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PDF/5ページ)「出所:外務省」
トルコ共和国概況
平成25年8月
外務省中東第一課
基本データ
1.面積
2.人口
3.首都
4.民族
780,576k㎡(日本の約2.07倍)
約7,563万人(2012年12月 国家統計庁推計)
アンカラ
トルコ人の他,尐数派として南東部を中心にクルド人,その他アルメニア人,ギリシャ人,ユダ
ヤ人,アラブ人等。
5.言語 トルコ語(公用語)
6.宗教 イスラム教徒(スンニー派が多数派)が大部分を占める。その他,イスラム教の一派と目される
アレヴィー教徒,ギリシャ正教徒,アルメニア正教徒,ユダヤ教徒等が存在する。国家の政策と
して政教分離政策を採用している。
7.政体 共和制(1923年10月29日,共和国建国)
8.元首 アブドゥッラー・ギュル大統領(2007年8月28日就任,2014年まで。権限は限定的)
9.議会 一院制(550議席)(任期4年,中選挙区,比例代表制。 チチェッキ大国民議会議長。)
10.与党 2002年11月から公正発展党(AKP)による単独政権(現在3期目)。2011年6月12日の
総選挙で550議席中327議席を獲得して勝利。
11.政府
(1)レジェップ・ターイップ・エルドアン首相
(2)アフメット・ダーヴトオール外相。
12.GDP 7,862億ドル(2012年)
13.1人当たりGDP 10,504ドル(2012年)(出典:トルコ国家統計庁)
14.通貨 トルコ・リラ(TL)
15.為替レート 1ドル=1.90トルコ・リラ
-1-
1.内政
(1)2002年以来,エルドアン首相率いる公正発展党(AKP)が単独政権を維持。2011年6月の総選挙でも
同党は,49.9%の得票率で勝利し,550議席中327議席を獲得(第3次政権発足)。
(2)AKP政権は,2023年の共和国100周年に向けて世界経済トップ10に入ることを目標に掲げるとともに,
クルド問題の解決を含め,更なる民主主義発展のため新憲法制定が目下内政の最重要議題。
(3)今後,地方選挙(2014年3月),大統領選挙(同年8月),総選挙(2015年)が予定されている。
(4)13年1月から,クルドの権利を主張してテロ活動を行ってきたクルド労働者党(PKK)指導者で現在刑務
所に収容されるオジャランとトルコ政府との間でPKK問題解決に向けた対話が開始され,現在国内和平プロ
セスが強く推進されている。
(5)2011年10月以降,1982年に軍政下で制定された現行憲法に代わる民主的新憲法制定プロ
セスが進行中。2013年8月現在,草案全177条項中59か条について,起草作業を進める憲法調整
委員会において各党が合意。クルド問題の解決にも関連する「国民の定義」
,
「母語による教育」
,
「地方自
治制度」等について各党が対立している。
(6)2013年6月に発生した大規模抗議活動は既に沈静化。反政府抗議活動を行ったのは少数派であ
り,トルコ全体においてサイレントマジョリティーはAKP政権を支持。政権を取って代わる野党が不在
の中,AKP政権の安定性に大きな影響はない模様。
2.外交
(1)従来トルコは欧米重視の外交を行ってきたが,AKP政権は近隣地域の安定化と経済関係の強化を目
指す積極外交を展開。しかし,シリア情勢におけるアサド政権との対立,イラクのマーリキー首相との関係
悪化(ハーシミー副大統領問題、北イラクのクルド自治区をめぐる問題等による),北キプロス(トルコ系住
民統治領)にかかるキプロス共和国(ギリシャ系住民統治領)との緊迫関係等,近隣諸国との間に困難な問
題も多い。
(2) EU 加盟交渉において,2013年 1 月からアイルランドが議長国となり,また,昨年 5 月の仏大統領選
挙でサルコジが敗れ,オランド大統領に代わったことで新たなチャプターの交渉(第22章「地方政策と政府
機関間の調整」が2013年6月に開始される予定であったが,EU内でゲジ公園抗議活動へのトルコ政府の
対応を問題視する声が上がり,2013年10月のEU加盟交渉進捗報告書の結果を待った上で交渉を開始
する方向で決定がなされている。トルコにとって EU 加盟プロセスは,EU スタンダードに則る国造りという戦
略的な目標。最終的な EU 加盟の選択権はトルコにもあるとギュル大統領が明言。長年加盟交渉に大きな
進展がないため,トルコの世論調査(2012年6月)では,トルコは EU のメンバーになれるとの回答は17%
にまで落ち込んだが、エルドアン首相は,最近(2013年2月)在トルコEU大使との夕食会を主催し,加盟プ
ロセスの推進への強い意思を示した。
(3)「アラブの春」においては積極的な役割を志向。シリア情勢をめぐっては欧米諸国・湾岸アラブ諸国とも
歩調を合わせ反体制派を支援。イラン核問題にも関与。
(4)イスラエルとは,10年5月のガザ支援船襲撃事件により政治関係が極度に悪化したが,13年3月にイ
スラエルが謝罪を表明し,関係修復が進められている。
3.経済
(1)トルコはG20メンバーの一角として発言力を増しつつあり,新興経済国の一つとして注目されている。
若い人口構成(平均年齢30.1歳)と勤勉な労働力も魅力。
(2)トルコ経済は世界的な経済危機により一時減速したが,いち早い回復を見せ2010年9.2%,
2011年8.8%と高い経済成長を実現した。2012年に入り,政府の進める経済抑制策の影響
等から成長に減速が見られ,2.2%成長にとどまったが,2013年に入り徐々に回復傾向にあり,
第1四半期における成長率は3.0%。
(3)トルコ政府は,2023年(共和国建国100周年)までに,世界第10位の経済規模及び輸出額5,000
-2-
億ドルという目標を持つ。
(4)主要経済データ
ア.産業割合: サービス業(57.5%),工業(23.8%),農業(8.0%)(2012年トルコ国家統計庁)
イ.経済成長率: 2.2%
ウ.物価上昇率: 6.16%
エ.失業率: 9.2%
オ.総貿易額
(ア)輸出: 1,524.7億ドル
(イ)輸入: 2,365.4億ドル
カ.主要貿易品目
(ア)輸出: 宝石・貴金属(10.7%),自動車(9.9%),機械類(7.8%)
(イ)輸入: 石油・天然ガス(25.4%),機械類(11.1%), 鉄鋼(8.3%)
キ.主要貿易相手国(トルコ経済省)
(ア)輸入: 露(11.3%),独(9.0%),中(9.0%)…日本(1.5%,第15位)
(イ)輸出: 独(8.6%),イラク(7.1%),イラン(6.5%)…日本(0.2%,第59位)
ク.外貨準備高:1,226億ドル(2013年6月,トルコ中央銀行)
4.我が国との関係
1.政治関係
日本とトルコは,エルトゥールル号事件(1890年),テヘランからの邦人救出劇(1985年)等,120年に
もわたる友好関係。エルトゥールル号事件120周年にあたる2010年には「トルコにおける日本年」を実施
し,トルコ国内で186もの行事を行った。トルコは世界有数の親日国(トルコでのアンケートで常に最も好き
な国として上位に位置,最近では寿司やアニメも人気)。在トルコ大の行った世論調査では,75%以上が親
日感情を有するとの回答があった。トルコへの日本人観光客は約20万人に上る(10年)。日トルコ間にお
いては,政治問題はないが,今後,経済関係の更なる発展(投資,貿易,観光等)が課題。
2.経済関係
(1)貿易額(2012年度)
対日輸出 3.64億ドル
対日輸入 35.17億ドル
(2)日本からの対トルコ直接投資額:0.33億ドル (2012年度)
(3)トルコは,日本企業にとって,国内市場に加え,EU及び近隣諸国市場への生産拠点として注目すべき
国。2012年には企業の進出(日経,住友ゴム,三井住友,みずほ)や現地法人化(三菱東京UFJ)の動き
が加速。
(4)ボスポラス海峡横断地下鉄整備計画(大成建設)等の経済協力を実施。大型インフラ案件においては,
通信放送衛星案件やイズミット大橋建設計画を日本企業が受注する等,経済関係は更に深化。
(5)現在,両国間で EPA 交渉に係る検討,社会保障協定作業部会,原発プロジェクト受注に向けた協議等
を進めている。
3.東日本大震災
東日本大地震に際して,トルコ政府は支援・救助チーム32名を派遣,約3週間にも及ぶ活動を行い,支援・
救助チームとしては最長期間の活動を行った(2011年3月21日~4月8日の期間,宮城県利府町でベー
スキャンプを設営し,主に宮城県七ヶ浜町などで活動)。4月4日に菊田政務官(当時)が七ヶ浜町の現地を
視察し,トルコ支援・救助隊員と懇談。4月11日,トルコ支援・救助隊は,帰国前,伴野外務副大臣(当時)を
表敬。伴野副大臣(当時)から,トルコの支援に謝意を表明した。
また,4月4日,成田空港に支援物資を積んだ貨物機が到着し,缶詰約60,000個,水約18.5トン,毛布
約5,000枚が宮城県や福島県の被災地に届けられた。
-3-
なお,2011年10月23日にトルコ東部ヴァン県を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生
し,我が国からは緊急援助物資(テント500張)を供与するとともに,トルコ政府が計画した仮設住宅
への支援のため1000万ドルの緊急無償資金協力を行った。また,国際 NGO「難民を助ける会」が支援活
動を行っていたが,11月9日に発生した余震により同NGO職員の邦人2名が罹災,うち1名が亡くな
り,1名が負傷した。トルコ政府は,この邦人2名に対し手厚い対応をした。
4.援助実績(2011年度までの累積)
(1)有償資金協力 6092億円(交換公文ベース)
(2)無償資金協力 32.5億円(交換公文ベース)
(3)技術協力 426億円(JICA経費ベース)
5.在留邦人数 1,613名(2012年10月1日現在)
6.在日当該国人数 2,613名(2011年登録外国人統計(法務省))
7.要人往来(2000年以降)
往訪
来訪
2000年
2000年
2001年 1月
2002年 1月
2002年 9月
2002年10月
2002年11月
橋本国務大臣
田中外務大臣
遠山文部科学大臣
寛仁親王殿下
茂木外務副大臣(総理特使)
2003年 2月 中山総理特使
2003年 6月 寛仁親王殿下,彬子女王殿下
2003年10月 寛仁親王両妃殿下
2004年
2005年
2005年
2006年
2008年
2009年
2010年
2010年
2010年
7月
5月
9月
1月
5月
3月
1月
5月
7月
寛仁親王殿下
谷垣財務大臣
寛仁親王殿下,彬子女王殿下
小泉総理大臣
彬子女王殿下
皇太子殿下
岡田外務大臣
寛仁親王殿下
寛仁親王殿下,彬子女王殿下
2012年 1月 玄葉外務大臣
2012年 6月 玄葉外務大臣
(第4回NPDI外相会合)
2013年 5月 安倍総理大臣
4月ジェム外務大臣
6月エルシュメル副首相兼エネルギー天然資源
大臣(小渕前総理葬儀),ウンリュ国務
大臣(東京モスク開所式)
2000年 8月ミルザオール海事庁担当国務大臣,
アイドゥン公共事業・住宅大臣
2000年 9月アイテキン環境大臣
2000年11月オナル経済担当国務大臣
2001年11月タシャル観光大臣
2002年 1月ガイダル国務大臣
(アフガニスタン復興支援国際会議)
2002年 3月アクジャン公共事業・住宅大臣
2002年 4月ヴラル運輸通信大臣
2002年 6月ウンリュ国務大臣(サッカーW杯)
2003年 2月ヤルチュンバユル副首相
(「トルコ年」開会記念式典)
2003年 6月アルンチ国会議長
2003年 8月ムムジュ文化・観光大臣
2003年12月ギュル副首相兼外相
2004年 4月エルドアン首相
2005年 8月アタライ国務大臣
2006年10月テュズメン
2007年 2月オザック公共事業・住宅大臣
2008年 6月ギュル大統領
2009年10月ギュナイ文化観光大臣
2010年10月シャーヒン大国民議会議長,
チャーラヤン対外貿易担当国務大臣
2010年12月ユルドゥルム運輸通信大臣,
ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣
2011年12月ババジャン副首相
2012年 5月エルギュン科学産業技術大臣
2012年 7月チャーラヤン経済大臣
2012年 10月ババジャン副首相、アクダー保険大臣
2013年 3月ユルマズ国防大臣
2013年 5月バイラクタル環境都市大臣
8.二国間関係条約・取極
1930年署名 通商航海条約
1967年署名 査証免除取極
-4-
1989年署名 航空協定
1992年署名,1993年2月批准書交換 投資促進保護協定
1993年署名,1994年11月批准書交換 租税条約
(了)
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