (3) 水難救助訓練 水難及び風水害に対処するため、救命ボートや潜水器具を用いた水難救助訓 練を実施しています。 潜水救助訓練 救命ボート訓練 - 60 - (4) 国際消防救助隊 国外被災地での救助活動に備え国際消防救助隊員として11人を登録し、各種 国際緊急援助隊研修、警察、海上保安庁、自衛隊、医療チームとの連携訓練に も積極的に参加しています。 また、大阪府下登録消防本部担当者会議等を通じ情報交換等を行うことで関 係情報や知識の共有化を図っています。 国際消防救助隊合同訓練 (5) 緊急消防援助隊 7県で構成される近畿ブロック緊急消防援助隊合同訓練については、当消防局 は毎年参加の実績を持ち、特に大阪府救助部隊長として大阪府救助部隊全体の 指揮・統制という重要な役割を担っています。平成23年3月11日に発生した東 日本大震災では、総務省消防庁からの要請で緊急消防援助隊大阪府隊救助部隊 長として出動し、岩手県大船渡市、釜石市及び大槌町で救助活動を実施しまし た。 近畿ブロック緊急消防援助隊合同訓練 東日本大震災時の活動の様子 (6) 各種救助訓練 大阪府立消防学校科学消防訓練棟及び大阪市消防学校火災制御訓練棟の施設 を使用した煙中訓練を企画し、濃煙熱気の体験及び火災検索救助技術の向上を 図るとともに、救助隊員間の連携強化につながる訓練を実施しています。 - 61 - Ⅳ 救 助編 国内で発生した災害等に備え緊急消防援助隊として各部隊が登録され、2府 また、出初式や各種行事に参加し、救助技術を披露することにより、一般市 民に警火心と人命安全の認識を高めるとともに、高層建築物の災害に備えて大 阪市消防局航空隊と連携したヘリコプターによる上空からの降下・救出訓練等 を実施し、立体的な救助技術の向上にも努めています。 煙中訓練 Ⅳ 救 助編 ヘリコプターによる降下救出訓練 (7) 消防救助技術指導会への参加 人命救助技術の強化と体力の錬成を図るため、近畿地区の消防救助隊員が一 堂に介し、日頃錬磨した救助技術と体力を披露することにより、一層の技能向 上を図ることを目的として、第42回消防救助技術近畿地区指導会へ13種目49人 が参加しました。 さらに上位入賞により広島県で開催された全国大会に陸上の部5人、水上 の部3人の合計8人が出場し、入賞の栄誉に輝きました。 障害突破(陸上の部) 基本泳法(水上の部) - 62 - HOT BOX No.4 潜水救助活動について かか 様々な救助活動のなかでも、水難救助事故における潜水救助活動は極めて特 殊な環境下で行われる救助活動であるため、配備している救助隊 12隊の中で も、消防局直轄の専任救助隊のみが実施しております。 専任救助隊では年間を通して海、プールなどでの潜水救助活動訓練を繰り返 し行い、特殊な装備の習熟と潜水救助技術の向上に努めております。 また、その他の救助隊との連携訓練も行い、水難救助事故に対し、より効率 的かつ安全、迅速に対応できる体制整備に努めております。 特別高度救助隊が保有する水難救助事故に対応する装備としては、通常の潜 水装備に加え、寒冷期にも対応できる2種類のドライスーツ、水中の障害物や 目標物を地上のモニターで確認できる水中ソナーシステム、地上からリモコン により操作可能な水中探査装置(水中ロボット)などがあります。 - 63 -