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スターチス(シヌアータ系)品種比較試験(PDF形式 192キロバイト)
3 スターチス・シヌアータ系の品種比較試験 背景と目的 スターチス・シヌアータは旭川では古くから栽培されています。紫系やピンク系の品種 が主に栽培されており、紫系ではアラビアンブルーという品種が広く用いられています。 しかし近年、アラビアンブルーの品質の低下が問題になってきています。 そこで、本試験では,紫系有望品種の栽培特性を比較し,新たな品種選定の資料とする ことを目的としました。 関係先 旭川青果物生産出荷協議会花き部会 試験内容 (1)供試品種 品種名 販売元 品種名 販売元 アラビアンブルー TSメリクロン 蒼雲 ネイビーサンバード H0805 ホクレン 福花園種苗 ロッシサンバード H0806 (2)耕種概要 ① 定 植 4月18日 ② 調 査 1番花 6月29日~ 7月29日 2番花以降 8月15日~10月29日 (3)試験結果 表1 全期間の生育経過、採花本数と規格内率 100 株あたりの採花本数 最終 収穫 到花 品 種 規格内率 摘芯日 開始日 日数 規格内 規格外 合計 (%) アラビアンブルー 6/4 7/7 85 1,663 1,475 3,138 53.0 ネイビーサンバード 5/28 6/29 77 2,900 1,600 4,500 64.4 ロッシサンバード 5/28 6/29 77 1,688 2,438 4,126 40.9 蒼雲 6/4 7/7 85 1,963 600 2,563 76.6 H0805 6/4 7/12 88 2,150 725 2,875 74.8 H0806 6/4 7/12 88 1,413 1,713 3,126 45.2 (注)収穫始日~半数の株の採花が始まった日。 到花日数~定植日から全株採花が始まるまでの日数。 規 格 内~次に挙げる条件をすべて満たすもの(北海道切花統一出荷規格) 切花長50cm以上,開花分枝数3以上,翼幅片側9mm以内で, 外観上問題のないもの(曲り,下垂,病虫害,損傷等) ・到花日数が早かったのはネイビーサンバード、ロッシサンバードでした。 ・規格内の採花本数が多かったのは H0805、ネイビーサンバードでした。 ・規格内率は蒼雲、H0805 で高くなりました。ロッシサンバードは 1 番花の規格内率 は高かったものの、2 番花以降で低くなりました。 表2 全期間の規格別収量(本/100 株) 品 種 80cm 以上 70cm 台 アラビアンブルー 263 350 ネイビーサンバード 388 888 ロッシサンバード 850 163 蒼雲 638 750 H0805 613 488 H0806 50 488 60cm 台 575 1,213 325 475 738 538 50cm 台 475 413 350 100 313 575 規格外 1,475 1,600 2,438 600 725 1,713 ・80cm 以上が多かったのはロッシサンバードでしたが、規格外も多かったです (特に 2 番花以降)。 ・蒼雲は 70cm 台,80cm 以上が多く、2番花以降でも同様の傾向が見られました。 (4)品種特性 品 種 特 性 評価 ・がく色は濃青紫色。 アラビアン ・茎が硬めで草勢がよいですが、主茎が伸びる傾向にあります。 △ ブルー ・1番花では 70~80cm 以上が中心で、2番花以降は 50~60cm 台 中心でしたが、規格外の切り花が多い傾向にありました。 ネイビー ・がく色は濃青紫色。 サンバード ・収量が多く、特に1番花では 80cm 以上の収量が多くなりました。 ○ 1 番花 ・茎がやや柔らかく、下部が曲がりやすい品種です。 有望品種 ・2番花以降、ブラシ形が悪くなりました。 ・がく色はピンク色。 ロッシ ・まっすぐに立ち、曲がりが少なく、茎は硬いです。 △ サンバード ・1番花は 80cm 以上が中心で、品質も良いですが、2番花以降に なると品質が極めて悪くなります。 ・がく色はやや淡い青紫色 蒼雲 ・2 番花以降も 70cm 以上の切り花が多く、ボリュームがあります。 ○ ・1 回あたりに収穫できる収量はやや少ない品種です。 2 番花以降 ・下部が曲がりやすく、切り詰める必要がある切り花が多いです。 有望品種 ・がく色はやや濃赤紫色。 ・1番花は他品種に比べ収量はやや少なめでしたが、2番花以降は H0805 ◎ 収量が多くなりました。 ・夏場の品質低下があまり見られず、規格内収量も多くなりました。 ・がく色は薄いライトブルー。 ・茎が硬く、ブラシの形は整っており、ボリュームがあります。 H0806 × ・1番花は 60・50cm 台が多く、2番花以降は丈不足の規格外が多 くなりました。 (注)評 価~ ◎:標準品種より優れる ○:標準品種よりやや優れる △:標準品種と同等 ×:標準品種より劣る