Comments
Description
Transcript
構成的グループ・エンカウンター エクササイズの内容及び背景
構 成 的グループ・ エンカウンター エクササイズの内 容 及び背景と な る理論 阿部 リチュアル 千春 (スプリング) 〈ねらい〉リレーション形成 〈内容〉全員が立ち、1分以内に 、近くの人と握手をしてまわる。 〈背景となる理論〉交流分析 リチュアル は紋切り型行動と 意訳する。役割期待 に即しての行動である 。初対面の人 同士の挨拶であっても、決められたとおりに行動すればトラブルは起こらないので、心 的エネルギーを消費しないですむ 。 ジャンケン列車 〈ねらい〉リレーション形成 〈内容〉ジャンケンをして、負 けた人が勝った人の 後ろにまわり、勝った 人の肩に手を かける。最後まで勝ち続けた人の 後ろには一つの長い列ができる。 〈背景となる理論〉交流分析 C(子ども心 =天真爛漫、無邪気、自由奔放の精 神)を出す練習である 。Cを出すべ き時に出せる人 間が理想である 。出すべき時にCを 出すと、人とのリレーションは深ま る。 トラスト ・ ウ ォ ー ク 〈ねらい〉信頼体験 〈内容 〉 1 人が目 を閉じ 、他の 1人が 手を引 いたり、 肩を抱 きかかえるなどして 、室 内を散歩する。一巡したところで 、役割を交替する。お互いに感じたことを述べ合う。 〈理論的背景〉交流分析 ト ラ ス ト (trust )さ れ る 側 は 、 M P ( 母 的 愛 、 い た わ り や や さ し さ ) で 応 じ る が 、 自 分 がどのくらい優しさを出す能力があるのかを知ることができる。 トラストする側は、自分がどのくらい人をトラストできるかを知ることができる。 -1- 質問ジャンケン 〈ねらい〉他者理解・自己理解 〈内容〉全員が2人1組になり、 向き合って座り、ジャンケンをする 。勝った方が3分 間自分のパートナーについて 知りたいことをどんどん聞く。聞かれた方 は聞かれたこ とだけ答える 。もし答えたくなければ、今は答えなくないと答える。3 分後に役割交 替をする。 〈背景となる理論〉交流分析、実存主義的アプローチ エ ン カ ウ ン タ ー( 心 の ふ れ あ い) の 出 発 点 は 、 相 互 に 関 心 を も ち 合 う こ と で あ る 。 勇 気を出して自分を 開く時に、相手 も自分を開くのである。 実 存 主 義 で は 、 エ ン カ ウ ン タ ーを 価 値 あ る 生 き 方 と 考 え る 。 エ ン カ ウ ン タ ー は 相 補 的 交流である。相補的交流とは、 俗にいう「よい人間関係」で、例えば、遠 足の時に小学 生が教師に「僕 のおにぎりをあげよう」と言ったとする。子どもながらに Pを発動して 教師のCに迫ったとする。この 時、教師がCを発動 して「ありがとう。もらうよ」と生 徒 の P に 応 え た 場 合 が こ れ に あ た る。 他己紹介 〈ねらい〉他者理解 〈内容〉4人1 組となり、自分 のパートナーを、他 の2人に紹介する。1 人2分以内で 紹介する。 〈背景となる理論〉交流分析 相 手 に 対 す る 認 知 を 語 る こ と に よ っ て リ レ ー シ ョ ンは 深 ま る 。 印 象 を 告 げ る と 、 告 げ た 方 も 告 げ ら れ た方 も 急 に 親 し く な る 。 告 げ ら れ た 方 は 、 自 分 を ど う 受 け 取 っ て い る か わかり、安心できるからである。 安心できるから自由にものが言いやすくなる。 交 流 分 析 が 最 も 高 く 評 価 す る 人 間 関 係 が 「 親 交 」 (intimacy)で あ る 。 みじめな 体 験 〈ねらい〉自己受容のための 表現訓練 〈内容〉4人1 組になり、1人 ずつ、今までの人生 で、自分が一番みじめだった話、一 番 情 け な か っ た 話 、 最 も ミ ゼ ラ ブ ルだ っ た 話 を 仲 間 に 聴 か せ る 。 〈背景となる理論〉精神分析理論 、論理療法 他の人のみじめな体験を聴く 側にとっては、自分 は他の人よりかなり苦 労していると い う 思 い こ み (irrational belief )を 修 正 す る こ と で 、 永 年 の 劣 等 コ ン プ レ ッ ク ス が 減 少 し 、 同じ苦労でも乗 り越え方がさまざまあることなどに 気づく。また、人の人 生への畏敬の 念が湧いてくることが考えられる 。 語る側にとっては、過去の自 分を受け入れる(自己嫌悪からの脱却)という意味があ る。 思い 切っ て語 れたことで 、自 己 受 容 の領 域が 拡大 したことになる 。ジ ョ ハ リ の窓 (Johari's window)で は 、人 に 隠 し て い る 部 分( C )が 減 少 し 、自 ・ 他 に オ ー プ ン な 自 分( A ) が拡大することである。 -2- 私にとってのSGEとは 〈ねらい〉自己理解・自己開示 〈内容〉4人1組になり、自分にとってのSGEの意味を順番に語る 。 〈背景となる理論〉実存主義的アプローチ 勇 気 を 出 し て 自 分 を 開 き 、 1 人 の 人 間 と し て 自 己 を 語 り 、 自 分 に と っ て のS G E の 意 味を見出す。 墓碑銘 〈ねらい〉自己理解、自己決定 〈 内 容 〉自 分 の 過 去 の 人 生 を 一 言 で い う と ど う い う 人 生 で あ っ た か を 墓 碑 銘 と し て 書 く 。 模 造 紙 を 幅 30cm、 長 さ 1m く ら い に 切 る 。 マ ジ ッ ク で 墓 碑 銘 を 書 き 、 壁 に 貼 り 付 け て 展 覧 会 の よ う に す る。 静 寂 な 中 で 、 各 自 が 自 分 の 墓 碑 銘 の 前 に 座 し 、 し ば ら く 沈 黙 の 時 を 味わう。過去の 自分と訣別する 。エクササイズの後 、各自が静かに墓碑銘 を壁から取り 外して、それをリーダーに渡す。 〈背景となる理論〉自己理論、実存主義的アプローチ 人 間 は 、成 長 力 を 内 に 秘 め た 生 物 体 で あ る 。自 分 の 墓 碑 銘 を リ ー ダ ー に 渡 す こ と に は 、 過去を捨て、新しく生きるという 意味がある。 実 存 主 義 で は 、 人 間 が 生 き て い る と は 自 己 決 定 の プ ロ セ ス の こ と で あ る と考 え る 。 自 己 決 定 の プ ロ セ ス と は 古 い 自 分 を 絶 え ず 乗 り 越 え て い る こ と で あ る 。人 間 は 、日 々 死 に 、 日々に生まれ変 わっているということである。このように変化しつつあるもの、動きつ つあるものとして人間をとらえている。 アサーション・トレーニング 〈ねらい〉自己主張訓練・自己表現訓練 〈内容〉3人組 になり、1人が 依頼するが、もう1 人の人がそれを断わる 続ける。依頼 する方は断られても引き下がらずに、フラストレーションに耐えて主張を 続け、断わる 方は感情をわかちあうようにしながらも断わり続け る。さらにもう1人が 2人のやりと りを観察する。 〈背景となる理論〉行動療法、実存主義的アプローチ 自己主張は説得的要素が強い 。相手に自分を認めさせようとする動機がある。相手を 屈 服 さ せ た い 攻 撃 性 が 含 ま れ て い る 。 自 他 の 分 離 意 識が あ る 。 つ ま り セ パ レ ー シ ョ ン へ の意欲がある。 一方、自己表現 には相手を屈服させたい攻撃性はない。自 分の感情を他 者とわかちあおうとする欲求があり、共感を求めている。セパレーション とは反対に、 合 体 を 求 め て い る。 自 己 主 張 と 自 己 表 現 は 、 分 離 と 一 体 感 の 関 係 で あ る 。 こ の 相 反 す る 二つの傾向がバランスよく保たれているのが健常者である。 行 動 療 法 で は 、 セ ル フ ( self)に つ い て 、 セ ル フ を 打 ち 出 す 力 、 ア イ ・ ア ム ・ ア イ を 宣 言 す る 能 力 、 ノ ー と 相 手 を 拒 否 す る 能 力 を 強 調 し て い る 。 ま た 、 実 存 主 義 的カ ウ ン セ リ ングでは、赤面 や他の症状があったとしても、言うべきことは言い、なすべきことはな している人間を 、健全であると 考える。2つの理論 とも、ここぞという時 は自分を打ち 出すことの大切さにふれている。 -3- 自己概念 「 私 は ∼ な 人 間 で す 」 〈ねらい〉自己理解・他者理解 〈内容〉1人に カードを2枚配 り、1枚に1つずつ 自己概念を書く。たくさんある自己 概 念 の 中 で 自 分 の 言 動 に 一 番 影 響し て い る も の を 2 つ 選 ん で 書 く 。 4 人 1 組 に な り 、 自 分の自己概念について表明する 。その後で、1人ず つ他のメンバーからフィードバック する。 〈背景となる理論〉自己理論、ゲシュタルト療法 自己理論で は、自己概念の 変容が行動(性格) 変容の核である。し か し、一度でき あ が っ た 自 己 概 念は 変 わ り に く い も の で あ る 。 し か し な が ら 、 他 の メ ン バ ーと の リ レ ー ションがあり、 自分の世界をそのまま受け入れてくれる味方であると感じるならば、人 は自分から自己概念を変えるのである。 自己概念は他 者の評価を取り 入れて形成される。 メンバーからのフィードバックによ り、自己理解が深まり、自己概念 を再構成することにもつながる。 ま た 、 同 一 人 物に 対 し て 自 分 と 全 く 異 な る フ ィ ー ド バ ッ ク を す る 人 が い る こ と を 知 れ ば、自分のゲシュタルト(見方 、考え方、受けとり 方)が固執していたことに気づくこ ともある。 未 完 の行 為 の 完 成 〈ねらい〉感情表現 〈 内 容 〉 ど ん な こ と が し た い か を紙 に 書 き 、 リ ー ダ ー に 提 出 し 、 始 め る 。 例 え ば 、 幼 少 期に母と別れた 人が一度「お母 さん」と呼んでみたいと思っている場合、 メンバーの誰 かを母親に見立 てて「お母さん !」と連呼する。そ の後満ち足りた気持ちになる。つま り、未完の行為が完成したことになる。 〈背景となる理論〉ゲシュタルト 療法、精神分析 したいことをしまいままでいるといつまでも根に 残り、釈然としない。 これを未完の 行 為 (unfinished work)と い う 。そ れ を 完 成 し て し ま え ば 、気 持 ち が す っ き り と す る (senseof achievement が あ る )と い う こ と で あ る 。 上 の 例 で は 、「 お 母 さ ん 」 が 「 図 」 で あ る が 、 叫 ん で 気 が 晴 れ 晴 れ ( 欲 求 充 足 ) し た 時 、「 図 」 が 「 地 」 に な る 。 構 成 的 グ ル ー プ・ エ ン カ ウ ン タ ー で は 、 感 情 転 移 や 対 抗 感 情 転 移 を 恐 れ ず に 表 現 せ よ という。父に甘 えられなかった 女性が、年長の男性 に愛情表現したいのが 正直な気持ち なら、それを表 現せよと主張す る。愛情・怒り・憎 悪の感情転移などは「 未完の行為の 完成」である程度解消できる。 内観法 〈ねらい〉感謝の念 〈 内 容 〉壁 に 向 か っ て 座 り 、今 ま で の 人 生 で 深 い 関 わ り を も っ た 人( 母 、父 、師 、先 輩 、 上 司 、配 偶 者 な ど )を 1 人 思 い 出 し 、そ の 人 に「 し て も ら っ た こ と 」「 し て 返 し た こ と 」 「迷惑をかけたこと」の3点を連 想する。時間は15分。 いかに人さまのおかげで自分 は生きてきたか、いかに自分は人からの好 意や愛情に包 まれてきたか、 いかに自分はもらうばかりで人さ ま に返していないかを気 づかせる方法 である。自分の力だけで生きてきたのではないという自分の実態を知 る方法である。 -4- 〈背景となる理論〉ゲシュタルト 療法・実存主義的アプローチ 吉本伊信が浄土真宗の「身調 べ」という求道法か ら宗教的色彩をとり除 いて、現代人 向 き に 修 正 し た も の で あ る 。 今 ま で 自 分 の 母 親 ほ ど 冷 淡 な 女 は い な い (「 図 」) と 思 っ て い た人 が、 母が 着 物を 質入 れ し て修 学 旅 行 の費 用を つ く っ て く れ た こ と を思 い 出し (「 地 」 が 「 図 」 に な る )、 い か に 自 分 が 愛 を 受 け て い た か と い う こ と に 感 謝 し 、 今 ま での自分のあり 方を懺悔するようになる。そして、 内観を繰り返すことにより、修学旅 行の朝早く母が 作ってくれたおにぎりの香りが二十数年後の今、生き生きとよみがえっ てきて、その朝 の母の気持ちを 再体験する。その時 は「地」であった感情 が遅まきなが ら「 図 」に な っ て 、そ の「 図 」を 実 感 を も っ て 味 わ う( 感 情 体 験 experiencing、体 験 過 程 ) よ う に な る 。 ま た 、 ゲ シ ュ タ ル ト療 法 で い う と こ ろ の、 そ の 時 の 本 当 の 自 分 に コ ン タ ク トできたということになる。 実 存 主 義 で は 、 人 間 を 「 世 界 内 存 在 」 と 考 え る 。 他 と の 関 係 に お い て の み人 生 は 存 在 しうるという思 想である。実存主義は天上天下唯我独尊でありながら、そ の独尊は他と の関連なしには 存在しえないのである。それゆえにこそ、独尊が独善や利己主義にはな らないのである。人と共に生きる 姿勢がおのずから出てくるのである 。 マッサージ 〈 ね ら い 〉 信 頼 体 験 ・ 感 情 交 流の 促 進 〈内容〉1人が フロアに横臥し 、7人が身体の各 部 分を分担して同時にマ ッ サ ー ジ をす る 。 ス キ ン シ ッ プ を 「 与 え る 」 体 験 、「 受 け 入 れ る 」 体 験 を す る 。 〈背景となる理論〉交流分析 「 C か ら M P 」「 M P か ら C 」 相 補 的 交 流 の 体 験 で あ る 。「 マ ッ サ ー ジ を す る 側 」 は 、 C を 発 揮 し 、相 手 に 任 せ き り 、人 の 好 意 を 気 持 ち よ く と ら え る 。「 マ ッ サ ー ジ を す る 側 」 は、MP(母的愛、いたわりややさしさ)をフルに発動させる。 私 は 私が 好 き で す 〈ねらい〉自己受容・自己理解 〈 内 容 〉 4 人 1 組 に な り 、 順 番 に 「 私 は 私 が 好 き で す 。 な ぜ な ら ば ・・・・・・だ か ら で す 」 と い う 具 合 に 、 ポ ジ テ ィ ブ な 自 己 概 念 を 他 の メ ン バ ーに 語 る 。 1 回 に 1 つ ず つ 、 何 回 も 番が回ってくるたびに言う。 〈背景となる理論〉ゲシュタルト 療法、論理療法 ゲ シ ュ タ ル ト 療 法 で は 、 100 % 臆 病 な 人 も い な い し 、 100 % 勇 敢 な 人 も い な い と 考 え る 。も し 、ど う し て も 自 分 は 欠 点 の 固 ま り で 好 き な と こ ろ が な い と 言 う 人 が い た ら 、「 欠 点 の 逆 を 言 え 」 と 指 示 す る 。「 地 」( 今 ま で 気 づ か な か っ た 自 分 ) を 「 図 」( 意 識 化 ) に 持ち込む方法である。例えば、 口下手といっても切 符を買ったりラーメン を注文したり する瞬間は「雄弁」なのである。 1%は雄弁であるといえる。 自 分 の 欠 点 を 「 い や だ な ぁ 」 と 思 う 感 情 は 「 私 は ・・・な 自 分 が 好 き で は な い 」 と 言 う 文 章 記 述 を し て い る こ と で あ る 。 一 方 、「 う れ し い な ぁ 」 と 思 う 感 情 は 、「 私 は ・ ・ ・ ・な 自 分 が 好 き で す 」 と い う 文 章 記 述 を し て い る こ と で あ る 。 す な わ ち 、「 感 情 イ コ ー ル 言 語 」 な の で あ る 。 そ れ ゆ え 、 感 情 を 変 え る た め に は 言 語 記 述 を 変 え れ ば よ い。 不 健 全 な 感 情 は 不 健 全 な 文 章 記 述 に 由 来 し て い る 。 エ リ ス は こ れ を 「 非 論 理 的 」 (irrational) と い っている。 -5- 私 は ∼さ ん に 似 て い ま す 〈ねらい〉自己理解・他者理解 〈 内 容 〉 4 人 1 組 に な り 、 順 番 に 「 私 は ∼ さ ん に 似 て い ま す 。 な ぜ な ら ば ・・・・・・だ か ら です」という具 合に、人に対す る自分の印象を他の メンバーに表明する。 1回に1つず つ 、 何 回 も 番 が 回 っ て く る た び に 言 う 。「 自 分 に 似 て い る 人 が い な い 」 と メ ン バ ー が 訴 えても何か似ているところを探してくださいと迫る。 〈背景となる理論〉ゲシュタルト 療法、自己理論 ゲ シ ュ タ ル ト 療 法 の 、「 地 」( 今 ま で 気 づ か な か っ た 自 分 ) を 「 図 」( 意 識 化 ) に 持 ち 込む方法である。 ロ ジ ャ ー ズ は 、自 分 が 自 分 を ど う 評 価 し て い る か が 、人 間 の 行 動 を 規 定 す る と 考 え た 。 自分が自分にどんなイメージをもっているかが自己理論の中心課題である 。この自己イ メ ー ジ の こ と を 自 己 概 念 (self concept)と い う 。 健 全 な 人 間 と は 、 事 実 の 自 分 (actual self)に 基 づ い た 自 己 概 念 を も つ こ と で あ る。( 自 己 一 致 ) 私が全知全能の神ならば 〈ねらい〉他者理解・自己理解 〈内容〉4人1 組になり、順番 に1人のメンバーに 対して、他のメンバー が「私が全知 全 能 の 神 な ら ば 、 ∼ し て あ げ た い。」 と 言 っ て い く 。 次 の 人 に 交 替 す る 。 〈背景となる理論〉自己理論、交流分析 メ ン バ ー か ら の ス ト ロ ー ク (「 存 在 の 承 認 」) を 受 け る こ と に よ り 、 自 己 理 解 も 深 ま り、自己分析・ 自己改造への意 欲も高まる。ストロークを与える側は、それによって自 分はどんな人間で、人に何を期待 しているかがわかってくる。 トラスト ・ フ ォ ー ル 〈ねらい〉信頼体験 〈内容〉2人1 組で、一方が後 ろに倒れるのを他方 が後ろから支える。エクササイズ中 は 話 を し て は い け な い 。 役 割 を 交 替 す る 。 エ ク サ サ イ ズ 後 に 、「 支 え る 体 験 」「 支 え ら れる体験」を通 して、気づいたこと、感じたこと、 あるいは学んだことを グループごと に語り合う。 〈背景となる理論〉交流分析 支えるには体 力、力強さが必 要であり、トラスト される側は、FP(父的愛)を発揮 す る 。ト ラ ス ト す る 側 は 、自 分 が ど の く ら い 人 を ト ラ ス ト で き る か を 知 る こ と が で き る 。 -6- トラスト ・ ウ ォ ー ル 〈ねらい〉信頼体験 〈 内 容 〉8 人 1 組 に な り 、1 人 の メ ン バ ー の 周 り を 他 の メ ン バ ー が 囲 む よ う に し て 立 ち 、 倒 れ る の を 支 え る 。 エ ク サ サ イ ズ 中 は 話 を し て は い け な い 。 全 員 が 体 験 し た 後 で 、「 支 え る 体 験 」「 支 え ら れ る 体 験 」 を 通 し て 、 気 づ い た こ と 、 感 じ た こ と 、 あ る い は 学 ん だ ことをグループごとに語り合う。 〈背景となる理論〉交流分析 支えるには体 力、力強さが必 要であり、トラスト される側は、FP(父的愛)を発揮 す る 。ト ラ ス ト す る 側 は 、自 分 が ど の く ら い 人 を ト ラ ス ト で き る か を 知 る こ と が で き る 。 また、自分は多くの人に支えられていることを実感する。 トリップ ・ ト ゥ ・ ヘ ブ ン 〈ねらい〉信頼体験、他者受容 〈内容〉8人1 組になり、1人 のメンバーがフロア に横臥し、その周りを 他のメンバー が 囲 む よ う に し て し ゃ が む 。も の も 言 わ ず 、静 か な 雰 囲 気 で 、ゆ っ く り と 上 に 持 ち 上 げ 、 ゆ っ く り と 降 ろ す 。「 任 せ き っ て い る 自 分 」「 任 せ き ら れ て い る 自 分 」 を 味 わ い な が ら 行う。全員が体 験した後で、エクササイズを通して 気づいたこと、感じたこと、あるい は学んだことをグループごとに語 り合う。 〈背景となる理論〉交流分析、論理療法 トラストさ れ る側は、温か さ と受容性を示す こ と で あ る 。また、他のメ ン バ ー に自分 の な し 得 る こ と を さ せ て い た だ く 気 持 ち を も つ こ と で あ る 。人 に 愛 を 与 え る こ と で あ る 。 「 有 縁 度 す 」( 親 鸞 ) で あ る 。 ト ラ ス ト す る 側 は 、 ど の く ら い人 を ト ラ ス ト で き る か を 知 る こ と が で き る。 ま た 、 多 くの人に支えられている自分を実 感することができる。 〈参考文献〉 ・ 國 分 康 孝 、 1981: エ ン カ ウ ン タ ー 、 誠 信 書 房 ・ 國 分 康 孝 、 1980: カ ウ ン セ リ ン グ 理 論 、 誠 信 書 房 -7-