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Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年8月5日 インド、改革の本丸がようやく前進 インド上院で中央と州が異なる税金を徴収することが定められた憲法の改正案が通過しました。現行の間接税の簡 素化を目指したGSTが導入となれば、インド経済の効率が改善することにより経済成長率の上昇が期待されます。 インド物品サービス税(GST):上院で憲法改 正案可決、GST導入に向け弾み インド議会上院は2016年8月3日、現在は州ごとに異なる間 接税を統一する「物品・サービス税」(GST)導入に向けた憲 法改正案を3分の2以上の賛成多数で可決しました(図表1参 照)。インド経済の非効率の典型例として、長年の課題となっ ていた各州ばらばらの税率が統合へ向け動き出しました。与 党が過半数を握る下院でも近く可決し成立する見通しで、税 率などを決定する必要はありますが、実現すれば産業の効 率化を通じて成長率が高まる可能性が見込まれます。 どこに注目すべきか: インド間接税、GST、モディ首相、税率 インドの現行の間接税の簡素化を目指したGSTが導入とな れば、インド経済の効率が改善することにより経済成長率の 上昇が期待されます。GST導入の注目点は次の通りです。 まず、今回のGST導入に向けた動きの中で憲法改正案が上 院を通過したことの意義が大きいと思われます。インドの憲 法は中央と州が異なる税金を徴収することが定められてお り、議会で3分の2以上の賛成による憲法修正が必要となり ます。問題はインドの議会構成は下院はともかく、上院では 少数与党となっていることです。2014年に就任したインドの モディ首相には、少数与党ゆえの改革の遅れが指摘されて います。 インド株式市場はモディ首相就任以降、経済改革への期待 から上昇傾向となりましたが、その後反動が見られます(図 表2参照)。インドの経済は比較的堅調な中、株式市場が軟 調だったのは少数与党のため思うように改革が進まなかっ たことも要因の一つにあげられると思われます。 しかし、2016年になって、少数与党であるがゆえに改革が進 まない状況に変化の兆しが見られます。例えば、2016年2月 にインド政府が発表した16年度予算では農村への配慮を拡 充したことで議会運営は比較的スムースとなり、モディ首相 への求心力が高まったように思われます。また、2016年5月 ピクテ投信投資顧問株式会社 には破産法案が少数与党の上院を通過し、銀行不良債権処 理進展の円滑化が期待されています。 2016年新興国株式は回復傾向となっていますが、主な背景は 原油価格の上昇と見られます。インドのように輸出国というより は商品輸入国の株式市場が同時期に回復傾向であることは 経済改革への期待が再び高まったことも下支えした可能性が あります。今回のGSTも3日の上院での可決前から、今度こそ はという期待も見られました。 報道などを見ると、調査機関ではGST導入により、インドの成 長率が1~2%程度上昇すると見ており、インドに対する潜在的 な期待は高まったと見られます。ただし、GST法案成立には下 院の可決や州の批准などが求められ、またGST税率決定も今 後の課題です。改革進展への期待という株式市場の上昇から GST法案の内容へと注目がシフトすると見られます。 図表1:インドの間接税の主な内容 物品 サービス 税率 国/州 税率 段階 標準 下限 課税免除 項目の数 国税 8 12 6 300 州税 3+ 12.5~14.5 4~5.5 90 国税 11 12.4 4.1 州税 課税は認められていない 出所:Report on the Revenue Neutral Rate and Structure of Rates for the Goods and Service Tax(GST)を使用しピクテ投信投資顧問作成 図表1:インドS&P・BSEセンセックス株価指数の推移 (日次、期間:2014年8月4日~2016年8月4日) 30,000 改革期待 が後退 株価指数 28,000 26,000 24,000 22,000 14年8月 モディ首相 改革期待 インドS&P・BSEセンセックス株価指数 15年2月 15年8月 16年2月 16年8月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。