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春季卒後教育コースでは クローン病とセリアック病への新しいアプローチ

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春季卒後教育コースでは クローン病とセリアック病への新しいアプローチ
春季卒後教育コースでは
クローン病とセリアック病への新しいアプローチを検討
達成するうえで優れていると述べた。
ずグルテンを摂取しているか、真に治療抵抗性であ
ブとアザチオプリンの併用療法は、それぞれの単独
そして同氏は「複数の試験において、免疫抑制
るかのどちらかだと同氏は述べた。患者は食事療
療法に比べて、ステロイドフリー寛解 、粘膜治癒を
剤未使用例では、生物学的製剤とチオプリン製剤と
法の効果を得るためには、1日のグルテン摂取量を
から始まり、
“Inflammatory Disorders of the Gast-
の併用療法はもちろんのこと、メトトレキサートとの
50 mg 未満に抑える必要がある。
rointestinal Tract”
と題する一般セッションではク
併用療法であっても、ステロイドフリー寛解を達成
セリアック病の特効薬は存在しない。しかし、ク
ローン病とセリアック病の治療をテーマとした演題
するうえで有用性が高いことが明らかにされている。
ローン病の治 療に用いられているブデソニドと
が行われた。
我々は短期成績だけでなく長期の転帰や治療の継
5 -ASAは、無グルテン食による治療に失敗したセ
もはや周知となった2日間のAGA Postgraduate
ン病患者では、生物学的製剤であるインフリキシマ
Courseでは、Emerging Concepts and Their Practical
Applications と題するセッションが 5月7日
(土)の朝
Arie Crown Theaterをほぼ埋め尽くした聴衆を
続性を考慮して治療法を選択する必要がある」と結
リアック病の治療薬として有望視されている。他に
前にしてDavid T. Rubin, MD, AGAF, associate
論した。
も開発中の薬剤には、グルテナーゼとタイトジャンク
professor of medicine and co-director of the
一方、Ciarán P. Kelly, MD, associate professor
ションモデュレータがある。
Inflammatory Bowel Disease Center at the
of medicine at Harvard Medical School and
「この領域では2 つのことが求められている。1つ
University of Chicago Medical Center, ILは、ク
medical director of the Celiac Center at Beth
は無作為化比較対照試験の実施、もう1つはクロー
ローン病の新しい治療のアプローチについて論じ、
Israel Deaconess Medical Center, Boston, MAは、 ン病の治療薬の流用ではなくセリアック病の治療を
併用療法の重要性を強調した。同氏はクローン病
セリアック病の新しい治療のアプローチについて論
目的に開発された薬剤である。なぜならクローン病
の治療における5 -アミノサリチル酸製剤(5 -ASA)
じ、この50年間で有病率とともに未診断例の死亡リ
とセリアック病の病態は重複しないからである」と同
と免疫抑制剤との併用療法の有効性と安全性に関
スクが上昇したと述べた。最近ではDGP血清検査
氏は述べた。
する研究をレビューし、チオプリン療法の前にステロ
の導入により診断精度は向上しており、同法はTTG
しかし、臨床医は本当にセリアック病の治療薬を
イド療法を行うことは妥当だがアドヒアランスが課
検査による偽陽性例の再検査や、生検を拒否した
必要としているのだろうか。その問いに対して同氏
題だと語った。
患者の検査にも用いることができると考えられる。
は「そうだ」
と答え、無グルテン食は魅力的だが、な
同氏は、Study of Biologic-and Immunomodulator-
無グルテン食を用いた食事療法はセリアック病の
ぜセリアック病に対する有効な治療法を開発する必
Naïve Patients in Crohn’
s Disease (SONIC)
標準療法であるが、患者の10%は食事療法に反応
要があるのかを研究者は十分に理解していると述
しない。その理由は、知っているかいないかは問わ
べて講演を終えた。
Trialの成績を紹介し、免疫抑制剤未使用のクロー
Presidential Plenaryは
全内視鏡医に対し
教育の機会を提供
David T. Rubin, MD, AGAF
医療従事者としての今後の方向性を話し合う場で
述べ、
「各セクションには焦点となるテーマ、疾患あ
が直面する課題のひとつに、幅の広い内視鏡ドク
もある」と同氏は述べ 、
「 研究に関心があるだけな
るいは臓器があり、研究発表およびstate-of-the
ターにアピールするプログラムの策定があった。
らば抄録をみればいいことになるが、長い時間を
art lecturesはそれぞれの焦点を裏付ける内容の
そうした課題を念頭に、同氏は「内視鏡医とし
かけて達成されることは何か、われわれが今それ
ものである」
と語った。
て生計を得ている全ての医師にとって価値あるプ
にどう対応するかを考える場合、state-of-the art
同氏が語るように、最初のセクションはバレット
ASGE Presidential Plenary Sessionの主催者
内視鏡に関する最新情報の包括的な把握を求
レナリー・セッションの構築に向け、内容の刷新を
lecturesが必要である。したがって、われわれの
食道に焦点が当てられる予定である。次いで、抄
める参加者にとって、ASGE Presidential Plenary
図りたかった」
と語った。
試みはこれらの教育スタイルを混ぜ合わせること、
録、state-of-the art lecture、ビデオによるリアルタ
Sessionは見逃せないイベントである。
同氏は「内視鏡領域ではハイエンドの治療を行
そして内視鏡は視覚性の高い医学領域であるこ
イムの内視鏡イメージングに焦点が当てられる。第
「われわれは、どの臨床医も行うように、バレッ
う先駆けの内視鏡医がおり、彼らは最新の技術的
とから、ビデオクリップをいくつか挿入することであ
3のセクションは進歩の著しい肥満領域に焦点が
ト食道からはじめ、大 腸内視 鏡で締めくくる」
進歩に関心を寄せている」と述べつつも、
「 一方で
る」
と語った。
当てられ 、ビデオ、3 つの抄録およびstate-of-the
と professor of medicine at Oregon Health
大腸内視鏡などの日常的な手技により関心を寄せ
プレナリー・セッションの基礎はASGE Endo
art lectureで締めくくられるが、これらはすべて大
and Science University in Portland の ASGE
ている層が存在する」
と語った。
scopic Video Forumからの3つのビデオで構成さ
腸にフォーカスしたものである。
President M. Brian Fennerty, MD, FASGE は
したがって、プレナリー・セッションは参加者す
れるが、次いで 5つのstate-of-the art lecturesと
本セッションならびに他のDDW ® のイベントのス
語り、
「中ほどではいくつかの新規テクノロジーの現
べてに対して何らかのものを提供しなければなら
9 つの研究発表抄録が教育部分を締めくくること
ケジュールおよび開催場所については、5月9日号
状および今後の方向性に焦点を当てるつもりであ
ず、同時に単なる教育的な場ではない、と同氏は
になる。
のSchedule-at-a-Glanceを参照されたい。
る。内視鏡に多くの時間を割くのであれば、本セッ
述べた。
「各発表はそれぞれのセクションの最後にビデオ
ションに是非参加すべきである」
と述べた。
「本セッションは研究成果を発表する場でもあり、 放映がくるようにプログラムされている」と同氏は
この度の震災に際して
Given the recent tragic events in Japan, we would like to
INSIDE:
この度の東日本大震災による甚大な被害にもかかわらず、米国消化
extend an especially warm welcome to all those Japanese
器病週間( DDW)のためにシカゴをご訪問され 、私たちとともにお過
attendees who are able to be with us here in Chicago for DDW.
ごしいただける日本の皆さまに対し、心より歓迎申し上げます。日本 、
We offer our support and sympathy to your nation, to all those
ならびに被災地の復興に尽力されている皆さま、とりわけ被災者の救
DDW Council Chair
who are hard at work restoring what has been lost, and most
護に奮闘されている医師の皆さまに対し、支援を表明するとともに謹ん
Lawrence S. Friedman, MD,
especially to those Japanese physicians who are busy helping
でお見舞い申し上げます。
AGAF, FASGE
those affected by the tragedy.
■ Symposiumでは、 ■ GERDの外科的治療と ■ Breakfast sessionでは大腸内視鏡 ■ 慢性下痢という臨床上困難な ■ 消化器がんにおける ■ マイクロRNAの臨床的
HBV治療の争点が
論じられる . . . 2
内科的治療の検討に
関する討論 . . . 3
における専門性獲得に向けた
実践的アドバイスを提供 . . . 4
問題に対する有効な解決策を
提示するシンポジウム . . . 5
個別化医療の
利用の展望 . . . 6
意義に焦点を当てた
GRGシンポジウム . . . 7
2
Sunday, May 8, 2011
DDW Daily News
AASLD
Symposiumでは、HBV治療の争点が論じられる
5月8日(日)のAASLD Clinical Symposium、
新生児に対する感染リスクを減少させるために、妊
独立して、血清HBV DNA値の上昇が100万copies/
予防のための早期治療について講演する予定であ
Hepatitis B:Current Controversies in Case
娠後期にHBV感染した母体に治療が必要な可能
mLと同等かそれ以上に肝細胞がんの相対リスクを
る」
と同氏は述べた。
Management では、治療法が論争の的となり、また
性があるとDr. Tranは指摘した。
高めることを明らかにした」
とDr. Perrilloは述べた。
セッションの最後には、B 型肝炎とC 型肝炎を合
現時点で特異的な臨床ガイドラインがない3 例の症
「本症例では、妊娠時におけるB 型肝炎の感染の
「この報告に基づき、多くの臨床医は、患者が典
併し、両方の治療が必要な症例が報告される。
例研究が報告される予定である。4 例目では、免疫
可能性について
型的な治療基準
「このような患者の最良の治療方法について言及
抑制療法が必要な症例においてB 型肝炎ウイルス
報告する。感染
に合致しない場
した文献ではさまざまな治療法が紹介されている
(HBV)スクリーニングの重要性を強調するために、
リスクを減 少さ
合でも、高ウイ
が、一般的に受け入れられている治療法はない」と
B 型肝炎を発症したがん患者が取り上げられる。
せるのに役立つ
ルス量の患者の
Dr. Perrilloは述べ、
「治療オプションをレビューする
Tram Tran, MD, medical director of liver
データが報告さ
肝がんのリスク
予定であるが、両方の治療が必要な場合もある」
と
transplantation at Cedars-Sinai Medical Center
れ始めているが、
が 高まっている
続けた。
and associate professor of medicine at the
B 型肝炎に感染
のではないかと
各演者はその領域の専門医であり、聴衆は、文献
University of California, Los Angelesと共同座長
した妊婦の管理
懸念している」と
と臨床経験に基づく演者の見解を傾聴することにな
の Robert P. Perrillo, MD, associate director of
方法に関するガ
Dr. Tranは続け
るであろう。
hepatology, Baylor University Medical Center,
イドラインは確立
た。
「座長はお互いに、あるいは各演者に質問するの
Tram Tran, MD Robert P. Perrillo, MD
Dallas, TXは、他の2 名の演者とともに4 例の症例
されていない」と
3 例 目 のB 型
で、発表される治療決定に関するプログラムは非常
を報告する。
同氏は述べた。
肝炎患者は、がん治療のための化学療法の治療前
にバランスのとれたものとなるであろう。本シンポジ
「このシンポジウムの目的は、日常診療で遭遇する
この他に、肝硬変、がんなどの合併症発症を予
と治療中に感染のスクリーニングが必要となり、抗
ウムの重要なメッセージは、不完全なデータしかな
ことが珍しくないうえに、明確なガイドラインが確立
防するために、抗ウイルス療法の継続が必要な血中
ウイルス療法で早期に治療された症例である。
い状況で治療決定を行わなければならない場合も
されていない中で、これらの臨床例に関する最新の
ウイルス量が高値のアジア人高齢男性の症例が報
データを提供することにある。一方、がんの症例では、 告される。
「本症例は、化学療法と免疫抑制療法により
ある、ということである。そうしなければ、臨床転帰
HBVが再活性化する可能性があるという事実の認
が重症になる可能性がある」
と同氏は述べた。
見逃されがちな化学療法開始前のHBVスクリーニ
「非常に高いHBV DNA値が長期にわたり持続
識を高めるために、すべての医療従事者は腫瘍学
本シンポジウムや他のDDW® イベントの時間と場
ングの重要性が強調される」
とDr. Perrilloは語った。
すると、将来、肝細胞がんなどが発症する懸念が高
者とともに診療にあたる必要性があると強調してい
所については、Schedule-at-a-Glance の5月8日号
1例目の症例では、適切にワクチン接種を行った
まる。REVEAL-HBV試験では、肝酵素上昇とは
る。こうした患者のスクリーニング方法と再活性化
を参照のこと。
AGA lecturerが膵臓がん治療
における最新の研究成果を紹介
学会登録手続きに
関して
─ Council Chairより─
便をお詫びするとともに、皆様のDDWに対するご期
待に沿えるよう努めてまいりますので何卒ご理解のほ
どお願い申し上げます。
今回の経験に基づき、われわれはDDW 2012に
おいて学会登録手続きの改善に向けて努力してまい
膵臓がんは特に死亡リスクの高いがんであり、世
また同氏は、自らが統括研究者を務めるHIPPoS
本年もシカゴで開催されるDDW® にご参加いただ
りますとともに、DDW参加に関する改善点に関する皆
界中で毎年約 250 ,000人が発症し、5 年生存率は
と呼ばれる新しい試験について紹介した。この試
きありがとうございます。われわれは消化器領域にお
様からのご意見を歓迎いたします。
5%未満である。初期にはしばしば無症状であり、
験では切除可能な膵管がん患者を対象に新規治
ける最新研究を盛り込み、包括的な学術集会を計画
最後に、DDWへの参加による皆様のシカゴ滞在を
転移するまで発見されないことが多い。
療薬であるGDC0449の有効性が検討されている。
しております。
歓迎いたしますとともに、今後も皆様とまたお会いでき
5月7日(土)に 行 わ れ た AGA State-of-the-
同 氏 は「HIPPoS は Hedgehog Inhibition for
ご存知の通り、本年は、参加者からのご意見に基
ることを祈っております。
Art Lectureでは、David A. Tuveson, MD, PhD,
Pancreas Cancer in the Preoperative Settingの
づき、会期を4日間に変更し、すべてのプログラムが 5
professor of pancreatic cancer medicine at the
略で、概念を実証するための試験である」と述べ 、
月7日(土)
に始まるよう留意いたしました。しかし、5
-DDW Council Chair, Lawrence S. Friedman,
MD, AGAF, FASGE
Cambridge Research Institute, University of
「患者は生検直後から2 週間の薬物治療を行い、そ
月7日(土)
朝に学会登録を行う参加者を考慮に入れ
Cambridge, UK が、Translating Mouse Models
の翌日に切除術を施行する。薬物療法前および切
ておりませんでした。スケジュールの変更に伴うご不
of Pancreatic Cancer to Humans のテーマの下に、 除術前に、腫瘍および血流を評価するために超音
マウスモデルを用いて膵臓がんに対するより効果的
波内視鏡と弾性率測定を行う」
と続けた。
な治療法を開発する研究成果を紹介した。
本試験に登録された全例が切除術前に診断目
進行膵臓がんに対する第一選択薬はゲムシタビ
的の腫瘍生検を受け、切除術の施行時に結果を評
ンであるが、有効性が期待された新規治療薬の臨
価するための2回目の生検を受ける。本試験で同
床試験はほぼ失敗に終わった。同氏は遺伝子修飾
氏らが検証したいのは、膵腫瘍組織におけるヘッジ
マウスを用いた初期の研究成果を紹介し、なぜこ
ホッグシグナルの変化である。
DDW® 期間中に行われる数多くの継続的医学教
れらの試験が失敗に終わったのかを解説した。同
同氏らのグループは他にも、ステージⅣの膵臓が
育機会に加えて、参加者は、多数の他の学習活動に
氏らの研究チームでは、膵臓がんは化学療法に抵
ん患者を対象に、ノッチ経路を阻害するγ-セクレ
も参加することができる。これらのプログラムはCME
抗性であること、その理由は腫瘍内に血管が少なく、 ターゼ阻害剤(GSI)の第 I/IIa 相試験も行ってい
薬剤は腫瘍に到達しにくいことなどを明らかにした。
る。本試験ではまずGSIを単独で投与し、次いで
また、遺伝子修飾マウスはヒト膵臓がんで見られる
ゲムシタビンと併用する。
のと同様のゲムシタビン抵抗性を示した。
ノッチ経路は細胞の分化や成長、細胞死に関連
同氏は「われわれは初期の研究で、ゲムシタビン
していると同氏は述べた。ノッチシグナルは膵臓が
が有効あるいは無効なのはなぜかを検討し、この
んの発症に関与していることが報告されおり、ノッ
モデルマウスでは薬剤移行に問題があること、その
チ経路を阻害することで膵臓がんの発症を抑制で
理由はマウスモデルあるいはヒト膵臓の腫瘍内に血
きると考えられる。
管が少ないためであることを明らかにした」と述べ
なお同氏は、GSIの薬剤移行はゲムシタビンの影
た。
響を受けず、膵臓の腫瘍内に到達することが確認
この問題を解決するために、ゲムシタビンにヘッジ
されているが、ゲムシタビンの薬剤移行はGSI併用
ホッグ経路阻害剤であるIPI-926を併用したところ、 により障害されるとコメントした。
併用によって腫瘍の細胞死が増え、腫瘍サイズが縮
小することが示された。そして、併用によって腫瘍へ
の薬剤移行が増加し、マウスの生存期間は延長した。
さらに学習したい方へ
の単位取得対象外である。
Product Theaters
Exhibit hallでは、Product Theaterを訪問するこ
とが推奨される。Product Theaterでは、医療に関
する最新の革新的知見が紹介されている。45分の
プレゼンテーションでは、現在、使用可能な最新の
機器やサービスの詳細を知ることができる。Product
Theaterは、booth 3348とposter hallに隣接している。
Product Theater スケジュール
5月8日
(日)
12:00 – 12:45 p.m. — Salix Pharmaceuticals, Inc
Evolving Overt HE Therapy: Xifaxan550 for
Reducing the Risk of Breakthrough Episodes
このプレゼンテーションは、Xifaxan550と顕性肝
性脳症患者の治療の進歩をハイライトする。詳細情
報と登録情報は、次のサイトへ。
www.evolvingovertHE.com.
3 :45 p.m. — DDW
DDW Exhibit Excursion Drawing
HITECH Pavilion
DDW HITECH Pavilionは、最新、最先端の電子
カルテ(EMR)技術と臨床管理製品を展示する。そ
の場にいる出展者が、製品のデモンストレーションを
行う予定である。また、HITECH Pavilion Theater
は、さまざまなEMRトピックスに関して各メーカーの専
門家の説明が受けられる。
HITECH Pavilion は、south hall の DDW
Registration Areaに隣接している。
HITECH Pavilionスケジュール
5月8日(日)
9:00 – 9:45 a.m. — EMR Imperative, James Leavitt,
MD
12 :30 – 1:15 p.m. — Selecting an EMR, Michael
Weinstein, MD
1:30 – 2 :15 p.m. — EndoVault: The GI Specific
Certified EHR Solution, EndoSoft
2 :30 – 3 :15 p.m. — GI Roundtable Q&A, James
Leavitt, MD, and Michael Weinstein, MD
DDW Daily News
Sunday, May 8, 2011
SSAT
GERD の外科的治療と
内科的治療の検討に関する討論
DDW Council (2010-2011)
Lawrence Friedman, DDW Council Chair
John M. Vierling, DDW Secretary / Treasurer
胃腺がんはかつて主として胃前庭部に認められ
べている。
「しかし、酸抑制だけを受けていて逆流
同氏は話している。
たが、現代の欧米諸国では近位のものがますます
が改善しない患者では、酸抑制が十分な保護であ
2 名のうち1人は、professor of surgery in the
一般的になっている。こうした変化には肥満と胃食
るのかどうかが本質的な疑問である」。
Programs for Assessment of Technology in
道逆流症(GERD)の関係が、ある役割を演じてい
討論では、GERD患者での薬物療法と手術を検
Health(PATH)Research Institute, St. Joseph’
s
るとの仮説があり、GERD患者の最適なマネジメン
討した無作為化試験の考察も行われる予定である。
Healthcare, McMaster University, Hamilton,
トはいまだ論争中である。一部患者では、バレット
「ここで重要な因子は、インターベンション開始後の
Ontario, Canada の Mehran Anvari, MD, PhD,
上皮化生の内科的マネジメントと内視鏡的サーベイ
患者が同一方法で検査されていたことである。また、 MBBSであり、同氏はGERD患者での薬物治療の
ランスに加えて外科的胃底皺壁形成が有用である
症状がなく薬物治療を受けていて、逆流の顕著な
利用と手術を検討した無作為化試験の筆頭著者で
が、コンセンサス・ガイドラインはない。
エピソードが継続している患者が多かった。手術を
ある。
8日
(日)のControversies in GI Surgery Debate:
受けた患者ではQOLと逆流事象の訴えが有意に
もう1人 は、director of GI Health Outcomes
Nissen Fundoplication is Underutilized in the
改善した」
と同氏は語った。
Research in the GI Unit at Massachusetts
Treatment of GERD では、GERD患者の最良の
「 酸抑制とは別に、胃液 逆流の予防が患者の
General Hospital, and an assistant professor of
マネジメント方法について検討する。
QOLとバレット上皮化生予防に重要かどうかが、本
medicine at Harvard Medical School の Chin
この討論のモデレーターは上部消化管手術の専
質的な疑問である」
と同氏は述べた。
Hur, MDで、同氏は治療および診断内視鏡専門医
門医のCraig Fischer, MD, MPH, associate professor
討論では、合併症や失敗率などの手術のリスク、
であり、バレット化生および GERDの患者の診療経
of surgery at Weill Cornell Medical College,
また、酸抑制治療のリスクとベネフィットが検討され
験、また、こうした患者での新規治療法の経験も豊
New York, NYである。
る予定である。
富である。
「GERDはバレット上皮化生の形成を刺激するこ
「この討論は、GERD治療における手術の役割の
このセッションを初めとしたDDW® のイベントの
とが知られているが、この過程を促進する発がん物
大きさについて討論する。この2 種の異なる治療ア
時間と場所については、5月8日号のSchedule-at-a-
質が酸だけなのか、それとも胃液中の他の因子に
プローチを取り上げるため選ばれた、それぞれの分
Glanceを参照のこと。
関係するのかは明らかにされていない」と同氏は述
野の世界的に著名な2 名の専門家が参加する」と
AASLD
AASLD のセッションで
薬剤性肝障害について議論
同氏はまた「われわれは 850 症例以上を集め、
が肝障害を引き起こしているのかを知る由もない」
な問題となっている。消化器疾患や他の疾患の治
各症例の臨床情報と組織標本や遺伝子情報を登
と、日常臨床上の問題についても同氏は触れた。
療に有益であるはずの薬剤が、重大な肝障害の発
録した。今後、情報の集積とともに、数は少ないな
「肝障害の発現により、患者が服用している薬剤
現を理由に市場を撤退する、あるいはその治療薬
がらも潜在的に致命的な肝障害を受けやすい患者
をすべて中止しなければならないとき、患者の治療
の使用に制限がかかるといったことがみられる。薬
の遺伝子情報を同定し、リスクを判断するためのテ
中の症状の悪化が問題となってしまう。このような
剤性肝炎は、肝酵素増加から致死的な肝障害にい
ストを行うことができるかもしれない」と、将来への
状況下では、新たに登場する薬剤性肝障害のテス
たるまで多岐にわたる。
希望を語った。
トは有益なものとなるであろう」
と語った。
「 薬剤開発にあたり、薬剤上市後に市場
5月8日
(日)、AASLD state-of-the art lectureで、 さらに、
薬剤性肝障害の遺伝子検査の開発を試みること
Paul B. Watkins, MD, director of the Hamner-
から撤退させないために大きな問題となるもののひ
に加えて、同氏とDILINの研究者は、血液検査や
University of North Carolina Institute for Drug
とつが、多くの患者にとっては安全に使用可能で
尿検査により医師が患者の健康を脅かす原因とな
Safety Sciences, Research Triangle Park は
あっても、10 ,000あるいは 50 ,000 分の1の少数の
る肝障害のリスクの有無を診断できる検査方法の
When Good Drugs Are Bad for the Liver のセッ
患者に特異的に起こり得る致死的な肝障害である」
開発も試みている。
ションで、薬剤性肝障害の予防、診断と管理方法、
と、薬剤の肝毒性の重要さを同氏は述べた。
「医師は、日常診療で中等度の肝障害をもつ患者
および個別化治療へのアプローチについて最新の
現在、治療薬に対する致命的な反応を示す特定
を管理するという問題にも直面している。肝酵素の
知見を述べた。
の患者を同定する方法はない。研究者は、有害事
異常な増加が見られた際に、本当に重篤であるか
「NIHは、Drug-Induced Liver Injury Network
象を引き起こさない薬を設計するための、有害な反
否かを問う必要性が出てくる。治療中の患者に肝
つまり今年7年目となるDILINを通して、薬剤性肝
応を引き起こすそもそもの原因について十分な情報
酵素の増加が見られた際に、後に正常化するとして
障害についてより理解を深めるための努力をしてい
を持ち合わせていない。
も、医師は投与中の薬を中止することによって肝酵
る」。
「医師が重篤な肝障害を引き起こした患者を目の
素の増加を抑制しようとするものである。肝毒性の
DILINは、National Institute of Diabetes and
前にした際、その肝障害が薬剤に起因するものかど
問題は常につきまとう問題であり、解決すべき問題
である」
と同氏は語った。
このセッションを初めとしたDDW ® のイベントの
医療用医薬品やOTC、代替医療(ハーブ製品や補
性をすべて排除できてようやく薬剤性肝障害であ
助食品など)に起因する肝障害の症例の情報を集
ることに自信をもって診断できるようになる。さらに、 時間と場所については、5月8日号のSchedule-at-a-
積している。
多くの患者は複数の薬剤を服用しており、どの薬剤
ASGE Store
South hall にあるASGE Storeは、8日
(日)
と9日
(月)
には7 a.m. ~ 6 p.m.まで、10日
(火)
には、7 a.m.~4 p.m.まで営業しており、入会
申し込み書の受け取りやASGE’
s Endoscopic
Learning LibraryのDVDなどさまざまなもの
の購入が可能。
President – T. Jake Liang, MD
Treasurer – Donald M. Jensen, MD
Program Chair/Secretary – Jorge A. Bezerra, MD
President-Elect – Guadalupe Garcia-Tsao, MD
President – Ian L. Taylor, MD, PhD
Secretary / Treasurer – J. Sumner Bell III, MD
Program Chair – D. Brent Polk, MD
President-Elect – C. Richard Boland, MD
President – M. Brian Fennerty, MD
Program Chair/Secretary – Kenneth K. Wang, MD
President-Elect – Gregory G. Ginsberg, MD
Treasurer – Thomas M. Deas Jr., MD
President – David W. Rattner, MD
Board Chair – David M. Mahvi, MD
Treasurer – Selwyn M. Vickers, MD
Secretary – Fabrizio Michelassi, MD
Program Chair – Craig P. Fischer, MD
DDW Daily News is published by DDW as a
service to its members. Produced by TriStar
Publishing, Inc. — www.tristarpub.com
薬剤性肝障害は、米国のみならず、世界中で大き
Digestive and Kidney Diseasesによって設立され、 うかを同定する手段がなく、他に考えられうる可能
3
Glanceを参照のこと。
© 2011 DDW Administration
4930 Del Ray Ave.
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Tsutomu Chiba, MD, PhD (Sunday Issue)
Mamoru Watanabe, MD, PhD (Monday Issue)
Kentaro Sugano, MD, PhD (Tuesday Issue)
Liver, Gallbladder & Pancreas
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Tooru Shimosegawa, MD, PhD (Monday Issue)
Hirohito Tsubouchi, MD, PhD (Tuesday Issue)
監修
上部および下部消化管
千葉 勉 医学博士(Sunday Issue)
渡辺 守 医学博士(Monday Issue)
菅野 健太郎 医学博士(Tuesday Issue)
肝、胆および膵
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Director of Publication
Shin Yoshimoto
発行人
吉本 伸
4
Sunday, May 8, 2011
DDW Daily News
Combined Clinical Symposium で HCC
の問題点が論じられた
Breakfast sessionでは大腸内視鏡における
専門性獲得に向けた実践的アドバイスを提供
肝細胞がん(HCC)
は、米国におけるがん関連死
る:放射線塞栓療法、TACE、
ソラフェニブを比較す
大腸内視鏡は新たな技術、テクノロジーおよび新
亡の急速な増加の原因疾患である。Milan Criteria
る無作為化比較試験が行われていないことから、放
たな視点とともに変化を遂げている。最先端情報を
同氏は、
セッションをできる限り実用的なものにする
と語った。
に合致した早期の患者には肝移植が今なお最良の
射線塞栓療法の役割への期待は大きいものの、現
把握しているかどうかは、5月9日
(月)
のBreakfast
ことが目標だと述べた。前処置における分散投与を
治療であるが、需要に見合うだけの十分な臓器はな
時点では限定的である。
With Champions: Expert Colonoscopy に参加す
推奨するだけでは十分とは言えないとし、最適な分
く、長い待機リストは、増悪し、脱落する患者もいるこ
Mark Russo, MD, associate professor of medicine
るとわかるだろう。
とを示唆している。
and medical director of the Transplant Center at
「効果的な大腸内視鏡についてはまだ学ぶこと
とよい腸管洗浄剤に関する洞察を提示する予定であ
散投与スケジュール、安全かつ実際の臨床で用いる
5月7日
(土)の Combined Clinical Symposium
Carolinas Medical Center in Charlotte, NCは、講
が 多 い」とbreakfast presenter の Douglas K.
る。同氏はまた、前処置の受容性を改善する目的で用
において、Laura M. Kulik, MD, assistant profes
演の中で「生検を伴わない早期HCCの今日の画像
Rex, MD, FASGE, professor of medicine and
いる大腸内視鏡検査施行前日の低残便かつ食物繊
維のない食事の活用についても取り上げる。
sor at Northwest Memorial Hospitalは、
「 局所限
診断基準はより特異的で限定的であり、組織診断に
director of endoscopy at Indiana University
局治療は患者を生存させ、待機リストに載せ続けるこ
基づく診断を確立するには生検をより行う必要がある
Medical Center in Indianapolisは述べた。
とができることから、非常に重要な治療法である」
と
であろう」
と述べた。
「病変の検出、そしておそらく病変の切除の成績で
最も有効なケースを取り上げる予定である。内視鏡の
指摘した。講演の中で、同氏は、
「 移植の適応が 1病
また、同氏は、医師はHCC患者の診断と優先順位
は、内視鏡医の間でかなりのばらつきがある。臨床医
選択などの一見単純な問題も大腸内視鏡の上首尾、
大腸内視鏡の挿入に関しては、同氏は、浸水法が
変 5 cm以内または3 cmまでの3 病変、血管浸潤の
に関して、新たに提案されている新基準を意識したう
は継続的に自身の技術を最新のものとし、新規技術
不首尾(不完全な検査)
につながる。毎年検出力の
エビデンスや転移のエビデンスがないこととする一般
えで、移植の優先ポイントを受ける必要があるであろう
や報告されつつある新たな病変のタイプについて学
向上もしくは組織学的診断を同時に可能にする診断
的なMilan Criteriaは厳格すぎる、
と感じている臨
と指摘した。
ぶ意欲をもっている。本セッションでは臨床医の関心
手技が登場する。スネアではますます選択肢が広
床医もいる」
と述べた。
さらに、画像のみでHCCを診断するために、動脈
となる大腸内視鏡のあらゆる側面を取り扱う予定であ
がっており、
ある種のスネアは非常に特異的なポリープ
UCSF Criteriaなど、それに代わる基準は、小規
増大や門脈静脈ウォッシュアウトなどの特異基準にも
る」と語った。
の切除に特に有効である。
模研究でしか検討されていないと同氏は指摘した。
合致しなければならないだろうと同氏は付け加えた。
同氏は本セッションでは1週間に何日も大腸内視鏡
「われわれが扱う内容のほとんどが、臨床において
問題は、肝移植の適応拡大により、臓器不足がさら
「画像上で病変がこれらの特徴を有しておらず、
検査を実施する臨床医にとって、最も身近で重要なト
直接的な変化をもたらす可能性がある」
と同氏は述
に加速することである。
HCC 確定診断が必要な場合には生検は必須であろ
ピックにフォーカスできるようQ&Aセクションを予定し
べ、
「これらは非常に実用的で診療形態を問わず直ち
ていると述べた。
に実行に移せるものである。内容によっては新たな機
「待機時間が 6ヵ月以上と長期化することに伴い、
う」
と同氏は続けた。
局所限局治療の役割はさらに重要になる」
と同氏は
またこのシンポジウムでは、Hashem El-Serag,
説明し、広範囲にわたる講演の中で、以下の点を明ら
かにした。
「大腸内視鏡検査は多くの消化器内科医にとって
器の導入ではなく、現在使用している機器の活用法
MD, professor of medicine and chief of the gas-
生計の手段であり、大腸がんの予防を可能とする意
を変えることに過ぎないものもあるが、二酸化炭素麻
troenterology and hepatology section at Baylor
味で、内視鏡手技のなかでも公衆衛生に対する影響
酔などでは新たな医療機器の導入が求められる。こ
・切除により最良の結果を出すためには、適切な患者
College of Medicine, Houstonが、HCCサーベイラ
が最も大きいと言える」
と同氏は述べ「
、質問によって
れらのセッションでは内容が実用的で臨床に直結す
選択が重要である。
ンスについて論じた。
は、前処置、挿入が困難な結腸に対する挿入テクニッ
るよう計画されている。参加者は臨床現場に戻り次第、
・2 cm 未満の1病変への放射線塞栓療法は切除と
同等に有効であると考えられる。
「臨床試験では、肝がんリスクを有する患者における
ク、
サイズや形状、
またはアクセス困難な部位にポリー
われわれが扱う内容のほとんどすべてを実行に移す
肝がん診断の最新方法の有効性が示されているが、
プがあるために切除困難な病変に対するポリープ切
ことができるだろう」
と語った。
・薬 剤溶出性ビーズなど 肝 動脈 化学 塞 栓 療 法
医師はリスクを有する個々の患者のサーベイランスを
除術に関連したトピックを扱う予定もある」
と続けた。
本トピックについての詳細な情報を希望する参加
(TACE)
の進歩は、一部の患者の転帰改善につな
開始する必要があり、その場合、患者は医師の推奨
本セッションでは切除に関する実践的なアドバイス
者 に 対 し、ASGEは、Colonoscopy Technique:
がる可能性がある。
を遵守しなければならない」
と同氏は述べ 、
シンポジ
に加え、鋸歯状ポリープなどの新たに報告されている
Basic and Advanced (DV029 )、Colonoscopic
・
ソラフェニブは、切除不能HCC患者の生存を延長す
ウムを締めく
くった。
病変に関する詳細な情報が期待される。同氏は微
Polypectomy (DV030 ) などのタイトルを含む医師
小ポリープ、巨大ポリープおよび表面平坦型、表面陥
向け教育ビデオをDDW®会場のASGE Learning
凹型病変への対応に関する質問を想定している。
Center やsouth hall、McCormick Placeあるいは
ヨーロッパからの国際的
な専門家による最新の
知見報告
ヨーロッパの出席者の視点から消化器系のさまざ
まな問題点について議論される、興味深いシンポジウ
ムが 5月8日
(日)
の午後開催される。Best of UEGW
European Meeting 2010 と銘打った本シンポジウム
では、2010 年のEuropean Gastroenterology Week
(UEGW)
のハイライトが報告される。
DDW Ⓡ における本プログラムは、
UEGWの年次集会
にて長年にわたりBest of the AGA at DDWとして開
催されてきたプログラムと並行するかたちで行われる。
2010 年のUEGWの年次集会では、1,000 名以上の
参加者が 2010 年のDDWの年次集会のハイライトの
報告に耳を傾けた。
シンポジウムの座長を務めるPeter R. Holt, MD,
AGAFは、AGAとヨーロッパの年次集会における
数々の目的を互恵的に一致させることがこのシンポジ
ウムによってかなうと述べた。
「情報を共有することで2 つの組織の関係をより強
固なものとすることができる。
しかしながら、演者にとっ
ては難しいものとなって、話題がかなり広範囲のものと
なっている。本年、われわれは肝臓、腫瘍学 、上部
消化器疾患、炎症性腸疾患や神経消化器病にいた
る、幅広い範囲をカバーした。また、
ヨーロッパの演者
が、
ヨーロッパの年次集会で報告した最も重要な最
新知見を紹介し、情報を共有できることも有意義なも
のである」
と語った。
本セッションでは、臨床と基礎の両方を扱うが、約
「前処置、前処置における腸管洗浄剤の分散投与、 www.asge.orgで提供している。
3分の2が臨床、3分の1は基礎の話となる。双方とも
当日投与に関しても覚えておいてほしい重要なメッセー
本セッションおよびその他のDDW® イベントのス
に研究に照準をあてたものである。
ジがある。われわれは、挿入に際しての浸水法など
ケジュールおよび開催場所については、5月9日号の
Dr. Holtは、
「90 分で2010 年のUEGWで報告された
の新たな技術や麻酔中の二酸化炭素使用は大腸内
Schedule-at-a-Glanceを参照のこと。
30 報の演題について述べる」
と述べた。
「もちろん、
す
視鏡検査にプラスとなるか等の質問を想定している」
べての参加者がすべての演題について確実な理解
を得られるとは限らないが、大西洋を越えた場所での
出来事に耳を傾けてもよいのではないだろうか。ここ
に集まる参加者が少なくとも4、5、
あるいは6つでも何
かしら有益な情報を得て帰ってくれることを期待した
い。帰宅後にUEGWのウェブサイトで詳細情報を得
ることも可能である」
と述べた。
AGA Research Scholar/ASNEMGE Rising
Star Exchange Program の受賞者たち
AGAと Association of National European and Mediterranean Societies of Gastroenterology
演者は、
それぞれの分野で国際的に認められてい
(ASNEMGE)
の代表者らは、5月7日(土)
に2011年のAGA Research Scholar/ASNEMGE Rising Star
る専門家であり、米国でおのおのの興味深い展望に
Exchange ProgramのためにInterContinental Hotelに集った。イギリスのBertus Eksteen, MBChB,
ついて述べる予定である。
MRCP(左)
、オランダのRinse K. Weersma, MD, PhD(中央)
がASNEMGE rising starsに選出され 、
アメ
「私は、異なるアプローチを聞くことが、出席者のた
リカのミシガン州のAndrew Tai, MD, PhD(右)
がAGA research scholarとして表彰された。
めに有益であると思う」
と、同氏は述べる。
「このプロ
グラムの重要な側面は、出席者にとってヨーロッパで
の新たな取り組みの情報や知識を得られる場でもあ
り、時には驚くような情報を得られる場にもなることに
ある」
と同氏は続けた。
Best of UEGW European Meeting 2010 は、
AGA Institute International Committee お よび
AGA Institute Council( Esophageal、Gastric &
Duodenal Disorders、Gastrointestinal Oncology、
Immunology、Microbiology & Inflammatory
Bowel Diseases、Liver & Biliary、Neurogastroen
terology、Motility)
がスポンサーとなって開催される。
本シンポジウムや他のDDW®イベントの時間や場
所については、5月8日号のSchedule-at-a-Glanceを
参照のこと。
DDW Daily News
Sunday, May 8, 2011
5
GI専門医を目指す若手医師の教育ギャップを解消する研修コース
AGAでは研修医とGI 専門医を目指す若手医師
Rochester, NY は、board review session は GI 領
を対象に、AGA初となる研修コースを開発中である。
域のフェローからの直接的なフィードバックに基づいて
に賛同して次のように述べた。
過ごすべきかといった今まで考えたこともない内容を
「これは重要なリソースであり、GI領域の新しい知
整理する」
と同氏は述べた。
「この時期はチャレンジす
AGA Trainee and Young GI 研修コースは、研修医
構成されると述べた。研修医に対する研修の必要性
識の概要を掴むのにはもってこいだ」
。
「私の経験で
るときだ。仕事と私生活のバランス、師と仰ぐ医師を探
が本来尋ねるべきだが、
まだ気づいていない数多くの
を調べた全米調査では、回答者の90%が DDW®の
は、最良の方法は質問と回答を通じて学ぶことであり、
すこと、時間管理、効率性、就いた仕事が適切ではな
質問に答えるようにデザインされた。
board review sessionを最も重要だと回答したという。
DDSEP 6とboard review sessionはまさにその方法
かった場合の転職などについて論じる。職種や診療
本研修コースについて、Course Directorを務め
本セッションでは、発表者はDDSEP 6の各章から
を提供してくれる。あなたがどんな立場にいたとしても、 領域が何であろうとも、本セッションで論じられたこと
るMichelle K. Kim, MD, assistant professor of
3つの代表的な質問を提示する予定である。どの質
この研修コースを受講することで新たな知識を整理す
medicine at Mount Sinai School of Medicine,
問についても回答が提示され、
その理由が論じられる。
ることができるだろう」
。
は役立つはずである」
と続けた。
5月10日
(火)
には、Helen Shields, MD, AGAF, asso-
New York, NYは「若手胃腸科専門医を対象に、臨
「フェローにとってこのセッションは1ダース以上も
学習を強化するために、本セッションでは参加者の
ciate professor, Harvard Medical School, Boston,
床でどうすればよいのか、患者にとってどうするのがよ
の専門医の意見を聞くよい機会になるだろう」
と同氏
意見を集め、
アナライザーで表示する。他の参加者が
MAが Immediate Advancement in Skills と題する
いのかを教育する。この研修を受けた後は、何でも吸
は述べ 「
、 発表者は試験問題の作成担当者である
どのような考えを持っているのかも知ることができる。
3つのセッションの座長を務める。
収するブラックホールのようになっているだろう」
と述べた。
ことも多く、フェローは各領域の専門医が知識を確
Career Concerns & Skills Advancement
「スキルにはさまざまなものがあり、常に評価できると
同氏は「この研修コースには、
すべてのGI専門医が
早期に知っておくべき多くの情報が詰まっている」
と述
認するために、どのように質問を構成するのかを学
ぶことができるだろう」
と続けた。
5月8日
(日)
の夜には、Dr. Kimが座長を務める
は限らない」
とDr. Kimは述べ、
「スキルは研修だけで
Career and Professional Related Issues と題する
なく、仕事を通じて身につくものも多く、両者は相補的で
べ、
「その後の研修制度、診療のタイプ、研究医と一般
続いてDr. Kuemmerle, professor of medicine and
セッションが開催される。このセッションでは、研修か
ある。
どの診療領域でも、
研究医でも一般診療医でも、
診療医の違いなど、質問したい疑問点を整理するつも
physiology and biophysics at Virginia Commonwealth
ら実地診療にシフトしていく過程で必要なアドバイス
その両者を兼任していても、指導、臨床、
リーダーシッ
りだ。研修医や若手医師がこれらの課題について有
University Medical Center and associate chair of
や示唆が提供される。本セッションで扱うトピックスは、
プにおけるスキルを高め、磨くことができる」
と続けた。
意義な方法で討論できるよう包括的な情報を提供し
the GI division in Richmondは、
この研修コースは、
コ
診療タイプおよび地域の選択、評価が高くなる経歴の
同氏は、GI専門医を目指すすべての若手医師には
たい」
と続けた。
アカリキュラムの概略を知るだけでなく、研修医や若手
積み重ね方、面接を成功させる方法、契約内容の交
個別のキャリア研修コースが用意されており、有用で、
Board Review
医師が GI領域の専門医とネットワークを作るよい機会
渉、仕事と私生活のバランスのとり方などである。
解決すべき課題でもあり、早期に知っておくべき情報を
本研修コースの一環として、5月8日
(日)
の午後に
になると述べた。
「本セッションでは、私がこの職に就いて早い段階
得ることができるだろうと述べた。
AGA Board Review Sessionが開催される。同セッ
同氏は「研修医や若手医師はGI領域の将来の担
で知りたいと思った内容を扱う」
と同氏は述べ、
「今で
同氏は「研修医や若手医師で、
この研修コースから
ションの座長を務めるのはJohn F. Kuemmerle, MD,
い手である。そのため、GIや肝臓領域のリーダーたる
もこうした案件についてすべてを知っているとは思わな
ベネフィットが得られない人はいないと思う」
と述べ、
「全
AGAF、Arthur J. DeCross, MD, AGAF、
Seth R.
専門医たちと直接話す機会を持つことは重要だ」
と述
い。実践的な観点から述べれば、最初の仕事を見つ
員がベネフィットを享受できる。研修医や若手医師は
Sweetser, MDの3 氏で、
最近公表されたDigestive
べ、
「専門医たちと面識を持つための真に価値のある
ける方法、研究医と一般診療医の違い、仕事の機会
GI領域の将来を担う人材であり、診療に出ればわれ
Diseases Self Education Program ® (DDSEP)
経験だ。われわれにとっても、自身の専門領域がどれ
を見つける方法、求職のタイムスケジュールなどである。
われの代弁者となる。われわれはよい人材を求めてい
6の内容が紹介される。発表者のほとんどはDDSEP
ほど興味深いかを研修医や若手医師に伝えるよい機
その他には契約交渉、職種の違いにどの程度重きを
る。この研修コースはGI 専門医を目指す若手医師に
6の各章の執筆者か共同執筆者である。
会になる」
と続けた。
置くか、研究医と一般診療医の日々の仕事内容の違
価値ある情報を提供してくれるだろう」
と続けた。
Dr. DeCross, associate professor of medicine
Dr. Sweetser, assistant professor at the Mayo
at the University of Rochester Medical Center in
Clinic in Rochester, MNはDr. Kuemmerleの見解
いなどについても扱う」
と続けた。
「われわれは、
フェローシップ終了後の5 年間をどう
Schedule-at-a-Glanceを参照して、各テーマを扱う
セッションの開催場所と時刻を確認してほしい。
慢性下痢という臨床上困難な問題に対する
有効な解決策を提示するシンポジウム
慢性下痢患者は、臨床医にとって臨床上困難な問
臨床で応用できるものではないが、塩素排泄を阻害す
非常に困難である。また、感染症の記録がない場合、
ラーゲン形成性とリンパ球性の2つのタイプがある。潰
題となる。慢性下痢の原因の可能性にはさまざまな障
る薬物の特定に関する同氏の研究は、慢性下痢の治
AIDS 腸症も下痢の原因となる。Dr. Celloは、
このタイ
瘍性大腸炎の治療は顕微鏡的大腸炎患者に有効な
害または疾患があるため、治療を成功させるには正確
療を大きく改善させる可能性があると、Dr.Binderは述
プの患者の治療戦略についての実務的最新情報を講
ことが多いが、顕微鏡的大腸炎患者の一部は難治性
な診断を下す必要がある。
べている。
演する予定である」
。
であり、反応しない。Dr. Giardielloは、
こうした難治性
5月9日
(月)
のAdvances in the Treatment of Chr-
onic Diarrhea では、4名の専門家が慢性下痢のさ
化合物を合成した。塩素排泄は、全部ではないが多く
まざまな原因を検討し、
治療戦略と可能性を有するいく
の下痢障害の主要メカニズムであると考えられることが
つかの治療法に関する新たなエビデンスを提示する。
多い」
と同氏は話している。
「実際、
ハイチでの大流行に
司会者のHenry J. Binder, MD, professor eme-
より最近注目を集めているコレラは大きな問題であり、
コ
ritus of medicine at Yale University in New
レラによる下痢は塩素排泄が原因である。塩素排泄
Haven, CTは、
この4名の講演は本質的に異なるトピッ
の細胞メカニズムを阻害できればすごいことになるだろ
クを扱っているが、
それらはすべて慢性下痢の臨床
う。クロライドチャネルブロッカーを見つける多くの試み
上困難な問題に直面した医師にあてはまるだろうと
がなされているが、
これまで成功していない」
。
述べた。
このシンポジウムは、潰瘍性大腸炎およびクローン
患者群での治療経
「Dr. Verkmanは、塩素排泄を阻害するさまざまな
Dr. Verkmanはレクチャーのなかで、
クロライドチャ
ネル阻害を検討した研究の実験結果を提示する予定
病の下痢のいくつかのメカニズムを検討した同氏のレク
である。
「急性下痢疾患の治療では、
この成功が非常
チャーから開始予定である。
に重要であろうと思われる」
とDr.Binderは述べている。
「ほとんどの場合、潰瘍性大腸炎やクローン病の
さまざまな症状は抗炎症薬で治療するが、病態
生理学的変化のいくつかの要素の絡まりがこうし
た下痢の原因である可能性がある。このようない
くつかの要素の絡まりに対して、
さまざまな発病過
程の特定と治療法に工夫を凝らし、試行錯誤を
繰り返せば臨床成績が向上するであろう。
」
Henry J. Binder, MD
験を通して治療戦
略を提示する予定
である」
。
このシンポジウム
は全体として、近い
将来の新たな治療
法の可能性を直接
提示するだけでなく、
慢性下痢の実際の
治療戦略も提示す
るものである。
「慢性下痢の患
「ほとんどの場合、潰瘍性大腸炎やクローン病のさ
このシンポジウムの3 番目のレクチャーでは、John
者は臨床上困難な
まざまな症状は抗炎症薬で治療するが、病態生理学
P. Cello, MD, professor of medicine and surgery
問題であることが多
このシンポジウムは、Francis Giardiello, MD, prof-
く、適切な診断を下すことが重要である」
と同氏は語る。
的変化のいくつかの要素の絡まりがこうした下痢の原因
at the University of California San Franciscoが、
である可能性がある。このようないくつかの要素の絡ま
病院で長い間懸念されている問題-AIDS関連の下
essor of medicine, oncology and pathology in the
りに対して、
さまざまな発病過程の特定と治療法に工
痢について論じる予定である。
division of gastroenterology and hepatology at
種の特異的な障害を検討し、診断と治療への系統的
Johns Hopkins University, Baltimore, MDの講演
アプローチの概要を示す予定である」
。
夫を凝らし、試行錯誤を繰り返せば臨床成績が向上
するであろう」
と同氏は述べた。
「抗レトロウイルス薬の使用が広まって、病院のAIDS
患者集団が変化したが、AIDS関連の下痢は依然とし
で締めく
くられる。
Alan S. Verkman, MD, PhD, professor of medi-
て問題である」
とDr.Binderは述べている。
「体調がよく
「Dr. Giardielloは、必ずしも一般的というわけでは
cine and physiology at the University of Califor-
ないAIDS患者は下痢をしていることが多く、
その原因
ない、
いわゆる顕微鏡的大腸炎のレビューを行う予定
nia San Franciscoによる2 番目のレクチャーは、
すぐに
は真菌や寄生虫による感染症のことが多い。治療は
である」
とDr.Binderは語る。
「顕微鏡的大腸炎にはコ
「このシンポジウムの講演では、慢性下痢に関連した3
このセッションを初めとしたDDW® のイベントの時間
と場所については、5月9日号のSchedule-at-a-Glance
を参照のこと。
6
Sunday, May 8, 2011
DDW Daily News
SSAT
消化器がんにおける個別化医療の利用の展望
高性能の遺伝子検査の登場や、疾患の分子
最初の演
ファイリングを行って、化学療法が有益とみられる患
腸がんの進行マーカーより少し遅れている」
と、Dr.
マーカー発見は、医学の新しい時代-個別化医療
者は、Celia
者の予測が可能な、新しい遺伝子検査がある」と
Riallは述べた。
の時代-の到来を告げている。8日
(日)
のSSAT’
s
Chao, MD,
同氏は語った。
最後に、Ronald DeMatteo, MD, vice-chair of
State-of-the-Art Conferenceで は、Personalized
a s sist a nt
John Carethers, MD, professor and chair
the department of surgery and head of the
Medicine in Gastrointestinal Cancer: Potential
pr ofe s s or
of the department of internal medicine at the
division of general surgical oncology at the
Applications in Clinical Practice を取り上げる。
i n
t h e
University of Michigan, Ann Arborは、結腸がん
Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New
「この会議の演者は、さまざまな消化器がんに応
department
の治療におけるゲノミクスとプロテオミクスの利用に
York, NYは、GISTのマネジメントにおける個別化
用されている個別化医療の最先端について講演
of surgery
ついて論じる予定である。
医療の利用について講演する予定である。
する予定である。正常細胞の浸潤性がん細胞へ
a t
t h e
「Dr. Carethersは、ステージ IIの結腸がんで、追
「GISTの分子標的治療は非常に優れている。現
のトランスフォームに関与する基本的な経路につい
University
加治療の恩恵を受ける腫瘍タイプの予測に関して論
在、GIST患者を対象としてc-kitという遺伝子につ
て、この10年で大きく理解が進んだ」
と、Moderator
o f Te x a s
じる。また、家族性結腸がんについても述べる予定
いての検査が可能であり、c-kit陽性の患者はイマチ
Taylor S. Riall, MD, PhDは述べている。
Medical
である」
とDr. Riallは話している。
ニブにほんとうによく反応する」
と、Dr. Riallは説明
「現在、多くの医師は、病歴と身体所見、標準的
Branch で、
Christine Iacobuzio -Donahue, MD, PhD,
した。
な臨床検査、診断的X線検査を中心に、がん患者
個別化医療の概要を述べる。
associate professor, departments of pathology
「個別化医療はがん治療の未来であり、がんに
Taylor S. Riall, MD, PhD
の診断、ステージング、予後診断、マネジメントを行っ
「がんにおけるプロテオミクスおよびゲノムの研究
and oncology at Johns Hopkins University
よってその開発段階は異なっている。この会議で、
ている。しかし、ゲノムやプロテオームの新しい検査
の応用の可能性は高い。こうした研究は人によって
School of Medicine, Baltimore, MDは、個別化医
外科医、消化器専門医、その他の臨床医に、現在
が登場すると、こうした情報が医学で大きな役割を
さまざまな意義があり、また、がんの早期診断やス
療と膵がんについて論じる予定である。
利用できるものや、その入手方法、将来の展望につ
担うようになり、実際の臨床でよく応用される。
しかも
テージングの正確性向上などの多くの側面をもつ。
「Dr. Iacobuzio-Donahueは、膵がんの分子遺伝
いて知ってもらいたい」
と、同氏は話している。
この領域は急速に変化し続けている」
と、associate
早期診断によりがんが転移する前に治療できるた
学で多くの研究を行っており、膵がんが局所に限局し
このセッションを初めとしたDDW®のイベントの
professor and chair in clinical research in the
め、予後が改善する」
とDr. Riallは述べている。
転移を起こさないために、積極的手術
(aggressive
時間と場所については、5月8日号のSchedule-at-aGlanceを参照のこと。
department of surgery at the University of
「ゲノミクスおよびプロテオミクスは、さまざまなが
surgery)
の候補にふさわしいとみられる患者の特
Texas Medical Branch at Galvestonである同氏は
んの標的化治療戦略の開発でも重要である。例え
定を目的とした研究について論じる予定である。実
述べている。
ば、結腸がんでは、ステージIIの腫瘍の遺伝子プロ
際のところ、膵がん進行のマーカーの特定は、結
IndustrySupported Seminars
「総胆管巨大結石への
対応をどのようにするか?」
を焦点としたシンポジウム
DDW®開催中には、公式プログラムにある数々の
Industry-supported seminarsの詳細については、ス
総胆管結石は伝統的に内視鏡的逆行性胆道膵
画像診断を行うのではなく、実際に胆管へ内視鏡を
卒後教育
(CME)
の機会に加えて、企業がスポンサー
ポンサーとなっている企業のブース、
あるいはIndustry
管造影法
(ERCP)
による管理がなされてきたが、過去
挿入することも可能である」
と同氏は述べた。
となって開催しているさまざまなセミナーがある。これら
Showcaseを参照いただきたい。Industry Showcase
数年の目覚ましい進歩により、容易かつ安全な結石
“Rocks in Difficult Places”
と題する3番目の演題
はDDW scientific sessionsの前後に開催されており、 は、South 100 Concourseに位置しており、パンフレット
管理が可能となってきた。
では、D. Nageshwar Reddy, MD, director of the
出席者はCMEの単位を取得することもできる。
What To Do with a Rock in a Duct: Managem-
Asian Institute of Gastroenterology, Hyderabad,
ent of Difficult Biliary Stonesと題する5月8日(日)の
Indiaにより、ミリッツィ症候群や寄生虫に関連した
やさまざまな催し物の情報などがそろっている。
Industry-Supported Seminar Schedule
午後のセッションでは、ERCPに関する著名な専門医
狭窄の原因となる肝内結石に関する内視鏡的な結
が ERCPの最新技術を取り上げる。
石の除去についての講演が行われる。
「シンポジウムは、難しい結石の管理のために、あら
“10 Best Stone Age Videos”
と題する最後の発
ゆる面で対応できるよう構成されている」
と共同座長
表は、Dr. Chuttaniによる難しい結石管理のための
Sunday, May 8
Monday, May 9
のRam Chuttani, MD, director of interventional
“tools and tricks of the trade”
について、複数の
6:15 – 7:45 a.m. — Lilly USA, LLC
Exocrine Pancreatic Insufficiency In Cystic
Fibrosis: An Update
Waldorf Room, Hilton Chicago
5:30 - 7:45 a.m. - Curatio CME Institute
Frequently Asked Questions in IBD: Practical
Strategies for Optimal Management
Grand Ballroom, Hilton Chicago
gastroenterology and endoscopy at Beth Israel
ERCP専門医からのビデオ投稿をとり上げるユニー
Deaconess Medical Center, Boston, MAは語る。
クかつ革新的な内容である。同氏は、本ビデオでは
同氏はまず“The Big Rock in the Common Duct:
除去が困難な結石を除去するために活用できる学
Sponsored by the Potomac Center for Medical
Education and Rockpointe Corporation and supported
by an educational grant from Lilly USA, LLC.
Co-sponsored by Curatio CME Institute and the
University of Chicago Pritzker School of Medicine
Support for this activity has been provided
through an independent educational grant from
Warner Chilcott.
Novel Methods for Capture and Removal”
と題
習ポイントを紹介するとも述べた。
する講演を予定している。
ビデオ/講演セッションの共同座長は Sreenivasa
同氏は、結石の検出と除去の標準的技法に加え、
S. Jonnalagadda, MD, FASGE, director of
括約筋切開術後に大バルーン括約筋形成術を組み
biliary and pancreatic endoscopy at Barnes-
6 – 8 p.m. — Salix Pharmaceuticals, Inc.
GI News Tonight — Clinical Updates in IBS
International Ballroom North, Hilton Chicago
Sponsored by Purdue University College of
Pharmacy and the Gi Health Foundation
6:15 – 7:45 a.m. — ViroPharma Incorporated
Hereditary Angioedema: Clinical Clues and
Evolving Treatments
Continental Ballroom A/B, Hilton Chicago
合わせて施行する新たな併用術式について講演す
Jewish Hospital, St. Louis, MOが務める予定で
る。同氏によれば、本術式は、標準的術式に比べ、
ある。
バルーンをより大きく拡張するのが特徴である。
「本併用術式により、かなり大きな結石の除去も従来
本トピックについての詳細な情報を希望する参加者
に対し、
ASGEは、BiliaryAccess Techniques (DV035)、
に比べ格段に向上できる」
と同氏は語った。
Endoscopic Retrograde Cholangiogram for
“ The Hard Rock: When and How to Crush or
Benign Biliary Diseases (DV043)、Techniques
Shatter”
と題する次の演題では、Douglas K. Pleskow,
of Endoscopic Therapy in Pancreatic Disorders
6 – 8:30 p.m. — Cleveland Clinic
Interdisciplinary Approach for Medical and
Surgical Therapy of Complex Crohn’s Disease
Sheraton Ballroom 1-3, Sheraton Chicago Hotel
& Towers
6:30 – 8 p.m. — Centocor Ortho Biotech, Inc
Current Topics in the Management of Crohn’s
Disease and Ulcerative Colitis
International Ballroom, Hilton Chicago
Sponsored by Cleveland Clinic of Continuing
Education and the Digestive Disease Institute
Tuesday, May 10
砕石術のみならず、電気水圧砕石法やレーザー砕石
hall、McCormick Placeあるい はwww.asge.org
6:30 - 7:45 a.m. — Braintree Laboratories
Split-Dose Bowel Cleansing and Clinical
Considerations of Sedation Prior to Colonoscopy
International Ballroom South, Hilton Chicago
法などの最新の砕石法を取り上げる。
で提供している。
同氏はさらに、新たな胆道鏡技術、治療用十二
本セッションおよびその他のDDW®イベントのス
指腸鏡チャンネル内のミニチュア内視鏡ユニットなど
ケジュールおよび開催場所については 5月8日号の
を取り上げる予定である。
Schedule-at-a-Glanceを参照のこと。
MD, FASGE, co-director of GI endoscopy at
(DV043)、などのタイトルを含む医師向け教育ビデオ
Beth Israel Deaconess Medical Centerが標準的
をDDW会 場のASGE Learning Centerやsouth
「胆道鏡を用いれば、単に造影剤を用いて胆管の
DDW Daily News
Sunday, May 8, 2011
大腸内視鏡検査に関する最新研
究が報告されるTopic Forum
7
マイクロRNAの臨床的意義に
焦点を当てたGRGシンポジウム
5月8日(日)午後のASGE's Topic Forum, Colon-
された2 ,400 件以上の大腸内視鏡検査をレビューし
oscopy: Inside Outcomes では、cold polypectomy
た。本研究では、EGD陰性後のメレナ評価における
マイクロRNAは次世代の治療標的の波であ
や結腸ステント留置術などさまざまな大腸内視鏡検
可能性が高い、あるいは可能性がある出血源の特定
る-こ れ が、5月9日( 月) の Gastroenterology
学という新しい科学について、3人の演者が講演す
査の成績を紹介する最新の研究成績が報告される
に大腸内視鏡検査は相対的に効率が悪いことが明
Research Group Symposium, MicroRNAs as
る」
と同氏は語る。
「研究者は、より完璧な遺伝子
予定である。
らかとなった。
Pleiotropic Regulators in Digestive and Liver
調節像を構築するため、バイオインフォマティクスと、
「5 名の演者が、結腸ステント留置術、小ポリープ
2 番目のabstractは、巨大有茎性結腸ポリープの
Disease のベースとなったメッセージである。ウイル
DNAやRNAの配列情報の既存のレパートリーを
に対するポリープ切除術、エンドループまたはクリップ
ポリープ切除後の出血予防において予防的クリップ
ス性肝炎、がん、クローン病は、マイクロRNAの操
統合している。これにより、疾患の易罹患性の経
による止血など治療的大腸内視鏡検査の転帰、結
使用 vs. 離脱式スネア使用を比較するプロスペクティ
作の恩恵を受けやすい疾患のほんのいくつかに
路と治療標的をはるかに詳細に見ることができる。
「マイクロRNAのさまざまな局面と、
システム生物
果に焦点を置いたオリジナル研究の成績を発表す
ブ無作為化比較試験である。本成績では、ポリープ
すぎない。
肥満、脂肪肝、インスリン抵抗性のシステム生物学
るであろう」と共同座長を務めるAasma Shaukat,
切除後の出血予防において、クリップとスネアの効果
「この10 年で、マイクロRNAは、遺伝子発現を
があり、
ますます多くの疾患がマイクロRNA中の変
MD, MPH, assistant professor of medicine,
が同等であることが示されている。
支配している調節物質として明確になってきた」
化と結びつけられている」
。
University of Minnesota Medical School,
3 番目のabstractは、結腸ステント留置術と急性左
と、共同座長のNicholas Davidson, MD, DSc,
演者のひとり、Joseph Nadeau, PhD, director
Minneapolisは述べた。
側悪性結腸閉塞に対する緊急手術を比較した多施
AGAF, chief of gastroenterology and professor
of research and academic affairs, Institute for
Forumでは、
Todd H. Baron, MD, FASGE, pro-
設無作為化試験である。本試験では、手術への橋
of medicine and developmental biology at
Systems Biology, Seattle, WAは、
システム生物学
fessor of medicine in the division of gastroentero-
渡し的な結腸ステント留置術が緊急手術を上回る臨
Washington University School of Medicine, St.
という視点から肥満とインスリン抵抗性について検
logy and hepatology at the Mayo Clinic Coll-
床的有益性がないことが明らかにされた。
Louis, MOは述べている。
「マイクロRNAはヒトゲ
討する予定である。ゲノムデータベースをRNAシー
ege of Medicine, Rochester,
4 番目の 研 究 では、cold
ノム全体の約3分の1を調節していると考えられて
クエンシングと統合させれば、DNAが RNAをコー
MNによる安全で効果的なポ
polypectomy が 安 全 に 施
おり、異常な遺伝子、
とくにウイルス遺伝子を標的と
ドしRNAがタンパク質をコードするというおなじみ
リープ切除術に関する講演も
行でき、術後出血が少ない
するための治療で利用されている。マイクロRNA
のパラダイムの先に進めると、Dr. Davidsonは述べ
行われる。同氏は、このテー
とされる直径 10 mm 未満の
がどのように機能するかを理解することが、ますま
る。
マに関する領域の研究を要約
ポリープ治療において、cold
す重要になってきている」
。
「今や、RNAスプライシング、差動ポリアデニル
し、最新のポリープ切除術の
polypectomy 、すなわち電
多くのDDW® 参加者はマイクロRNAの最 新
化、
マイクロRNA相互作用などの変化によって、多
展望を語る予定である。
気焼灼を用いないポリープ切
知見になじみがないであろうと、もう一方の座長を
数の疾患の遺伝子情報をどう解釈するか、その方
本forumのabstractsは、5
除術の安全性が検討された。
務 め るRhonda Souza, MD, AGAF, associate
法を知るための枠組みがいかにして提供されるの
名のレビュアーによりレビュー
しかし、演者らは、直径 5 mm
professor of medicine, University of Texas
かを、システム生物学によって理解し始めることが
され 、研究のオリジナリティ、
より大きいポリープでは進行
Southwestern Medical Center and Veterans
できるようになった」
と同氏は述べた。
検討された問題の重要性、研
腫瘍の頻度が高かったことか
Administration North Texas Health Care
Holger Willenbring, MD, PhD, assistant
究方法論の強度などによりス
ら、非侵襲的手順によるこれ
System, Dallasは話す。同氏はGastroenterology
professor of surgery, University of California,
コア化された。Forumの 発
らのポリープの治療に注意を
Research Group(GRG)
の会長でもある。
San Franciscoは、肝の発達と肝がんの調節物質
表に選ばれたのは、そのうち
喚起し、結論とした。
「GRGは、
この分野の最先端の最新トピックスで
としてマイクロRNAを論じる予定である。マイクロ
最後の研究では、電子大
常に先頭を切っ
RNAは、肝幹
「本forumは、ルーチンにポリープ切除術や結腸
腸内視鏡検査時のクロピドグレル硫酸塩投与患者
てきた」と同氏
細胞の分化や
ステント留置術を行っている消化器病専門医にとって
におけるポリープ切除術後の出血率が評価され、1%
は語る。
「こうし
さまざまな生合
特に重要である。なぜなら、クロピドグレル硫酸塩
未満と非常に低率であったことが報告された。
たシンポジウム
成機能の発生
のTop 5のabstractsである。 Aasma Shaukat, MD, MPH
使用患者に安全にポリープ切除術が施行できるか、
「これらのオリジナル研究の結果を知ることにより、
の企画はいつも
などの転写制
1cm 未満のポリープにcold polypectomy は安全
参加者は診療技術を改善できるであろうと考えてい
一番早く取り上
御を超えた支
かどうかなど、日常診療で高頻度に遭遇する臨床疑
る。すなわち、参加者は本 forumの実践可能な情
げ て いる。9日
配的な調節物
問に関する研究発表が行われるからである」
と、Dr.
報を持ち帰り、患者ケアに適用し、治療的大腸内視
(月)にはこうし
質として、重要
Shaukatはforumの有用性を強調した。
鏡検査の安全性や転帰を改善することができるであ
た最 先 端の 研
な役 割を演じ
最初のabstractは、食道胃十二指腸内視鏡検査
ろう」
と同氏は述べた。
究の講 演を行
ている。
®
(EGD)陰性後のメレナ評価のための大腸内視鏡
本forumとその他のDDW イベントの時間と場所
検査による診断に関するレトロスペクティブ研究であ
については、5月8日号のSchedule-at-a-Glanceを参
Dr. Davidson AGAF
る。演者らは、2004~2008 年にメレナのために施行
照のこと。
は、このシンポジウムでの討論によって来週から実
PhD, associate professor of medicine, Emory
臨床が変わるとは思えないが、C 型肝炎に始まって
University School of Medicine, Atlanta, GAは、
DDW Exhibit Excusionで
参加賞が獲得できる
Ⓡ
う」
。
Nicholas Davidson, MD, DSc,
Rhonda Souza, MD, AGAF
Didier
M e r l i n ,
多くの疾患で明確な治療的意義があると語る。C
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性の腸疾
型肝炎では、HCV複製のマイクロRNAを用いる
患とその修復におけるマイクロRNAの役割につい
治療が開発中である。
て論じる予定である。
また、がん幹細胞(膵がんのような転移性病変
「このシンポジウムはこの分野の研究者にとって
や侵襲性腫瘍でとくに活動性と思われる細胞型)
理解を深めるすばらしい機会となるはずである」
と
を標的としたマイクロRNAを使用する研究も行わ
Dr. Davidsonは語る。
「この新しい分野を理解し
れている。もっとも有望なアプローチ法のひとつは、 たいと考えている臨床医には、刺激的で役に立つ
マイクロRNAを用いて自殺遺伝子を活性化する方
講演と感じられるだろう。研修医にとってもすばら
法、あるいは別の方法でがん幹細胞を破壊するこ
しいものとなるだろう」
。
とである。
このセッションをはじめとしたDDW®のイベント
DDW のExhibit Excusionに 参 加 すると、St.
ション ゲームカードの質問に対して解答する、ただそ
その他のマイクロRNA研究も、クローン病の遺
の時間と場所については、5月9日号のSchedule-
Mary’
s Good Samaritan, Incから提供される電子
れだけ参加資格ができる。すべてのステッカーを集め、
伝的解明に向けて動きつつある。クローン病の
at-a-Glanceを参照のこと。
ブックリーダーやiPadが獲得できたり、来年サンディエ
質問には正解を記入し、ポスターセッションが行われ
易罹患性と関連する60以上の遺伝子座が見つ
ゴで行われるDDWの登録やホテルの優待予約も
ているホール近くに設置されているDDW Product
かっていると同氏は語る。2011年3月号のNature
Theaterへエキシビション ゲームカードを持参すれ
Genetics に掲載された論文では、自食作用の効率
ば、
だれでも抽選に参加ができる。抽選は、毎日
を調節して、クローン病の易罹患性を高めるマイク
カンファレンスバッグの中を確認するか、あるいは
3 :45 p.m.に行われる。
ロRNA結合部位を破壊するというIRGM 遺伝子
DDW Information Boothを訪れ エキシビション
1回当選から洩れたとしても引き続きチャンスがある
座のバリアントが論じられた。
できる。
ゲームカードを取得する。カードに記載されている主
ため、
エキシビション ゲームカードは捨てずに保有し、
ぜ
催者のブースを訪れステッカーを受け取り、エキシビ
ひとも商品獲得までチャレンジしつづけていただきたい。
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