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金の価格・ 価値および物価

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金の価格・ 価値および物価
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金の価格・価値および物価
酒井, 一夫
北海道大學 經濟學研究 = THE ECONOMIC STUDIES,
13: 55-79
1957
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/31041
Right
Type
bulletin
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Information
File
Information
13_P55-79.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
金の価格・価値および物価
き
酒
井
夫
と
の価値が高ま
半減され、物価水準は二倍に上昇することになる。金の}価格がその価値の表現でないとすれば、金の億価は
算 単 位 を 定 め て い る に す ぎ な い の で あ る 。 も し 金 の 価 格 を 、 た と え ば 金 一 匁 一 O円 に 引 上 げ る な ら ば 、 価 格 の 単 位 た
はない。それは金一匁五円というふうに、 金 の 一 定 重 量 に 円 な る 貨 幣 名 を 与 え た も の に す ぎ な い 。 い わ ば 金 重 量 の 計
ら、価格の騰落はつねに価値の増減を表わしている。 し か る に 、 金 の 価 格 は け っ し て 金 の 価 値 を 表 現 し て い る も の で
だが、金の価格と金の価鑓とは全く異なるものでゐる。商品の価格は商品の価値を貨幣名で表現しただけであるか
っているのだから、金の質上価格を引上げねばならない、
。
の 価 格 の 動 向 は つ ね に 人 々 の 注g を惹く。金の自由市場錨格が異常に騰貴すれば、 人々は主張する、
ざいきんは金問題もやや落着きをとり戻したようであるが、 金は価髄尺度であり、国際的支払手段であるから、
ー
ヵ
さを逆数的に表現することになるのである。
- 55-
え
このように金の価格と価値とは明確に区別されねばならない。 と こ ろ が さ き に 述 べ た よ う な 主 張 は 全 然 誤 り と は
経済学研究
金
ま
何によって表現されるかといえば、 そ れ は 商 品 物 価 に 表 わ れ る ほ か な い の で あ っ て 、 物 価 の 騰 落 は 金 の 交 換 価 値 の 大
る
E
金の価格・儲値および物価
酒弁
いきれないのである。というのはん況の価裕と金の怖値とは思別されながらも、 そ れ ら は け っ し て 無 関 係 で は な い か ら
である。じっさい金の価値変動が金の価格に影響を与えることがある。 しからばそれはなぜ、 どのように
るか、この点を究明することが小論の課題である。ことに金の価格も価値も、その変動はひとしく物価変動を惹起する
ので、この区別と相互作用の解明がひとしお重要となる。この問題についてはわが国ではすでに岡橋教授の労伶もあ
り、そこには先導的な見解が示唆されている。叙述に当って商品価値の誕動から起る物価変動は一応抽象して行く。
符橋保﹁金の価格理論﹂昭和三十一年
一、金の価格と価値
の姉値と価格との関
に金に適用されるのである。 ひところ喧しかった金の質上価格引上論もかかる立場に立つものであって、
は多くは金生産国かちなされており、 そ れ ら の 閣 の 利 害 関 係 も 絡
が減少し
の各種紙幣にたいする交換率﹂、他は
に注目して見ると、戦争中は、
はほとんど間同じであるの
- 56-
また﹁金の価格﹂と商品の﹁金価格﹂とは区別する必要がある。
必νカ
ルに引上げるべきであるというにあった。この
である。 いま、 商品にたいする
せねばならぬはずであり
之に反して戦後は
の変動を区別加せねばならぬという。
vγ
、 ルル Hリ ス ト の 見 解 を 検 討 し て み
むであろう。 そこで純理論的立場から金の公定価格引上今一叫んだ代表者の一人 v
よ
ヲ
フ
。
リストによれば、金の
にたいする
の金価格は
の
t
土
F乙
〉
一オシス一一一五ドルの公定資上価格は、 金の生産一費を償うのにはあまりに安すぎるから、この価格をたとえば五O ド
一
、
ソ
ミ
﹁金の価格﹂と金の価値とは別語のものである。 しかるに、これはしばしば混罰される。
(
1
)
たのであるから
の
戦争中には
は急速に治加したのであるから
の故であるという。たとえば
一ムロの自動
がい九一っている。こうしたバカげたことがなぜ生
の金価格は下落せねばならぬはずであった。ところがじっさいは、
戦後はその
一オンスの金にコ一五ドル紙幣よな支払うアメリカの金
の
一九四
を買うために二
と同じ量の商品及び寸ノービスに値いしつ、つけている
(商品の
の金を要することを意味
は急速に増加したか
は、一ドルが
g 昔日S23
七回℃
-2
七O分の一オシスに盟定することである。﹂このように﹁現実個寵﹂と異なる金
じて、アンリ日ドニは﹁貨幣一論﹂の中で、限界学派包白話一口
mw]山田 HHH
ハ
向
。
J﹀
ぬおよびそれが依拠するところの貨幣数量説を徹
を修正するのではなく﹁ドル紙幣の金価格﹂ Z 究交号由門EE23志望230吋を修正することが不可欠であるという。
の﹁人為的価値﹂を、 立法的に維持することの誤りを指摘し、﹁会のドル紙幣価格﹂ ZH)司女帝ぎ吋
一ドルを一一一五分の一オンスの代りに、
を以前の価格の半分に定めねばならず、したがって一オンス一二五ドルの価格を二倍にせねばならない。帰するところ
が 以 前 に 代 表 し て い た 金 の 半 分 し か 代 表 し て い な い 。 も し 一 ド ル 紙 幣 を 金 に 免 換 さ せ よ う と す る な ら ば 、 その金価格
九四O 年 に 買 い 得 た 商 品 及 び サ l どスの半分しか買い得ないほど増加している。 そ れ ゆ え 一 ド ル 紙 幣 は 、 も は や そ れ
ら、金がそれ以上に値いしていると信ずべき潔白さえもある。)しかるに向じときに、流通ドル紙幣の
一オンスの
かれによればベ一方で、金の生産は同一であるから、 そ の 実 質 購 買 力 が 一 九 四O 年以来変化したという理由はない。
示すパラドックスがある、 とリストは一買う。
する。 つ ま り 金 の 購 買 力 は 半 分 に 減 少 し た こ と に な る 。 こ こ に 金 の 公 定 買 上 価 梼 を 不 変 に 維 持 す る 現 行 制 度 の 矛 窟 を
て得られる一二五0 ド ル で は 、 半 分
ρ自動車しか買い得ない。これは、
本は一一一五0 ドルから七0 0ドルに、戦前の価格のニ信になった。 その結果、 アメリカに一 O オシスの金をもって行つ
じたかと言えば
の
底的に批判し、金の労働生産費による尚品価格水準の決定およびこの物価水準による貨幣数量の決定を強調する。そ
経済学研究
- 5
7ー
。
十
主
金の価格・価償および物偲
諮弁
れにも拘らず、 かれは金の生産費の変化と金の価格変更とを、 そ の 効 果 に お い て 全 く 同 一 視 す る と い う 立 場 に 陥 っ て
かれはまず
の価格は潟品価値の貨幣価値に比し
にするばかりであるという。 こういう観点から
に当つては﹁歴史的な枠﹂を朕める必要があるという。 そ れ を し な い で 抽 象 的 に
いる。 しばらくかれの言うところが}聞こう。
かれによれば、設幣問題の
察することは貨幣問題に光明を投ぜずして、 徒らに
金本位制別において、 金生産費による正常物価水準の決定を明らかにする。
ての表現であって、価格の正常水準は商品価値の箕幣価値にたいする比に対応するものである。 ところでこの商品価
柊の正常水準は、全生産部門における利潤がもはや生産邸内相互間に資本の移動会生じさせないようなもので め
φ ると
商品の正常価格
の流入、信用貨幣の
- 5
8ー
きの価格である。そのばあいには諸商品の正常価格問の比率は、近似的には溜品位領間の比率に対応する。このよう
な蕗ロ間関の関係は、商品と金とのあいだの価格比率と価値比率についても当てはまる。すなわち、
は金の価格との比率において、溜品の労働生産費と金一の労働生産費との比率をおおむね言い表わすようなものでなけ
の商品に
ο ドニは幅値理論の教えるところは以上のごとくであるとしての
ればならない。金の価格は国家により定められるから、 それが与えられている限りにおいて諸商品の価格は、 それら
商品の価値に搭じて決定されてくるというのである
ち、そこにいたるプロセスを問題にする。
金生産国において、金生産費の低下が起ったとする。新鉱採掘のために要する資材の需要は増加し、
ついて価格際費が生ずる。生産費を低下させた鉱山は大きな利羽仰を得る。けだし金の価格は変らないか円である。こ
の鋳造
に入っている。物価は一時商品生産費と金生産費との比率に対志する
を増加させる。
の判判別伺は生産財の購入に宛てられるか、消費討の購入に用いられるか、 い ず れ に し て も 物 価 捻 賞 争 挺 進 す る 。 こ ら 私
伍騰貴および経済活動の一般的発震が
張により充足される。経済は一般的繁栄の
l
ま
水準を超えた後、この水準に落つくであろう。物価の正常水準は金生産者の利潤率が一平均科潤率に
したとき達成さ
せずにはおかない。だがまた、金の価格の変更も同じく商品物部
れるであろう。新たな物価水準は金の生産費が高かったばあいより高い水準にある。
の変化はすべて物価変動を
Q
結果は物価総費である。反対に
ばならぬことが依然として妥当するという。
の価格を引下芯合員一口氏一。ロげるならば、
則が貫撤し、したがって先に述べた商品の価格が金の価格にたいして、それら相互の価値比率に等しい比率にならね
の維持を不可能にするような反作用が現われるからである。こうしてドユは不換紙幣制度てーにおいても、金の価値法
ない。というのは、金のヤミ市場が発達し、そこでの価格が金の価値な反映しようとするし、また金の人為的な価格
なっているから、金の価格はその正常価格に対応しないかも知れない。しかし、価値法則はけっして権利を失ってい
利潤を保証させる価格である。じっさいには金の価格は霞家によって決定され、国家がその価格での唯一の購入者と
ろうとする。この価格が窃品の正常飯格である。金にかんしてもやはり正常価格がある。この価格は金鉱企業に正常
金本位制停止下においても、諸商品の価格は呉なれる生産部門に実現される利潤率が大体等しいような水準に決ま
動する。﹂そしてこの見解は不換紙幣制度においても貰かれる。
する。﹁諸商品の正常価格は、金の価格及び商品の労働生産費と間じ方向応変動し、金の労働生産費と反対の方向に変
このようにドニは、金の価値変化と金の儲格変更との物価勝賞に及ぼす作用を全く同一に見て、次のように定式化
商品物価は下落するであろう。
ロセスが展開されるのか一見るはずである
︽
同
小
︿
釦
円
ロ
伊
丹 FODさせるならば、 金生産者の科潟は増加する。そして金生産費低下のばあいに分析したプロセスと同じプ
を変動させる。もし国家が金の買上価格を引上げるならば、換言すれば、設幣単位により代表される金の重量を減少
の
経済学研究
- 59ー
か
く
金の岡山格・街値および物価
けれども、価値法則は作用し続けるとはいえ、それは同じようには現われないという。なんとなれば﹁金の価値の
の価格が
ること宏一般に期待してはならぬ﹂
}IQQ
一
では
その結果貨幣章標
ロになる!ことが解る。
は金のより大なる量介一表わすよ
の利器増大となり、 それは金生産を増加させ‘ そ し て 自 由 市 場 に お け る
の価値が減少するとしても
変動は金の価格の変動な伴うが、貨幣(北一長主問中擦の意味i 筆者註)価鑑の変動を伴わない﹂からである。したがって、
不換紙幣制度においては
のである。金一の価値が減少すれば
c
Rされ
金 に 比 し て 平 価 切 上 芯 雪 山はより大なる
の価値は一二つの相反する作用を受けるーその結果は
金一の価格を下落さぜる。
うになる。
(7J
グラムの金はより少ない価値をもっ。しかし他方では
る
。
の依偲は一変ちないことになる。﹂このようにドニは、価値法尉が貫かれるために、全商品の価格が騰貴することを必ず
しも必要、としないことをしぶ
に立ち、ドニは
に立ちながら
同じように金の価格は金の価値によって決定さ
以上のごとく、ドニは金の価格に価値法則の作用を認めることによって、金の価格を商品の価格と同一範障におく。
リストは
の
ついに金の倒格変吏の効
の姉曜の表現(費幣を通じ
となる金の重量を定めているものであ
の姉格は
の諸価格と同一視する結果、
の価格は金と商品との価値比率に基いて決定されると説く点においては正しいのであ
金の価格なる名称または現象に舷惑されてあまりに
格が与えられている限り、
るが
じであると把援してしまう。
すものではなしに
の価格と呉なり、けっしてその依慣の表現ではない。
金の価値変化の効果と
金の価格は
ての)であるが、んず一の価格は金の
る。一だから、金の価格は金の価値が如何に変化しても、依然として関定された価格であり得るのである。かりに余の
し
、
-60-
酒
井
れ る べ き も の ゼ あ る と 説 か れ る ο ドニの、はあいは、 金の価格決定機構の特然性に着目しながらも、 し た が っ て 金 の 価
の
価格が一オシス一一一五ドルに定められているとき、金の傾値が半減すれば、
一ムロの自動卒を以前には金一 0 オンス H
五0 ドルで買えたものが、 いまではニO オシス日七C Cド ル で な け れ ば 買 え な い こ と に な る 。 金 と 商 品 と の 交 換 率 は
変る。 しかし、 金の価格はやはり一オシス一二五ドルで占める。もともと金の価格は重量名称にすぎないから、金の価依
の価格は変動
一ムロの自動卒はいまや五0 0ドルに
いのである。その代り、金の価格が変更されれば、 金の価値に変化がなくても、
一オシス一一一五ドルが五心ドルに改訂された(価格標準の切下)とすれば、
変九%には
ーする。
であるとはいえ、それらは別
なるであろう。このばあいには会に価値変化が起らずに、金の価格変更によって商品価格が変動したのである。
このように述べる限り、 会の価格と金の価値とはひとしく商品物価岸一変動させる
一方が変化すれば必ず他方もそれに応じて変也せねばならぬというようなものでないことは、明
-61-
個のものであって、
のように忠われる。 ところが、前述の諸見解のように、 金 の 価 格 が 金 の 価 値 に 対 応 せ ね ば な ら ぬ と い う よ う な 意 見
ひいては両者会}間一⋮祝する見解を生ぜしめるようになるのである。
とが相互に交錯する場合が現実に展開されているので
が生じてくるのはなぜか。問題はむしろここにある。金の価格が金の価値とは別個の、ものでありながら、なおかつ両
そのことが両者の区別を酸味ならしめ
者は無関係ではやωり 得 な い の で あ る 。 金 の 価 値 変 化 と
あって
戸
、
。
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民
ふれし
H
・
いまそれは普く措いて、 さ し 当 り 金 本 位 制 下 に お け る 金 の 価 格 と 価 値 と の 区 別 な ら び に 両 者 の 相
この占山については、 ド ニ も 指 摘 す る ご と く 、 金 本 低 制 下 と 紙 幣 流 通 下 と で は 異 な っ て 現 わ れ る 。 そ こ に 疑 問 の 余 地 も
増すわけであるが
互作用について少し
。町田岡山岳出羽山田グむか均四阿阿国自品岳町。司、同申印臼・開}
MV-moimN-
H2FSF℃ヤロ
同L師、言。ロロ曲、日夕同盟問ゲ加。匂州
阿 g-FO
w
℃・口一件二句・ HON
・
経済学研究
mg江口SF
(
3
)(
2
)(
1
)
金の価格・岡山億および物価
ζとをあげて
ヒルブアディジグはこれを否定するのにたい
の価格に影響しないから商品物価の騰貴に作用ぜずというのである。金生産における変
ヒルブアデイシグは中央銀行における
白とするところは異なるように見えるけれども、 グ ア ル ガ の 論 拠 も 金 が 間 定 せ る 価 格 で 発 券 銀 行 に よ っ て い く ら で も
金にたいする無限の需要が金生産の事情如何に拘らず金の国定せる価格を維持するからであると説く。その間に、理
件の下で生産される金の生産費によって価格が決定されるからであると説き、
化が、なぜ金の髄格に影響しないかという理由にかんしては、 グ ア ル ガ は 金 は 農 意 物 と 同 じ よ う に も っ と も 不 利 な 条
費低下がらっても、それは
して、 カ ヲ ッ キ ィ 、 パ ヲ エ ル は こ れ を 品 同 定 す る 。 グ ア ル ガ や ヒ ル プ ア デ イ シ グ が そ の 論 拠 と す る と こ ろ は 、 金 に
る。金の生産費低下が物価騰貴を惹起するか一台かを巡って、グアルガ、
金の髄笹変犯が金の価格にいかなる作用をもっか、また物価変動にどう影響するかにかんしては、対知の論争があ
二、金の錨億法尉と金の価格の固定性
r
v
g山田∞田口品目出入 uup司目白血見山田仲
-af 匂-HmO)0この見解は会くリストと同じである。
いる(。喝
2
以上の引用は。匂・白山了間)同)・回目。1
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m由︿ロ由円四g出
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広O
品
開 VO
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口 0300M︼
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cp同盟問司、匂・∞ 4H
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とのあいだの根本的不均衡﹂を示すものであって、そのためトランスヴアルでは利潤げが減少し、金盆蔑が低下した
。
富
山
間
・8 ・ox--MVHMR
。出口町田は、アメワカが物価総覧したにも拘らず、一オンス三五ドルの質上価格を維持していることは、﹁金の侭格と他の商品物岡山
i
。
)
産費の変動である、とドェは注意しているO(USUL
nFL)℃-HNU出
必-
動はこれらの商品を通じて不生産国に伝わる。問時吋に不佳麗留におけるこれら藷品の生産費の変化は、不生産国にとって金の生
金不生産国にとっては﹁金の生援費は賃金属号待るために外国に送らねばならぬ商品の生産費であるよだから、生産関の物儲変
務
弁
買上げられることを前提にするものであるし、 ま た ヒ ル ブ ア デ ィ シ グ も 生 産 費 を 切 下 げ た 金 鉱 が 金 の 価 格 盟 定 の ゆ え
- 62-
(
4
)
(
6
)(
5
)
(
8
)(
7
)
に差額地代を得るのみとしている点はグアルガと同じである。要するに、かれらは金については競争の作用を否定し、
の価格決定における価値法則の止招を主張するのである。
これに反して、 カヲッキイとハクエルは金についても姉位法郎の貫徹を認め、 金の生産費低下は蕗品物価の
に増加利潤を生ぜしめる、 この利潤治大は新資本を金鉱に惹きつける。諸生
作用す臼はずと、主張する。しからば、 金の生産費母下はいかなる過程を通じて、商品物価の昂臨服売もたらすか。パク
ユルによれば、金鉱の技術的発展は
産部門間における社会的資本の分配は変更される。金採鉱に百討する生産手段および金鉱労働者の生活資料にたいする
せしめ、生産拡張、雇用増大、信南膨服、 そして物
需要が増大する(これにたいして議品の供給は資本の金鉱流入がなかったときより少ない)。こうして商品価格の騰貴
が起る。商品価格の時間貴はこれら生産部門における利潤率を
価騰貴と、要するに一般的な好況局一朋が展開される。 ところが商品物価騰貴は金採鉱業における生産費を上昇させ、
人倍以鉱の利潤求?を低下させる。この利潤率母下により、他の諸部門における利潤率と一致するに至れば、会採鉱の拡司法
は止み、金鉱における技術的京新のため生じた以上の擾乱は均衡に復するというのである。 か く て パ ヲ エ ル に よ れ
により導かれるのである。 したがって、金の価値変動は必ず商品物価の変動を惹起する。
ば、金の価値低下は社会的資本の再分配を通ずる科潟市中の平均化運動を惹起するのであるが、 この利潤率平均化運動
は窃品価格の
金の価値法剤にかんする限りパヲエルの推論は異論を許さぬものであった。けれども、右の過程において﹁金の価
に増産されても、国家が不変価格で石川認を無
ヒルブアディングの金の固定せる価格を証明せんとする国家石油掠占の川引を批判した箇処で、 この占⋮につい
洛 ﹂ は 一 た い ど う な る の か 。 パ ヲ エ ル は 金 の 僻 格 に つ い て は 直 接 論 及 し て い な い が 、 かれと同じ意見に属するカヲツ
キィは
て触れている。カヲッキイによれば、採油技栴の改良により石油が
眼に買入れるならば、回出家は彼虫ほして了う。従ってかかるばあいには、﹁国家は価洛を引下げるだけの可能性を持って
経済学研究
-63-
f
こ
金の価格・価値および物偲
たとえそれがおる程度国定
ここでは金の儲絡を指す)というのは
の価格について
おらねばならぬよだから﹁同一不変の交換比率﹂(貨幣と商品との交換比率、
不可能である、 と 。 こ う カ ク ツ キ イ が 述 べ て い る の を 克 る と 、 かれが
は金の価格を一
としても充分成立し得るのであって
必ずしも金
るに充分で
の内部における競争は存しな
一一自において、 か れ が カ ク ツ キ イ の ヒ ル ブ ア デ イ シ グ 批 判 に 双 子 を 挙 げ て 賛 成 し て い る と こ ろ
的であるにしても、金の価値変動に従わねばならぬものとしていることは明らかである。之に反して、パヲエルはこ
の点明言していない。
からすれば、カヲッキイに同調しているように見える。けれども、かれが
d
い ﹂ と 述 べ て い る こ と は 、 金 の 生 産 費 母 下 に も 拘 ら ず 金 の 価 格 は 不 変 で あ る 、 と点々えていたととを
メ会-
カ
ミ
'
:
"
¥
1
Z
.
価
格
の
比
し
て
'
f
こ
解消することになるからである。
金の
るからである。
の移動が行われ
の相対的有利判性も
との交換率に変化が生じ
に生産費低下があったばあ
かくして
低下しても、金の価絡が国定されている戒に、物価時貴を
い と し た こ と は 明 ら か に 正 し く な か っ た 。 之 に 反 し て 、 カワッキイやパワエルが、 金 の 生 産 費 低 下 は
グアルガやヒルブアデイシグが
に表われさえすれば、 金と
しさえすれば達成さ
せずとも、海品価格の
対
B
'
:
J
たことになり、 金 生 産 部 門 と 一 般 商 品 生 産 部 門 と の あ い だ に
相
のは正しくない。
}の点パ門/エルは金の
不 動 と し た よ うι
その理由というのが
の価格と同じように類推したとの混
とれるのであるが
内部における競争は存しないことに め
φ るのだすれば、バワエルも金の価格を
同は免れがたい。むしろ、前一一考の金の価格のその価値からの独立性を説く方を優れりとする。ことにヒルファディ
64-
活
弁
あろう。 またじっさいに、 さ長、のパウ エルの
価
格
の価格変動を必要とするものではない。なんとなれば、パワエルのいう生産部門間の資本移動、利潤率の平均化は、
o
それは金の価格になん
口口
させるとしたことは正しい。しかし、 カ ク ツ キ イ の よ う に ん た の 倒 笹 変 化 に 芯 じ て 金 の 価 格 が 変 動 せ ね ば な ら ぬ と し た
し
な
い商
シ グ は 金 の 価 格 が ﹁ 重 量 比 率 ﹂ に す ぎ な い こ と を 見 抜 い て い た の で あ る 。 しかし、
ヒルブアデイシグは﹁社会的流通
の価値はその価格に表現されるが、金の価
の明らかにした通りである。しかし、金の価値変動は商品の幅値変動とは同じようには表現
価値﹂の誤謬を犯したために、 金 の 価 値 法 問 を 否 定 す る 結 果 に な っ た 。 金 に つ い て 、 他 の 商 品 と 同 じ よ う に 価 値 法 則
が貫徹することは後
されない。金が貨幣商品たることの特殊性はここにふめるのであって、
値はその価格に表現されるのではなく、 むしろ諸商品の金価格に表現されるのである。換言すれば、 金の価値は金と
と の 交 換 比 率1 価 値 比 率 に 表 現 さ れ 、 人 支 の 価 格 は そ れ 白 身 の 霊 最 比 率 、 を 表 わ す に す 家 な い の で あ る 。
ζの論争は、笠信太郎訳﹁金と物価﹂ハ昭七)およびカウツキイ﹁貨幣論﹂(向坂・岡持訳、昭九)に収められている。
パウエルは金生産部門と蕗口問生渡部門との競争を考察するに先立って、工業部門と農業部門との競争ぞ考
- 65-
カウツキイるだいたい之と同じようど説明をしているし、ハ﹁貨幣論﹂一三七東以下)ゲアルがでさえもパウヱルの塑論的に正し
Q
いことを認めいびるを得なかったoq金と物価﹂一七五l 六
一
良
﹀
における競争は
の減少が、資本投資の移動という廼り
の成果を、
の教訓は、 金の伎価法則則が貫徹されること、 お よ び 金 の 価 格 が 生 産 費 の 如
察しているが、このばあいには工業における生産資低下は、工業部門内競争により工業生漆物の価格下務、阿部門間競争により
つ盆と物価﹂一四九頁
農産物の価格附綿貫を起すとしている。
丘、金の価値変動と物価
金の価値と物館騰貴をめぐる上述の
何に拘らず閤定的なことを明らかにした点にあると思う。ヴアルガはこの
としては作用しないこと:::;::および他の商品にたいする
の 簡 明 ﹂ に あ り と し た が 、 内 部 競 争 が 行 わ れ な い と い う こ と は 、 ある
お
の
し た が っ て 金 の 個 別 的 価 値 の 低 下 が 金 の 市 場 価 値 を 下 落 さ せ な い と い う こ と で あ る か ら 、 金の市ー
道かげ}経てのみ起るということの
る生産費の節約が
経済学研究
け
(
2
)(
1
)
(
3
)
金の価格・間山値および物価
均値笹の下藷なしに会の他商品にたいする交換価値の減少が
の規定で
ヴアルガは金の価格の不変なことを
ることになる。 しかし、商品の価値に変化なきとき、
金 の 価 値 下 落 な し に ど う し て 金 の 交 換 価 僚 が 減 少 す る で あ ろ う か 。 回?っに
には内部競争がないということによって根拠づけようとしたのでらろうが、もともと金の価格は
るために金の市場価値の不変を立託したのである。このことは多かれ少なかれ、パワエル
あり、国家によって決められるものであるから、 そ れ が 金 の 価 髄 変 動 に も 拘 ら ず 開 定 的 な の は 当 然 な の で あ る 。 か れ
は金の価格の不変を
にも当てはまる。
況
商品の価格のように、 その価値の表現ではない。 だ か ら 金 の 価 値 変 動 は 金 の 価 格 に 現 わ れ る は ず は な
λ の倍格は、
の価値を表現し、他方では金の価値な表現する。ただ蕊口聞の価値増加
の金にたいする交換率はすなわち溜ロ聞の価
いのである。会の伺候変動は金と交換されうる諸商品回一一民の多寡をもって表現されるほかはないのである。 かんたんに
一方では
言えば、 金 の 商 品 に た い す る 交 換 率 に 現 わ れ る の で あ る 。 ところが、
λ
住民の価格はそ
とを一応匹別すれば
ば貨幣単岱たる会意思一良を決定
の価格は金と鋳貨との交換率と言うこともできよ
に貨幣名を与えるにすぎず
伎は交換価値として現象すると言うのはこのことである。
これに反して、
するにすぎない。もし、米鋳造金と
は、ただ令一の重量名称を価格名称にい転化
さ せ る に す ぎ な い 。 令 一 匁 を 五 月 と い う よ う に 。 しかしながら、金本位制下では、 令 と 鋳 貨 ( あ る い は 鐸 貨 の 代 用 物
にかんするものだることに変りはない。だから、金と鋳買との
ぅ 。 げ だ し 、 前 者 は 本 来 の 度 量 単 位 を も っ て 、 後 者 は 貨 幣 単 位 な も っ て 計 算 さ れ る か ら で あ る 。 しかし、 い ず れ も 金
コ
ぜ
-66-
金
酒
井
に、金の価値増加は交換率の下降にというように、価値の増減が反対に表現されるだけである。
格である。だからこの交換率は
の
の儲値はすべてこのように、相対的に表現されるのみである。それは貨幣商品にとっても全く同じである。商品の価
t
工
の
たる免換銀行券)とは原則として碍じものであるから、金と鋳貨との交換率もさし当つてはたんに形態の差異を示す
との交換率のみに現われる。 かくして
金の生産費低下は溜口問
にすぎない。それ故、 金に価信変動が起れば、 それはすなわち銭安の価値変動であり、 こ の 両 者 の あ い だ に 議 離 の 生
じようはない。したがって、金の価値変動は金と
諸価格を騰貴させるが、金には内部競争はないから金の価格は不変であるというような、金の市場価値の変動を無視
(紙幣)との
は重要な意味をもってくる。紙幣の価値は金の価値と別箇な理由から変動するようにな
し た グ ァ ル ガ や パ ク エ ル の よ う な 議 論 で こ と 済 ま さ れ た の で あ る 。 しかし、鋳貨が発展して国家紙幣に転化すると、
金と
るからである。
- 67-
その前に、ここで一つの問題を片づけておかねばならない。 リ ス ャ の よ う に 、 金 の 価 格 を 金 の 価 値 運 動 に 従 わ せ ね
ばならぬという見解はすでに解決ずみであるが、 ド ニ の よ う に 金 の 価 値 と 価 格 を 一 応 区 別 し な が ら 、 な お 金 の 価 値 低
下と金の価格引上との効果は間同一であるとするのは正しいかどうか。 な る ほ ど 両 方 と も 同 じ よ う に 商 品 物 価 を 騰 貴 さ
に値するから物価が騰設するのである。とれに反して、金の価格引
金 の 価 値 低 下 は 金 と 商 品 と の 交 換 率 を 変 化 (商品にふ得利に) さぜることによって
は前より多くの
の名称を変更するだけで、価値安変也させるものではないから、
したごとく
る部門のあいだに資本の移動が起りょうがない。 つ ま り 価 値 法 則 は 作 用 し な
に変化はないのである。金と商品とのあいだの相対的価値
は閉じままで、 た だ 同 一 の 金 量 を 表 わ す に よ り 多 く の 貨 幣 単 位 名 を も っ て す る が 故 に 、 物 価 は
せるであろう。 けれども、
諸姉格を騰貴させる。
上は商品の錯する
これら
騰貴する。このばあいにはもちろん、金と溜品との
綬済学研究
口口
口
長一般価格水準を騰貴させるのみで価値の均衡化運動を起さない。だから、金の価値低下に基く物価騰資は実質的勝賞
一述の価値運動が起る。 しかし、会の価格引上は
いのである。金の価値低下のときには、 ドニ白身が示したごとく、 ま た か れ よ り 以 前 に パ ワ エ ル が
に変化がないとすれば
商
金の価格・儲億および物価
酒井
の価格引上があった後
で、金の飾格引ょによるものは名目的勝賞だといわれるわけである。
しかしながら、物価鵠震は一挙にして起るものではない。
は徐々に全商品に
透 す る で あ ろ う 。 だ か ら 、 金 の 価 格 が 引 上 げ ら れ た な ら ば 、 たとえば金一オンス一二五ドルが五 Jド ル に 引 上 げ ら れ た
し、その金鉱のし、
よび労局見守か
はやはり五0 ドルに上昇するであろう。
とすれば、それまで産会原価が一一一五ドル'であった金鉱もさし当り利潤を得られるようになるであろう。けれども、閉
もなく商品価格は
は金の価格が引上げられたと同一比率で、 生 援 費 が 増 加 す る の を 見 い だ す で あ ろ う 。 と い う の は か れ が 金 を
これは
が物価騰賓の方向に進
の価格臆
中 央 銀 行 に 売 っ て 得 ら れ る 鋳 貨 が 、 以前より少ない金量しか含まず(一ドルは一一一五分の一才シスから五ひ分の一オン
ο
したり
- 68ー
スに減少する)、したがってそれをもってはより少ない商品量しか買うことができないからである。 ただ
賞の遅れ(労賃は一般に遅れる﹀のみが、 か れ に 一 時 的 な 利 潤 を 許 す の で あ る
む 運 動 の 過 程 に お い て 、 進 行 連 震 の 相 違 か ら 生 ず る 価 格 差 益 で あ っ て 、 かかる一価格運動そのもの
したりするものゼはない。だから、人笠の価値変動があったとき金鉱に生ずる利潤とは本質的に異なるものであって、
このばあいには前述のように価値の均衡化に伴う価格運動が起きれるのである。
せられるのを見る﹂としているが、両者の作用はけっして同一視することを許さないのである。
ドニは物相側騰実現象の形式的問一性のみを見て、金の価格変吏によって﹁金生産費の低下のばあいに分析した過程
と罰じ過程が
Q
﹁念と物侭﹂一七八i九
一
良
。
むしろ、パクエルの談りをヴアルガが再生践していると言った方がよいかもしれぬ。というのは、右のヴアルガの引用文ばパワ
エルの説ぞ承認したものだからでみのる。
国制時叫保﹁金の価格理論﹂七八│九真他各処
飯同教授のいわれる物侭水準の一般的運動における一つの議磯現象に相当するでゐろう。﹁物価の滋論的研究﹂ 一六O頁以下。
(
Z
)(
1
)
(
4
)(
3
)
己
申
一
三
国
4
Hけ・凹YMM・
・n
WCM)
問、金の自由市場価格
の細値とのあいだに手離の生ずる余地はなかった。 だ か ら 、 金
これまで金と鋳貨とは全然間一のものと見倣してきた。またじっさいに金本位制下ではこの仮定は原理的な考察に
は必要であった。この前提の下では、一金の儲値と
の価格すなわち価格標準が金一匁五円と定められていれば、金一匁の交換価値と五円金設の商品にたいする購買力は
によって流通に必要な金量を代表するのゼ、紙幣の各片の代表する
に代位す
相等しく、金の価値変動があっても金一匁の価値と五円金銭の価値はつねに同一であったのである。ところが、紙幣
それは流通する限りの
が流通するようになるとこの関係は必ずしも単純に行かないようになる。 というのは祇幣は流通において
であるが
流通法則によって決定されてくる。紙幣はそれ自身価値をもたず、金の価値を投影するにすぎないのに、 金の価値が
不変であっても紙幣の価値は変動するにいたる。この紙幣価値の変欝は紙幣個片の代表する金量が変化したが故に生
Q
紙幣物価は変動し、 金と紙幣との交換率は変ってくる。
じたものであるが、そうは見えないで金紙の価値の開きとして映じてくる。金一匁の価姐と五円紙幣の購買カとはも
はや開じではない
これと反対に、紙幣流通下において、金の価値が変動したならばどうなるであろうか。紙幣が正しき比例において
金に代位して流通する限り、 金 の 価 倍 増 減 は そ の ま ま 紙 幣 の 価 値 増 減 と し て 反 映 さ れ る は ず で あ る 。 け れ ど も こ の 比
例が破れると、紙幣の価値は特珠な流通法期により規定されるということは、紙幣の価値を金の価値から独立して変
動させる因をなす。もちろん紙幣の価値は金の価値を承継するにすぎないから、 この独立は相対的である。しかし
経済学研究
-69-
(
5
)
は紙幣の流通量に応じて定まってくるからである。紙幣流通下では紙幣の価寵は、金の価値とは独立に、紙幣独自の
る
の価値変動をけっして忠実に伝達するものではない。ここに金の価値変動に基く金と祇融市と
金の価格・偲健および物居間
ともかく紙幣の価値は
の価値の開きが生ずる。 金と紙幣との交換率は変化する。 この変化は公定の交換率と異なる金の価格を現出させる。
換言すれば、中央銀行の金買上部格を上廻り、あるいは下廻る金のヤミ価格、自由市場価格が現われてくる。
大戦後において、金一オンスの公定質上価格は一一一五ドル'であるのに、 金 の 自 由 市 場 で は 一 オ シ ス 五 五 ド ル に
J
少なくとも大戦後
たり(部九年)、 また局地的な相場とはいえ一オシス二八ドルに下落したり(五O年)さえしている。金の自由相場に
おける一時的な急騰落や、局地的な例外相場については必ずしも重課する必婆はないのであるが
金の自由価絡がつねに騰貴の傾向にあったということは、 金 と 紙 幣 の 交 換 率 の 上 昇 (金に有利に)、 すなわち金の紙
この金にたいする紙幣の減価は、紙幣の代表する
そして教授は、前者の例として日本における昭和七年以降イシプレ進
-70ー
幣価格の勝賞を明白に表わしているわけである。 そうなると
となる。 なんと
この甫者は物悩に及ぼす作用を異にするからで め
ともかく、 金の価値
φ る。この点つぎに立入って論ずるが、
が減少しているためであるか、 あ る い は 金 の 価 値 が 増 加 し て い る た め で あ る か を 区 別 す る こ と が
なれば
変動が金の(自由)価格に現われるという、金本位制においてはあり得なかった一つのパラドックスが、紙幣流通に
歪曲されて現出することになるのである。
金の価格にかんする研究に深い造脂を示された岡橋教授は、 金 の 公 定 価 格 を 放 れ た 市 場 価 格 の 騰 落 に 二 つ の 意 味 が
一つは金の造幣価絡の変化を意味するもので、 こ の ば あ い は 金 の 市 場 価 絡 の 騰 落 と と も に 名
Q
(インフレ・デフレ物価)が起る。他は金(または商品)の相対的価値の増減を意味するもので、
あることを指摘される。
目的な物憾の
このときには物価の実質的な騰落を志起する
行期における金の市場価格時間賞および昭和二十四年為替レート設定後の金の市場価格下落(これには次の型が混合し
て い る ) を あ げ 、 後 者 の 例 と し て イ シ グ ラ ン ド 銀 行 正 費 支 払 制 限 時 代 に お け る 金 の 市 場 価 格 騰 貴 お よ び 一 九 五O年春
し
務
弁
上海においてソビエトの会放出のため
った金条栢場の下落をあげておられる。そこでひとしく金の市場価格が騰貴
の減少であり、 いわゆる
一一は名目的、 イシブレ的な物価騰貴であり、他は実質的、景気上昇的な物価騰震であるから、この
したとしても、紙幣減価に基くばあいと、 金の相対的価値上昇によるばあいとがあり、それらが同じように物価騰貴
を起すとしても、
両者は厳重に区別されねばならぬという。
イシプレ lvvョシの進行中などに現われる金の市場価格の勝賞は、紙幣の代表する
の相対的価値の
はどうして物価臆震を惹起するであろうか。金の価盤上昇はむしろ、
一般蕗品価格
の価格標準の切下(金の鋳造価終引上﹀であるから、 それが物価際費にあい伴って生ずることはいうまでもない。
けれども、
と溜ロ聞との不等価交換は、金生産部門における労働の生産性低下をさたし、金の相対価格の騰貴
の下落合}慈起するはずではなかろうか。この点について教授は言われる。﹁けれども金にたいする需要の増大、 会の価
値以上への勝賞、
が金価値そのものの騰貴によって国定化するまでのあいだは、ひとまず紙幣減価の形をとり、金の紙幣価格の騰貴に
反映される。この限りにおいては第一の金の価格の騰費、 したがって紙幣の減価と似ているが、第一の紙幣の減価は
回定的であるのに反し、第一一のばやめいにおける紙幣の減価は一時的であって、やがて物価の実質的下落によって紙幣
の価値そのものも騰貴するにいたるにこれによって見ると、金の相対的価値上昇は窮局的には紙幣の価値を増加さセ
るはずなのであるハしたがって物価下落)が、 それにいたる関において一時紙幣減価(したがって物価勝賞﹀の形を
とるとき口われるのである。この﹁ひとまず紙幣減価の形なとる﹂理由は必ずしも理解が容易でないが、 それはつぎの
金の市場価格勝賞の滋出と関係がありそうである。
つぎに、金の相対的価値の上昇はなぜ金の市場価格の騰貴となって現われるかが}関わねばならない。 というのは、元
来金の価格なるものは重量規定であって、 その価値変動とは関係なきはずのものだからである。ところが教授によれ
経済学研究
-71-
の価値表現であって、
金の価格・価値および物価
ば﹁金の市場価格は一
の購買力すなわちそれで入手し侍られる
よりもその通ハ後の代表するところの同じ分量の地金の入手しうる
の僻務総額にお
より多いことから
(わが国昭和二十九年頃の物価水準の
あり、 そのことは相対的な紙券減価を意味するわけで、 さ き の ﹁ 紙 幣
しているものにほかならないように思われる。
として現
の多寡として現われねばならぬことは問うを要しない。しかしこ
との交換比率がつねに商品の価格として現われている限りは、価終の
として現われ、金の価値上昇はつねに物価の低落として現わ
の反映だ
と教授はいわれるのである。も
ち凶
いて示したものであるJ だから、金の詩造価格不変の下において、 金 の 市 場 価 浴 が 世 間 い の は ご 定 紙 券 通 貨 で 入 手 し
うるところの
れら商品の髄格額がそのまま地金の市場価格として皮映されたものである﹂
こた
金のドル価
を増減させ、 この増
の下落について述べられたもの)。間じような叙述
の減少、 そ の ド ル 価 額 の 減 少 が
の価値下落による金の市場僻絡の下落は
で獲得することのできる
と金の自由市場高価絡について述べられたもの)。反対に
いする相対価格の下落であり、 間一
格の低落となって現われたものである﹂(前記上海における
は教授の著書中に何回か繰返えされているが、要するに会の価鎮の騰落はその入手しうる
はすなわち金の紙幣錨格の
減した商品量の価格総額が金の市場価格に反映されるというのが教授の主張の要点のようである。このばあいム況の市
場価格の
の多寡は、
商品の価値上井はつねに物価の
金の市場価格を騰貴せしめず(たとえ騰貴しても鋳造価格からあまり放れ得ない)、ただ高品物価の下落をもたらすの
にせよ)を起きせ、 そ う し て こ の 市 場 価 格 稔 寅 は
-72
の
みである。しかるに、紙幣流通下では金の価値上昇は金の市場価格を務賞させ、かつ物価の下落でなしにかえって
融資(
仏国
酒
井
れざるを得ないのである。筒嬬教授も明確にしておられるように、金本佼制の下では原則として、金の価一億上界は地
Q
と
金の価値の増減がこれと交換される
減価の形をとる﹂というのはこの
き
て
象せねばならない
の
金の
しフ
wる
の紙幣価格が不変かあるいは
増大させる。 しかし
Q
尚口問繍格の下落が
この点について教授は、
のドル
で入手し得られる商品の量的減少にもとづくそのドル価額の低減にすぎな日
のドル価格が下らず
していなければならない
しないはずである。 したがって、 金 の 市 場 価 格 に 反 映 す る
ちろん紙幣流通下でも、 金 価 舘 の 上 昇 は こ れ を も っ て 入 手 し う る 商 品
るなら、は
総額が増加するためには、
したがって鵠一の
金の市場価格ア落のばあいであるが、﹁ふ況のドル価格の下落とともに、
悩額は不変で
と述べておられるところから見て、明らかに商品価格を不変と考えておられるのである。
そうであるとすれば、 金の価値増大が物価騰貴を起すというのは矛患をきたす。しかし、 じ つ は こ の 物 価 騰 貴 は 紙
般市減価の反酉を意味するにすぎず、金の市場価格騰貴すなわち金の紙幣価格上昇は紙幣減価と見ることができるので、
この紙幣減姉を別様に表現したものと克ざるを得ない。げんに教授は﹁物価高の半酷である紙券通費価値の減少﹂と
いうような表現を用いており、 ま た さ き の ﹁ ひ と ま ず 紙 幣 減 価 の 形 ﹂ を と る こ と を そ の 限 り で は 鋳 造 価 格 変 更 の ば あ
いの紙幣減価と似ている、 としておられるのである。 して見れば、 金 の 価 値 増 大 の 際 に お け る 市 場 価 格 の 勝 賞 と 物 価
騰貴とは楯の両面であって、結局金の紙幣価格上昇という一つの事実を異なる仕方で表現したにす年ないことになる。
このいおについては、拙稿、計算貨
そこで問題はこうなる。金本佼制下では金の価償増大は商品物価の下落として現われたのに、紙幣流通下では金の価
倍増大は金の市場伽格の騰賓として現われるのはなぜか。
ζとを示すいくつかの事例がある。
この岡山格様準の切下︿または切上)についての立入った考察は右抽出稿において行った。
戦後の金問題、東京銀行月報、一九五二年十一一月号。
岡橋間保﹁金の婿格理論﹂五六頁円以下、九九一民以下等 Q
経済学研究
-73-
間
l
土
金本位制制度においても、金と鋳貨とが同一のものではない
幣について、北大経済学研究二一参照。
(
1
)
(
4
)(
3
)(
Z
)
金の価格・価値および物価
酒井
前明閣議問、七九一良。間同様な説明は七五一員にも見えている。
前掲警九九一員。
前掲番一 O九頁。
G
前掲香六一一一一長。
前担閣議官七五資﹁一般に金は貨幣商品であるから、その街値の増大は一般高品価格の下落となって現われるのが原別であるが、
うして金流通の下ではこれ以外にありえないが:::﹂
前四間盛田六三頁
五、金の価値と紙幣の価値
の余地はなかろうかと思うが、問題になるのは商品価格の不変という仮定である。
の価格は不変であって、 し た が り て 商 品 価 額 が 増 加 す る か ら で あ る 。 金 の 入 手 し う る 商 品
会の価値増大が、紙幣流通下では金の市場価格た騰貴させるのは、 間 橋 教 授 に よ れ ば 、 金 の 入 手 し う る
となるにも拘らず、
量の増加することについては
金本位制下ではい商品価格は当然下落するのであるから、 そ れ が 田 定 的 だ と い う こ と は 紙 幣 流 通 の 特 殊 性 に 原 留 が 求 め
の流通は紙幣によって媒介されている
c もし紙幣がその代位すベぎ必要金量に正確
られねばならない。紙幣流通下でも依然として金が鎮幣であり、価値尺度勺あることには変りはないが、流通手段の
機能は紙幣に委ねている。
して発行されるならば、紙幣の価値と金の価値とのあいだに議離はなく、 金 の 価 値 変 動 は 正 し く 紙 幣 の 価 値 に
から紙幣流通の特殊法期が作用する。'紙幣は
は紙幣の
の増減に応じてのみ、 その価値を増減する。 そして
代表するが故に、
として必要金量を代表するから、紙幣各片の代表する
の価値をもつのである。 だ か ら 紙 幣 は そ の 代 表 す る
流通量によやて規定されることになる。それがどう定まろうと、紙幣制片はつねにある一定の
その
-74ー
そt
ミ
メ
(
ヨ
)(
8
)(
7
)(
6
)(
5
)
(
1
0
)
反映されるであろう。けれども、紙幣の流通量が流通必要金量に一致するという保誌はない。この一致が破れるとき
i
こ
この代表関係は、流通必要金量あるいは
。怖心憶は
金の価値増大が
と、紙幣そのものの
によって規定されているから、
るといってよい。これに反して、会の価値はそれが流通に入ると
や金の流通畳一に依存するものではない。
ったとき、諸商品の価格不変というのはどういうことであろうか。とのばあいの価格はも
ますで L与えられているものであって
さて
ちろん紙幣価格であるから、紙幣の価値が不変であることを意味する。紙幣の価笹は金の価値の反映であるという点
ことはあり得ないのである。 しかし、実物の金
から言えば、紙幣の代表金量に変化のない限り、紙幣の価値は金の価値変動に追随せねばならぬはずである。紙幣の
代表する金一オシスの僻防御が真物の金一オシスの価値とくい
この作用は即時的にも震接的にもなされるわけではない。
一連の流通上の諸変化を通じ
ジスの価担と一一一五ドル紙幣の価値とは議離する。というのは金の価値増大があったとき、 それは紙幣の価値増大を
かねばなら以はずであるが
て達成されるのである。金本位制において金の価値一変動が商品物価の騰落を惹起するときでさえ、 それが瞬時的にな
されるものでないことを、すでにわれらは知っている。金と紙幣との間関係においても同じである。金の価鑑変動の紙
融市の価値への伝達は、 やはり一連の運動を通じて行われるのである。
金の何倍増大があったとき、直接これに応じて紙幣の流通量が変化する理由はない。また溜口問歌山出思議にもそう直ぐ
の金価格はほとんど下落していない。 したがって金の価値増大
の金価格は金の価値略的責と等しい率まで徐々に
しい変動が生ずるとも考えられない。なるほど金の価値騰貴は商品の金価格を下落させるでらろう。 しかしこの
下落することになる。だからその期間の始めには
の芝後においては、金価格による商品取民総額にまだほとんど変化がないものと見てよいであろう。そうなると、紙
一 75-
U
幣 C価値が流通必婆金量と紙幣流通量一に依存する限りにおいて、 ざ し 当 り 紙 幣 の 倒 値 は 変 動 し な い 。 紙 幣 の 価 値 は 変
経済学研究
オ
ιー
価値活動にはある期間を要する。その期間が経過するにつれて、
J
亡
二
の紙幣価格もまた変動しない。山州橋教授が
金の価格・価防総および物価
動しないから
金の紙幣価格は
の価格を一小変と仮定したのは、 か か る 事 実 を 指 す
る。換言すれば、金の市場価格は騰貴する。金の伍植増大に基く﹁一時的な金の市
けれども、 それは﹁紙幣が減傾﹂するのではない。金が増価するにす一ぎないのである。
では公定畏上価格に比して不利である。
の利潤は減少し
始まる。金の価値法刑制の震徹は紙幣流通であると否とに拘らない。人主の価値惜明大は
Q
ものにほかならないであろう。 しかしながら、 金 の 価 値 は 増 大 し て 、 紙 幣 の 価 値 は 不 変 だ か ら 、 金 と 紙 幣 と の
は変化し
場倍格騰貴﹂はこれである
まもなく金の
の上昇という形で現われ
は減退し、他方令一生産部門から商品生産部門に
て
した資本により
カ
ミ
商品会価格総額を減少させるであろう。
いが、商品価格の下落は加速度に
っ
生
せら
る寝室
ロ
一司
'-/
フLへ
が減少するならば、紙幣の価値は増大する。余の紙幣価格は
を主
l
こ
﹂のば
し、金の市場価格は公定価
は減少する。
は増加するかも知れな
の金価格下落は
の不均衡から蕗ロ聞の金価格が下落するつこれまでの過程はすべて
における
この
し
た
金 と 商 品 と の 相 対 的 価 姐 の 変 化 か ら 起 る 運 動 で あ っ て 、 紙 幣 物 価 水 準 の 如 何 に 拘 ら な い 。 つ夕、に
移動した資本から商品の追加供給があり
の金鉱は閉鎖される。かくして
ツ
ー
もしこれが
が減少するという奴定は
は減少し、 金 の 位 値 増 大 を 承 継 す る 紙 幣 の 価 値 増 大 と 紙 幣 の
氾でやのつて、
一見現実的のように見え
されている守はあい
のように見えるかもしれない。げれども、 そ れ は 沌 紙 幣 流 通 を
減少とが相殺され、紙幣の増価安減殺するかも知れない。
右の
想定するからでふって
下
命
して不変であるならば、紙幣の代表する
格の水準に下務する。ふ況の価値機大は紙幣の価値に正しく反映されたことになる。またもし、紙幣の流通量が依然と
あい‘もし紙幣の
し
た
-76-
の
し
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るならば、 こ の 仮 定 は 現 実 的 な も の に な る 。 こ れ に 反 し て 、 紙 幣 流 通 量 不 変 と い う 仮 定 は 、
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不変なのは、 むしろ本来ならば減少すべき流通量一を政策によって増加させている
の価値の減少は、金生産者の剥潤
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なう
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とな
この利潤増大はこんどは金生濃の増加をもたらし、 そ し て 公 認 ま た は ヤ ミ の 自 由 市 場 に お け る 金 の 価 格
で表
の
から貨幣は金に比して平価切上され、各貨献m
g楳はより大なる
必
る。 この
要
の下落を
る。価値法関が貫徹されるためには、 も は や 会 以 外 の 全 議 品 の 価 格 が
と
によ
のんぷはより少ない価値をもつが、他方では各貨幣章標はより大なる金田一涯を代表する﹂のであ
を
あるが
それは
、としては
おく理由は
なりはしないか。それこそヒルブアデイシグのいう
できるものである。この理由一が明礁になりさえすれば、 金 の 市 場 価 格 騰 震 は そ の 入
同-橋教授は、金の価値変動の擦に商品価格が不変であるとされたことについて、かくべつ説明はされていないので
明らかにすることができるのである。
価値変動が紙幣の価値を規定するばあいたむしろ本剛知的なものとして示すことによって、 金 が 価 値 尺 度 で あ る こ と の
た ま 金 の 価 値 騰 落 と 紙 幣 の 代 表 金 量 増 減 と が 相 殺 さ れ る ば あ い も あ る と い う に す ぎ な い の で あ っ て 、 そうでない金の
﹁余分な廻り訟になりかねないのである。金の価償変動は紙幣の価値にたいしてつねに無効果なのではない。たま
ならば、 金 の 飾 値 を 紙 幣 の 価 値 決 定 の
の価値変動の結果がつねにこのような無効果に終り、紙幣の価伎な変動させず、 また潟品物価を変動させないとする
るから、貨幣の価値は﹁二つの相反する作用を受け、 その結来結局無作用になる﹂というのである。 しかしながら、金
なれば﹁一方では一
そ
ヨ
増大となり
るものではないというのである。金の知徳減少のばあいについてかれはいう。
も作用するが、先換制度のときと同じようには現われない。会の価値変動があっても、酪口問の価格は、必ずし
はじめに引用したごとく、 ドニは和殺効果の方な強調している。 か れ に よ れ ば 、 価 値 法 則 は 不 換 制 度 の 下 に あ っ て
と
るけれども
、
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経済学研究
一 77-
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会の岡山絡・価値および物価
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手 し う る 商 品 価 格 総 額 増 加 の 反 挟 だ と い う こ と も 自 ら 導 ぎ だ せ る で あ ろ う 。 とはいえ、 こ の 説 明 に は 紙 幣 価 格 の 回 定
性 、 し た が っ て 紙 幣 価 値 の 固 定 住 が 含 ま れ て い る こ と に は 注 意 を 要 す る 。 というのは第一に、 会 の 市 場 価 格 騰 貴 は 金
の紙幣個必騰賞ということであり、金と紙幣との交換率の上昇ということであるから、 金 の 価 値 が 騰 貴 し 紙 幣 の 価 値
金の相対的価値上昇を入手商品量の増加にまで淵って
い表わされたにすぎなくなる。第二に、教授は前述の
が不変とすれば、 そ れ だ け で 金 の 市 場 価 格 騰 貴 は 直 ち に 導 き 出 せ る は ず で あ る 。 こ れ を 商 品 価 額 を も っ て 説 明 さ れ る
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金 価 値 増 大i ひ と ま ず 紙 幣 減 価i や が て 実 質 的 物 価 下 薄i 紙 幣 儲 舘 騰 貴 と い う 過 程 を 画 い て お ら れ る が 、
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のばあいの紙幣減価は紙幣価値の関定ということとどう調和されるべきか。
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わり新価格標準を示すものにほかならなかった。紙幣流通下においてはかかる意味の金の市場価格のほ
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この推定は、パウエルの金価値下落による商品価格騰貴のばあいの立証から、必要な修況を加えて、 借りたものである。 ﹁金と
物偲﹂一'一一一九頁以下。
流巡必要金量内の紙幣について、岡橋教授はつぎのように述べておられる。﹁貨幣流通の諸法別法紙幣にも当てはまり、商品自
停の侭憶の変佑であれ、および金の俗的混の変佑であれ、現実の儲鐙の変動に基く諸商品価格の曲線認や、盟問絵の不均衡から起るた
んなる市場開問絡の勝吉に従って、紙幣の流通量仲間増減し:::﹂(不換銀行券と紙幣流通の法則、バンキング一 O九号)
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もし、金の公定資上必格を維持する政策ぞとれば、紙券流速蚤は減少せざるを得ない。
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の分割にすぎないのに、金の価値を表現するというのは一つの矛君である。金本位制下にお
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いても金の市場出格階的落の現象はあった。 しかし、 そ れ は も っ ぱ ら 金 の 鋳 造 価 格 を 修 正 し よ う と す る 傾 向 の 現 わ れ で
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かに、会の価値増減を一一小す金の市場価格騰落が起る。金本位制下では、 金 の 価 値 増 減 は 商 品 物 備 の
は、ま子金の
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たのであるが、紙幣流通下では金の
しかしこの念物価のは紙幣物価のとしては必ずしもそのまま現われない。
正して、金本位制耐のときのように純粋に表現せしめないからである。
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金の価格安}金の価値表現と混同する、しばしば見られる見解は、金の価値法則にかんして誤れる見解に導く。われら
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は先学たちの業績を通じて、 こ の 思 別 の 重 要 な こ と を 学 ん だ 。 金 の 価 値 変 動 は 金 と
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これは諸事実の
との相対的悩値の開きな訂正するもので
により深められねばならないであろう。
ハ一九五七・一二・一一 O)
金の価値、金の価格および商品物価にかんする問題はきわめて複雑である。小論では、 諸学者の見解を検討しつつ
はないからである。
ぅ。公定価格の引上は一般的な物価水準の上昇をもたらすだけで、 金と
金の価値増大の現われと見ることは正しいとしても、だからといって金の公定価格引上を主張することは誤りであろ
れてくるということは、 ますますこの区別を重要なものにしている。たとえば、 円ノストのように金の自由価格騰震を
しかるに、紙幣流通下では金の価鑑変動も、 会の価格の事実的な変更も、 同 じ よ う に 金 の 自 由 市 場 価 格 の 騰 落 に 現 わ
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