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Particle and Heavy Ion Transport code System

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Particle and Heavy Ion Transport code System
PHITS
Particle and Heavy Ion Transport code System
仁井田浩二1,佐藤達彦2, 岩元洋介2, 橋本慎太郎2, 小川達彦2,
古田琢哉2, 安部晋一郎2, 甲斐健師2, 松田規宏2, 岩瀬広3, 中島宏2,
深堀智生2, 奥村啓介2, 甲斐哲也2, 千葉敏4, L. Sihver5
1. 高度情報科学技術研究機構(RIST), 日本
2. 日本原子力研究開発機構(JAEA), 日本
3. 高エネルギー加速器研究機構(KEK), 日本
4. 東京工業大学 (TITech), 日本
5. ウィーン工科大学, オーストリア
Last update 2016/08/17
1
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
2
PHITSの概要
Particle and Heavy Ion Transport code System
PHITSとは?
任意の体系中における様々な放射線の挙動を、核反応モデル
や核データを用いて模擬するモンテカルロ計算コード
適用例
加速器遮へい設計
放射線治療&防護研究
宇宙・地球惑星科学
入手方法
• PHITS講習会に参加する
• RISTの原子力コードセンターに依頼する(国内ユーザー,手数料13,176円)
• OECD/NEA DatabankもしくはRSICCに依頼する(国外ユーザー)
http://phits.jaea.go.jp/
3
PHITS計算結果の例
137Cs
から放出された100,000個の光子の挙動を模擬
個々の放射線挙動を乱数を用いて模擬することにより,全体的な挙動(平均値)を導出
4
PHITS開発体制
KEK
JAXA
• 宇宙分野への応用
ウィーン工科大
• EGS5の組込
原子力機構
• 欧州普及担当
• 医療・宇宙分野への
応用
• 開発とりまとめ
(PHITS事務局)
• 配布&講習会
• 開発全般
九州大学
理研
• 核反応モデルINCELFの組込と高度化
• 精度検証実験
• メモリ共有型並列
• 核反応モデル改良
• 人体シミュレーション
RIST
• プログラミング
• 核反応モデル改良
CEA (フランス)
• 核反応モデルINCL
の組込と高度化
5
PHITSの特徴
 言語 Fortran (Intel Fortran 11.1, Gfortran 4.71 or later)
 入力データ形式 任意フォーマットのASCIIコントロールファイル
 幾何形状
ユーザーがFortranプログラムを書く必要はない!
• 任意の3次元体系
• 2D&3D描画ツール
(ANGEL)
• GUI入力支援ソフト
(SimpleGEO*, option)
 計算できる物理量
ANGELで描画した2D&3Dジオメトリ
SimpleGEO
粒子フルエンス, 発熱量,核反応生成粒子, 電離密度分布 など
 出力データ形式
テキストデータ,ヒストグラム,等高線図
 プラットフォーム
Windows,Mac, Linux (MPI & OpenMP並列対応)
* GUI-based software originally for FLUKA, http://theis.web.cern.ch/theis/simplegeo/
6
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
7
PHITSで扱う物理現象
輸送過程
衝突と衝突の
間の移動
衝突過程
原子核との
衝突
外部場及び光学デバ
イスによる偏向
電離過程による
エネルギー損失
低エネルギー中性子
光子・電子・陽電子
• 電磁場
• 重力
• スーパーミラー (反射)
• T0 チョッパー
• 阻止能 : SPARもしくは ATIMAコード
連続エネルギー損失仮定(CSDA)
• δ線(ノックアウト電子)生成
• マイクロドジメトリ機能
(独自機能)
高エネルギー核子
• 核データ(JENDL-4.0 etc.)
+イベントジェネレータモード
(独自機能)
• 核内カスケード模型(INC)
原子核
• 量子分子動力学模型(QMD)
8
PHITSに組み込まれた物理モデル(奨励設定)
中性子
陽子・π粒子
(その他の核子)
低 ← エネルギー → 高
1 TeV
重イオン
μ粒子
1 TeV/u
1 TeV
核内カスケード模型 JAM
3.0 GeV + 蒸発模型 GEM
量子分子
動力学模型
d
JQMD
核内カスケード模型 INCL4.6
+
t
+
蒸発模型 GEM 3He 蒸発模型
GEM
20 MeV
核データ
ライブラリ
JENDL-4.0
10-5 eV
α
1 MeV
1 keV
電子・
陽電子
光子
1 TeV
仮想光子
核反応
JAM/
JQMD
+
GEM
EGS5
EGS5
1 keV
1 keV
200 MeV
10 MeV/u
電離損失
ATIMA
光核反応
JAM/
JQMD
+
GEM
+
JENDL
+
NRF
イベントジェネレータモード:
核反応による2次粒子を特定可能!
PHITSに組み込まれた物理モデルとその適用エネルギー範囲*
*モデル及びその適用エネルギー範囲は入力ファイルにて変更可能
9
JAM (Jet AA Microscopic Transport) モデル
• 高エネルギー核子同士の衝突によって生成する様々な共鳴状態や反粒
子などを共鳴モデルやストリングモデルを使って再現する核反応モデル
• 幅広いエネルギー(20MeV~200GeV)の核反応を模擬可能
Au+Au 200GeV/n in CM
Y. Nara et al., Phys. Rev. C61 (2000) 024901
10
INCL4.6 & INC-ELF
(A) Pb(p,n) @ 8 deg
(Einc = 256 MeV)
Meier et al.
2
10
JAM
INCL4.6
INC−ELF
0
10
0
10
1
10
Double Differential Cross Section
(mb/sr/MeV)
Double Differential Cross Section
(mb/sr/MeV)
最新の核内カスケードモデルは,高エネルギーフラグメント生成を考慮可能
(B) Fe(p,d) @ 20 deg
(Einc = 558 MeV)
Beck et al.
0
10
−2
JAM
INCL4.6
INC−ELF
10
2
10
Neutron Energy (MeV)
1
10
2
10
3
10
Deuteron Energy (MeV)
Pb(p,n) 及び Fe(p,d) 反応に対する2重微分断面積
Version 2.52よりINCL4.6をp, n, d, t, 3He, α粒子
の標準核反応モデルとして採用
11
JQMD (JAERI Quantum Molecular Dynamics) モデル
• 原子核を核子の集合体と仮定して,全ての核子間力を数値解析で解く手法
• 原子核-原子核衝突(重イオン入射)反応用のモデル
12C(NatC,n)@100MeV/n
• 残留核生成と二次粒子生成
を計算できる
• PHITS Ver.2.76 から高精度
なJQMD-2.0が利用可能
K. Niita et al, Phys. Rev. C52 (1995) 2620,
56Fe
800 MeV/u on 208Pb
T. Ogawa et al., Phys. Rev. C92 (2015) 024614
12
統計マルチフラグメンテーションモデル (SMM)
SMM
核内カスケード
JAM / INCL4.6 / JQMD
or
蒸発過程
励起核
核分裂
GEM
PHITSで核反応を模擬する流れ
2
2
10
10
75
Cross section (mb)
Cross section (mb)
24
(A) Na
Ogawa et al.
0
10
−2
10
0
with SMM
without SMM
200
Energy (MeV/n)
(B) Se
Ogawa et al.
1
10
0
10
−1
400
10
0
with SMM
without SMM
200
400
Energy (MeV/n)
鉛に炭素イオンを照射したときに生成される24Naと75Seの生成断面積
標準設定ではSMMは起動しないことに注意!
13
核データライブラリJENDL4.0
低エネルギー中性子は原子核と共鳴して,
特定の核種・エネルギーのみ断面積が極めて大きくなる
原子核を核子の集合体として扱う核反応モデルは使えない
各核種ごとに断面積を実験値ベースで評価した核データライブラリが必要
112Cd
113Cd
JENDL4.0に格納されている112Cdと113Cdの中性子反応断面積
http://wwwndc.jaea.go.jp/jendl/j40/J40_J.html
14
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
15
PHITSのJ-PARC設計への応用
Japan Proton Accelerator Research Complex
Materials and Life Science
Experimental Facility
Nuclear and Particle Physics
Experimental Facility
Nuclear
Transmutation
Neutrino to Kamiokande
50 GeV Synchrotron
(0.75 MW)
Linac(350m)
3 GeV Synchrotron
(25 Hz, 1MW)
物質生命科学・素粒子物理学などを目的として,KEKと原子力機構が共同開発
16
中性子発生装置周辺の電離量計算
Energy
Deposition
tt == 201000
100
410nsec
nsec
nsec
nsec
Be reflector
Fe reflector
Moderators
Proton
Hg target
Moderators
水銀ターゲット付近の電離量計算
Hg target
水銀ターゲット付近の幾何形状
M. Harada et al. J. Nucl. Material 343, 197 (2005)
17
中性子ビームラインの遮蔽設計
物質生命科学施設の中性子ビームライン周辺の発熱量計算結果
ダクトソース機能
• 中性子ビームライン専用の線源決定機能
• 短時間で統計誤差の小さい結果が得られるよう中性子の生成数を自動調整
18
ビームライン設計に対する特殊機能
 荷電粒子(電子・陽電子除く)
- 2重極・4重極磁石,ワブラー磁石
 低エネルギー中性子
- 2重極・4重極・6重極磁石
中性子スピンと磁場の相互作用を考慮
- パルス状(時間変化)磁場
- 光学デバイス:スーパーミラー
- メカニカルデバイス: T0 チョッパーなど
- 重力
高精度なビームライン設計が可能
19
その他の施設における遮蔽設計の例
RIBF at RIKEN by T. Ohnishi
FRIB at MSU by I. Baek
粒子線治療用加速器施設(HIMAC新棟,福井県立病院陽子線がん治療センターなど)
20
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
21
BNCT用治療計画システム:JCDS
JAEA Computational Dosimetry System
• 原子力機構JRR-4で行われていたホウ素捕捉療法(BNCT)用の治療
計画システム
• DICOMフォーマットのCTとMRIデータからPHITS入力ファイルを作成
• 腫瘍部分の定義などは,画像を元に各自が判断する必要有
PHITSで出力した患者の3次元画像
PHITSで計算した発熱量分布
H. Kumada et al. J. Phys.: Conf. Ser. 74, 021010 (2007)
22
CT撮影時の線量評価システム:WAZA-ARI
WAZA-ARIとは?
 CT撮影時の患者の線量を評価する
Webベースのシステム
 PHITSと日本人ボクセルファントムを組
み合わせて計算したCT機種毎の被ばく
線量データベースを格納
PHITSによるCT線量計算
実験的検証に基づ
いて機種毎の線源
強度を決定
線源モデル
CT検査
人体モデル
F. Takahashi et al. Health Phys., 109, 104-112 (2015), http://waza-ari.nirs.go.jp/waza_ari/
23
医学物理計算用の補助プログラム
DICOM2PHITS
DICOM形式のイメージデータをPHITS入力形式に変換するプログラム
医療画像DICOM形式のデータ
PHITS形式のボクセルデータ
変換
入力情報
1ファイル=1スライスデータ
フォルダ全体のデータを3D表示
ボクセルの分解能と範囲・位置・方向,CT値から組織への変換テーブル
PSFC4PHITS
加速器線源情報Phase-Space FileをPHITS入力形式に変換するプログラム
 加速器部分(上流)のシミュレーションを省略し、ビーム
照射部分(下流)のみのシミュレーションが可能
 IAEAのNuclear Data Services*から入手可能
*URL https://www-nds.iaea.org/phsp/phsp.htmlx
24
治療計画システムへの応用(将来計画)
治療効果 = 生物学的線量 = 吸収線量 × 生物学的効果比(RBE)
開発中の治療計画システムの特徴
細胞核線量の確率密度分布をRBEの指標とする(従来は吸収線量とLET)
→個々の細胞の耐放射線性や非標的効果を考慮できる
全ての放射線治療に適用可能
→様々な放射線治療の組み合わせを考慮できる
吸収線量 or 生物線量(Gy)
8
生物学的線量
耐放射線性細胞
6
通常細胞
炭素
散乱体
290MeV/n ワブラー
4
磁石
(タンタル)
1100
ビーム リッジ
モニタ フィルタ
アルミコリメータ
(5x5 cm2)
2
吸収線量
0
0
1000
8915
10
433 15420
照射表面からの深さ(cm)
人体からの距離 (cm)
Courtesy of 腫瘍部位付近の線量深さ分布
HIMACの治療室を模擬した体系
Dr. Yonai & Dr. Kase
0
80
人体模型
(ボクセルファントム)
T. Sato et al. Radiat. Res. 171, 107 (2009); Sato and Furusawa, Radiat. Res. 178, 341 (2012) 25
ICRP2007年勧告に基づく線量換算係数の計算
被ばく線量 = 放射線のフルエンス × 線量換算係数
計算方法
1. 人体ファントム内における放射線挙動をPHITSで解析
2. 各臓器の吸収線量及び平均線質係数を計算
3. 組織荷重係数や放射線荷重係数を乗じて線量換算係数を導出
ICRP/ICRUの標準成人
男性(左)&女性(右)ファントム
ICRP Pub.116
ICRP Pub.123
ICRPによる線量換算係数の評価に利用
T. Sato et al. Phys. Med. Biol. 54, 1997, (2009), T. Sato et al. Phys. Med. Biol. 55, 2235, (2010)26
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
27
MATROSHKA実験の再現シミュレーション
Virtual Kibo Module
Dose (mGy/day)
■Exp.
▼Cal. (Total)
●Cal. (T.P)
▲Cal. (GCR)
JAXA
MATROSHKA実験とは?
人体ファントムをISSに搭載して
宇宙飛行士の宇宙線被ばく線量
を測定する欧州主導プロジェクト
Position (mm)
PHITSによる再現結果
L. Sihver et al. Radiat. Environ. Biophys. 49, 351 (2010), M. Puchalska, Adv. Space Res. (2012)
28
実効線量もしくは実効線量当量率 (mSv/day)
宇宙飛行士の被ばく線量評価
ISSに滞在する宇宙飛行士の実効線量及び実効線量当量率
PHITSで計算したISS内の宇宙線フラックスに線量換算係数を乗じて導出
T. Sato et al. Radiat. Environ. Biophys. 50, 115-123 (2011)
29
大気圏内の宇宙線挙動解析
1.5
1
–1
–2 –1
• 大気圏内の宇宙線挙動を太陽活動度,地磁
気強度を考慮してPHITSで計算
モデル化
任意地点・時間における宇宙線フラックス・被
ばく線量を瞬時に計算可能とした
Exp. (Goldhagen
et al.)
Exp.*
*P. Goldhagen
SimulationSimulation**
PHITS
PARMA
Analytical
Model
0.5
0
2
d = 201 g/cm (~11.8km)
rc = 4.3 GV
smin
0.4
ソフトウェアEXPACSとしてWebで公開
http://phits.jaea.go.jp/expacs
0.2
724
0
2
Effective Dose Rate due to
Cosmic-ray Exposure (nSv/h)
Neutron Flux (cm s lethargy )
PHITSシミュレーション
2
d = 101 g/cm (~16.0 km)
rc = 0.7 GV
smin
d = 1030 g/cm (ground level)
rc = 2.7 GV
smin
0.0015
0.001
0.0005
0 –8
10
–4
10
0
10
4
10
Neutron Energy (MeV)
大気圏内の中性子フラックス
229
72
23
地表面における宇宙線被ばく線量分布
日本の航空会社による乗務員被ばく線量管理や地球惑星物理学に利用
T. Sato, PLOS ONE. 10, e0144679 (2015), T.Sato, PLOS ONE 11, e0160390 (2016)
30
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
31
放射線損傷計算: DPA
DPAとは?
•放射線照射により結晶格子からはじき出される原子の平均値
•DPAが大きくなる(欠陥が増える)と材料特性が劣化する
•PHITS-DPAは、核反応とクーロン散乱による損傷を考慮
0.2cm 厚さビーム窓 T91
Pb-Bi
400MeV
陽子
400MeV-250kW,
4500 時間
陽子
全体
照射試料 SUS316
0.2 cm×4 cm×15 cm
中性子
ADSターゲット試験施設 J-PARC TEF-T
照射試料中のDPAの深さ分布
Y. Iwamoto et al., Nucl. Instr. and Meth. B, 274 (2012) 57.
Y. Iwamoto et al., J. Nucl. Sci. Technol. 51 (2014) 98.
32
トカマク型核融合装置への適用
 複雑形状を有するトカマク型装置の放射線による発熱、損傷や
放射化量評価のため精度の良い放射線輸送計算が必要不可欠
ポロイダル断面
トロイダル断面
プラズマ形状を模擬
できるトーラス放射線
線源を整備
トカマク型核融合装置
装置周辺の中性子束
時間変化の計算結果
A. Sukegawa et al. Prog. Nucl. Sci. Technol. 1, 36-39 (2011)
33
レーザー駆動イオン加速研究への応用
 高強度レーザーを物質に照射することで発生する電場にてイオンを加
速するレーザー駆動小型加速器の開発が世界各地で進められている
 そのビーム診断系開発や軌道計算、線量評価にPHITSを利用
生成イオン核種とエネルギー分布を診断
した結果とPHITSによる計算値の比較
レーザー1ショットあたりに発生する線量
測定値とPHITSによる計算値の比較
Y. Sakaki et al. レーザー研究, 42(2) 163-167 (2014)
34
半導体ソフトエラー発生率評価
半導体ソフトエラーとは?
• 放射線照射により半導体メモリ内にノイズ電荷が誘起され、あるしきい値以上
の電荷が収集されると記憶データが反転し,電子機器にエラーが起きる
• 地上環境では,宇宙線中性子が半導体内で核反応を起こして発生する
PHITS計算
入射中性子
+
+ +
+
-+
-
--
-
詳細解析
MSVモデル
STI (SiO2)
領域 A (Si)
領域 B (Si)
ソフトエラー率, SER [FIT/Mbit]
中性子核反応で生成する2次粒子を評価可能なイベントジェネレータモードが不可欠
4
詳細解析
PHITS+MSV
10
3
10
2
10
0
0.5
1
1.5
しきい電荷量 [fC]
2
デバイスシミュレータと繋いだ詳細解析 / 多重有感領域モデルによるSER評価
S. Abe et al. J. Nucl. Sci. Technol., DOI: 10.1080/00223131.2015.1056561 (2015)
35
除染効果評価システムCDE
• 除染作業前後の空間線量率の計算から除染効果を評価するソフトウェア
• PHITSを用いて汚染環境中の空間線量率計算に必要なデータベースを作成
空間線量率の計算と
結果の可視化
除染前
除染後
使いやすい表計算ソフト
ベースで提供
除染区域
除染地域の地図の上に汚染
分布のデータを入力
http://nsed.jaea.go.jp/josen/ (←ホームページにて無償提供中)
36
Table of Contents
1. 概要
2. 物理モデル
3. 応用例
3.1 加速器設計への応用
3.2 医療,放射線防護への応用
3.3 宇宙線挙動解析への応用
3.4 その他の応用
4. まとめ
37
PHITSの特長
 幅広いエネルギー範囲の全ての放射線の挙動を解析可能
 シンプルなユーザーインタフェイスに基づく多様な計算機能
 洗練された核反応モデルとデータライブラリ
(INCL4.6, INC-ELF, JQMD, JAM, JENDL-4, EGS5 etc.)
 様々な用途に使える独自の計算機能
(イベントジェネレータモード,マイクロドジメトリ機能,ビームライン設計機能)
国内外2,000名以上のユーザーが
工学・理学・医学の様々な分野で利用している
教育版PHITSも公開中(大学の講義で利用可能)
38
最近の改良点:PHITS2.86
平成28年8月から配布開始
PHITS2.82からの主な変更点(担当者)
 Weight Window Generator機能の組込(仁井田)
3次元可視化ソフトParaView用出力機能の開発(古田)
ATIMAの高速化とデフォルト設定(古田,安部)
天然元素への自動展開機能の組込(仁井田)
Sum tally機能の拡充(橋本)
ミューオン・パイオン核反応モデルの改良(安部・橋本)
RI線源機能の組込(松田)
JAMQMDの開発と組込(小川)
中性子崩壊の組込(佐藤)
2次元結果のBitmap形式での出力機能の追加(古田)
EGSに関するバグ修正(佐藤・岩瀬)
39
今後の予定
核データの充実
 JENDL高エネルギー核データファイルとのセット配布
新たな計算機能の追加
 低エネルギーへの拡張(空間分解能の向上)
 系統誤差導出機能の追加
 Adjoint計算モードの追加
ユーザー支援機能の拡充
 GUIの開発
信頼性の検証
 基礎から応用まで包括的なV&Vを実施
40
お願い
 更新にはML登録が必要ですので,最新版への更新をご希望の
方は,PHITSホームページを参照の上,必ず登録してください
 バグを見つけた場合や,改良の要望がありましたら,PHITS事務
局<[email protected]>までご連絡ください
更新情報は,PHITSホームページ及び
Facebookページにて随時お知らせします
現在,295
http://phits.jaea.go.jp/
https://www.facebook.com/phitscommunity 41
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