...

海外病害虫発生情報

by user

on
Category: Documents
79

views

Report

Comments

Transcript

海外病害虫発生情報
海外病害虫発生情報
圃場等における病害虫の早期発見にご活用いただくことを目的に、海外で急速に分布を拡
大している病害虫や貿易上重要な品目に関連する病害虫で、我が国に侵入・まん延した場合
に大きな被害を及ぼすおそれのある病害虫に関して、新たに収集した海外での発生情報等に
ついてお知らせいたします。
圃場等で見慣れない症状や害虫を発見された場合は、最寄りの植物防疫所あるいは各都道
府県の病害虫防除所等に必ずご連絡をいただきますようお願いいたします。
○農林水産省植物防疫所のホームページ → http://www.maff.go.jp/pps/
○都道府県の病害虫防除機関等へのリンク→ http://www.maff.go.jp/pps/j/link/index.html#1
○侵入を警戒している主な病害虫 → http://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/gallery/byougai.html
1.トマトキバガ〈仮称〉の発生地域拡大(害虫の解説:別添①)
(1)最新情報
トマトキバガ(チョウ目キバガ科の一種、学名:Tuta absoluta、英名:Tomato leaf
miner)は南米原産のトマトの重要害虫である。EPPO(ヨーロッパ地中海地域植物防疫機
関)は本種の侵入を警戒していたが、2006年にスペインへ侵入したのを皮切りに EPPO
地域内外に分布を急速に拡大している。
アメリカ農務省動植物検疫局(USDA APHIS)は、2011年3月に新たにエジプト
等アフリカ・中東・ヨーロッパ・中南米の7ヵ国を本種の発生国に追加した。
【米国がトマトキバガ〈仮称〉の発生国と見なしている国(下線は追加国)】
中南米:
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、ケイマン諸島、コロンビア、チリ、
パナマ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ボリビア
ヨーロッパ:アイルランド、アルバニア、イギリス、イタリア、エストニア、オーストリ
ア、オランダ、キプロス、ギリシャ、コソボ、スイス、スウェーデン、スペ
イン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、
フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、
マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア
アフリカ: アルジェリア、エジプト、チュニジア、西サハラ、モロッコ、リビア
中東:
イスラエル、イラク、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、バー
レーン、パレスチナ、ヨルダン
(2)被害
本種は南米原産でトマト等のナス科植物の重要害虫であり、幼虫が頂芽、葉、茎、花及
び果実を食害し、収穫量や品質が著しく低下する。
(3)植物検疫での対応
本種が分布するほとんどの地域にはチチュウカイミバエ及びタバコべと病が発生してい
るため、トマトを含むナス科植物の生果実及び生茎葉は輸入が禁止されている。
(最新情報源)USDA, APHIS(アメリカ農務省動植物検疫局)の該当ページ:
http://www.aphis.usda.gov/import_export/plants/plant_imports/federal_order/index.shtml
(トップページから 3 月 9 日の情報を検索)
2.米国における Sweet orange scab(スイート・オレンジ・スキャブ)病の発生
地域拡大
(病原菌の解説:別添②)
(1) 最新情報
アメリカ農務省動植物検疫局(USDA APHIS)は、2010年 7 月テキサス州、ルイ
ジアナ州及びミシシッピ州で Sweet orange scab(学名:Elsinoë australis) 病が米国で
初めて発見されたことを受け、2010年12月に上記3州を同病の検疫地域に指定し、
カンキツ類の生果実や生植物等の州間移動規制を開始した。
その後、フロリダ州において2010年 12 月にグレープフルーツ樹及びダイダイ樹、
2011年 1 月にタンジェリン樹から、またアリゾナ州において2011年 1 月にタンジ
ェリン樹からそれぞれ同病が発見されたことを受け、現在、発生範囲の確認調査が実施さ
れており、今後検疫地域の改正が行われる予定。
(2)被害
本病はオレンジ、レモン等のカンキツ類に寄生する植物病原性の糸状菌(カビの仲間)
であり、果実・葉・幼梢にかさぶた(Scab)状の病斑を形成する。特に果実に形成された
病斑により商品価値が失われる。本菌の伝染は,果実・葉及び幼梢上に形成された古い病
斑が第一次伝染源となり、風または雨滴によって伝染が起きると考えられている。菌は寄
主上の傷から侵入し感染を起こす。
(3)植物検疫での対応
米国産カンキツ類の輸入検査において、生果実の病斑の有無を綿密に確認している。
(最新情報源)NAPPO(北米植物防疫機関)Official Pest Reports:
http://www.pestalert.org/oprDetail.cfm?oprID=475
Fly UP