...

X ≤ 15

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Description

Transcript

X ≤ 15
確率・統計 (解法)
公式 — その 1
X−µ
X ∼ N(µ, σ2 ) =⇒
∼ N(0, 12 )
σ
1
[正規確率の計算]
X ∼ N(10, 52 ) とする。
{
}
(1)Pr X ≤ 15 を求めよ。
{
}
(2)Pr X ≥ 5 を求めよ。
{
}
(3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。
[解法]
(1)
{
}
{ X − 10 15 − 10 }
≤
Pr X ≤ 15 = Pr
5
5
{
}
= Pr Z ≤ 1 = 0.8413 (∵ 標準正規分布表)
(2)
{
}
{ X − 10 5 − 10 }
Pr X ≥ 5 = Pr
≥
5
5
{
}
= Pr Z ≥ −1 = 0.8413 (∵ 標準正規分布表)
(3)
{
}
{ 3 − 10 X − 10 15 − 10 }
Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr
≤
≤
5}
5
{ 5
= Pr − 1.4 ≤ Z ≤ 1
= 0.4192 + 0.3413 = 0.7605 (∵ 標準正規分布表)
2
[正規確率の計算]
20 歳の男性の身長は平均 170.0cm、分散 42 の正規分布に従うものとする。
(1)ある 20 歳男性の身長が 160cm 以下の確率を求めよ。
(2)ある 20 歳男性の身長が 180cm 以下の確率を求めよ。
(3)ある 20 歳男性の身長が 155cm 以上かつ 175cm 以下の確率を求めよ。
[解法]
(1)
{
}
{ X − 170 160 − 170 }
≤
Pr X ≤ 160 = Pr
4
4
{
}
= Pr Z ≤ −2.5 = 0.0062 (∵ 標準正規分布表)
(2)
{
}
{ X − 170 180 − 170 }
Pr X ≤ 180 = Pr
≤
4
4
{
}
= Pr Z ≤ 2.5 = 0.9937 (∵ 標準正規分布表)
[1 / 12]
[2 / 12]
確率・統計 (解法)
(3)
{
}
{ 155 − 170 X − 170 175 − 170 }
Pr 155 ≤ X ≤ 175 = Pr
≤
≤
4
4}
4
{
= Pr − 3.75 ≤ Z ≤ 1.25
= 0.89435 (∵ 標準正規分布表)
{
}
ここで Pr − 5 ≤ Z ≤ 0 は正規分布表内に対応する数値が無いが Z の原点より小さな部分と見なすことで
0.5 と評価しています。
3
[正規確率の計算]
試験の点数の集計をしたところ平均 65、分散 102 に従うことが分かった。
(1)上位 20% に A を与えることにしたとき、A の最低点は何点に設定すればよいか?
(2)上位 20% から 60% に B を与えることにしたとき、B の点をつける点数範囲はどのように設定すればよ
いか?
(3)下位 5% に D をつけることにしたとき、D の最高点は何点に設定すればよいか?
[解法]
{
}
{
}
(1)最初に、Pr Z > x = 0.2、つまり Pr 0 < Z ≤ x = 0.3 となる x を求める。正規分布表から
{
}
{
}
Pr 0 < Z ≤ 0.84 = 0.2995、Pr 0 < Z ≤ 0.85 = 0.3023
で あ る か ら 、 x は 0.84 と 0.85 の 間 に あ る こ と が 分 か る 。点
(0.84, 0.2995) と点 (0.85, 0.3023) の間は直線と見なして、y 軸の値
が 0.3 となる x 座標の値を求めると
0.3 − 0.2995
× 0.001 + 0.84 = 0.8417
0.0028
となる (線形補間法と言う)。よって、点数を X で表すと
{
}
0.2 = Pr Z > 0.8417
{ X − 65
}
= Pr
> 0.8417
{ 10
}
= Pr X > 73.417
従って、A の最低点は 73 点とすればよい。
{
}
{
(2)同様にして、Pr y < Z = 0.6 となる y を求める。正規分布の性質と正規分布表の性質より、Pr 0 < Z <
}
x = 0.1 を求め、y = −x とすればよい。正規分布表から
{
}
{
}
Pr 0 < Z ≤ 0.25 = 0.0987、Pr 0 < Z ≤ 0.26 = 0.1026
であるので、線形補間により
0.1 − 0.0987
+ 0.25 = 0.25333
0.39
を得る。よって、
{
}
0.6 = Pr − 0.2533 < Z
{
X − 65 }
= Pr − 0.2533 <
{
} 10
= Pr X > 62.467
よって、点数 63 点から 72 点までを B と評価すればよいことが分かる。
[3 / 12]
確率・統計 (解法)
{
}
(3)Pr Z < x = 0.05 となる x を求める。正規分布表より、 x = −1.64 が分かる。よって、
{
}
0.05 = Pr Z < −1.64
{ X − 65
}
= Pr
< −1.64
{ 10
}
= Pr X < 48.6
従って、48 点以下を D とすることになる。
公式 — その 2
1∑
σ2
)
Xi ∼ N(µ,
n i=1
n
n
X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ), 互いに独立 =⇒ X =
4
[正規確率の計算]
X1 , X2 , X3 ∼ N(10, 52 ), 互いに独立 とする。X = (X1 + X2 + X3 )/3 としたとき、下の問いに答えよ。
}
{
(1)Pr X ≤ 15 を求めよ。
{
}
(2)Pr X ≥ 5 を求めよ。
{
}
(3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。
[解法]
X ∼ N(10,
(1)
52
) を用いる。
3
{
{
}
Pr X ≤ 15 = Pr
X − 10
√5
3
15 − 10
≤
}
√5
3
√ }
{
= Pr Z ≤ 3
= 0.5 + 0.4582 = 0.9582
(2)
{
{
}
Pr X ≥ 5 = Pr
X − 10
√5
3
5 − 10
≥
√ }
{
= Pr Z ≥ − 3
}
√5
3
= 0.5 + 0.4582 = 0.9582
(3)
{
}
{
Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr
3 − 10
√5
3
≤
X − 10
√5
3
≤
15 − 10
√ }
{
= Pr − 2.24 ≤ Z ≤ 3
}
√5
3
= 0.4922 + 0.4582 = 0.9504
5
[正規確率の計算]
あるメーカーのテレビの寿命は平均 10 年、標準偏差
√
3 年の正規分布に従うものとする。テレビは大量生産
されており、各テレビの寿命は独立であるとする。このテレビを 20 台の平均寿命を X で表すものとする。
{
}
(1)Pr X ≤ 15 を求めよ。
{
}
(2)Pr X ≥ 5 を求めよ。
[4 / 12]
確率・統計 (解法)
{
}
(3)Pr 3 ≤ X ≤ 15 を求めよ。
[解法]
X ∼ N(10,
(1)
3
) を用いる。
20
{
{
}
X − 10 15 − 10
Pr X ≤ 15 = Pr √
≤ √
3
20
}
3
20
√
5 20 }
= Pr Z ≤ √
3
{
}
= Pr Z ≤ 12.9999 = 1
{
(2)
}
{
{
}
X − 10 5 − 10
≥ √
Pr X ≥ 5 = Pr √
3
20
3
20
√
5 20 }
= Pr Z ≥ − √
3
{
}
= Pr Z ≥ −12.9999 = 1
{
(3)
{
}
{
}
3 − 10 X − 10 15 − 10
Pr 3 ≤ X ≤ 15 = Pr √
≤ √
≤ √
{
3
20
3
20
}
3
20
= Pr − 18.073 ≤ Z ≤ 12.909 = 1
6
[正規確率の計算]
製造しているお餅は 1 個平均 10g、標準偏差 1g の正規分布に従っていることが分かっている。お餅の重さは
大量生産により互いに独立であるものとする。
(1)このお餅を 20 個箱に詰めたものが 310g を超える確率を求めよ。
(2)このお餅を 100 個箱に詰めたものが 1150g を超える確率を求めよ。
ただし、箱の重さは 100g とする。
[解法]
お餅 1 個 ∼ N(10, 12 ) を用いる。
(1)お餅 20 個合計 X ∼ N(200, 20)。箱の重さは 100g であるので、
{
}
{ X − 200 210 − 200 }
Pr X > 210 = Pr √
>
√
20
20
{
}
= Pr Z > 2.236
= 0.5 − 0.4871 = 0.0129
(2)お餅 100 個合計 X ∼ N(1000, 100)。箱の重さは 100g であるので、
{
}
{ X − 1000 1050 − 1000 }
>
Pr X > 1050 = Pr √
√
100
100
{
}
= Pr Z > 5 = 0
確率・統計 (解法)
[5 / 12]
公式 — その 3
分散 σ :既知のときの平均 X の 100(1 − α)% 信頼区間
標本の大きさを n、標本平均を X とすると
2
σ
σ
X − zα/2 √ ≤ µ ≤ X + zα/2 √
n
n
ここで、zα は標準正規分布 N(0, 12 ) の上側 α% 点で
∫
α=
∞
zα
1
x2
√ exp(− ) dx
2
2π
である。
7
[既知の分散の場合の平均の信頼区間]
分散 22 の正規分布から 400 個の標本を抽出し、標本平均を計算したところ 8 であった。
(1)平均に対する 90% 信頼区間を求めよ。
(2)平均に対する 95% 信頼区間を求めよ。
[解法]
σ2 = 2 2 、 X = 8
(1)90% 信頼区間であるから
2
2
8 − 1.64 √
≤ µ ≤ 8 + 1.64 √
400
400
つまり、
7.836 ≤ µ ≤ 8.164
(2)95% 信頼区間であるから
2
2
≤ µ ≤ 8 + 1.96 √
8 − 1.96 √
400
400
つまり、
7.804 ≤ µ ≤ 8.196
8
[既知の分散の場合の平均の信頼区間]
標準偏差を 0.002mm に設定してネジのピッチ (ネジ山の間隔) を製造している工場がある。無作為に 100 個取
り出し、ネジのピッチを測ったところ、標本平均が 0.5mm であった。ネジのピッチは正規分布に従うものと
し、この工場のネジのピッチに対する 95% 信頼区間を求めよ。
[解法]
σ2 = 0.0022 、X = 0.5。95% 信頼区間であるから
0.002
0.002
0.5 − 1.96 √
≤ µ ≤ 0.5 + 1.96 √
100
100
つまり、
0.499608 ≤ µ ≤ 0.500392
[6 / 12]
確率・統計 (解法)
公式 — その 4
分散 σ :未知のときの平均 X の 100(1 − α)% 信頼区間
標本の大きさを n、標本平均を X 、標本分散を s2 とすると
2
s
s
X − tα (n − 1) √ ≤ µ ≤ X + tα (n − 1) √
n
n
ここで、
1∑
xi ,
n i=1
n
X=
1 ∑
(xi − X)2
n − 1 i=1
n
s2 =
また、tα (n) は自由度 n の t 分布の両側 α% 点で
∫
α=
−tα (n)
−∞
fn (x) =
∫
fn (x) dx +
∞
fn (x) dx,
tα (n)
Γ((n + 1)/2) (
x2 )−(n+1)/2
1+
Γ(1/2)Γ(n/2)
n
-tα (n)
である。
9
0
tα (n)
[未知の分散の場合の平均の信頼区間]
未知の分散をもつ正規分布から 400 個の標本を抽出したところ、標本平均は 8 で、標本分散は 3.52 であった。
(1)平均に対する 90% 信頼区間を求めよ。
(2)平均に対する 95% 信頼区間を求めよ。
[解法]
n = 400、X = 8、 s2 = 3.52 n=400 より自由度は 399。t 分布表は自由度 120 で終わっており、これ以上の自由
度については t 分布表の最下部 ∞ の所を利用する (この行は正規分布表と同じ値である)。
(1)90% 信頼区間であるから、t0.1 (399) = 1.64。
3.5
3.5
8 − 1.64 √
≤ µ ≤ 8 + 1.64 √
400
400
つまり、
7.712125 ≤ µ ≤ 8.287875
(2)95% 信頼区間であるから、t0.05 (399) = 1.96。
3.5
3.5
8 − 1.96 √
≤ µ ≤ 8 + 1.96 √
400
400
つまり、
7.657 ≤ µ ≤ 8.343
10
[未知の分散の場合の平均の信頼区間]
ボーリングのスコアが下記のようであった。このスコアは正規分布に従うものとし、平均に対する 95% 信頼区
間を求めよ。
123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129
(ソフトウェア R のコマンド ceiling(rnorm(15, mean=120, sd=6)) の結果です)
[解法]
計算により X = 121.2、σ2 = 3.91332 を得る。n = 15、よって、自由度は 14。t0.05 (14) = 2.145。
3.9133
3.9133
121.2 − 2.145 √
≤ µ ≤ 121.2 + 2.145 √
15
15
[7 / 12]
確率・統計 (解法)
つまり、
119.0326 ≤ µ ≤ 123.367
公式 — その 5
X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ),
Z=
σ2 :既知、α:有意水準
{
}
Pr Z ≥ zα = α
X−µ
2
σ ∼ N(0, 1 ),
√
n
{
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ , µ0 {
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ > µ0 {
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ < µ0 11
|Z| > zα/2 ならば帰無仮説を棄却する。
|Z| ≤ zα/2 ならば帰無仮説は棄却できない。
Z > zα ならば帰無仮説を棄却する。
Z ≤ zα ならば帰無仮説は棄却できない。
Z < −zα ならば帰無仮説を棄却する。
Z ≥ −zα ならば帰無仮説は棄却できない。
[既知の分散の場合の平均の検定]
ある母集団について平均は 6、分散は 42 であると信じられてきた。この母集団から 100 個の標本を抽出し、標
本平均を計算したところ 8 であった。有意水準 5% で下記の検定を行え。
(1)母集団平均 (母平均) は 6 から変化したか。
(2)母平均は増加したか。
[解法]
N(µ, 42 )、X = 8、n = 100。有意水準 5%。
(1)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ , 6
X − µ |Z| = σ > 1.96 ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
Z=
8−6
√4
100
=5
であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却される。
(2)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ > 6
Z=
X−µ
σ
√
n
> 1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。
ここで、
Z=
8−6
√4
100
=5
であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却される。
12
[既知の分散の場合の平均の検定]
ボーリングのスコアが下記のようであった。スコアは分散 62 の正規分布に従うものとし、有意水準 5% で下記
の平均についての検定をせよ。
確率・統計 (解法)
123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129
(1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120
(2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120
(3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120
[解法]
N(µ, 62 )、n = 15。有意水準 5%。上記の標本に対して標本平均は 121.2。
(1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120
X − µ |Z| = σ > 1.96 ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
Z=
121.2 − 120
√6
15
= 0.7745967
であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。
(2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120
Z=
X−µ
σ
√
n
> 1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。
ここで、
Z=
121.2 − 120
√6
15
= 0.7745967
であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。
(3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120
Z=
X−µ
σ
√
n
< −1.64 ならば、帰無仮説を棄却する。
ここで、
Z=
121.2 − 120
√6
15
= 0.7745967
であるから、有意水準 5% で帰無仮説は棄却できない。
公式 — その 6
X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ),
t=
X−µ
s ∼ t(n − 1),
√
n
σ2 :未知、α:有意水準
{
}
Pr |t| ≥ tα (n − 1) = α
{
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ , µ0 {
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ > µ0 {
帰無仮説 H0 : µ = µ0 versus 対立仮説 H1 : µ < µ0 |t| > tα (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。
|t| ≤ tα (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。
t > t2α (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。
t ≤ t2α (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。
t < −t2α (n − 1) ならば帰無仮説を棄却する。
t ≥ −t2α (n − 1) ならば帰無仮説は棄却できない。
[8 / 12]
確率・統計 (解法)
13
[9 / 12]
[未知の分散の場合の平均の検定]
分散が未知のある母集団について平均は 6 であると信じられてきた。この母集団から 100 個の標本を抽出した
とき、標本平均は 8 で、標本分散は 1.252 であった。有意水準 5% で下記の検定を行え。
(1)母集団平均 (母平均) は 6 から変化したか。
(2)母平均は増加したか。
[解法]
X = 8、 s2 = 1.252 、n = 100、有意水準 5%。自由度 99。
(1)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ , 6
X − µ
|t| = s > t0.05 (99) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
8−6
1.25
√
100
= 16
で、t0.05 (99) = 1.96 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。
(2)帰無仮説 H0 : µ = 6 versus 対立仮説 H1 : µ > 6
t=
X−µ
s > t0.1 (99) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
8−6
1.25
√
100
= 16
で、t0.1 (99) = 1.64 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。
14
[未知の分散の場合の平均の検定]
ボーリングのスコアが下記のようであった。スコアは正規分布に従うものとし、有意水準 5% で下記の平均に
ついての検定をせよ。
123, 120, 123, 122, 115, 123, 115, 125, 122, 116, 124, 123, 118, 120, 129
(1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120
(2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120
(3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120
[解法]
計算により X = 121.2、 s2 = 3.91332 を得る。n = 15、有意水準 5%。自由度 14。
(1)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ , 120
X − µ |t| = s > t0.05 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
121.2 − 120
3.9133
√
15
= 1.18763
で、t0.05 (14) = 2.14555 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。
[10 / 12]
確率・統計 (解法)
(2)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ > 120
t=
X−µ
s > t0.1 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
121.2 − 120
3.9133
√
15
= 1.18763
で、t0.1 (14) = 1.761 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。
(3)帰無仮説 H0 : µ = 120 versus 対立仮説 H1 : µ < 120
t=
X−µ
s < −t0.1 (14) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
121.2 − 120
3.9133
√
15
= 1.18763
で、t0.1 (14) = 1.761 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。
公式 — その 7
対になっているのでその差を Xi で表す。
X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ, σ2 ),
α:有意水準
H0 : µ = µ0 versus H1 : µ , µ0
[分散 σ2 :既知の場合]
Z=
X−µ
2
σ ∼ N(0, 1 )
√
n
よって、7 頁の結果を用いる。
[分散 σ2 :未知の場合]
t=
X−µ
s ∼ t(n − 1)
√
n
ここで、 s2 は標本分散。よって、9 頁の結果を用いる。
15
[対になった標本の平均の検定 (分散既知)]
カフェインを飲むことで計算力が上がるかを見るために、100 人に対して同程度の問題で試験を 2 日に渡り
行った。ただし、最初の日はコーヒー色の飲料で翌日はカフェイン入りのものである (公平にするためにカフェ
インが入っているかいないかは被験者には伝えられていない)。この結果、得点の差の標本平均は 3 であった。
得点差の分散が 52 で分かっているとき、カフェインにより計算力が上がるか否かを有意水準 5% で検定せよ。
[解法]
n = 100、X = 3、σ2 = 52 、有意水準 5%。
帰無仮説 H0 : µ = 0 versus 対立仮説 H1 : µ , 0
X − µ |Z| = √ > zα ならば、帰無仮説を棄却する。
σ/ n
[11 / 12]
確率・統計 (解法)
ここで、
Z=
3−0
=6
√
5/ 100
よって、z0.05 = 1.96 より大きいので帰無仮説は有意水準 5% で棄却される。
16
[対になった標本の平均の検定 (分散未知)]
ハムスター 11 匹にドッグフードを 3 ヶ月与えて体重の変化を測定したところ、下記のデータを得た。体重に
増減が見られるかを有意水準 5% で検定せよ。
-1, -1, 2, -1, -7, -6, 0, -1, 3, 1, 1
[解法]
計算により、X = −0.9090、 s2 = 3.08072 を得る。n = 11、有意水準 5%。自由度 10。
帰無仮説 H0 : µ = 0 versus 対立仮説 H1 : µ , 0
X − µ
|t| = s > t0.05 (10) ならば、帰無仮説を棄却する。
√
n
ここで、
t=
−0.9090
3.0807
√
11
= −0.9787
で、t0.05 (10) = 2.764 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。
公式 — その 8
X1 , X2 , · · · , Xn ∼ N(µ1 , σ21 ),
Y1 , Y2 , · · · , Yn ∼ N(µ2 , σ22 ),
H0 : µ1 = µ2 versus H1 : µ1 , µ2
[σ21 = σ22 が分かっており、未知の場合]
X の標本平均を X とし、Y の標本平均を Y とし、プールした(pooled)標本分散を
∑n
s2 =
i=1 (Xi
− X)2 +
∑m
j=1 (Y j
− Y)2
n+m−2
とおく。
t=
(X − Y) − (µ1 − µ2 )
∼ t(n + m − 2)
√
1 1
s
+
n m
より、
|t| > tα (n + m − 2) ならば有意水準 α で帰無仮説を棄却できる。
|t| ≤ tα (n + m − 2) ならば有意水準 α で帰無仮説は棄却できない。
17
[2 標本の平均の差の検定 (σ21 = σ22 が分かっているが、未知の場合)]
植木 10 本を二つの同数の群に分け、一方の群には肥料 A を与え、残りの群には肥料 B を与えて、収穫高を集
計したところ下記の表を得た。
肥料 A
-3.77
-8.93
-10.04
0.25
4.83
肥料 B
-3.63
-2.24
7.15
-7.50
1.13
確率・統計 (解法)
[12 / 12]
二つの分散は等しいとして、肥料により収穫高に差があるかを有意水準 5% で検定せよ。
[解法]
肥料 A と肥料 B の収穫高をそれぞれ、Xi 、Y j で表すと、計算により X = −3.532、Y = −1.018、プールした
(pooled)標本分散は s2 = 34.6794 を得る。
帰無仮説 H0 : µ1 = µ2 versus 対立仮説 H1 : µ1 , µ2
(X − Y) − (µ1 − µ2 ) > tα (n + m − 2) ならば、帰無仮説を棄却する。
|t| = √
1 1
s
+
n m
ここで
−3.532 + 1.018
t= √
= −0.6749
34.6794( 15 + 15 )
で、t0.05 (8) = 2.306 より、帰無仮説は有意水準 5% で棄却できない。
18
[2 標本の平均の差の検定 (σ21 = σ22 が分かっているが、未知の場合)]
二つの母集団があり、各々独立に正規分布に従っており、各々の分散は等しいことが分かっているとする。
各々の母集団からの標本に対して、n = 40, X = 168.5, s2X = 5.4 と m = 40, Y = 165.5, s2Y = 3.2 を得た。このと
き、二つの集団の身長について差があるかないかを有意水準 5% で検定せよ。
[解法]
n = 40, X = 168.5, s2X = 5.4、m = 40, Y = 165.5, s2Y = 3.2。有意水準 5%。
二つの母集団分散は等しいので、プールした(pooled)標本分散は
s2 =
39 × 5.4 + 39 × 3.5
= 4.3
40 + 40 − 2
を得る。
帰無仮説 H0 : µ1 = µ2 versus 対立仮説 H1 : µ1 , µ2
(X − Y) − (µ1 − µ2 ) > tα (n + m − 2) ならば、帰無仮説を棄却する。
|t| = √
1 1
s
+
n m
ここで
168.5 − 165.5
= 6.4699
t= √
1
1
4.3( 40
+ 40
)
で、t0.05 (78) は表にないので正規分布表の 5% 棄却限界値 1.96 を代用する。よって、帰無仮説は有意水準 5% で
棄却できる。
Fly UP