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Ⅳ 花き

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Ⅳ 花き
Ⅳ
花き
実況
1 キ
ク
奥 越 で は 、秋 植 え 夏 ギ ク が 、昨 年 よ り 遅 い 6 月 28 日 か ら 共 選 出 荷 さ れ た 。6 月 19 日 調 査
で 、 無 摘 心 の 「 秀 芳 花 」( 中 ・ 赤 ) で 80cm で あ る 。 摘 心 の 「 小 鈴 」( 小 ・ 黄 ) で 40cm と 昨
年並みの生育となっている。
福 井 の 春 植 え 8 月 咲 き ギ ク の 草 丈 は 、「 小 鈴 」40∼ 50cm、「 う た げ 」60∼ 75cm で あ る 。病
害虫の白さび病、ハモグリバエ類やヨトウムシ類は少ない。
南 越 の 施 設 電 照 ギ ク は 、草 丈 130cm で 6 月 10 日 よ り 出 荷 さ れ た 。7 月 出 荷 物 で 草 丈 95cm
程 度 で あ る 。 露 地 の 春 植 え 8 月 咲 き ギ ク の 草 丈 は 、 4 月 25 日 定 植 で 「 や よ い 」 82cm 発 蕾 、
「 は じ め 」57cm 発 蕾 で あ る 。5 月 23 日 頃 か ら 定 植 さ れ た 9 月 咲 き は 草 丈 14∼ 18cm で あ る 。
害虫ではハモグリバエ類が少発生である。
二 州 の 8 月 咲 き 小 ギ ク の 草 丈 は 、 6 月 19 日 調 査 で 、「 み の る 」 50cm、「 山 手 白 」 34cm と
前 年 よ り 低 く 、 生 育 が 遅 い 。 9 月 咲 き 小 ギ ク の 草 丈 は 、「 夕 映 」 17cm、「 あ ず さ 」 11cm と 前
年より低い。病害虫では白さび病が少発で、一部でアザミウマ類やアブラムシ類が中発生で
ある。
若 狭 の 秋 植 え 夏 小 ギ ク は 、「 五 月 晴 れ 」「 つ る き 」 他 が 収 穫 中 で あ る 。 草 丈 は 「 五 月 晴 れ 」
76cm、「 つ る き 」79cm で 、昨 年 よ り や や 低 い 。春 植 え 8 月 咲 き ギ ク の 草 丈 は 、4 月 18 日 定
植 の 5 月 1 日 摘 心 で 「 く れ な い 」 42cm で 、 前 年 並 み の 生 育 で あ る 。 病 害 虫 で は ハ モ グ リ バ
エ 類 が 中 発 生 、 カ メ ム シ 類 が 少 ∼ 中 発 生 で あ る 。 9 月 咲 き ギ ク の 「 小 里 」、「 み す ず 」 は 、 5
月 14 日 頃 に 定 植 さ れ た 。
2 ユ
リ
奥 越 の シ ン テ ッ ポ ウ ユ リ で は 、中 心 球 に よ る 草 丈 が 、6 月 14 日 調 査 で 、暮 植 え 70cm、春
植 え 30cm 程 度 で あ る 。 実 生 苗 の 4 月 定 植 で は 葉 数 7 ∼ 8 枚 で 昨 年 よ り や や 生 育 は 遅 れ て い
る 。 福 井 の 5 月 上 旬 定 植 し た 物 は 、 草 丈 15∼ 20cm で あ る 。
園 試 育 成 「 リ リ ラ イ ト ピ ン ク 」 の 出 荷 は 、 坂 井 で 6 月 1 日 、 南 越 で 14 日 、 福 井 で 19
日より始まり、福井市場や直売所へ出荷された。
坂 井 の テ ッ ポ ウ ユ リ は 、 平 年 よ り 1 週 間 遅 い 5 月 21 日 か ら 6 月 末 ま で 出 荷 さ れ た 。
3 スイセン
ス イ セ ン 球 根 の 掘 り 起 こ し 運 動 が 、今 年 度 か ら ボ ラ ン テ ィ ア を 募 り 6 月 3 日 と 6 月 18 日 に
実 施 さ れ 、各 日 と も 140 名 の 参 加 が あ っ た 。関 係 機 関 に よ る 球 根 の 掘 り 起 こ し も 5 回 実 施 さ
れた。
促成栽培の高温処理が6月中旬より開始された。
4 トルコギキョウ
福 井 の 11 月 下 旬 定 植 の 「 ロ ッ ジ ー ナ 」 は 、 草 丈 70cm 程 度 で あ る 。
坂 井 の 1 月 20 日 定 植 は 、 6 月 20 日 か ら 共 販 開 始 さ れ た 。
奥 越 で は 、 5 月 中 旬 定 植 の 「 つ く し の 雪 」 で 5 ∼ 6 cm( 3 ∼ 5 cm) と な っ て い る 。
南 越 で は 「 ニ ュ ー リ ネ ー シ ョ ン 」 の 2 度 切 り 物 が 、 草 丈 75cm 程 度 で 7 月 上 旬 に 出 荷 さ れ
る 。 10 月 2 日 播 種 の 「 プ テ ィ フ ル 」 で 草 丈 60cm 程 度 で あ る 。
二 州 で は 、3 月 23 日 定 植 物 の 草 丈 は 、6 月 19 日 調 査 で「 ア ロ ハ ブ ル ー ラ イ ン 」48cm と 、
生育は前年より遅れている。
5 その他
福 井 の ヒ マ ワ リ の 草 丈 は 、 4 月 30 日 播 種 ( ハ ウ ス ) で 60∼ 80cm、 5 月 中 旬 播 種 ( 露 地 )
で 60∼ 65cm で あ る 。 南 越 で は 4 月 12 日 よ り 1 週 間 毎 に 5 月 4 日 ま で 播 種 さ れ 、 6 月 7 日
か ら 出 荷 さ れ た 。 坂 井 で は 草 丈 70∼ 90cm で 出 荷 さ れ て い る 。
1
対策
1
梅雨期の圃場排水の徹底
梅雨期の長雨により、地表水が停滞すると根腐れを発生させる。そこで、冠水しやすい圃
場で作付けしている場合は、畝溝とこれに交わる集水溝、排水路の溝さらえや清掃、除草を
十分に行う。
2 梅雨期の病害虫防除の徹底
1)キク白さび病
湿 潤 な と き や 排 水 不 良 な と こ ろ で 多 発 す る の で 、日 当 た り 、風 通 し 、排 水 を よ く す る 。
病葉は見つけ次第摘除し焼却する。草丈50∼60cmまではジマンダイセンフロアブ
ルなどで1週間に1回の予防散布をする。
2)キク黒斑病・褐斑病
発生の初期は、降雨との関係が強く、摘心後に降雨が多い場合に、発生は早くなる。
さらに窒素過多で被害が大きくなる。病葉は見つけ次第摘除し焼却する。生育初期にダ
コニール1000で予防散布を徹底する。
3)ハダニ類
梅雨明け後の乾燥する夏場に発生が多くなるので、梅雨の期間中に1回と梅雨明け前
に1回散布すると効果がある。薬剤は抵抗性ハダニの発生を避けるため、系統の異なる
ハダニ剤を使用する。圃場の周辺の除草を行う
4)灰色カビ病
ボトリチス菌という糸状菌の一種で、非常に多くの植物の葉や花弁をおかす。腐敗し
た組織の表面に灰褐色ないしねずみ色のカビを生ずる。通気不良や高温多湿のときに多
発し、分生胞子は風で飛散し伝染を繰り返す。
収穫残渣や落下した花弁などが茎葉に付着して発病するので、できるだけ早く取り除
く。防除では同一系統の薬剤を連用しない。
3 夏秋ギクの品質向上対策
1)追 肥
止め肥施用後、降雨が多い年など生育後半肥料が切れ、葉色が落ちた場合は、速効性
の化成肥料を少量施用する。ただし窒素肥料が効きすぎると白さび病、花腐れ病が発生
しやすくなるのでやりすぎない。
2)下葉かき
薬剤散布しても地際部の葉裏には十分に薬液がかからないので、病害に侵されている
場合は、感染源として残りやすい。風通しをよくして、ムレを防ぐとともに、病害の下
葉からの伝染を防ぐため、全体長の5分の1程度の下葉を除去する。除去した葉は圃場
に放置しないで、圃場の外へ搬出する。
4 スイセンの管理
1)花芽発達促進処理
高温処理、くん煙処理後はできるだけ涼しい納屋などで保管する。
2)定植後の地温低下
発根と発芽を促すためスプリンクラーや灌水チューブなどによる散水を行うとともに
遮熱ネット等で遮光し、地温・気温の極力低下させる。
5 ストックの播種と育苗
1)播種時期
平坦地で7月下旬播種を目安に準備を進める。
2)八重鑑別
八重率を高めるため、必要な苗数の3∼4倍量程度の種子数を播種する。
3)播種用土
清 潔 で 粒 子 の 細 か く 揃 っ た も の を 準 備 し 、覆 土 は 発 芽 を 揃 え る た め 均 一 な 厚 さ に す る 。
2
4)播種後の管理
雨よけ下で行い、降温対策のためにハウスの屋根の外側に遮熱ネット等を張る。育苗
箱はベンチ等の上に置き風通しを良くし、灌水は地温の低い早朝に行う。
5)ストックの苗立枯病と苗腐病
立枯れ性病害が発生した場合は、被害株を抜き取り、病原菌を調べる。苗立枯病(リ
ゾ ク ト ニ ア 菌 )で は 、発 病 株 を 引 っ 張 る と 、地 際 か ら ち ぎ れ る が 、苗 腐 病( ピ シ ウ ム 菌 )
の場合は、引っ張るとちぎれないで、根がついてくる。
6)直播栽培
播種時の地表面の温度を極力下げるため、70∼80%の遮光資材を施設の屋根にか
けて、風通しを良くして地温の低下に努める。播種後は土を乾かさないように絶えず灌
水し、苗の徒長防止のため遮光資材は発芽したら、直ちに取り除く。
6
枝物花木の繁殖
1)挿し木繁殖
ソ ケ イ 、コ デ マ リ 、レ ン ギ ョ ウ 、ユ キ ヤ ナ ギ な ど 挿 し 木 が 可 能 な も の は 挿 し 木 を 行 う 。
用 土 は 赤 土 、鹿 沼 土 な ど を 単 用 か 混 用 す る 。葉 が ふ れ あ う 程 度 の 間 隔 で 、深 さ 5 cm に 挿
し 、 十 分 に 灌 水 す る 。 50% 遮 光 下 で 管 理 し 、 表 土 が 乾 く 前 に 適 宜 灌 水 す る 。
2)取り木繁殖
ユーカリ、スモークツリーなど挿し木の難しいものは取り木する。形質のよいものを
増殖する。
3
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