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PDF/4ページ)「出所:外務省」
チュニジア概況 平成26年7月 外務省中東第一課 基本データ 1.面積 16万3,610k㎡(日本の約4割) 2.人口 1,078万人(2012年、世銀) 3.首都 チュニス(Tunis) 4.人種 アラブ人(98%),その他(2%) 5.言語 アラビア語(公用語),フランス語 6.宗教 イスラム・スンニ派がほとんど 7.政体 共和制 8.元首 モンセフ・マルズーキ大統領(2011年12月~) 9.議会 制憲国民議会(217議席) 10.与党 エンナハダ(穏健イスラム主義政党) 11.政府 (1)首相 メヘディ・ジョマア (2)外相 モンジ・ハムディ 12.GDP 447億米ドル(2012年、IMF)) 13.一人当たり GDP 4,152米ドル(2012年、IMF) 14.通貨 チュニジア・ディナール(DT) 15.為替レート 1ドル=1.64チュニジア・ディナール(2013年平均) -1- 1.内政 (1)共和制移行以来30年君臨してきたブルギバ大統領に代わり,1987年11月,ベン・アリ政権が誕 生。ブルギバ時代の基本的政策路線を踏襲しつつ民主化に取り組む。1988年の政党法制定により野 党を公認。1989年第1回大統領選挙・代議院選挙を実施し与党が全議席を獲得。以降,イスラム主義 運動を弾圧し,政治的安定を維持。 (2)2009年10月の大統領選挙・総選挙でベン・アリ大統領は5選・与党は政権を維持するも,2010 年12月から2011年1月にかけて国内で大規模デモが発生した結果,同大統領は国外に脱出し政権 は崩壊。その後,憲法の規定により暫定大統領にはムバッザア代議院議長が就任し,辞任要求デモを 受けて辞任したガンヌーシ首相に代わりカイド・エセブシ首相が就任した。 (3)2011年10月,新憲法を制定するための制憲国民議会選挙が実施され,穏健イスラム政党エンナ ハダが第一党になる。12月,マルズーキ・共和国のための会議(中道左派)党首が大統領に,ジェバ リ・エンナハダ幹事長が首相に就任し,新内閣が発足。 (4)2013年2月,野党党首の暗殺事件に端を発した政権に対する抗議活動を受け,ジェバリ内閣はテ クノクラート内閣の設立を目指すが失敗し,辞任。翌3月,ジェバリ政権下のラアレイエド内相が首相に 就任する形で,新内閣が発足。同年7月,野党議員の暗殺事件が新たに発生し,政府・議会の解散支 持派と反対派の対立による抗議活動が各地で広まり,同年10月,政治危機打開に向けて与野党は国 民対話の実施に合意。 (5)12月,ラアレイエド首相は辞意を表明。本年1月,制憲国民議会において新憲法が賛成多数で可 決され,ジョマア選挙実施内閣において,年内に総選挙(10月予定)及び大統領選挙(11月予定)が実 施される。 2.経済 (1)1987年からのベン・アリ政権下では,外国企業の誘致や観光による地域開発を進め,年率4%程 度の着実な経済発展を遂げたが,失業率は高く(特に大卒以上の若者の失業率は20%超),深刻な雇 用問題を抱える。 (2)2011年1月からの政治的・社会的混乱により,経済活動は鈍化し,2011年のGDP成長率は前 年比―1.8%となった。2012年には経済は回復傾向となりGDP成長率はプラスに転じた。他方,雇用 や社会格差の問題はベン・アリ政権崩壊後もあまり改善していない。 (3)1995年7月,EUとの間で提携協定を締結し,2008年1月1日より,工業製品に関する関税を撤 廃。また,地中海地域アラブ諸国(モロッコ,エジプト,ヨルダン)との間でもFTA(アガディール協定)を締 結する等,経済の自由化を促進。 (4)主要経済データ ア.主要産業: サービス業(観光,IT),製造業(繊維・機械部品),農業(小麦,オリーブ) イ.経済成長率: 3.6% (2012年:チュニジア国立統計局) ウ.インフレ率: 5.9% (2012年:チュニジア国立統計局) エ.失業率: 15.7% (2012:チュニジア国立統計局) オ.総貿易額・主要貿易品目 (2012年:IMF) (ア)輸出: 275.2億米ドル 機械・電気機器,衣類,石油関係,化学製品・肥料等 (イ)輸入: 364.3億米ドル 機械・電化機器,石油関係,衣類,自動車等 カ.主要貿易相手国: 仏,伊,独,ロシア,スペイン等 3.外交 (1)非同盟中立。米,仏等西側諸国と緊密な関係を有し,穏健かつ現実的外交政策を展開。地中海沿 岸諸国との関係強化,北アフリカ諸国間協力の推進,中東問題への積極的関与,米・日・中・韓等との 経済協力関係強化,アフリカ諸国との協調を基本方針とする。 (2)アラブ・マグレブ連合(AMU)(事務局長はチュニジア元外相のベン・ヤヒア氏)の活動は,西サハラ 問題に起因するモロッコとアルジェリアとの関係悪化等により1990年代半ばより一時活動が低迷。近 年,政治問題を取り扱わずに経済面を中心とした統合を模索中。2011年初頭以来の中東・北アフリカ 地域の歴史的変革の中,AMUの活動活発化することが期待される。 -2- 4.我が国との関係 1.政治関係 1956年6月26日に我が国はチュニジアを承認し,1969年2月5日に在チュニジア大使館を開 設,チュニジアは1977年2月22日に在本邦大使館を開設。1985年より,定期的に日・チュニジア 合同委員会を開催しており,2012年2月に東京において第8回合同委員会が開催された。 2.経済関係 (1)貿易額・主要貿易品目(2012年,財務省貿易統計) [対日輸出]128億円(マグロ,衣類) [対日輸入]86億円(自動車機器,電気機器) (2)我が国からの進出企業数 12社 3.東日本大震災 2011年3月の東日本大震災に際し,ムバッザア暫定大統領から天皇陛下宛にお見舞いの書簡 が送られ,カイド・エセブシ首相(当時)及びケフィ外相(当時)から多賀駐チュニジア大使(当時)に 対してお見舞いの電話があった他,ケフィ外相が在チュニジア日本大使館で弔問記帳を行った。ま た,チュニジアからツナ缶6万個の物資供与があった他,在京チュニジア大使館のイニシアティブで 宮城県石巻市及び千葉県旭市に支援ミッションが派遣され,救援物資の提供や炊き出しが行われ た。 4.援助実績((1)~(3):2012年度までの累積) (1)有償資金協力 2,451.57億円(交換公文ベース) (2)無償資金協力 50.12億円(交換公文ベース) (3)技術協力実績 236.87億円(JICA 経費ベース) (4)草の根無償資金協力 110件(1996年~2013年3月) (5)シニアボランティア・青年海外協力隊派遣人数 492人(2014年1月現在) 5.主要支援 (1)プロジェクト ラデス・ラグレット橋建設計画(1998年度有償),ボルジュ・セドリア・テクノパーク建設計画(200 5年度有償),太陽光地方電化・給水計画(2005年度有償),国営テレビ放送センター計画(2006 年度有償),総合植林計画(Ⅱ)(2007年度有償),首都圏通勤線電化計画(Ⅱ)(2009年度有 償),南部地下水淡水化計画(2009年度無償),ガベス・メドニン間マグレブ横断道路整備計画(2 011年度有償),地方都市給水網整備計画(2011年度有償),地方都市水環境整備計画(2013 年度有償) (2)選挙支援(2011年10月) 制憲国民議会選挙に際して,浜田和幸外務大臣政務官を団長とする政府選挙監視団を派遣。同監 視団は外務省職員のほか,国際協力機構(JICA)職員,マグレブ地域研究を専門とする大学教授から なり,チュニジア国内8カ所の投票所で選挙妨害や選挙活動の有無,国際・国内監視員やメディアの有 無,投票者数を中心に監視を実施。 6.主要援助国(2011年,OECD) (1)フランス(304)、(2)スペイン(83)、(3)ドイツ(31)、(4)日本(25)、(5)スイス(11) 注 1:支援総額(純額)は657, 注 2:支援総額にはマルチ・ドナー(149)を含む 7.1996年,円借款年次供与国に指定。 8.1999年3月,「アフリカにおける南南協力推進のための日・チュニジア三角技術協力」に関する 枠組み文書に署名。 -3- 9.文化関係・学術・舞台芸術 国費留学生の受入れ,映画・TV番組・音楽・スポーツ交流,文化無償協力の実施 10.在留邦人数 195名(2013年10月1日現在) 11.在日チュニジア人数 336名(2011年12月現在) 12.要人往来 往訪(2005年以降) 2005年 4月 河井外務大臣政務官 11月 竹中総務大臣 7月 伊藤外務大臣政務官 2008年 3月 宇野外務大臣政務官 2008年 7月 桜井環境副大臣 2010年 7月 松下経済産業副大臣 2010年12月 前原外務大臣 大畠経済産業大臣 2011年10月 浜田外務大臣政務官 (制憲国民議会選挙監視団) 2012年 2月 山根外務副大臣 (第1回シリア・フレンズ会合) 12月 浜田外務大臣政務官 (未来のためのフォーラム) 2013年 8月 逢沢一郎衆議院議員(日・ア フリカ連合友好議員連盟会 長)、牧島かれん衆議院議員 2014年 3月 来訪(2005年以降) 2005年6月 6月 10月 2006年1月 5月 2006年7月 2007年4月 2008年3月 4月 5月 ガンヌーシ首相 ジュイニ開発・国際協力相 テッカリ司法・人権大臣(大統領特使) ケシュリッド保健相 ジュイニ開発・国際協力相 アブダッラー外相 ジュイニ開発・国際協力相 シティウィ外務大臣付国務長官 カッラール評議院議長 ガンヌーシ首相(TICADⅣ) ジュイニ開発・国際協力相(首相に同行) 10月 ブウニ高等教育・科学技術研究相 2009年2月 ハドリ戦略研究所長 2009年7月 アブダッラー外相 10月 エル・バスティ文化・遺産保存相 12月 ジュイニ開発・国際協力相 2010年10月 テッカリ高等教育・科学研究相 2011年5月 ケフィ外相 2012年2月 ベン・アベス外相付国務長官 6月 アブデッサレーム外相(外賓) 10月 ベッタイエブ投資・国際協力大臣(IMF世銀総会) 2013年6月 9月 10月 11月 12月 マルズーキ大統領,ジャランディ外相(TICADV) ガムラ観光相(JATA 旅博) サルマン設備・環境相(水銀に関する水俣条約外交会議) カアビ開発・国際協力相付国務長官(JETRO 招へい) サイーディ首相付経済担当相 (第3回日本・アラブ経済フォーラム,第2回日マグレブ諸 国閣僚懇談会) 岸外務副大臣 13.二国間条約・取極 1956年 査証免除取極(日仏査証免除取極を独立後も継続) 1960年 貿易取極締結 (了) -4-