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小学校第 1 学年 生活科 単元名「いっしょがいいね」

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小学校第 1 学年 生活科 単元名「いっしょがいいね」
小学校第 1 学年
1
生活科
単元名「いっしょがいいね」
本単元で人権教育を進めるにあたって
本単元は、家庭生活が、家族の仕事や温かさによって支えられていることに気
付き、家族の一員として自分のできることを考え、進んで自分の役割を果たすと
ともに、規則正しい生活を送ることができることをねらいとしている。
本学習において、自分の家庭のことを調べ、友だちの発表を聞く中で、家庭生
活は家族全員がそれぞれに協力し合って支えられていることに気付かせることが
できる。これらの学習活動は、
「義務」
「相互依存性」
「連帯性」といった自他の人
権を尊重していく上において重要な諸概念の理解を培うものである。
自分自身の家庭生活を考えさせる中で、男女の協働や世代間を超えた協力とし
て、自分ができることを考えさせ、それぞれの家庭で実践していく。その中で仕
事や役割、家庭の温かさを実感し、家庭生活が楽しくなるためには、お互いを思
いやり助け合うことが大切であることを理解できるようにしたい。
2
単元の目標
家庭生活を支えている家族のことや自分でできることなどについて考え、家庭
生活の中で自分の役割を積極的に果たそうとする。
家庭生活やその中で育った自分自身のことを振り返り、規則正しく健康に気を
付けて生活することができる。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
○家庭生活には、たくさんの仕事や役割があり、それらは家族が協力することで成
り立っていること、互いに思いやり助け合っていることを理解する。(知識的側
面)
4
指導のポイント
(1)知的理解を図る上で大切にしたいポイント
○活動のねらいや内容を事前に保護者に伝え、児童の家庭での実態を把握し、連
携しながら活動を進めていく。
○家族の姿には、いろいろな形態があることに気付かせるとともに、いずれの家
庭においても、互いに協力し、努力していることを理解させる。
○調べたり実行したりして、気付いたことや感じたことを発表したり感想を交流
したりする場を設け、それぞれの家庭生活の工夫に触れさせる。
○家の中でやってみたい仕事では、より成就感を味わうために、「やってみたい
ことを家族に伝え尋ねる→家族とともにやってみる→自分一人でやってみる
→自分の役割としてやっていく」というステップを踏んで行うようにする。
○終末に「かぞくにこにこ大作戦」を設定し、家庭生活が楽しくなるにはどんな
ことをすればよいのかを考え、家族の楽しみや団らん、喜びに目を向けさせる。
また、活動して分かったこと気付いたことの発表会を行い、家族のためにでき
ることが増えた自分の成長や家族への思いが深まったことを確かめさせる。
Ⅱ【知】小生1
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
① 自己存在感
家庭の中の仕事調べ、「かぞくにこにこ大作戦」等の活動を通し、自分にできる
ことを実践することで、家族から必要とされているという成就感を味わわせる。
② 共感的人間関係
家庭の中の仕事調べを通し、学級の友だちもそれぞれの家族での役割を果たすた
めに努力していることを分からせる。
③ 自己選択・決定
友だちの発表を聞いて、自分の家で自分ができることを考えさせ、それを実行
できるように支援する。
5
学習の流れ
(1)指導計画(12時間取り扱い)
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
1
いっしょがいいね
○児童一人一人の家庭環境を十分把握し、それ
家庭生活を支える家族のことや自
ぞれの家族の多様性やよさを認め児童に伝
分のことを考え、自分と家族とのか
える。
かわりに関心をもつ。
2 いえの中でさがしてみよう
○家庭の中の音などを調べさせ、家庭の中
家族の中で、「誰が」「どんな仕事
の仕事、それをしている人の様子をしっ
をしているのか」について、諸感覚
かりとつかませる。
を通して調べ、家庭内にはさまざま ○家庭の中の仕事をする家族の共通の思い
な仕事があることや、それを家族が
に目を向けさせる。
行い家庭生活を支えていることに
気付く。
(本時)【2時間】
3 いえのしごとにちょうせん
○家庭に任せっきりにせず、取組の様子を
家庭の中で自分のできる仕事を見
尋ねたり、ほめたりする。
つけ、家族とともに行ったり、自分 ○仕事に挑戦して、気付いたことや感じた
の役割として継続して行ったりす
ことを伝え合い、お互いの頑張りを認
る。
【3時間】 め、日常化につながるようにする。
4 かぞくにこにこ大さくせん
○家族の気持ちに気付き「家族にこにこ大
家族のために、自分ができることを
作戦」を行うことで、家族の団らんや楽
考えて行い、それを友だちに伝え合
しみ、喜びにも目を向けさせる。
うことを通して、家族に喜んでもら ○家の人との手紙のやりとり等から、家族
う楽しさや、それができる自分に気
が支え合っていることに気付かせる。
付く。
【4時間】
5 おはなしのじかん
○家族に守られて成長してきた自分に気付
成長にあたって、家族の支えや家族
かせ、家族への感謝の気持ちを持たせる。
の願いに気付き、健康に気を付け規
則正しい生活をしようとする意欲を
高める。
6 ふゆやすみ
○冬休み中は、楽しく過ごすことに加え、
日本の伝統的な習慣や行事について
規則正しい生活をして健康や安全に気を
知り、年末年始を家族とともに楽し
付けて生活することが家庭生活で大切で
く過ごすためにできることを考え
あることを確かめさせる。
る。
Ⅱ【知】小生2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(2・3/12時間目)
目標
◇家庭内にはさまざまな仕事や役割があること、それを家族が協力して行うこ
とで家庭生活を支えていることに気付く。
人権教育で育てたい資質・能力
◆家庭内にはさまざまな役割があり、お互いに思いやり、助け合って生活してい
ることに気付く。
主な学習活動
1
○指導上の工夫・留意点
評価◇◆
備考
家庭の中の仕事の音を聞い ○家事をするときの音を聞かせ、家庭 PC
て、本時のめあてを知る。
の中の仕事に興味を持たせ、本時の
学習意欲を高める。
いえの中で、だれがなにをしているのか、さがしてみよう。
2
家庭の中で、だれがどんなこ ○家庭の中の仕事には、たくさんの種
とをしているのかについて、諸
類があり、それぞれの仕事を家族が
感覚を通して調べてきたこと
協力して行っていることに気付か
をカードに記入する。
せる。
3 カードを見ながら、調べたこ ○「誰が何をしていたか」を出し合う。
とを友だちと伝え合う。
○「見たこと」「尋ねたこと」にとど
まらず「音、におい、味、手触わり」
についても紹介し合うようにする。
4 友だちと質問し合い、共通点 ○友だちと同じところや違うところ
や相違点を考える。
に気付くように整理して板書する。
・家の中の仕事の種類
・誰がしているか
・音やにおいや味や手触わり
・仕事をしている人の思い
5 仕事をしている人の思いに ○家庭によって仕事のやり方等が違
ついて話し合う。
っていても、家族への温かい思いや
りは同じであることに気付づかせ
る。
◇家庭の中には、さまざまな仕事があ
り、それを家族が協力して行ってい
ることに気付く。
◆家庭の中にはさまざまな役割があ
り、互いを思いやり、助け合ってい
ることに気付く。
6 学習の振り返りをし、自分に ○家庭のよさを感じるとともに、自分
もできることをやってみたい
にできることをやってみたいと意
と意欲をもつ。
欲を持たせる。
○次時の予告をする。
Ⅱ【知】小生3
ワーク
シート
1(家の
中の仕事
調べ)
ワーク
シート
2(気付
き カ ー
ド)
インタ
ビュー
(家の人)
お 手 伝
い の 写
真
6
資料
ワークシート1
☆いえのなかのしごとしらべ☆
音・におい・あじ・手ざわりをあつめよう!
月
日
名まえ
音・におい・あじ・手ざわり
どんな
だれが
なにをしていた
どんなきもちで
Ⅱ【知】小生4
ワークシート2
☆きづきカード☆
1
月
日
名まえ(
)
「いえのなかのしごとしらべ」で、ともだちと
おなじだったところやちがったところをかきましょう。
○「おなじところ」みつけたよ!
○「ちがうところ」みつけたよ!
2
きょうの学しゅうで、きづいたことやかんがえたこと
をかきましょう。
Ⅱ【知】小生5
中学校第3学年 保健体育科 単元名「文化としてのスポーツの意義」
1
本単元で人権教育を進めるにあたって
本単元では、スポーツが生活や人生を豊かにするかけがえのない文化であり、
現代生活のなかで重要な役割を果たしていることを理解させ、生涯にわたって健
康で文化的な生活を営む態度を育成することをねらいとしている。
この学習では、スポーツが世界平和や国際親善・地域振興などに貢献している
ことや、民族や国、人種や性、障がいの違いなどを超えて人々を結び付けている
ことなどから、文化としてのスポーツの意義を考えさせる。また、そのことを通
して、「権利」や「他者理解」などの人権問題を解決する上で重要な諸概念の理
解にもつなげていきたい。
様々な大会や自分たちの生活の中にあるスポーツなどについて調べたり、自分
の生活とスポーツを関連付けて考えさせたりする活動を通して、主体的な学習を
促し理解を深めさせたい。
2
単元の目標
現代生活におけるスポーツが文化的意義をもつことを理解し、国際的なスポー
ツ大会が果たす役割や、文化としてのスポーツが様々な人々を結び付ける働きが
あることを理解する。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
◈人はみな健康で文化的な生活を送る権利を有することを理解する。(知識的側
面)
◈相互理解が差別や偏見をなくすことを理解する。(知識的側面)
◈スポーツが世界平和や国際親善に貢献していることを知る。
(知識的側面)
4
指導のポイント
(1)知的理解を図る上で大切にしたいポイント
◈第1学年で学習したスポーツの多様性(「する」・「見る」・「支える」スポ
ーツ)を導入に学習を展開する。
◈共通のルールでスポーツマンシップに則り勝敗を競うところにスポーツの価値
があり、そこには公正・公平な態度やフェアプレイの精神が伴うことを知らせ
る。
◈スポーツ選手や各種スポーツ団体が取り組んでいる国際親善活動について調べ
学習を取り入れ、スポーツの文化的側面に気付かせる。
◈生徒の興味・関心を引き出すために、VTRやIT機器を活用するなど、導入
方法を工夫する。
◈スポーツに関わることが自己表現や他者理解につながり、相互理解の機会とな
ることに気付かせる。
Ⅱ【知】中体1
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
① 自己存在感
班活動を中心に学習活動を進め、話合い活動の充実と学習規律の定着を図り、
互いの意見を尊重する習慣を付けておく。
② 共感的人間関係
自由に発言できる時間帯を設定するとともに、互いの思いを共有する活動を
行う。
③ 自己選択・決定
自分の考えや意見をまとめたり、課題を設定したりするためのワークシート
の工夫を行う。
5
学習の流れ
(1)指導計画(3時間取り扱い)
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
1
現代社会におけるスポーツの文 ◈健やかな心身は、健康で文化的な生活を営
化的意義
むことにつながることを理解させる。
◈スポーツが健やかな心身の育成や ◈既習の「スポーツをする・見る・支える」
自己開発の機会、人々との交流の場
という、それぞれの立場から、スポーツに
を提供することを理解する。
関わることが相互理解につながることを知
◈国内外のスポーツ振興にかかわる
らせる。
諸計画について知る。
◈スポーツ振興が生活改善につながることを
知らせる。
2 国際的なスポーツ大会が果たす ◈国際大会が、フェアプレイやチームワー
文化的な役割
クなどスポーツの価値を広める機会に
◈スポーツの持つ教育的意義や倫理
なることを知らせる。
的価値、国際大会の果たす役割に ◈これまでに国際大会が世界平和や国際
ついて理解する。
親善に貢献してきたことを知らせる。
3 人々を結び付けるスポーツの文 ◈スポーツが様々な違いを超えた人々の
化的なはたらき
交流につながり、自他の人権を尊重する
◈スポーツによる人々の結び付きが、 ことを理解させる。
様々な違いを超えて行われている ◈ルールや用具を工夫することで、スポー
ことと、その広がりについて理解す
ツは楽しみ方やかかわり方が多様にな
る。
(本時) ることを理解させる。
Ⅱ【知】中体2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(3/3時間目)
目標
◇スポーツには民族や国、人種や性、障がいの有無、年齢や地域、風土といっ
た違いを超えて人々を結び付ける文化的な働きがあることを理解する。
人権教育で育てたい資質・能力
◆スポーツによる人々の結び付きが、差別や偏見をなくし人権を守る価値観につ
ながることを知る。
主な学習活動
1
前時の学習を振り返る
2
本時のめあてを知る。
◈指導上の工夫・留意点
評価◇◆
備考
◈オリンピック等の国際大会の文化
的役割について理解を深めさせる。
スポーツによる人々の交流にはどんな意義があるか考えよう
3 スポーツを通してどのよう
な人たちと関わっているか考
える。
(1)自分たちの経験から、場 ◈部活動や学校行事等を思い出しなが
ワーク
面や相手など自由に出し
ら、どのようなかかわりがあったの
シート
合う。
かを記入するよう助言する。
(2)それぞれの役割について ◈全体で確認しながら、それぞれの役 ①
話し合う。
割に気付かせる。
(3)教科書で確認をする。
◈教科書をもとに、スポーツが人々を
結び付けていることに気付かせる。
4 ルールを工夫したスポーツ ◈シッティングバレー・ゴールボール ワ ー ク
について調べ、発表する。
についてインターネット等で調べさ シ ー ト
・道具について
せる。
②
・ルールについて
◈障がいの有無にかかわらずスポーツ
を楽しめるよう、道具やルールが工
夫されていることに気付かせる。
◇スポーツがさまざまな違いを超えて
人々を結び付けていることを理解し
ている。
5 本時のまとめをする。
◈学習したことをもとに、様々な違い ワ ー ク
を超えてみんなが一緒にできるスポ シ ー ト
③
ーツ等についてまとめさせる。
◆道具やルールを工夫したスポーツに
よる人々の交流が、差別や偏見をな
くし人権を守る価値観につながるこ
とを理解している。
Ⅱ【知】中体3
6
資料
第 3 学年保健体育科学習シート 3 年
組
号(
《人々を結びつけるスポーツの文化的なはたらき
【めあて】(
)
》
)
① 自分がスポーツを通して関わっているのは、どんな人たちだろう。
◈どんな人
◈どんなとき
※違いをこえたスポーツによる人々の結びつき
◈(
)をこえる・・・親子大会など
◈(
)をこえる・・・ミックスダブルスなど
◈(
)をこえる・・・オリンピックや国際大会など
◈(
)をこえる・・・パラリンピックなど
② ルールや用具を工夫して行うスポーツについて調べてみよう。
種目:
《
》
《気付いたことや考えたこと》
③ 今日の学習を通して、学んだことや気付いたことをまとめましょう。
Ⅱ【知】中体4
≪参考資料≫
以 下 の UR L よ り 競 技 の 概 要 や 規 則 、 動 画 な ど を 見 る こ と が で き ま す 。
※日本ゴールボール協会オフィシャルサイトより
http://www.jgba.jp/
※日本シッティングバレーボール協会ホームページより
http://www.jsva.info
【解答例】
※違いをこえたスポーツによる人々の結びつき
◈( 年齢(世代) )をこえる・・・親子大会など
◈( 性 )をこえる・・・ミックスダブルスなど
◈( 人種、民族、国 )をこえる・・・オリンピックや国際大会など
◈( 障がいの有無 )をこえる・・・パラリンピックなど
Ⅱ【知】中体5
高等学校第1学年
1
家庭科
単元名「子どもの育つ環境」
本単元で人権教育を進めるにあたって
本単元は、現代の子どもや子育て家庭を取り巻く環境の問題について理解さ
せ、子どもの育つ環境にはどのような課題があるかを考えさせる。また、課題解
決のためには、「児童憲章」などの関係条約・法規等に示されている児童福祉の
理念が重要であることを理解させることをねらいとしている。
この学習では、「児童の権利に関する条約」の条文を権利の内容によって分類
させることで条文を理解させ、子どもの権利についての理解につなげる。また、
我が国で急増している児童虐待を通して、親や社会の一員としての立場から子ど
もにとっての最善の利益について考えさせることで、関係条約や法規等に示され
た児童福祉の理念について理解させる。
このような人権にかかわる主要な条約・法規等と、日常生活で起きている人権
侵害とを関連させる学習を通して、すべての人が一人の人間として尊重される存
在であるということを理解させ、現在及び将来において人権問題を解決する上で
具体的に役立つ知識を身に付けさせる学習としたい。
2
単元の目標
現代の子どもを取り巻く環境の変化や子育てにかかわる問題点に気付き、関係
条約・法規等から児童福祉の理念について理解し、親や社会の一員としての立場
で「子どもの権利と福祉」と地域社会とのかかわりについて考える。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
◈子どもは保護され養育される存在としての権利をもつとともに、一人の人間と
して尊重される存在でもあるということを理解する。(知識的側面)
4
指導のポイント
(1)知的理解を図る上で大切にしたいポイント
◈「児童虐待」について考えることを通して、我が国における子どもへの人権侵
害について理解させる。その際、児童虐待を生み出す社会的背景についても考
えることができるようにする。
◈「現代社会」等と関連を図ることで、人権に関する国際的潮流や我が国の人権
に関する法規等について、歴史的・系統的に理解することができるようにする。
◈学級担任等との連携により、被虐待経験のある生徒の把握に努めるとともに、
生徒の生活背景についても十分に配慮する。
◈地域の保育所・幼稚園等訪問を通して、地域社会における子育て支援の現状に
ついて理解させ、子どもの育つ環境の課題等について考えることができるよう
にする。
Ⅱ【知】高家1
。
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
① 自己存在感
子どもの権利や福祉について、互いに意見交換する過程で、大切な自分自身の
存在に気付かせる。
② 共感的人間関係
グループワークの際、互いの意見を尊重し合うことで、グループ内の意見調整
がうまくできるようにする。
③ 自己選択・決定
学校及び生徒の実態に応じた学習内容や活動の場を提供し、選択の幅を広げ
る。
※ 関係条約や法規等と日常生活とのかかわりを理解させるために、児童
虐待に関する新聞記事を活用することもできる。その際、新聞記事は、
学校の実態、課題に応じて数種類提示し、生徒の興味関心に応じて選択
させる方法もある。
※ 本単元を3時間取り扱いとして、児童虐待の予防策や必要な社会的支
援について考えさせる学習に発展させる方法もある。
※ 学校家庭クラブ活動の一環として、長期休業中に希望生徒による保育
所・幼稚園等訪問に取り組むことも可能である。
5
学習の流れ
(1)指導計画(2時間取り扱い)
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
1 現代の子育て環境
◈前章で学習した家族の形態や家庭の機能
◈少子社会における子どもを取り
の変化を思い出し、子育て環境の変化や問
巻く環境の変化や問題点に気付
題点との関係に着目させる。
き、地域社会とのかかわりについ ◈「くまもと家庭教育支援条例」等、関係条
て考える。
例制定等の新しい動きについても伝える。
資料5
2 子どもの権利と福祉
◈「児童の権利に関する条約」の条文から、
◈「児童の権利に関する条約」や
子どもにも市民的権利があることに気付
「児童福祉法」、「児童憲章」
かせる。
等の条文から児童福祉の理念を ◈支援の方法を「親の立場」や「社会の一員
理解し、子どもの権利と福祉に
としての立場」など、複数の立場で、子ど
ついて考える。
(本時) もにとっての「最善の利益」について考え
させる。
Ⅱ【知】高家2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(2/2時間目)
目標
◇子どもの権利と福祉について理解し、子どもにとっての最善の利益について
考えることができる。
人権教育で育てたい資質・能力
◆子どもは保護され養育される存在としての権利があるとともに、一人の人間と
して尊重される存在でもあるということを理解する。
主な学習活動
1
2
前時の復習
本時の学習内容
◈指導上の工夫・留意点
評価◇◆
備考
◈現代の子育て環境の課題について
確認する。
子どもの権利と福祉について考えよう。
3
子どもの権利について考え
る。
(1)世界の子どもを取り巻く ◈教科書等にある児童労働などの写
問題点について知る。
真をもとに、世界の子どもを取り巻
く問題に対する関心を高めさせ、
「児童の権利に関する条約」につな
げる。
(2)「児童の権利に関する条 ◈子どもにも市民的権利があること ワーク
約」の条文を理解する。
に気付かせる。
シート
・教科書等をもとに、条文 ◈本条約の特徴である「子どもは権利 資料1
を権利の内容によって分
の主体」と「子どもの最善の利益」
類する。(ワーク1)
について補足説明をする。
【個人→グループ】
(3)児童虐待の実態(種類や ◈「児童の権利に関する条約」が、日
原因、虐待者の内訳など) 本の子どもたちにも深く関係して
や児童虐待防止法につい
いることに気付かせる。
て知る。
◈児童虐待の実態について補足説明
をし、その要因は、子育て環境の課
題でもあるということに気付かせ、
児童虐待が親の個人的な問題ばか
りでなく、社会全体の問題でもある
ということを押さえる。
※児童虐待に関する新聞記事等を活
用することで、それをより身近な問
題として捉えさせることができる。
Ⅱ【知】高家3
4
子どもの福祉について考え
る。
(1)
「児童福祉法」や「児童憲 ◈「児童福祉法」の第1条や「児童の
章」
、
「児童の権利に関する
権利に関する条約」の第3条などに 資料1
条約」の条文等から、児童
着目させ、これらを関連づけてまと 資料2
福祉の理念について考え
めさせる。
資料3
る。
(ワーク2)【個人】
(2)
「子どもの最善の利益」に ◈子どものことを第一義に考えると
ついて、親や社会の一員
いう点を押さえる。
としての立場で考える。
◈教科書等の子育て支援に関する資
(ワーク3)【個人】
料をもとに、子どもにとって一番よ
いと思われる支援について、その内
容等を具体的に記入させる。
5
6
4(2)について、グルー
プ内で意見交換を行う。
(ワーク4)
【個人→グループ】
本時の学習をまとめる。
(ワーク5)
◈他の人の意見をよく聞き、よい点を
認め合うことで、自分の考えを深め
られるようにする。
◆子どもは保護される存在であると
ともに、一人の人間として尊重され
る存在でもあるということを理解
している。
◇子どもの権利と福祉について理解 資料4
し、子どもにとっての最善の利益に
ついて考えることができる。
◈子どもが健やかに育つためには、地
域社会全体で豊かな子育ての環境
づくりを行うことが必要であると
いうことを押さえる。
Ⅱ【知】高家4
6
資料
ワークシート例
『子どもの権利と福祉について考えよう』
1
「児童の権利に関する条約」の条文を権利の内容によって分類しよう。
権利の名称
条文の見出し
生存権
(生きる権利)
発達権
(育つ権利)
虐待・放任・搾取からの保護
(保護される権利)
意見表明権・参加権
2
「児童福祉法」、「児童憲章」、「児童の権利に関する条約」の条文等から児童福
祉の理念をまとめよう。
Ⅱ【知】高家5
3 子どもにとっての「最善の利益」について考えよう。
(1)あなたは子育てに悩む親だとします。子どもを虐待するかもしれないと思っ
た時、あなたなら現存の子育て支援のうち、どの支援を活用すると思いますか。
また、もしあなたが他に必要だと思う子育て支援があればそれも書いてくだ
さい。
親の立場(現存の支援)
親の立場(他に必要な支援)
(2)あなたは社会の一員(近隣住民)として、
(1)のように子育てに悩んでいる
親やその子どもに対して、どのような支援ができると思いますか。
社会の一員(近隣住民)の立場
4
友だちの意見でよいと思ったものを書こう。
5
授業の感想(今日の学習で気付いたことや深められたことなど)
Ⅱ【知】高家6
資料1《児童の権利に関する条約》(日本は1994年批准)
(第1条)子どもの定義
子どもの権利条約では18歳未満の人を「子ども」と定めています。
(第2条)差別の禁止
すべての子どもは、人種、皮膚の色、性別、出身、障害があるかないかによっ
て差別されず、この条約に定められた権利を持ち、人間として尊重されます。
(第3条)子どもにとっての最善の利益
子どもにかかわりのあることを行うときは、子どもにとって最もよいことは何
かを一番に考えなければなりません。
(第4条)国の義務
国は、この条約に書かれた権利を守るために、できる限りのことをしなければ
なりません。
(第5条)保護者の指導の尊重
この条約にあるたくさんの権利を子どもが正しく使うために、保護者は、子ど
もに適切な援助や助言をしなければならず、その指導は尊重されます。
(第6条)生きる権利
1 条約を結んだ国は、すべての子どもが「生きる権利」を本来持っていること
を認めなければなりません。
2 条約を結んだ国は、子どもたちが生きるために、そして子どもたちがしあわ
せに成長していくために、できる限りの手助けをしていかなければなりません。
(第12条)意見を表明する権利
1 子どもには考えたことや感じたことを、自由に表明する権利があり、子ども
の年齢や成長に応じ、その意見は考慮されなければなりません。
2 子どもには意見を聴いてもらえる機会が与えられます。
(第13条)表現の自由
1 子どもには考えたことや感じたことを、言葉や文章・芸術など自分の選んだ
方法で、自由に表現する権利があります。
2 ただし、他の人の権利を尊重し、信用を傷つけてはいけませんし、国の安全
や公の秩序を乱してもいけません。
(第16条)私生活等に対する不法な干渉からの保護
すべての子どもは、自分の私生活や家族、住まい、通信に対して他人から勝手
に干渉されません。また、名誉や名声を不法に傷つけられることがあってはなり
Ⅱ【知】高家7
ません。
ぎゃくたい
(第19条)保護者による 虐 待 からの保護
子どもは、保護者からのあらゆる種類の暴力、虐待や放置、安い賃金で働かせ
たりするなどの不当な扱いから守らなければなりません。
(第23条)障がいのある子どもの権利
障がいのある子どもが自立や社会参加ができるように、教育、福祉、医療など
のいろいろなサービスが受けられるようにする必要があります。
(第28条)教育についての権利
子どもには、教育の機会が平等に与えられ、学ぶ権利が保障されます。すべて
の子どもが義務教育を受けられるようにし、不登校や中途退学がなくなるように
する必要があります。
(第29条)教育の目的
教育は全ての子どもの人格、才能、精神的・身体的能力を最大限に伸ばすこと
を目指すものです。
(30条)少数民族・先住民の子どもの権利
少数民族・先住民の子どもたちは、自分たちの言語、文化、宗教を大切に守っ
ていく権利があります。
(第31条)休息、余暇及び文化的生活に関する権利
子どもは休息や余暇を持ち、年齢にふさわしい遊びを楽しみ、レクリエーショ
ンや文化、芸術活動に参加する権利があります。
さくしゅ
(第32条)経済的搾取・有害な労働からの保護
子どもを無理やり働かせたり、有害な仕事をさせたりしてはなりません。
(第33条)麻薬の不正使用等からの保護
かくせいざい
子どもに麻薬や覚醒剤を使ったり、子どもに作らせたり、売らせたりしてはい
けません。
(第34条)性的搾取、虐待からの保護
子どもは性的虐待から保護されなければなりません。
Ⅱ【知】高家8
出典:「『知っていますか? 子どもの権利条約 Convention on the Rights of the
Child (児童の権利に関する条約)』 中学生・高校生と保護者の皆様へ 熊本県」
より一部抜粋
http://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/1044734_1082899_misc.pdf
熊本県子ども家庭福祉課のHPよりダウンロード可能
資料2「児童福祉法(一部抜粋)」・資料3「児童憲章(前文)」
(参照) 「家庭基礎 自立・共生・創造」東京書籍P51
「未来を拓く 高校家庭基礎」大修館書店P170
「家庭基礎 明日の生活を築く」開隆堂P47
「家庭基礎21」実教出版P162
資料3「児童憲章(前文)」のみ掲載
(参照) 「家庭基礎 ともに生きる 明日をつくる」教育図書P51
資料4
児童相談所全国共通ダイヤル(0570-064-000)
(管轄の児童相談所につながります)
資料5 「くまもと家庭教育支援条例」
http://kyouiku.higo.ed.jp/page3558/page4345/
熊本県教育委員会のHPよりダウンロード可能
Ⅱ【知】高家9
高等学校第2学年
1
特別活動(ホームルーム活動)
題材名「水俣病から学ぶ」
本題材で人権教育を進めるにあたって
本題材は、水俣病に関する正しい知識を習得し、水俣病問題から得た教訓を共
有することにより、「集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こう
とする自主的、実践的な態度」を育てることをねらいとしている。
高等学校ホームルーム活動の内容の一つは、「グローバル化が進み、国や社会
の間を情報や人材が行き交い、相互に密接・複雑に関連する中」において、「他
者や社会、自然や環境と共に生きる」力を身につけることである。地球規模での
人権問題や環境問題が重大なテーマとなっている今日、水俣病から学ぶことは多
い。
小中学校での水俣病学習の基礎の上に、高等学校では水俣病に関する知識の定
着を図る。さらに、生徒が将来にわたって、水俣病をはじめとする様々な人権問
題等に直面した場合も、正しい知識に基づいてそれを解決しようとする態度を育
成する。
2
題材の目標
水俣病に関する歴史や現状について正しい理解を深め、将来的に人権侵害を予
防したり、様々な人権に関する課題を解決したりするために、個々の課題につい
ての正しい知識をもとに、判断し行動しようとすることができる。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
◈私たちが解決しなければならない課題についての歴史や現状を理解する。(知
識的側面)
◈人権尊重の観点から、社会の諸問題に主体的に関与しようとする。
(価値的・
態度的側面)
4
指導のポイント
(1)知的理解を図る上で大切にしたいポイント
◈正確な情報や正しい理解が差別や偏見をなくすことにつながることを意識さ
せ、生徒の水俣病に関する知識や理解を深める。
◈社会の発展や物質的に豊かな生活を追求する中で発生した水俣病について、私
たち自身が生きている同時代の問題として捉え、自分のこととして考えること
が、自分や他者の人権を守ることにつながることを意識させる。
◈水俣病、水俣病が環境や人々に及ぼした影響、水俣の人々の取組について知る
ことで、人権侵害の予防、自己の発言や行動に対する責任感、よりよい社会の
実現などに繋がる実践的知識を身に付けさせる。
Ⅱ【知】高特1
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
①自己存在感
ワークシートに取り組む時間を十分確保し、しっかりテーマと向き合うことができ
るようにする。
②共感的人間関係
ワークシートの空欄補充はペアワークとし、互いに協力しながら課題に取り組むこ
とで共感的態度を育成する。
グループワークでは互いの発表を傾聴し、本時の学びを共有する。発表者に感想を
述べたり質問したりすることで、支持的な雰囲気をつくる。
③自己選択・決定
水俣病について学んだことから、これからの行動や生活について考えることができ
るよう支援する。
※2時間取り扱いとすることも可能である。その場合、ペアワークやグループワー
クなどの参加体験型学習の手法を取り入れ、共感的人間関係を築くための取組を
充実させることができる。
Ⅱ【知】高特2
5
学習の流れ
人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例
目標
◇水俣病に関する歴史や現状について正しい理解を深め、将来的に人権侵害を予
防したり、様々な人権に関する課題を解決したりするために、個々の課題につ
いての正しい知識をもとに、判断し行動しようとすることができる。
人権教育で育てたい資質・能力
◆私たちが解決しなければならない課題についての歴史や現状を理解する。
主な学習活動
◈指導上の工夫・留意点
評価◇◆
備考
1 本時の学習内容を知る
◈小中学校での学習内容を確認し、現
・現在の水俣市が環境問題に
在の水俣市について知らせる。
先導的に取り組んでいる
・熊本県が誇る環境モデル都市
自治体であることを認識
・平成4年に日本で初めての「環境
する。
モデル都市づくり宣言」を行う。
・ごみの高度分別や水俣独自の環境
ISO 制度など、市民と協働で様々
な環境政策に取り組んできた。
・2008年7月、これまでの実績
と今後の取り組みの提案が評価さ
れ、国の「環境モデル都市」
(全国
13都市)に認定された。
2 水俣病に関する事実を確 ◈話しやすい雰囲気を作るために、ペア
認する
ワークにする。
(1)空欄補充(ペアワーク)
ワーク
◈『水俣病10の知識』を
シート
参考にしながらワークシ
ート【1】の空欄補充に
取り組む。
(2)内容の確認
◈生徒を指名して発表させる前にペア
◈お互いの解答を確認し、
で解答の確認をさせることにより、生
相違がある場合には資料
徒が自信をもって発言できるよう配
を見直したり、話し合っ
慮する。
たりして再度確認する。
(3)解答の確認
◈水俣病の原因や水俣湾の現状などに
◈学級全体で空欄の解答を
ついて正しく理解できているか、確実
確認し、水俣病に関する
に確認する。
正しい知識を共有する。
Ⅱ【知】高特3
3
人権問題を解決するため
に必要なものについて意見
交換を行う。(グループワー
ク)
(1)各自の考えを、ワークシ
ート2に記入する。
(2)グループで考えをまと
め、その後ロールプレイ
や意見交換を行う。
(3)みんなの意見を聞いて、
自分の考えを振り返る。
◈正しい情報や知識は、水俣病に対す
る差別や偏見をなくすために不可欠
であることを理解させる。
◈聞き手は発表者に感想を述べたり質
問をしたりすることにより、互いの
学びを深める。
◆私たちが解決しなければならない課
題についての歴史や現状を理解して
いる。
◇社会の一員として、よりよい社会を
築くために個々の課題についての正
しい知識をもとに判断しようと す
る。
4 本時のまとめをする。
◈意見交換を行ったことで、自分の考
◈他の意見を踏まえ、自分の
えが変わった点や新たに気付いた点
意見をまとめる。
などを、
「まとめ」に記入させる。
◈教師は生徒の意見に対する補足説明
を行う。水俣病を題材として学んだ
ことで、正しい知識を身につけるこ
とが、生徒が将来にわたって様々な
人権侵害を予防したり解決したりす
るのに、有効な手段であることを理
解させる。
≪参考資料≫
・ワークシート【1】は『水俣病10の知識』から引用している。
水俣病資料館→資料→水俣病10の知識
http://www.minamata195651.jp/list.html
・「環境モデル都市水俣が目指すもの」
http://www.city.minamata.lg.jp/148.html
Ⅱ【知】高特4
6
資料
○ワークシート
テーマ:水俣病について学ぶ・水俣病から学ぶ
【1】
『水俣病10の知識』を参考に、以下にあげた水俣病に関する質問の答えをさがして記入しなさい。
①水俣病はどのような病気ですか?
水俣病は工場排水中の(1
(1
)に汚染された魚や貝などをたくさん食べることによっておこった
)中毒です。空気や食物を通じてうつる(2
)病ではなく、(3
)することもあ
りません。
②水銀とはどのようなものですか?
水俣病を引き起こしたメチル水銀は、有機水銀の一種です。メチル水銀は胃腸から(1
血液に入って肝臓や腎臓はもとより、脳や胎児にまで運ばれて(2
)されやすく、
)し、人体に大きな障がいを与えま
す。
③チッソ水俣工場では過去にどのようなことが行われていましたか?
チッソは昭和7年から昭和43年まで、酢酸や可塑剤(かそざい)などの原料となるアセトアルデヒドを作
るときに触媒(反応を速めるための物質)として無機水銀を使用しました。その過程で生み出された毒性のあ
る(1
)を昭和41年まで、ほとんど無処理のまま(2
)に流していました。
④現在のチッソ株式会社やチッソ水俣工場はどうなっていますか?
チッソ水俣工場の主な製品は、液晶、保存料、保湿剤、化学肥料、合成樹脂などです。チッソ水俣工場は今
でも水俣では主要な企業です。
チッソ株式会社には、水俣病患者の方々への医療や生活の(1
)を続ける責任があります。また、水
俣病の原因企業として、二度と同じような過ちが起きることがないように、社会に対して働きかけていくこと
も求められています。
⑤水俣湾はどうなっていますか?
水俣湾に堆積した水銀ヘドロのうち、水銀濃度が 25ppm 以上のものについては、熊本県が(1
)年
の歳月と485億円の費用をかけて、一部しゅんせつ一部埋立工事を行いました。その結果、水俣湾には58
ヘクタールの埋立地がうまれました。
水俣湾の水質は、海の透明度や汚れの度合いでは熊本県下でもきれいな海のひとつに数えられます。昭和4
9年から平成9年7月まで水俣湾入り口に(2
)を設置しました。その間、漁協の協力で湾内の魚
を捕獲し、それらをチッソが買い上げ処分しました。現在では、魚の安全性については、水俣湾の魚も他の海
域と(3
)になったといえます。
⑥「もやい直し」とはどのようなことですか?
「もやい」とは、もともと船を(1
)ことや共同でことを行う意味です。人と人との関係、自然と人
との関係がいったん壊れてしまった水俣で、水俣病と正面から向き合い、対話し協働する取り組みを(2
「
」
)と名づけています。
Ⅱ【知】高特5
【2】以下のことについてまとめてみよう。
1
「水俣病とはなんですか?」と聞かれたら、何と答えますか。自分の言葉でまとめてみよう。
2
ペアになって、一人が質問する側、もう一人が答える側になって、水俣病について質問したり、答えた
りしてみよう。質問する側と答える側の役割を入れかえたり、他の人とペアになってやってみよう。
3
この学習を通して、人権問題を解決するためには何が大切だと思いましたか。自分の意見をまとめた後、
みんなの意見も聞いてみよう。
自分の意見
(
)さんの意見
(
)さんの意見
まとめ
Ⅱ【知】高特6
解答例
【1】
『水俣病10の知識』を参考に、以下にあげた水俣病に関する質問の答えをさがして記入しなさい。
①水俣病はどのような病気ですか?
水俣病は工場排水中の(1 メチル水銀 )に汚染された魚や貝などをたくさん食べることによっておこっ
た(1 メチル水銀 )中毒です。空気や食物を通じてうつる(2
伝染 )病ではなく、
(3 遺伝
)す
ることもありません。
②水銀とはどのようなものですか?
水俣病を引き起こしたメチル水銀は、有機水銀の一種です。メチル水銀は胃腸から(1 吸収 )されやす
く、血液に入って肝臓や腎臓はもとより、脳や胎児にまで運ばれて(2 蓄積 )し、人体に大きな障がいを
与えます。
③チッソ水俣工場では過去にどのようなことが行われていましたか?
チッソは昭和7年から昭和43年まで、酢酸や可塑剤(かそざい)などの原料となるアセトアルデヒドを作
るときに触媒(反応を速めるための物質)として無機水銀を使用しました。その過程で生み出された毒性のあ
る(1 メチル水銀 )を昭和41年まで、ほとんど無処理のまま(2 海 )に流していました。
④現在のチッソ株式会社やチッソ水俣工場はどうなっていますか?
チッソ水俣工場の主な製品は、液晶、保存料、保湿剤、化学肥料、合成樹脂などです。チッソ水俣工場は今
でも水俣では主要な企業です。
チッソ株式会社には、水俣病患者の方々への医療や生活の(1 補償 )を続ける責任があります。また、
水俣病の原因企業として、二度と同じような過ちが起きることがないように、社会に対して働きかけていくこ
とも求められています。
⑤水俣湾はどうなっていますか?
水俣湾に堆積した水銀ヘドロのうち、水銀濃度が 25ppm 以上のものについては、熊本県が(1 14 )年
の歳月と485億円の費用をかけて、一部しゅんせつ一部埋立工事を行いました。その結果、水俣湾には58
ヘクタールの埋立地がうまれました。
水俣湾の水質は、海の透明度や汚れの度合いでは熊本県下でもきれいな海のひとつに数えられます。昭和4
9年から平成9年7月まで水俣湾入り口に(2 仕切網 )を設置しました。その間、漁協の協力で湾内の魚
を捕獲し、それらをチッソが買い上げ処分しました。現在では、魚の安全性については、水俣湾の魚も他の海
域と(3 同様 )になったといえます。
⑥「もやい直し」とはどのようなことですか?
「もやい」とは、もともと船を(1 つなぐ )ことや共同でことを行う意味です。人と人との関係、自然
と人との関係がいったん壊れてしまった水俣で、水俣病と正面から向き合い、対話し協働する取り組みを(2
「
もやい直し 」
)と名づけています。
Ⅱ【知】高特7
小学校第4学年 国語科 単元名「調べたことを整理して報告しよう」
1
本単元で人権教育を進めるにあたって
本単元は、教材文を読み、興味をもったことについて話し合ったことをもとに、
自分の課題を決め、調べ、発表する活動を通して、伝えたい目的を明確にして話す
ことができる力や話の中心に気付けて聞く力をつけることをねらいとしている。
わたしたちの社会は、いろいろな人が周りの人やものとさまざまな方法でかかわ
っている。本教材は、そのことに気付き、自分たちの生活を見つめ直す中で、より
よくかかわり合うことについて自分の考えを広げたり深めたりすることが期待で
きる。ここでは、身近にあるさまざまな点字や目の不自由な人の生活等に目を向け
させ、「言葉や文字」「体の不自由な人とのコミュニケーション」について知的理
解を図り、調べたことを発表し合う活動の中で、他者を尊重しようとする態度を育
成したい。
このような相手を大切にした聞き方、話し方を身につけさせ「能動的な傾聴、適
切な自己表現等を可能とするコミュニケーション技能」(技能的な側面)を育むこ
とは、学んだことを自分たちの日常生活や体験と結びつけて考え、いろいろな人と
よりよくかかわっていくために進んで行動する力につながると考える。
2
単元の目標
相手や目的に応じて、話の内容を明確にして話したり、話の中心に気を付け
て聞き、質問したり感想を述べたりすることができる。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
○他者の思いや考えを尊重して受容しようとする。(価値的・態度的側面)
○調査や発表活動を通して、相手の思いや考えのよさや自分との違いを共感的に
受け止めるとともに、自分の意見や感想に自信をもって表現することができ
る。(技能的側面)
4
指導のポイント
(1)人権感覚を育てる上で大切にしたいポイント
○発表会では、ポスターセッションやワークショップなど、全員がお互いの発表
を聞けるように、発表方法などを工夫する。相手を大切にした聞き方と発表の
仕方ができるように意識させ、支持的雰囲気の中で発表や伝え合いの学習がで
きるようにする。
○道徳や総合的な学習の時間など、他教科との関連を図り、擬似体験活動や交流
会などを取り入れ、コミュニケーションの技能や他の人の立場に立って考える
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
想像力が培われるよう、系統的・計画的に実施する。
Ⅱ【感】小国1
①自己存在感
児童の生活体験や生活環境の実態、興味・関心を把握し、他教科との関連を踏
まえて、様々な視点から取り組めるように課題提示の工夫を行う。
②共感的人間関係
話し合いや発表会のときには、相手を大切にした聞き方と発表の仕方ができる
ように意識させ、支持的雰囲気の中で学び合わせる。また、自分との違いや他
者のよさから学ぼうとする態度を育てる。
③自己選択・決定
課題解決のために集めた情報の分析、整理の方法や発表の仕方を提示し、児童
の実態に応じて選択できるようにする。
5
学習の流れ
(1)指導計画(15時間取り扱い)
※光村図書「だれもがかかわり合えるように」の例
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
1 冒頭部分を読み、教材のねらい ○これまでの学習や資料から、人と人、人
を確かめ、学習課題や単元を貫く
とものとのよりよいかかわりについてお
言語活動を決め、学習計画を立て
互いの考えを交流させる。
る。
【2時間】 ○一人一人の関心や意欲を高めつつ、見通
しをもって能動的に学習が進められるよ
うにする。
2 伝える相手と目的をはっきりさ ○学級の人に伝えるという相手意識、目的
せて、調査内容などを決める。
意識をはっきりさせる。
3
目的に合わせ、調査方法を考え、 ○児童の実態に合わせた調査の方法や計画
調査計画を立てる。
となるよう支援する。
4 計画に沿って取材活動を行う。 ○各グループの取材相手や内容を把握し、
【3時間】 関係機関に対して、事前に連絡を取って
おく。
・体験交流相手校(特別支援学校、老人
施設など)
・専門機関(点字、手話、盲導犬、高齢
者、介助犬、車いす用駐車スペースな
ど)
5 調べた情報を分類・整理する。 ○観点に沿って集めた情報を、話したい内
容が明確になるように整理させる。
6 伝えたいことを選び、構成を考えて ○調べて分かったこと(事実)と自分の考
発表原稿を書く。
【2時間】
えを区別して原稿を書かせる。
Ⅱ【感】小国2
7
分かりやすく伝えるために必要 ○課題解決に適した提示方法を選ばせ、見
な資料等を作成する。
やすさを考えて作成させる。
8 聞き手に分かるような発表にな ○友達とアドバイスをし合い、よりよい発
るように、発表の練習をする。
表になるよう練習させる。
【2時間】 ○よい発表ができるようになっているグル
ープを紹介して、認め合えるようにする。
9 発表会を行い、調査、発表を振 ○グループで練習してきたことを、自信を
り返る。
(本時)
【2時間】 もって発表させる。
○聞き手は、話している人に体を向けて聞
き、意見や感想を伝えることができるよう
にする。
○内容と発表の仕方の視点で、友だちの発
表のよさに気付かせる。
○学習の始めと比較し、自分の考えが深ま
ったことに気付かせる。
※個人発表、ポスターセッション、ワークショップなど、あらかじめ発表内容やテ
ーマによって、学級全体を1時間目発表と2時間目発表の2つに分けておく。1
時間で「発表、交流、振り返り」を行い、これを2回行う。1時間目に発表、聞
き方、振り返りの視点を明確にすることで、2時間目の交流、振り返りが深まる
ようにする。
Ⅱ【感】小国3
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(光村図書 14、15時間目)
目標
◇聞き手の反応を確かめながら工夫して発表したり、話の中心に気を付けて聞
き、質問や感想を述べたりすることができる。
人権教育で育てたい資質・能力
◆相手の伝えたいことを能動的に聞いて理解し、質問や感想を伝えることができ
る。
主な学習活動
1
○指導上の工夫・留意点
本時のめあてを確かめる。
評価◇◆
備考
○学習計画に沿って進んでいることを
認識させ、意欲をもたせる。
●聞く人に分かりやすいように気を付けて発表しよう。
●学習を振り返って、学んだことを伝え合おう。
2 調べたことの発表会を行う。
◎発表者
・聞き手の反応を見ながらよ
い 姿 勢 で 見 え や す い 立ち
位置で話す。
・声の大きさ、速さ、強弱、
間の取り方に気を付け、大
切なことを落とさずに話
す。
◎聞き手
・大切なことを落とさずに聞
く。
・疑問に思ったことなどを質
問したり、思ったこと考え
たことを伝えたりする。
・発表の仕方で気付いたこと
を伝える。
・意見や感想、質問をメモし
ながら聞く。
3
○学級の全員が発表できるように、人数 資 料
に応じた形態で発表会を行う。
①
◇相手意識をもって調査結果や自分の
考えを分かりやすく発表し、友だちの
発表に対して自分の意見や感想を伝
えている。
◆友だちの発表を、能動的に聞き、発表
についての質問や感想を伝えている。
○自分の考えや今後の発表の参考にな 資 料
った発表を明確にさせる。
②
○「Aさんの発表で…のことを初めて知
って驚いた。」「自分は…と思うけど、
Bさんの考えもいいと思う。」のよう
に、友だちの発表の要点をとらえ、感
想や意見、疑問を伝えるような話し合
いにするために、
「話し方名人」
「聞き
方名人」を意識させ、自分の考えと同
じところや違うところ、その理由等が
言えるようにする。
発表を振り返ってシートに ○調べて発表することのよさを確認し、 資 料
書き、分かったことや考えたこ
自分の考えを広げたり、分かったこと ③
と、学んだことを伝え合う。
を日常生活での行動に生かそうとした
りする記述があれば意図的に指名して
全体に紹介する。
Ⅱ【感】小国4
6
資料
○光村図書
5
国語四上 かがやき
調べて発表しよう
だれもがかかわり合えるように
pp.104~116
○東京書籍 新しい国語四下
五 調べたことをポスター発表で報告しよう 「報告します、みんなの生
活」pp.91~99
※東京書籍「報告します、みんなの生活」の例 (12時間取り扱い)
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
1 資料を提示して発表すること ○他教科や総合的な学習の時間と関連させ、
のよさを知り、身の回りの生活
身近な福祉の問題を取り上げる。
の工夫について調べ、発表する ○一人一人の関心や意欲を高めつつ、見通し
見通しをもつ。【2時間】
を持って能動的に学習が進められるように
する。
2 グループごとに身の回りの工 ○ボランティア活動や福祉施設などでの交流
夫(福祉)について調べる。調
体験、インタビューや調査をするときは、
べて分かったことを集め、発表
グループで協力して行わせる。
で伝えたいことを話し合う。
○グループの発表で伝えたいことを話し合う
【4時間】
際は、お互いの意見を尊重しながら集約し
ていくようにさせる。
3 何をどの順で発表するか、ど ○話したい内容が明確になるように、観点に
こでどの資料を提示するかを話
沿って集めた情報を整理させる。
し合う。それぞれの発表の役割 ○調べて分かったこと(事実)と自分の考え
を決め、資料を使った発表の練
を区別して原稿を書かせる。
習をする。
【4時間】 ○課題解決に適した資料を選ばせ、見やすさ
を考えて作成させる。
○友達とアドバイスをし合い、よりよい発表
になるよう練習させる。
○よい発表ができるようになっているグルー
プを紹介して、認め合えるようにする。
4 調べたことの発表会を開き、 ○グループで練習してきたことを、自信をもっ
学級全体で聞き合う。分かりや
て発表させる。
すい発表だったか、資料は効果 ○相手を大切にした聞き方や発表の仕方を確
的だったか伝え合う。
認させ、安心して発表できるようにする。
(本時)【2時間】 ○聞き手は、話している人に体を向けて聞き、
意見や感想を伝えることができるようにす
る。
○内容と発表の仕方の視点で、友だちの発表の
よさに気付かせる。
Ⅱ【感】小国5
【資料①】話し方・聞き方名人の例
・
・
Ⅱ【感】小国6
聞き方名人になろう(中)
・
○正しいしせいで聞こう。
・
○顔を見てさいごまで聞こう。
さん(グループ)の発表
○自分の考えとくらべて聞こう。
・
・はくしゅ
・うなずき
)
)
わたしは、~さんと同じです。
)
) )
わたしは、~さんのいけんにはんたいです。
~さんにしつもんします。
まとめると
・
○意見をつなげよう。
・同じです。
・にています。
・ちょっとちがいます。
・つけくわえます。
・ほかにもあります。
・しつ問があります。
・まとめます。
話し方名人になろう(中)
○みんなを見て話そう。
○さいごまではっきりと話そう。
はい。わたしは、○○と思います。
○友だちと交たいしながら話そう
意見
( ( ( ( ( (
さんせい
つけくわえ ~さんにつけくわえます。
はんたい
しつもん
まとめ
思ったこと(にたような体けんがあったら書こう)
)
②
わかったこと
①
○りゆうをつけて話そう。
りゆうは、~だからです。
【資料②】聞くときのメモの例
【資料③】発表会振り返りシートの例
発表会をふりかえろう
①
名前(
発表会のしかたについて(よくできた◎
発表するとき
◎○△
いち
)
できた○
もう少し△)
聞くとき
ないよう
◎○△
はっぴょう
聞いている人が見やすい位置
内容 や 発表 のしかたに
に立って話す
ついて意見や 感想 をもつ
聞いている人の顔を見ながら
自分のこととくらべて感想
話す
を言う
はや
いけん
かんそう
ま
話す 速 さや間を考えて話す
知りたいこと分からないこ
しつもん
とを 質問 をする
だいじ
お
大事なことを落とさずに話す
話す人を見てよいしせいで
聞く
②
これからの学習や生活にいかしたいことは何ですか。
Ⅱ【感】小国7
中学校
1
第2学年
数学科
単元名「平行と合同」
本単元で人権教育を進めるにあたって
本単元は、観察、操作や実験などの活動を通して、基本的な平面図形の性質
について、その既習の内容を利用して新たな図形の性質を見いだすなど、論理的
に筋道を立てて推論することができるようになること、さらに、根拠となる事柄
を基に自分の言葉で筋道立てて説明する能力を身に付けることができるように
なることをねらいとしている。
既習の内容を踏まえ、活動を通して新たな事実を見いだしていくことは、人
権教育で学んだ知識を生かして、実際の生活の中でよりよい自分の行動を導き出
していくことにつながる。また、筋道を立てて考え、表現していくことは、自分
の考えを適切に表現するコミュニケーション能力の育成につながると考える。
この学習をすすめ、根拠を明らかにし筋道立てて説明し伝え合う活動や、それ
ぞれの考え方に共感し、考え方を活用する場を設定することで、様々な意見を肯
定的に受け止めようとする態度や、合理的・分析的に思考する技能を身に付けさ
せたい。
2
単元の目標
平行線や角の性質に基づき、図形の性質を確かめ、説明することができる。
平面図形の合同の意味や合同条件について理解し、根拠を明らかにして筋道を
立てて説明することができる。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
○これまでに学習した事を活かして、自分の考えを合理的に分析し、新たな自分
の意見を見出し、それを伝えることができる。(技能的側面)
○お互いの意見を聞くことで、自他の存在を認め、様々な意見を肯定的に受け止
めようとする。(価値的・態度的側面)
4
指導のポイント
(1)人権感覚を育てる上で大切にしたいポイント
○個人で考える時間を確保し、その考えを班で伝え合えるようにする。
○班での活動において、お互いの意見を出し合い、考え方を認め合うことで自分
たちの意見を練り上げていけるようにする。
○班活動の時間を確保し話合う活動を充実させることで、課題解決に向けた多様
な考え方があることを知り、さらに新しい自分の考え方を見いだせるようにす
る。
○日常生活の中で、根拠を明らかにして筋道を立てて説明させたり、互いの意見
の違いを認め合ったりする活動を取り入れていく。
Ⅱ【感】中数1
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
①自己存在感
自分で考え出した意見を大切にできるように、その考えを認め、分かりやすく
班で説明できるような支援をする。
②共感的人間関係
お互いの考えを大切にできるように、班での意見発表の中で、自分の意見も大
切にしながら、周りの意見もしっかりと聞くよう支援する。
③自己選択・決定
お互いの意見を出し合い、そこからよりよい意見へと、練り上げていけるよう
に話し合いの場を確保する。
5
学習の流れ
(1)指導計画(12時間取り扱い)
学習活動
1
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
多角形の内角の和の求め方を考 ○内角の和の求め方を、いろいろな方法で
える。
【2時間】
考えさせ、お互いの意見を聞き合わせる
ことで様々な方法で解けることを知る。
2
対頂角、同位角、錯角と平行線と ○個人で考えた角度の求め方を、班で話し
の関係を知り、角の大きさを求める
合わせ、練り上げ、発表させるようにす
ことができる。
【3時間】
る。
(本時3/3) ○お互いの意見を出し合い、考え方をまと
める中で、互いの考え方を理解しあえる
ようにする。
3 平面図形の合同な図形の意味や ○実際の図形を使い、合同を確かめ、合同
性質を理解する。
な図形の性質を確かめるようにする。
4 三角形の合同条件を見いだし、証 ○発表で出た意見を全員で確認させ、それ
明することができる。 【3時間】
ぞれの考え方や考え方のよさなどを理
解できるようにする。
5 仮定と結論を理解し、証明の根拠 ○証明を論理的に筋道立ててできるよう
を明らかにすることができる。
に、根拠をはっきりさせ、発表させる。
【3時間】
Ⅱ【感】中数2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(5/12時間目)
目標
◇対頂角や平行線の性質を利用して、角の大きさを求めることができる。
人権教育で育てたい資質・能力
◆お互いの意見を聞くことで、自他の存在を認め、様々な意見を肯定的に受け止
めようとする。
主な学習活動
1
◈指導上の工夫・留意点
前時までの復習をする。
評価◇◆
備考
◈フラッシュカードを使い、図形の性 フラッシュカー
質を分かりやすく、全員で確認す ド
る。
2 課題を把握し、見通しをも
つ。
課題1
プリント
いろいろな考え方で角の大きさを考えてみよう
3 角の大きさを求める。
(1)個人で考える
(2)グループ内で発表する
【補助線の主な例】
◈個人で考え、班でお互いの意見を発
表し、クラスで発表する手順を確認
する。
◈学習シートをもとに、補助線の入れ
方、多角形の内角の和、対頂角や平
行の性質をどのように活用したか
などを班員に伝えるようにする。
◈様々な考え方によって解決できる
ことを知り、それぞれの考え方のよ
さを別の問題に活かすことができ
るようにする。
◆お互いの考え方を理解し、自分の考
課題2
えを見つめ直すことができる。
プリント
(3)クラスでそれぞれの方法
のよさを共有する。
・錯角の利用
・内角の和の利用など
4 複雑な問題をより良い方法 ◈よりよい解決方法について、お互い
で解く。
の意見を聞き、質問や意見を通して
(1)個人で考える。
班としての意見をまとめさせる。
(2)班でよりよい解決方法に ◇対頂角や平行線の性質を使い、角の
ついて話し合う
大きさを求めることができる。
(3)クラスで意見を共有する。
5 本時のまとめをする。
◈既習の内容を活用することや根拠
をもとに自分の考えを説明するこ
とのよさにふれる。
Ⅱ【感】中数 3
6
資料
○ワークシート
平行線と角
めあて:
課題1
下の図でℓ//mの時、∠Xの大きさを求めなさい。
ℓ
160 °
工夫した事:
60 °
x
m
○別の方法で求めてみよう。
ℓ
160 °
∠X =
工夫した事:
60 °
x
m
○さらに別の方法はないだろうか?
ℓ
160 °
∠X =
工夫した事:
60 °
x
課題2
Q
∠X =
m
チャレンジ問題
下の図でℓ//mの時、∠Xの大きさを求めなさい。
ℓ
2 5 °
35 °
工夫した事:
x
160 °
30 °
m
Ⅱ【感】中数4
∠X =
中学校第1学年
1
音楽科
題材名「日本の民謡に親しもう」
本題材で人権教育を進めるにあたって
本題材は、民謡との出会いを通して我が国の伝統文化に対する興味・関心を
高めるとともに、その味わいや特性をとらえさせることをねらいとしている。
民謡は、労働や風習など生活の中から生まれ、人々の暮らしを支えてきた音
楽であり、今の時代にも大切に受け継がれていることに大きな価値がある。し
かし、生徒が日頃親しんでいる音楽とは音色や旋律、拍などが異なっており、
ふれる機会も少ない。この現状を踏まえ、生徒たち自らが選曲した民謡につい
て発声を工夫したり、歌詞の内容を生かしたりしながら民謡に親しませる。民
謡が生まれた背景や受け継がれてきた歴史を理解する活動を通して、民謡をこ
れまで受け継いできた先人たちの思いに気付き、尊重しようとする態度を育成
したい。
そのための手立てとして、歌詞の内容をしっかり聴き取ることに重点を置き、
その背景に迫らせたい。また、実際に歌唱活動を行うことで、感じ取ったこと
を表現につなげ、民謡のもつエネルギーを体感させたい。
2
題材の目標
民謡の生まれた文化や歴史的背景を理解するとともに、様々な種類の民謡を味
わいながら鑑賞する。
日本の民謡に親しみ、それぞれの民謡の特徴にふさわしい歌い方を工夫する。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
◈民謡が生まれた背景や受け継がれてきた歴史に迫ることを通して、これまで受
け継いできた先人たちの思いに気付き、尊重しようとする。(価値的・態度的
側面)
◈あたたかい拍手や感想などの返しや、相手を大切にした聴き方ができる。
(技能的側面)
4
指導のポイント
(1)人権感覚を育てる上で大切にしたいポイント
◈民謡を聞く際には、歌詞の内容を聴き取りながら、どのような場面でどのよう
な人たちが歌っていたものかを考えさせるなど、民謡がつくられた背景を大切
に扱う。
◈民謡の歌唱の際は、楽譜は提示せず歌詞のみを使用することで、生活の中から
生まれてきた歌詞のもつ意味や表記、背景にあるもの等を大切にしながら歌わ
せる。
Ⅱ【感】中音1
◈生徒のグループ活動を円滑に進めるために、特徴をつかみやすく音域も無理の
ないものを、あらかじめ教師が数曲準備しておく。
◈相手を大切にした聴き方や発表の仕方を確認させ、支持的な雰囲気をつくる。
①聴き手「発表者に注目する(体を向けて・声に集中)」、「発表者に安心感を与
える(表情・うなずき・反応)」、「発表者に返しをする(温かい拍手・感想)」
②発表者「声の大きさ・目線・表情」、「聴いてほしいポイントをしっかり
とアピールする」、「自分たちが工夫したことを堂々と発表する」、「自
分たちが選んだ民謡の魅力をみんなに分かりやすく伝える」
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
①自己存在感
自分たちで選曲したり練習したりしたことをみんなの前で堂々と発表させる。
②共感的人間関係
個人やグループの発表の場面において、相手を大切にした聴き方や発表の仕方
について確認し合い、支持的な雰囲気の中で学び合わせる。
③自己選択・決定
自他の考えや発表を踏まえた上で民謡についてまとめることで、知覚・感受力
を高めさせる。
5
学習の流れ
(1) 指導計画(4時間取り扱い)
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
民謡の起こりや種類を知り、 ◈日本の民謡が、人々にどのような力をもた
人間の生活にとって欠かせない
らしていたかを考えさせ、互いの意見を交流
ものであったことを理解する。
し合わせる。
1
2
グ ル ー プ に 分 か れ て 選 曲 を ◈つくられた背景や唄に込められた思いや願
し、その民謡について分担して
いを理解し、歌唱活動につなげる。
調べたり歌ったりして、理解を ◈グループ学習では役割を分担し、協力し合
深める。
【2時間】 いながら活動させる。
3 グループ毎に最終練習をし、 ◈自分たちで選曲し、練習したことをみんな
民謡の発表会を行う。
の前で堂々と発表させる。
音や言葉を用いて、民謡につ ◈発表の場で、相手を大切にした聴き方や発
いてのイメージや思いを相互に
表の仕方について確認させ、支持的な雰囲
伝え合うことで、民謡への理解
気の中で学び合わせる。
をさらに深め、関心を高める。 ◈自分や他の人の考えを整理して考えを表わ
(本時)
させる。
Ⅱ【感】中音2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例(4/4時間目)
目標
◇民謡に込められた思いや願いを感じ取りながら発表することができる。
人権教育で育てたい資質・能力
◆民謡をこれまで受け継いできた先人たちの思いに気付き、尊重しようとするこ
とができる。
主な学習活動
1
◈指導上の工夫・留意点
評価◇◆
民謡の発声や言葉の特性や、民 ◈民謡は人々の生活の中から生まれ
謡の分類について確認する。
たことなど、再度押さえる。
民謡のよさを感じながら、それぞれの表現方法で発表しよう
備考
ワークシート
①
゙
2 グループで、発表に向けての最 ◈一人一人が自分の役割を意識しな 練 習 の
終確認や歌唱の練習を行う。
がら活動しているか、各グループの アドバイ
様子を観察しながら、必要に応じて ス
( 6 「 資
支援を行う。
料」参照)
3 発表会を行う。
◉発表者
◈相手を大切にした聴き方や発表の 4 ( 1 ) 参
(1)説明をする。
仕方を確認することで、発表者が発 考
・この民謡を選んだ理由
表しやすい雰囲気をつくる。
・調べたり練習したりして分 ◈発表者は、その民謡にはどのような
かったことや感じたこと
背景がありどのような思いや願い 発 表 者
・「ここを聴いてほしい」とい
が込められているかを聴き手に伝 はワークシ
うPRポイント
えさせる。
ート②を
(2)民謡を発表する。
◇民謡に込められた思いやよさを感 基 に 発
じながら、その民謡に合った表現方 表
法で発表している。
◉聴き手
◈聴くポイントを明確にし、それぞれ 聴 き 手
(1)各班の発表に対して、気付
の班の発表を聴かせる。
はワークシ
きや感想をメモする。
・声の出し方 ・表現の工夫
ート③に
(2)発表者に感想を伝える。
・どんな場面を想像したか ・参考 記入
になったところ
4 民 謡 の 学 習 を 通 し て 感 じ た ◆民謡をこれまで受け継いできた先 ワークシート
ことについて振り返る。
人たちの思いに気付き、尊重しよう ②
としている。
Ⅱ【感】中音3
6
資料
に ほ ん
み ん よ う
し た
「日本の民謡に親しもう」①
ほん じ
◎本時のめあて
ひとびと
(
つぎ
みんよう
さぐ
)は人々にとってどのようなものだったのかを探ろう
き
ばめん
そうぞう
◎次の民謡を聴いて、どのような場面を想像しましたか。
きよく
めい
とど うふけ ん
曲
名
都道府県
ばめん
そうぞう
どのような場面を想像したか
しゆるい
種類
( 1)
( 2)
( 3)
( 4)
しゆるい
①(
)の種類
など
なか
う
②(
)は(
③(
)は人々にとってどんな存 在だったでしょう。
ひとびと
)の中から生まれた。
そんざい
Ⅱ【感】中音4
に ほ ん
み ん よ う
し た
「日本の民謡に親しもう」②
ブロック
みんよう
みんよう
きよくめい
民謡
曲 名「
しゆるい
し ご と うた
民謡の種類
きよく
」
お ど り うた
こもりうた
仕事歌、踊り歌、子守歌・・・など。
えら
なぜこの曲を選びましたか?
きよく
せつめい
う
か し
い み
だれ
うた
みんよう
この曲の説明( どのようにして生まれたか 。歌詞の意味 。誰が歌っていた民謡か )
れんしゆう
き
かん
練習して気づいたことや感じたこと
き
聴いてほしいポイント
Ⅱ【感】中音5
に ほ ん
み ん よ う
し た
「日本の民謡に親しもう」③
ほん じ
◎本時のめあて
民謡のよさを感じながら、それぞれの表現方法で発表しよう。
はつぴよう
き
◎発 表を聴いてメモしましょう。
はん
こえ
班
声の出し方や表現の工夫な ど
き よ う
だ
がくしゆう
か た
とお
ひようげん
き
そうぞう
く ふう
づ
かん
さんこう
想像したことや感じたこと、参考になったことなど
かん
か
◎今日の学 習を通して気付いたこと、感じたことを書きましょう。
Ⅱ【感】中音6
【解答例】
に ほ ん
み ん よ う
し た
日本の民謡に親しもう」①
ほん じ
◎本時のめあて
(
民 謡
ひとびと
さぐ
)は人々にとってどのようなものだったのかを探ろう
しゆるい
①(
民 謡 )の種類
踊り歌
仕事歌
祝い歌
なか
子守歌
う
②(
民 謡 )は( 人々の生活 )の中から生まれた。
③(
民 謡 )は人々にとってどんな存 在だったでしょう。
ひとびと
など
そんざい
(例)くらしの中にある喜怒哀楽を表してあり、労働、祝いや祭、
娯楽の場など、人々になくてはならない存在だった。
Ⅱ【感】中音7
特別支援学校小学部(重複障がい学級) 特別活動 「交流及び共同学習」
1
本活動で人権教育を進めるにあたって
本活動は、小学校と「交流及び共同学習」を実施することを通して、児童の
経験を広め、社会性や豊かな人間関係を育むことをねらいとしている。また、
楽しい活動を共有する中で、特別支援学校の児童と小学校の児童が、お互いに
対等な立場として、相互理解を深めることをねらいとしている。
特別支援学校の児童は、
「交流及び共同学習」で充実した時間を過ごすことを
通して、活動する楽しさを味わったり、同世代の児童たちとかかわる喜びを感
じたりすることができる。また、小学校の児童の交流に対する思いが伝わるこ
とで、特別支援学校の児童の自己肯定感が育まれ、自立へとつながっていくも
のである。
「交流及び共同学習」を通して、特別支援学校と小学校の児童の正しい相互
理解が深まることは、将来、地域生活を営む上で、同じ社会に生きる人間とし
て、共に支えあって生きる基盤となる。このような取組を通して、いろいろな
人が「他人と違う」ということで差別されず安心して暮らすことができる、人
権の尊重される社会を築く一員として必要な資質や能力を育んでいきたい。
2
活動の目標
小学校の児童とふれ合い、人とかかわる喜びを感じる中で、好ましい人間関係
を築き、生活経験を広げる。
3
人権教育を通じて育てたい資質・能力
◈周囲の人と仲良くすることができる。(価値的・態度的側面)
◈自分の力を発揮して楽しく活動することができる。(技能的側面)
4
指導のポイント
(1)人権感覚を育てる上で大切にしたいポイント
◈教師の言動が、児童の人権感覚を育む最大の環境であることを自覚し、「共に生
きる仲間」としての言葉かけや振る舞いに留意する。
◈お互いの学校の担当者同士で、活動の前後に話合いの場を設け、活動に対する
願い、児童の様子、良かった点・課題点等を出し合い、よりよい活動を目指す。
◈生活単元学習や自立活動で、活動内容に対してより主体的に活動できるような
指導や支援を行ったり、日常生活の指導で期待を持てるような言葉かけや予告
を行ったりする。
◈家庭との連絡を密にし、活動における児童の様子や小学校の児童の行動等を伝
えたり、保護者の活動に対する思いも十分に聞き取ったりする。
Ⅱ【感】特支1
(2)人権が尊重される授業づくりの視点
① 自己存在感
一緒に活動できて楽しかったこと、会えてうれしかったことなど、パートナーの
児童の言葉や気持ちを伝えることで、満足感が得られるようにする。
② 共感的人間関係
交流時に良い様子が見られたときは、「お友だちと遊べて楽しいんだね」など、
肯定的な言葉かけを行うことで、人とかかわることのよさを伝える。また、パー
トナーの児童に、読み取りにくい表情や仕草などについて教師が気持ちを代弁す
るなどして、本校児童の得意なこと・苦手なことなどを伝える。
③ 自己選択・決定
表情や仕草から、快・不快、したい・したくないといった気持ちをしっかり汲
み取り、活動の主体となる実感が持てるようにする。
5
学習の流れ
(1)指導計画
学習活動
人権尊重の視点を踏まえた指導上の留意点等
事前学習
◈活動に対する期待感が高まるよう、前日、
「明日
◈交流及び共同学習の日程及び内
は交流学習でA小学校に行くよ」という予告を
容を知る。
行う。
◈より活動のイメージが持てるよう、児童の実態
に応じて、パートナーの児童や交流時の写真な
どを見せる。
◈当日、
「秋の交流集会」に参加することや、パー
トナーの児童とゲームをすることを伝える。
◈活動内容のイメージがつきやすいように、活動
で使用する道具などの具体物を示す。
交流及び共同学習の実施
◈当日朝に、感染症、天候による変更等について
◈交流集会に参加し、交流を深め
の情報交換や、集会の内容等の確認を行う。
る。
◈けがや事故等の安全に十分留意し、児童同士の
◈自分にできる動きでゲームに参
かかわりを重視した楽しい活動を行う。
加する。
事後学習
◈それぞれの児童がよい表情を見せていた場
◈交流及び共同学習について、振
面を中心に、児童の代わりに教師がその時
り返る。
の状況を伝える。
◈一緒に活動できた喜びや人とかかわる楽し
さを味わうことができるよう、
「◈◈をした
んだね。」
「楽しかったんだね。」など、肯定
的な言葉かけをする。
Ⅱ【感】特支2
(2)人権尊重の意識と実践力を養う学習活動例
目標
◇小学校の秋の交流集会に楽しく参加し、交流を深める。
人権教育で育てたい資質・能力
◆自分にできる動きで活動に参加し、友だちと仲良く活動することができる。
主な学習活動
◈指導上の工夫・留意点
評価◇◆
1 本時の学習を知る。
◈活動に対する期待が持てるよう、
「交流が
(1) あいさつをする。
あるよ」
「お祭りだよ」などの言葉かけを
(2)会場である小学校の運
しておく。
動場に移動する。
◈ぬくもりを感じ合えるよう、握手等のス
キンシップを行うようにする。
◈仲良くなれるよう、パートナーの児童が
車椅子を押すようにする。
◈関心をもったり、話題にしたりできるよ
う、今日の体調や、最近の出来事等につ
いて、パートナーの児童に伝える。
2 秋の交流集会に参加す ◈パートナーの児童に、声のかけ方や反応
る。
の仕方などを伝え、児童同士で会話しな
(1)話し合いをし、行き先
がら活動できるようにする。
を決める。
◈質問に対する反応を表情等から読み取
(2)自分にできる動きで、
り、本人の気持ちに沿って代弁する。
ゲームに参加する。
◈パートナーの児童に、本人の好きなこと
や物について、共に活動する中で理解を
促し、本人の希望を大事にした活動がで
きるよう支援する。
◈パートナーの児童に、特別支援学校の児
童がゲームに参加できる方法を考えるよ
う、言葉かけをしたり、参加の仕方につ
いて提案したりする。
◈ゲームの状況を伝えたり、「楽しかった
ね」など、肯定的な言葉かけをしたりす
ることで、活動を楽しみ、自己肯定感を
高めるようにする。
◇◆自分にできる動きでゲームに参加して
いる。
3 お別れのあいさつをし ◈「楽しかったよ」
「ありがとう」など、児
て、学校へ帰る。
童の気持ちを代弁する形でパートナーの
児童に伝える。
◈玄関でパートナーの児童を見送り、次の
活動を楽しみにする気持ちを育てる。
Ⅱ【感】特支3
備考
6
資料
交流計画の例
A小学校との「交流集会」の流れ
1 運動場入場
小学部の児童とA小学校の○年生が一緒に、入場する。
2 開会行事(進行:A小学校交流計画委員会)
○開会の言葉(A小学校交流計画委員会)
○児童代表の言葉(A小学校)
○校長先生のお話(A小学校)
3 ゲーム
○特別支援学校の児童とパートナーとのゲームタイム
○他の学年も交えてのゲームタイム
4 閉会行事
○児童代表の言葉(特別支援学校児童)
○校長先生のお話(特別支援学校)
○閉会の言葉(A小学校交流計画委員会)
5 退場
交流を実施する際の事前打ち合わせの例
打合せの内容(交流学習の計画案を持ち寄る)
1 実施日程について
2 交流学習の目的と内容の確認
○緊急時の対応について
・けがや病気等の緊急事態に対応できるよう、対応マニュアルを作成する。
○疲れ等の体調を考慮し、休憩場所を確保してもらう。
3 交流実施の確認について
○天候や感染症等による交流実施の最終判断は、当日行う。
○どちらかの学校に感染症が一人でも出た場合、交流を中止する。
4 パートナーについて
○特別支援学校の児童について
・児童の様子や、交流する上での留意点等について
○小学校の児童について
・配慮を要する児童について
・転出入の連絡について
6 両校における交流の目標について
○交流内容と交流に対する思いについて共通理解を図る。
7 事前学習について
○小学校における事前学習の内容、方法などを確認する。(必要に応じて、特別
支援学校の職員が説明等に行く)
8 その他
○学級だより等への、個人写真の掲載についての確認を行う。
Ⅱ【感】特支4
もぐらたたきゲームに参加したときの交流例
遠いところは
O.K
届かないから、
一番前に出し
て挑戦させて
ください。
A小6年生
A小パートナーの児童Cさん
特別支援学校児童Bさん
学習終了後の気付きについての情報交換
○気付いたことをお互いに情報交換し、日々の学校生活や次の交流に生かせるよ
うにする。
○活動でのかかわりの良かった点を伝え合うとともに、問題であると思われた言
動についても気付きがあれば伝える。
その際、事実確認を大切し、発言や行動の背景についても、よりよい関係をつ
くるためのよい機会としてとらえ、ていねいに聞き取りをすることを確認する。
最近、学校でも気にな
こんなことがありま
っているんです。
した。
継 続し て、 見守 りま
す。
Ⅱ【感】特支5
交流後の打ち合わせの例
○打合せの内容
1 交流学習の様子
○スライドで紹介する。
2 取組と課題について
○両校の児童の様子等の情報交換
・それぞれの学校の児童の様子を伝え合う。
・かかわりの良かった点や問題であると思われた言動について、ていねい
に聞き取りをして得られた事実、発言や行動の背景についても伝え合い、
今後の対応等について共通理解をする。
○職員アンケートをもとに、反省する。
・日程・内容等、運営面に関する反省を出し合う。
・アンケートを基に意見を出し合い、課題については、次回の交流で改善
する。
3 次回の交流学習の予定について
<本校の先生の声>
○車いすを押してもらう時も、緊張して乗っていたのが、今は笑顔もあ
り、安心して活動しています。前日の事前学習での予告に対する反応
でも、最初は反応を見せなかったのが、だんだん笑顔で反応するよう
になり、交流を楽しみにしている事がわかります。小学校の児童との
かかわりを通して、たくさんの笑顔が見られるようになりました。
<A小学校の先生の声>
○「クラス内で友達とのかかわりが上手でなかった子どもが、特別支援
学校の子どもとかかわる中で、
『何が好きなんだろう?どうしたら喜ぶ
かな?』など考えるようになりました。相手のことを考えながらかか
わることができるようになったことで、クラスの子どもとのかかわり
もよくなってきました。」
Ⅱ【感】特支6
Fly UP