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グループシナジーの追求により、 物流のイノベーションを創出します
Message from Chairman and President グループシナジーの追求により、 物流のイノベーションを創出します SGホールディングス株式会社 代表取締役会長 兼 社長 6 SG HOLDINGS GROUP Corporate Social Responsibility Report 2013 | Message from Chairman and President | 東日本大 震 災の発 生から丸2年を経て、 今なお厳しい環 とはいえませんでした。厳しい事業環境であることは確かで 境の中で復旧・復 興に取り組んでいらっしゃる皆 様に改め すが、他業界を見ればそのような中においても、事業規模の てお見 舞いを申し上げますとともに、SGホールディングス 大小を問わず、世間に認められる収益を出していける企業は グループとして、 今後も支 援 活動を続けていく決 意を重ね あります。 その根底にある変革へのたゆまぬ情熱やスピード てお伝え申し上げます。 感のある事業判断力などを、私たちは改めて学ばねばならな いでしょう。 変化する事業基盤と 果たし続けるべき社会的責任 運 送 業は今、社会の劇的ともいえる変化に直 面し、将 来 7万名の従業員の情報は 創造の“源泉” の新たな事 業モデルの構築に向けた厳しい戦いを強いら 2013年度から新しい中期経営計画「Third Stage Plan」 れています。 をスタートさせました。その根本 的な考え方を一言であら 国内人口の減 少により、宅 配 便 市 場での荷 物の輸 送・ わすならば、 「SGホールディングスグループのシナジーの追 配送量の大幅な増加を見込むことができない一方で、 イン 求」です。 ターネット取引(通信販売)に関わる荷物の輸送・配送量は SGホールディングスグループでは毎日、約3万名のセー 急増しています。荷物の小型化と近距離輸送の増加による ルスドライバーRやスタッフが 荷 物の受けわたしを通じて 輸送単価の下落も起きており、 それを解消し適切な収益を お客 様と接しています。またグループ全体で約7万名の従 確保できる本来の姿への回復が、運 送事 業 者の喫緊の課 業員が、さまざまな事業を通じて世の中の動きに関わって 題となっています。 います。 事業基盤が劇的に変化している反面、私たちには変わら これだけの膨 大なスタッフが 集める情報は、新たなニー ない役割もあります。物流事業は産業や社会の重要なイン ズや付加価値の“源 泉” となるものです。それらの情報の共 フラのひとつであるとともに、車 両を使 用することから交 有や加工を通してグループのシナジー効果を探り、荷 物を リスクが避 通事故やCO2 排出のリスクを常に持っています。 運ぶだけではない新しいサービスを創造していく。 それが、 けられないからこそ、物流 事 業 者には日々の事 業において 現代の運送事業者の使命だと考えています。 交 通 安 全や環 境 対 策に取り組む 責任があり、事 業を通し 私は過去に「10年後の当社は、荷物を運んでいないかも て社会に貢献していける企業グループでなければなりませ しれない」と将 来 像を示しました。その意 味は、運 送事 業 ん。私たちの社会的責任(CSR)は、事業活動と分けては考 は、情報を核とするサービス産業 への転換を図らなければ えられないものなのです。 ならないというものでした。基 本 的な考え方は、 今も変わ 社 会と密 接に関わり、影 響を及ぼす事 業を行いながら ることはなく、 「Third Stage Plan」においても強く反映させ も信頼され続けていくためには、社会の変化に柔軟に対応 ています。 し、さらにお客 様や株 主、地 域 社会、お取引先、 そして従 業 「Third Stage Plan」で私は、 「グループ内外の経営資源 員といったステークホルダーの声をよく聞くことが 重 要で す。私たちは、これからも安全で環 境負荷の低い物流 事業 の実現を目指し、社会のニーズを捉えた新しいサービスや ソリューションを提 供し、より充実した社会インフラをつく ることで、豊かな社会づくりに貢献していきます。 第2次中期経営計画を踏まえ 次の一歩へ 2006年に持株会社であるSGホールディングスを設立。 持株会社方式によるグループ体制のもとで、各事業会社 が機動的な経営を行い、 その上で「First Stage Plan」 (2007〜 2009)、 「Second Stage Plan」 (2010〜2012)の2つの中期経 営計画を通してグループの総合力の基盤づくりを推進してき ました。 「Second Stage Plan」では宅配便事業での収益基盤の一 層の強化、宅配便事業に次ぐ第2、第3、第4の事業の育成に も取り組みましたが、一部を除いて十分な成果があげられた 7 2013 〜 2015 年度中期経営計画「Third Stage Plan」 活用と連 携深 化で新たな価値を創造し、経営基 盤 強 化と 全ての考え方や議 論の中心に常にステークホルダーを 永 続 的な成長を目指します」という新しい経営ビジョンを 据える企 業 文化 の 醸 成に力を注ぎます。さらに、事 業 活 掲げました。さらに、①グループ収 益力の極大化、②事業領 動を通じて社会的な課 題の解決を目指すCSV(Creating 域 拡 充によるグループ 総合力向上、③経営基 盤の強化・高 Shared Value:共 通 価 値の創 造)についても、SGホール 度化、④ステークホルダー経営の本 格導入、 という4つの基 ディングスグループらしいCSVとは何かを探究します。 本戦略を示しました。 環 境については、天然ガストラックを採用する一方、 トラッ すでに、期待される事 業が 動き出しています。大 型商業 クに替わる新たな輸送方法を取り入れ環境負荷の低減に取 施設内のテナントへの集配送のみならず、納品車両や荷捌 り組んでいます。 また、館内物流サービスの拡充やクリーンエ き管 理を一括して請け負うことでセキュリティ強 化や地 域 ネルギー供給事業 (太陽光発電) への参入などを通してCSV の環 境 保 全に貢 献する「館内物流サービス」。グループ各 への経 験と知見を蓄 積してまいります。各 種の社会貢 献 活 社が協力して、メーカー企 業の製品の回収・返品・リサイク 動についても社会の要請にマッチしたあり方を検 証しなが ルなどの輸 送と周辺の付帯 業 務を一 体 的に対応する「リ ら、 より貢献度の大きい施策へと改善していく予定です。 バース・ソリューションサービス」などです。 従 業員に関しては、女性従 業員の活躍とワークライフバ また3PL(サードパーティ・ロジスティクス)では、長年の ランスの推 進のため、2011年から「わくわくウィメンズプロ 実績とノウハウを持つ株 式会社 ハマキョウレックスとの国 ジェクト」を立ち上げ、取り組んでいます。グループ 事 業の 内3PL事 業の統合を柱とする資本・業務提 携に合意しまし 30%を女性従 業員で担うことを目標とする一方で、法 定基 た。さらにシンガポールには海 外 事 業統括 会社である「SG 準よりも長い育児休暇制度の導入などにより、新しい時代 HOLDINGS GLOBAL PTE. LTD. 」を設立してM&Aも含め の新しい働き方と、新しい運 送事 業の姿を創造しようとし たグローバル戦略を推進していきます。 ています。 これからもさまざまなステークホルダーの皆様の声に耳 ステークホルダー経営の 本格導入と CSV の探究 基 本 戦略の4つめに示したように、ステークホルダー経 営の本 格導入にも取り組みます。 8 を傾け、社会に必要とされる存在であり続けるために、また 選ばれる企業グループであり続けるために努力を重ねてま いります。SGホールディングスグループの今後の事業展開に ご注目ください。