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水産業の持続的発展(PDF:767KB)

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水産業の持続的発展(PDF:767KB)
(4)水産業の持続的発展
私たちが貴重な琵琶湖の水産資源を将来も利用していくために、これまで紹介してきたよ
うな在来種を増やすためのさまざまな取組に加えて、漁業者自身が資源を守る意識を持つこ
とが重要です。
水産資源の持続的な利用の確保
〈資源管理型漁業総合対策事業〉 事業費:2,500 千円 (滋賀県資源管理協議会より受託)
~事業の背景~
魚や貝などの水産資源では、卵を産む親やこれから成長する稚魚などを一時期に獲り過ぎると、
乱獲状態となり資源が減少します。漁獲対象となる魚や貝の減少は、漁業者の経営を圧迫するだけ
でなく、水産物を利用・消費する食文化の消失にもつながります。
琵琶湖の漁業は、環境の改変や外来魚の台頭などの影響により資源が減少し、漁獲量の下落が続
いています。減少した資源を回復させるためには、放流や漁場環境の改善に加え、漁業で獲り過ぎ
ないことも重要です。
そこで、琵琶湖の水産資源の量や状態を科学的に把握し、その結果を基に適切な量を漁獲する資
源管理型漁業を推進しています。
~事業の内容~
県では、水産資源を有効に利用できる資源管理型漁業
の推進に向けて、滋賀県資源管理指針を策定していま
す。また、指針の見直しや漁業者が作成する資源管理計
画の作成指導、対象種の資源状況調査など、資源管理型
漁業の推進に必要な業務を行う滋賀県資源管理協議会
を設置しています。
~事業の実績~
漁業対象資源のうち、セタシジミとニゴロブナにつ
いて関係漁業者と検討会を重ね、資源を有効に利用し
ながら増やす取組に着手しています。この取組では、
産卵や成長といった生態的特徴を考慮し、小型のもの
を獲らない取決めや禁漁期間を設定する取り決めを行
なっています。
周知用ポスター
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水産業および漁村の多面的機能
<水産多面的機能発揮対策事業>
事業費:90,746 千円
※国費のみ
~事業の背景~
水産業・漁村は、古くから、安全で新鮮な水産物を安定的に提供する役割に加え、環境保全機
能、教育の場の提供、漁村文化の継承機会など、様々な多面的機能を提供する役割を担ってきま
した。しかし、漁業者の高齢化、漁村人口の減少等により水産業・漁村が関わる問題が深刻化す
るに従い、これらの多面的機能の発揮に支障が生じています。そのため、多面的機能の効果的、
効率的な発揮に資する地域の取組を支援することにより、水産業の再生・漁村の活性化を図る目
的で、平成25年度から水産庁の事業として創設されました。
~事業の内容~
県内では31の活動組織が環境保全活動や漁村文化の継承などの多面的機能発揮活動に取り組
んでいます。
~県内での主な取り組み事例~
浅場の活動
ヨシ帯の活動
浮遊堆積物除去
保護区域の設定
ヨシ植え
耕うん
ヨシ刈り
競合植物管理
河川等の活動
教育と啓発の場の提供
水草除去
漁業の紹介
シジミ漁体験
河川清掃
生き物観察
魚つかみどり体験
- 31 -
水産業改良普及事業
〈漁師と一緒に琵琶湖の恵みを食べようプロジェクト事業〉
事業費:1,687 千円
うち一部(740 千円)を水産後継者連絡協議会へ委託
~事業の背景~
琵琶湖産の魚介類は、古来、琵琶湖の周辺に住む人々の貴重な食料として利用され、ふなず
しや佃煮などの食文化を支えてきました。
しかし、近年の核家族化やライフスタイルの変化などにより、琵琶湖の魚介類の旬や調理方
法などに関する知識が受け継がれにくくなっています。
~事業の内容~
児童・生徒・親子などの消費者を対象に、青年漁業者などの担い手が中心となって、湖産魚
介類の調理方法や、「食と琵琶湖漁業のつながり」について、知って、実感してもらう取り組
みを実践します。
~事業の実績~
漁業体験と調理体験を合わせた学習会の開催や、県内の学校における家庭科授業や一般の料
理教室を対象とした出前授業を開催するなど、漁業と食を通して琵琶湖と日常生活の関わりを
実感してもらえるよう、取り組んでいます。
- 32 -
流通対策事業
〈しがの水産物流通拡大対策事業〉
事業費:700 千円
滋賀県漁業協同組合連合会・びわサーモン振興協議会へ補助
~事業の背景~
琵琶湖で獲れる魚介類のうち、
「ウナギ」
「アユ」以外の魚介類の認知度が低く、消費されな
い魚種が増加しています。また、湖産魚介類を日常的に扱う魚屋が減少し、食べたい消費者が
普段使いとして購入できる機会が減少しています。
~事業の内容~
消費者の「知りたい」
「買いたい」
「食べたい」を実現し、地元「しがの水産物」を食べる地
産地消の推進を図ります。
~事業の実績~
JAとの連携等により、定期的な直売会を開催することで、
「買いたい」消費者に「買える」
場所を提供し、日常的に湖魚を食べる習慣を取り戻す習慣の回復を図っています。また、県内
産の養殖ビワマスである「びわサーモン」の特徴を広く周知するとともに、イメージの向上と
定着を図るため、県内のホテルやレストラン等の料理店において、
「びわサーモン」フェアを
開催します。
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〈『琵琶湖八珍』ブランド化事業〉
事業費:4,470 千円
民間事業者へ委託
~事業の背景~
琵琶湖で育まれた魚介類は、本県を訪れる観光客にとって魅力的な物産となっており、観光
客を中心とした消費の活性化を図るための資源として期待されます。このため、県産水産物の
統一されたブランドイメージの構築が求められています。
~事業の内容~
安土城考古博物館で開催された特別展示に併せて発表された「琵琶湖八珍」を滋賀の観光資
源として活用し、飲食店・旅館・土産物店など事業者による活用促進と、観光客や消費者への
利用訴求を展開します。
~事業の実績~
平成 27 年度は、県内の事業者が「琵琶湖八珍」を活用しやすくなるよう、ロゴマークの作
成と、ポータルサイトの設営等により、利用登録店の募集を実施します。
今後は、利用登録店の募集を継続するとともに、観光客等の消費者に向けて「琵琶湖八珍」
を周知する利用訴求に取り組みます。
【琵琶湖八珍】
琵琶湖を代表する8種の魚介類を選定
(ビワマス・コアユ・ニゴロブナ・ハス・ホンモロコ・イサザ・ゴリ・スジエビ)
「琵琶湖八珍」ロゴマーク
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