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重度障害者の地域生活支援の充実について (PDF:88KB)
重度障害者の地域生活支援の充実について 【提案先】厚生労働省 1.提案内容 重症心身障害者や強度行動障害者を受け入れる通所事業所や グループホームへの支援の充実 (1) 医療依存度や介護の困難性が高い利用者に対応する看護師・介護職員等が 配置できるよう、基準以上のより手厚い人員配置を行った場合の加算の充実な ど報酬体系の見直し。 (2) 特殊浴槽やストレッチャー等が使用可能なスペース、災害時の避難対策に 必要な設備等が整備できるような助成制度の拡充。 2.提案の理由 ○ 本県では、重症心身障害者を受け入れる生活介護事業所が身近な地域に少なく、約 80 名の重症心身障害者が地域生活を望みながらやむを得ず入所施設への入所希望を 出す状況。 ○ 実際に、重症心身障害者を多数受入れている生活介護事業所では、看護師は約3人、 生活支援員は1対1対応に近い人員配置を行っており、また、強度行動障害者も常時 見守りが必要であることから、これら重度障害者に適切な医療ケアや支援を行うため には、国の定める報酬ではこういった配置は困難。 ○ また、ストレッチャー等を利用することが多い重症心身障害者も利用できる通所事 業所やグループホームを整備していくためには、特殊浴槽の設置のほか、廊下や部屋 等のスペースも広くとる必要があるとともに、災害時の対応のためのスプリンクラー の設置など施設設備面での対応も重要。 ○ 重症心身障害者や強度行動障害者等の重度の障害がある人が、身近な地域で継続し た生活を送るためには、これらの人たちを受け入れることのできる人員体制と設備の 整った通所事業所やグループホームを増やしていくことが必要。 (本県の取組状況と課題) ○取組状況 重度障害児者の支援を一体的に実施する「重度障害者地域包括支援事業」を平成 25年度より県と市町が共同して行い、重度障害児者の地域生活を支援している。 (1) 重症心身障害者や強度行動障害者を受け入れる生活介護事業所への支援 ア 重症心身障害者への支援の充実 重症心身障害者に対する医療的ケアや適切な支援を行うために、看護師や直接処 遇にあたる職員を手厚く配置する事業所に対して、報酬に上乗せして補助。 <対象事業所> 重症心身障害者の割合 50%以上の生活介護事業所 <対象配置基準>・看護師:定員1人につき 0.1 人(国の基準は施設に1人以上) ・直接処遇職員:利用者 1.4 人につき1人 (報酬上の人員配置体制加算の最大基準は 1.7 人につき1人) <基準単価> ・看護師の配置加算:1日あたり 580 円/人 ・直接処遇職員の配置加算:1日あたり 1,520 円/人 イ 強度行動障害者への支援の充実 強度行動障害者に対する1対1対応など、きめ細かな支援の提供のために、対象 事業所に対して補助。 <対象事業所> 障害程度区分が5以上かつ行動関連項目 15 点以上で、新規通 所後3年未満の者が通所する生活介護事業所 <基準単価> 1日あたり 6:1 事業所 9,100 円/人 ~ 1.4:1 事業所 3,100 円/人 (2) 重症心身障害者等を受け入れる生活介護事業所やグループホームの整備促進 重症心身障害者等に対応した生活介護事業所やグループホームの整備を促進する ため、特殊浴槽等設備の整備等の掛かり増し経費を補助 <基準額> ・新規創設:20,000 千円以内 ・機械浴槽等設備購入・設置:5,000 千円以内 ○課題 重症心身障害者や強度行動障害者を受け入れる事業所の運営については、本来、事 業所が実際に加配している人員配置を評価した報酬の算定を行うなど、国の制度とし て継続的に安定して重度障害者の地域生活を支援するシステムを構築すべきであり、 地方公共団体の裁量的経費のみで支援し続けることは、制度的な安定性を欠いた状態 にある。