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主な展示資料 - 山形県立博物館

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主な展示資料 - 山形県立博物館
〈アマゾンへの道〉
主な展示資料
昭和17年、 鶴岡市に生まれた山口吉彦氏は、 小さいころから
自然が大好きでした。
小学生のころ、 先生からアマゾンの大自然について話を聞き、
オセロット
ナンベイオオヒキカ、、エル
未知の世界に夢をはせました。
ナマケモノ
ピラニア
中学時代にもアマゾンの話を聞いた吉彦少年は、 しだいに行
オオオオノ、シ
ヨロイナマ ズ
ってみたいと思うようになりました。
カザリドリ
へルクレスオオツノカブトムシ
かつてシュリーマンは、 一冊の絵本から幻の都・トロイの発
マイコドリ
アクテオンゾウカフート ムシ
掘を実現させましたが、 吉彦少年は、 先生の話からアマゾン
フゃラジ/レリクカ、メ
モルフォチョウ
へ の夢を大きくふくらませたのです。
コビトカイマン
フクロウチョウ
東京農大の海外拓殖科に進学したのも、 アマゾンへの近道と
ブッシュマスター
タランチュラ
考えたからだそうです。
大学卒業後、 フランスのボルド一大学に留学し、 さらにリヨ
首飾り(カヤポ族、 マク族、 アノマライ族、 パラカナ族など)
ン大学に転じて農業地理学を専攻しましたが、 このころから
腕飾り(ワイワイ族、 カネラ族、 カヤボ族)
文化人類学の研究を始め、 やがて辺境の少数民族の調査に着
頭飾り(マク族、 カラジャ族、 カネラ族、 ワイワイ族など)
手するようになります。 昭和41年のことです。
櫛(ワイワイ族)
やがて山口青年はアマゾンへ、 アマゾンへと歩みを進めてい
羽根冠(カネラ族、シクリン族、カラジャ族、カヤポ族など)
きますが、 これから後は年譜風にならべてみましょう。
腰みの(カネラ族、 シェレンチ族)
41-45年
46-48年
49年
文化人類学の調査のため、 ヨーロッパ、
儀式用仮面...亀甲製(コカマ族)
アジア、 アフリカ、 iヒアメリカ、 ラテン
儀式用イス(カヤポ族)
アメリカなど60数か国を踏査。
儀式用ノマイプ(トウカノ族)
在ペル一日本大使館附属学校で教鞭をと
マンジョーカの粉とヒョータンの食器(カネラ族)
界最大の流域面積をもっ大河です。 6300kmにおよぶその流れは
るかたわら、 アンデス、 アマゾン上流地
マンジョーカ絞り(トゥカノ族)
豊かな自然をはぐくみ、 流域のあちこちには、 インディオが大
域を調査。
ハンモック(カネラ族、 ガビヨン族)
自然と共にくらしてきました。
民族植物学の調査のため、 アマゾン地域
火おこしうちわ(ワイワイ族、アパライ族、ウルフ百矢)
,を踏査。
土器(アスリニ族、 トゥカノ族、 パラカナ族)
アマゾン川は、 アンデス山中に源を発し大西洋にそそぐ、 世
アマゾンのあまりにも奥深い密林は、 今なお最後の秘境とし
て文明の立入りを容易に許そうとしていません。
ブラジル在ベレン日本総領事館附属学校
樹皮布(ティクナ族)
で教鞭をとりながら、 暇をみつけては、
骨笛(ワイワイ族)
こない、 現在は鶴岡市で「アマ、ノーン研究所」を主宰する山口吉
アマゾン奥地のインディオ部落に入って
竹笛(カネラ族、 カヤポ族)
彦氏が収集した、 インディオ の生活用具や装飾品、 晴乳類や鳥
現地調査を続ける。
マラカス( :タピラペ族、ワイワイ族、アノぞライ族、カネラ族)
類・ 昆虫などの資料を展示し
55年
収集した資料をもって帰国。
背負子(アノfライ族)
ようとするものです。
58年
鶴岡市にアマゾン研究所を開設。
背負カゴ(iJヤポ族)
51-55年
土人形(カラジャ族)
山口吉彦氏にとって、 アマゾンの大自然は、 一生涯をかけて
みる果てしない大きな夢のようです。
本展は、 そのようなアマゾン流域の現地調査を幾度となくお
自然と人間とのかかわりを考え
昭和59年 4月
山形県立博物館
《動物の宝庫・ アマゾン〉
南米大陸の亦j立直下、 うねうねと蛇行するアマゾン川のまわ
「激しく降りそそぐ雨を集め、 茶褐色に濁った大河アマゾン
りには、 世界故大規模の熱帯雨林がひろがっています。
うっそうとしたH百いジャングルー・・…何か月も降り続く悶…
は悠々と流れる。
それ自体が生きものであるかのように泣き、 時には笑い、 そ
して怒り、 また叫ぶ。 まるで文明人の挑戦をあざわらい、 そし
て、 その侵入を全身でニぱむかのように一一一。 それを見つめる
私は、 アマゾンを行くひとりの小さな旅人である。
網の目のようにはりめぐらされた水路のひとつをさかのぼる。
燃えさかる巨大な火の玉のような太陽が、 濁水にその姿を映し
ながら、 暗緑色の原始林の彼方に静かに沈んでいく。
私を乗せたカヌーは、 積荷の重さにあえぎながら、 一夜の宿
〈大自然に生きるインディオのくらし〉
密林と大河が織りなす秘境アマゾンは、 動物の楽園であると
共にインディオの生活の場でもあります。
(イモの一種)
狩りや魚独りをしたり、森を焼L、てマンジョーカ
ひんぱんにおこる洪水一…・そんな自然の中で、 いろいろな動物
をつくったりしながら、 自然を神と崇め、 自然を友とし、 自然
たちが生きています。
にさからうことな〈生きています。
ジャングルの道化師 ・ ナマケモノ、 猛ぷをもった蛇・ブッシ
現在約150部族といわれるインディオたちは、獲物や畑となる
ユマスター、 全長カ':'16cmにもなるへルクレスオオツノカブトム
土地を求めてゆっくりと移動しており、 いまだに文明と出会っ
シ、 Stiの妖村・モルフォ蝶、 闘い'1'らでおおわれたヨロイナマ
たことがない部方支もいることと思います。
ズ、 世界壮大の淡水魚・ピラルクーなどなど・一一。
アマゾンは、 動物たちの宝庫です。
4へルクレスオオツノカブトムシ
Vモルフォ蝶
人聞が自然と調和して生きてし、くためのくらしの知恵
。
一一
わたしたちが忘れかけているものが、 ここではしっかりと息づ
いているのです。
りを求めて岸辺に近づく。 あたりには太古の昔そのままの密林
が展開され、 湿った着生植物が樹の肌をおお い、 大蛇のように
太〈曲りくねったツルが木の頂き目指してはい登る。
残照を浴びた緑の壁は、 しだいに黒ずんだシルエットと化し
ていく・・・…・・・4
一一
山口吉彦氏の手記より一一
企土
器
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