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3 角度 4 真円度
基礎編 3 角度 角度は円弧部分の長さと半径との比によって決 まるものである。 図面に表されている角度寸法には、角度そのも また、直角度の検査時には直角ゲージ(スコヤ) を利用し、測定物とスコヤとの間にできる隙間の 具合を目視判断し直角の出来を判断する場合、特 のが部品の機能として必要であるとき、また組み に製作途中のチェック時に用いる場合などに多い。 付けた際に相手と干渉を避けるための「逃げ」と サインバーは 2 つのローラーへ測定面となる平 してつけるもの、外観の意匠デザインとして傾斜 行ベースを取り付けたもので、ローラー片方の高 部を設けるものなどがある。 さを変え、測定面に角度を与えて角度を持つ部品 度・分・秒の測定範囲で分けた場合や度の単位で 加工や測定に使われるものである。ローラー間の 角度を確認したい場合には「半円分度器」 で十分測 距離が 100 mm と 200 mm の種類がある。特に精 定できる。180°の間で 1°単位で目盛りが刻まれ、 度が必要な部分としてローラー間距離とローラー プラスチック製で透明なものが多く、非測定物の の円筒度がある。 上から目盛りを合わせて測れるためわかりやすい。 1 分単位で角度を確認したい場合、最小単位 5 分であればベベルプロトラクタが利用できる。ベ ベルプロトラクタとは写真 1 のようにアナログ式 のものではノギスと同様の原理で 23∼24°を 12 等分し、 (1/12) ° =5′の単位で読めるものである。 デジタル式のものには最小単位 1′で測れるもの がある。 4 写真 1 ベベルプロトラクタ 真円度 真円度は形状公差の 1 つであり、円形形体の幾 れ、球の場合は中心を通る仮想平面上に現れる。 何学的円からの狂いの大きさである。もしくは円 次に、図 2 に真円度の図面への記入方法を示 形形体を 2 つの同心の幾何学的円で挟んだときの す。図 2 の円筒形体は、直径の寸法公差±0. 2 mm 同心二円の間隔が最小になる場合における 2 つの の範囲内で真円度公差 0. 02 mm に規制される。 円の半径差のことである。 円筒表面の任意の軸直角断面において、実測した 図 1 に円筒の軸直角な任意の横断面図を示す。 円周線は同一平面上でかつ半径距離で 0. 02 mm 真円に見える円筒の製品においてもマイクロメー だけ離れた 2 つの同心円の間になければならない。 ター(μm:0. 001 mm)の領域に視点を置いて 円筒表面が円錐形状になったり、太鼓形状になっ 観察してみると、断面は凸凹している場合が多い。 たりしても真円度公差の規制外である。 さらに穴のあいた薄肉の製品ではおむすび型のよ うな断面をしている場合も珍しいことではない。 それでは改めて図 1 に示した断面の真円度の大き さについて考えてみる。真円度は、2 つの幾何学 t 的円で挟んだときの同心二円の間隔が最小になる 0.02 2 つの円の半径差、すなわち t のことである。図 φ50±0.2 1 上の幾何学的円は、最小二乗平均円と呼ばれる。 真円度は、円筒、円錐、球などの回転体の表面 要素であり円形形体の特徴でもある。また円形形 体は、円筒、円錐の場合に軸直角仮想平面上に現 20 図 1 横断面図 図 2 真円度の記入法 プ レ ス 技 術