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X ≤ 15
確率・統計 (解法) 公式 — その 1 X−µ X ∼ N(µ, σ2 ) =⇒ ∼ N(0, 12 ) σ 1 [正規確率の計算] X ∼ N(10, 52 ) とする。 { } (1)Pr X ≤ 15 を求めよ。 { } (2)Pr X ≥ 5 を求めよ。 { } (3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。 [解法] (1) { } { X − 10 15 − 10 } ≤ Pr X ≤ 15 = Pr 5 5 { } = Pr Z ≤ 1 = 0.8413 (∵ 標準正規分布表) (2) { } { X − 10 5 − 10 } Pr X ≥ 5 = Pr ≥ 5 5 { } = Pr Z ≥ −1 = 0.8413 (∵ 標準正規分布表) (3) { } { 3 − 10 X − 10 15 − 10 } Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr ≤ ≤ 5} 5 { 5 = Pr − 1.4 ≤ Z ≤ 1 = 0.4192 + 0.3413 = 0.7605 (∵ 標準正規分布表) 2 [正規確率の計算] 20 歳の男性の身長は平均 170.0cm、分散 42 の正規分布に従うものとする。 (1)ある 20 歳男性の身長が 160cm 以下の確率を求めよ。 (2)ある 20 歳男性の身長が 180cm 以下の確率を求めよ。 (3)ある 20 歳男性の身長が 155cm 以上かつ 175cm 以下の確率を求めよ。 [解法] (1) { } { X − 170 160 − 170 } ≤ Pr X ≤ 160 = Pr 4 4 { } = Pr Z ≤ −2.5 = 0.0062 (∵ 標準正規分布表) (2) { } { X − 170 180 − 170 } Pr X ≤ 180 = Pr ≤ 4 4 { } = Pr Z ≤ 2.5 = 0.9937 (∵ 標準正規分布表) [1 / 12] [2 / 12] 確率・統計 (解法) (3) { } { 155 − 170 X − 170 175 − 170 } Pr 155 ≤ X ≤ 175 = Pr ≤ ≤ 4 4} 4 { = Pr − 3.75 ≤ Z ≤ 1.25 = 0.89435 (∵ 標準正規分布表) { } ここで Pr − 5 ≤ Z ≤ 0 は正規分布表内に対応する数値が無いが Z の原点より小さな部分と見なすことで 0.5 と評価しています。 3 [正規確率の計算] 試験の点数の集計をしたところ平均 65、分散 102 に従うことが分かった。 (1)上位 20% に A を与えることにしたとき、A の最低点は何点に設定すればよいか? (2)上位 20% から 60% に B を与えることにしたとき、B の点をつける点数範囲はどのように設定すればよ いか? (3)下位 5% に D をつけることにしたとき、D の最高点は何点に設定すればよいか? [解法] { } { } (1)最初に、Pr Z > x = 0.2、つまり Pr 0 < Z ≤ x = 0.3 となる x を求める。正規分布表から { } { } Pr 0 < Z ≤ 0.84 = 0.2995、Pr 0 < Z ≤ 0.85 = 0.3023 で あ る か ら 、 x は 0.84 と 0.85 の 間 に あ る こ と が 分 か る 。点 (0.84, 0.2995) と点 (0.85, 0.3023) の間は直線と見なして、y 軸の値 が 0.3 となる x 座標の値を求めると 0.3 − 0.2995 × 0.001 + 0.84 = 0.8417 0.0028 となる (線形補間法と言う)。よって、点数を X で表すと { } 0.2 = Pr Z > 0.8417 { X − 65 } = Pr > 0.8417 { 10 } = Pr X > 73.417 従って、A の最低点は 73 点とすればよい。 { } { (2)同様にして、Pr y < Z = 0.6 となる y を求める。正規分布の性質と正規分布表の性質より、Pr 0 < Z < } x = 0.1 を求め、y = −x とすればよい。正規分布表から { } { } Pr 0 < Z ≤ 0.25 = 0.0987、Pr 0 < Z ≤ 0.26 = 0.1026 であるので、線形補間により 0.1 − 0.0987 + 0.25 = 0.25333 0.39 を得る。よって、 { } 0.6 = Pr − 0.2533 < Z { X − 65 } = Pr − 0.2533 < { } 10 = Pr X > 62.467 よって、点数 63 点から 72 点までを B と評価すればよいことが分かる。 [3 / 12] 確率・統計 (解法) { } (3)Pr Z < x = 0.05 となる x を求める。正規分布表より、 x = −1.64 が分かる。よって、 { } 0.05 = Pr Z < −1.64 { X − 65 } = Pr < −1.64 { 10 } = Pr X < 48.6 従って、48 点以下を D とすることになる。 公式 — その 2 1∑ σ2 ) Xi ∼ N(µ, n i=1 n n X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ), 互いに独立 =⇒ X = 4 [正規確率の計算] X1 , X2 , X3 ∼ N(10, 52 ), 互いに独立 とする。X = (X1 + X2 + X3 )/3 としたとき、下の問いに答えよ。 } { (1)Pr X ≤ 15 を求めよ。 { } (2)Pr X ≥ 5 を求めよ。 { } (3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。 [解法] X ∼ N(10, (1) 52 ) を用いる。 3 { { } Pr X ≤ 15 = Pr X − 10 √5 3 15 − 10 ≤ } √5 3 √ } { = Pr Z ≤ 3 = 0.5 + 0.4582 = 0.9582 (2) { { } Pr X ≥ 5 = Pr X − 10 √5 3 5 − 10 ≥ √ } { = Pr Z ≥ − 3 } √5 3 = 0.5 + 0.4582 = 0.9582 (3) { } { Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr 3 − 10 √5 3 ≤ X − 10 √5 3 ≤ 15 − 10 √ } { = Pr − 2.24 ≤ Z ≤ 3 } √5 3 = 0.4922 + 0.4582 = 0.9504 5 [正規確率の計算] あるメーカーのテレビの寿命は平均 10 年、標準偏差 √ 3 年の正規分布に従うものとする。テレビは大量生産 されており、各テレビの寿命は独立であるとする。このテレビを 20 台の平均寿命を X で表すものとする。 { } (1)Pr X ≤ 15 を求めよ。 { } (2)Pr X ≥ 5 を求めよ。 [4 / 12] 確率・統計 (解法) { } (3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。 [解法] X ∼ N(10, (1) 3 ) を用いる。 20 { { } X − 10 15 − 10 Pr X ≤ 15 = Pr √ ≤ √ 3 20 } 3 20 √ 5 20 } = Pr Z ≤ √ 3 { } = Pr Z ≤ 12.9999 = 1 { (2) } { { } X − 10 5 − 10 ≥ √ Pr X ≥ 5 = Pr √ 3 20 3 20 √ 5 20 } = Pr Z ≥ − √ 3 { } = Pr Z ≥ −12.9999 = 1 { (3) { } { } 3 − 10 X − 10 15 − 10 Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr √ ≤ √ ≤ √ { 3 20 3 20 } 3 20 = Pr − 18.073 ≤ Z ≤ 12.909 = 1 6 [正規確率の計算] 製造しているお餅は 1 個平均 10g、標準偏差 1g の正規分布に従っていることが分かっている。お餅の重さは 大量生産により互いに独立であるものとする。 (1)このお餅を 20 個箱に詰めたものが 310g を超える確率を求めよ。 (2)このお餅を 100 個箱に詰めたものが 1150g を超える確率を求めよ。 ただし、箱の重さは 100g とする。 [解法] お餅 1 個 ∼ N(10, 12 ) を用いる。 (1)お餅 20 個合計 X ∼ N(200, 20)。箱の重さは 100g であるので、 { } { X − 200 210 − 200 } Pr X > 210 = Pr √ > √ 20 20 { } = Pr Z > 2.236 = 0.5 − 0.4871 = 0.0129 (2)お餅 100 個合計 X ∼ N(1000, 100)。箱の重さは 100g であるので、 { } { X − 1000 1050 − 1000 } > Pr X > 1050 = Pr √ √ 100 100 { } = Pr Z > 5 = 0 確率・統計 (解法) [5 / 12] 公式 — その 3 分散 σ :既知のときの平均 X の 100(1 − α)% 信頼区間 標本の大きさを n、標本平均を X とすると 2 σ σ X − zα/2 √ ≤ µ ≤ X + zα/2 √ n n ここで、zα は標準正規分布 N(0, 12 ) の上側 α% 点で ∫ α= ∞ zα 1 x2 √ exp(− ) dx 2 2π である。 7 [既知の分散の場合の平均の信頼区間] 分散 22 の正規分布から 400 個の標本を抽出し、標本平均を計算したところ 8 であった。 (1)平均に対する 90% 信頼区間を求めよ。 (2)平均に対する 95% 信頼区間を求めよ。 [解法] σ2 = 2 2 、 X = 8 (1)90% 信頼区間であるから 2 2 8 − 1.64 √ ≤ µ ≤ 8 + 1.64 √ 400 400 つまり、 7.836 ≤ µ ≤ 8.164 (2)95% 信頼区間であるから 2 2 ≤ µ ≤ 8 + 1.96 √ 8 − 1.96 √ 400 400 つまり、 7.804 ≤ µ ≤ 8.196 8 [既知の分散の場合の平均の信頼区間] 標準偏差を 0.002mm に設定してネジのピッチ (ネジ山の間隔) を製造している工場がある。無作為に 100 個取 り出し、ネジのピッチを測ったところ、標本平均が 0.5mm であった。ネジのピッチは正規分布に従うものと し、この工場のネジのピッチに対する 95% 信頼区間を求めよ。 [解法] σ2 = 0.0022 、X = 0.5。95% 信頼区間であるから 0.002 0.002 0.5 − 1.96 √ ≤ µ ≤ 0.5 + 1.96 √ 100 100 つまり、 0.499608 ≤ µ ≤ 0.500392 [6 / 12] 確率・統計 (解法) 公式 — その 4 分散 σ :未知のときの平均 X の 100(1 − α)% 信頼区間 標本の大きさを n、標本平均を X 、標本分散を s2 とすると 2 s s X − tα (n − 1) √ ≤ µ ≤ X + tα (n − 1) √ n n ここで、 1∑ xi , n i=1 n X= 1 ∑ (xi − X)2 n − 1 i=1 n s2 = また、tα (n) は自由度 n の t 分布の両側 α% 点で ∫ α= −tα (n) −∞ fn (x) = ∫ fn (x) dx + ∞ fn (x) dx, tα (n) Γ((n + 1)/2) ( x2 )−(n+1)/2 1+ Γ(1/2)Γ(n/2) n -tα (n) である。 9 0 tα (n) [未知の分散の場合の平均の信頼区間] 未知の分散をもつ正規分布から 400 個の標本を抽出したところ、標本平均は 8 で、標本分散は 3.52 であった。 (1)平均に対する 90% 信頼区間を求めよ。 (2)平均に対する 95% 信頼区間を求めよ。 [解法] n = 400、X = 8、 s2 = 3.52 n=400 より自由度は 399。t 分布表は自由度 120 で終わっており、これ以上の自由 度については t 分布表の最下部 ∞ の所を利用する (この行は正規分布表と同じ値である)。 (1)90% 信頼区間であるから、t0.1 (399) = 1.64。 3.5 3.5 8 − 1.64 √ ≤ µ ≤ 8 + 1.64 √ 400 400 つまり、 7.712125 ≤ µ ≤ 8.287875 (2)95% 信頼区間であるから、t0.05 (399) = 1.96。 3.5 3.5 8 − 1.96 √ ≤ µ ≤ 8 + 1.96 √ 400 400 つまり、 7.657 ≤ µ ≤ 8.343 10 [未知の分散の場合の平均の信頼区間] ボーリングのスコアが下記のようであった。このスコアは正規分布に従うものとし、平均に対する 95% 信頼区 間を求めよ。 123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129 (ソフトウェア R のコマンド ceiling(rnorm(15, mean=120, sd=6)) の結果です) [解法] 計算により X = 121.2、σ2 = 3.91332 を得る。n = 15、よって、自由度は 14。t0.05 (14) = 2.145。 3.9133 3.9133 121.2 − 2.145 √ ≤ µ ≤ 121.2 + 2.145 √ 15 15 [7 / 12] 確率・統計 (解法) つまり、 119.0326 ≤ µ ≤ 123.367 公式 — その 5 X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ), Z= σ2 :既知、α:有意水準 { } Pr Z ≥ zα = α X−µ 2 σ ∼ N(0, 1 ), √ n { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ , µ0 { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ > µ0 { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ < µ0 11 |Z| > zα/2 ならば帰無仮説を棄却する。 |Z| ≤ zα/2 ならば帰無仮説は棄却できない。 Z > zα ならば帰無仮説を棄却する。 Z ≤ zα ならば帰無仮説は棄却できない。 Z < −zα ならば帰無仮説を棄却する。 Z ≥ −zα ならば帰無仮説は棄却できない。 [既知の分散の場合の平均の検定] ある母集団について平均は 6、分散は 42 であると信じられてきた。この母集団から 100 個の標本を抽出し、標 本平均を計算したところ 8 であった。有意水準 5% で下記の検定を行え。 (1)母集団平均 (母平均) は 6 から変化したか。 (2)母平均は増加したか。 [解法] N(µ, 42 )、X = 8、n = 100。有意水準 5%。 (1)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ , 6 X − µ |Z| = σ > 1.96 ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 Z= 8−6 √4 100 =5 であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却される。 (2)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ > 6 Z= X−µ σ √ n > 1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。 ここで、 Z= 8−6 √4 100 =5 であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却される。 12 [既知の分散の場合の平均の検定] ボーリングのスコアが下記のようであった。スコアは分散 62 の正規分布に従うものとし、有意水準 5% で下記 の平均についての検定をせよ。 確率・統計 (解法) 123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129 (1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120 (2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120 (3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120 [解法] N(µ, 62 )、n = 15。有意水準 5%。上記の標本に対して標本平均は 121.2。 (1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120 X − µ |Z| = σ > 1.96 ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 Z= 121.2 − 120 √6 15 = 0.7745967 であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。 (2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120 Z= X−µ σ √ n > 1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。 ここで、 Z= 121.2 − 120 √6 15 = 0.7745967 であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。 (3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120 Z= X−µ σ √ n < −1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。 ここで、 Z= 121.2 − 120 √6 15 = 0.7745967 であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。 公式 — その 6 X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ), t= X−µ s ∼ t(n − 1), √ n σ2 :未知、α:有意水準 { } Pr |t| ≥ tα (n − 1) = α { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ , µ0 { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ > µ0 { 帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ < µ0 |t| > tα (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。 |t| ≤ tα (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。 t > t2α (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。 t ≤ t2α (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。 t < −t2α (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。 t ≥ −t2α (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。 [8 / 12] 確率・統計 (解法) 13 [9 / 12] [未知の分散の場合の平均の検定] 分散が未知のある母集団について平均は 6 であると信じられてきた。この母集団から 100 個の標本を抽出した とき、標本平均は 8 で、標本分散は 1.252 であった。有意水準 5% で下記の検定を行え。 (1)母集団平均 (母平均) は 6 から変化したか。 (2)母平均は増加したか。 [解法] X = 8、 s2 = 1.252 、n = 100、有意水準 5%。自由度 99。 (1)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ , 6 X − µ |t| = s > t0.05 (99) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= 8−6 1.25 √ 100 = 16 で、t0.05 (99) = 1.96 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。 (2)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ > 6 t= X−µ s > t0.1 (99) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= 8−6 1.25 √ 100 = 16 で、t0.1 (99) = 1.64 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。 14 [未知の分散の場合の平均の検定] ボーリングのスコアが下記のようであった。スコアは正規分布に従うものとし、有意水準 5% で下記の平均に ついての検定をせよ。 123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129 (1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120 (2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120 (3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120 [解法] 計算により X = 121.2、 s2 = 3.91332 を得る。n = 15、有意水準 5%。自由度 14。 (1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120 X − µ |t| = s > t0.05 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= 121.2 − 120 3.9133 √ 15 = 1.18763 で、t0.05 (14) = 2.14555 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。 [10 / 12] 確率・統計 (解法) (2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120 t= X−µ s > t0.1 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= 121.2 − 120 3.9133 √ 15 = 1.18763 で、t0.1 (14) = 1.761 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。 (3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120 t= X−µ s < −t0.1 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= 121.2 − 120 3.9133 √ 15 = 1.18763 で、t0.1 (14) = 1.761 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。 公式 — その 7 対になっているのでその差を Xi で表す。 X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ), α:有意水準 H0 : µ = µ0 versus H1 : µ , µ0 [分散 σ2 :既知の場合] Z= X−µ 2 σ ∼ N(0, 1 ) √ n よって、7 頁の結果を用いる。 [分散 σ2 :未知の場合] t= X−µ s ∼ t(n − 1) √ n ここで、 s2 は標本分散。よって、9 頁の結果を用いる。 15 [対になった標本の平均の検定 (分散既知)] カフェインを飲むことで計算力が上がるかを見るために、100 人に対して同程度の問題で試験を 2 日に渡り 行った。ただし、最初の日はコーヒー色の飲料で翌日はカフェイン入りのものである (公平にするためにカフェ インが入っているかいないかは被験者には伝えられていない)。この結果、得点の差の標本平均は 3 であった。 得点差の分散が 52 で分かっているとき、カフェインにより計算力が上がるか否かを有意水準 5% で検定せよ。 [解法] n = 100、X = 3、σ2 = 52 、有意水準 5%。 帰無仮説 H0 : µ = 0 versus 対立仮説 H1 : µ , 0 X − µ |Z| = √ > zα ならば、帰無仮説を棄却する。 σ/ n [11 / 12] 確率・統計 (解法) ここで、 Z= 3−0 =6 √ 5/ 100 よって、z0.05 = 1.96 より大きいので帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。 16 [対になった標本の平均の検定 (分散未知)] ハムスター 11 匹にドッグフードを 3 ヶ月与えて体重の変化を測定したところ、下記のデータを得た。体重に 増減が見られるかを有意水準 5% で検定せよ。 -1, -1, 2, -1, -7, -6, 0, -1, 3, 1, 1 [解法] 計算により、X = −0.9090、 s2 = 3.08072 を得る。n = 11、有意水準 5%。自由度 10。 帰無仮説 H0 : µ = 0 versus 対立仮説 H1 : µ , 0 X − µ |t| = s > t0.05 (10) ならば、帰無仮説を棄却する。 √ n ここで、 t= −0.9090 3.0807 √ 11 = −0.9787 で、t0.05 (10) = 2.764 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。 公式 — その 8 X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ1 , σ21 ), Y1 , Y2 , · · · , Yn ∼ N(µ2 , σ22 ), H0 : µ1 = µ2 versus H1 : µ1 , µ2 [σ21 = σ22 が分かっており、未知の場合] X の標本平均を X とし、Y の標本平均を Y とし、プールした(pooled)標本分散を ∑n s2 = i=1 (Xi − X)2 + ∑m j=1 (Y j − Y)2 n+m−2 とおく。 t= (X − Y) − (µ1 − µ2 ) ∼ t(n + m − 2) √ 1 1 s + n m より、 |t| > tα (n + m − 2) ならば有意水準 α で帰無仮説を棄却できる。 |t| ≤ tα (n + m − 2) ならば有意水準 α で帰無仮説は棄却できない。 17 [2 標本の平均の差の検定 (σ21 = σ22 が分かっているが、未知の場合)] 植木 10 本を二つの同数の群に分け、一方の群には肥料 A を与え、残りの群には肥料 B を与えて、収穫高を集 計したところ下記の表を得た。 肥料 A -3.77 -8.93 -10.04 0.25 4.83 肥料 B -3.63 -2.24 7.15 -7.50 1.13 確率・統計 (解法) [12 / 12] 二つの分散は等しいとして、肥料により収穫高に差があるかを有意水準 5% で検定せよ。 [解法] 肥料 A と肥料 B の収穫高をそれぞれ、Xi 、Y j で表すと、計算により X = −3.532、Y = −1.018、プールした (pooled)標本分散は s2 = 34.6794 を得る。 帰無仮説 H0 : µ1 = µ2 versus 対立仮説 H1 : µ1 , µ2 (X − Y) − (µ1 − µ2 ) > tα (n + m − 2) ならば、帰無仮説を棄却する。 |t| = √ 1 1 s + n m ここで −3.532 + 1.018 t= √ = −0.6749 34.6794( 15 + 15 ) で、t0.05 (8) = 2.306 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。 18 [2 標本の平均の差の検定 (σ21 = σ22 が分かっているが、未知の場合)] 二つの母集団があり、各々独立に正規分布に従っており、各々の分散は等しいことが分かっているとする。 各々の母集団からの標本に対して、n = 40, X = 168.5, s2X = 5.4 と m = 40, Y = 165.5, s2Y = 3.2 を得た。このと き、二つの集団の身長について差があるかないかを有意水準 5% で検定せよ。 [解法] n = 40, X = 168.5, s2X = 5.4、m = 40, Y = 165.5, s2Y = 3.2。有意水準 5%。 二つの母集団分散は等しいので、プールした(pooled)標本分散は s2 = 39 × 5.4 + 39 × 3.5 = 4.3 40 + 40 − 2 を得る。 帰無仮説 H0 : µ1 = µ2 versus 対立仮説 H1 : µ1 , µ2 (X − Y) − (µ1 − µ2 ) > tα (n + m − 2) ならば、帰無仮説を棄却する。 |t| = √ 1 1 s + n m ここで 168.5 − 165.5 = 6.4699 t= √ 1 1 4.3( 40 + 40 ) で、t0.05 (78) は表にないので正規分布表の 5% 棄却限界値 1.96 を代用する。よって、帰無仮説は有意水準 5% で 棄却できる。